「藤沢さん、どうしてそう思うのかしら?」
「これも海老名先輩が言っていたんですけど、グループの一人に相談したけどダメだったって」
「どうなの?葉山君」
「…」
「また黙りなのね」
「優美子に相談してた様子はないし、大岡君と大和君に話すとも思えないし…」
「そうなんですか?葉山先輩」
「お、俺には出来なかった…」
こ、この人は…。八幡さんが何も言わないのをいいことに…。
「お、おい、沙和子…」
気がついたら、立ち上がっていた。
「葉山先輩、八幡さんが『嘘告白』をしたのが噂になってるのは知ってますよね?」
「あ、ああ」
「貴方たちのグループの為にそうなっているんですよ。何とも思わないんですか!」
「よせ、沙和子!」
「で、でも…」
うう…、言い足りない。
「なぁ、葉山。お前はどうしたいんだ?」
「俺はみんな仲良く…」
「また俺が犠牲になればいいのか?」
「そ、そんなことは…」
「俺に個人的に相談してきた時点でダウトだ」
「だったらどうすれば…」
「知るかよ。お前が考えろ」
「そんな無責任な」
「責任転嫁してるお前が言うな」
「葉山先輩は八幡さんを陥れたいんですか?」
「そんなつもりは…」
「実際、そうなってるじゃないですか!」
「沙和子、落ち着け」
「…はい」
「葉山、自浄出来ないグループなら、それまでだ。諦めるんだな」
「そんな…」
あれ?雪ノ下先輩と由比ヶ浜先輩の周りに怒りのオーラが見える…。
「無責任は貴方よ、葉山君」
雪ノ下先輩が…。それでは、暗黒面に堕ちてしまいます。
「どっちにもいい顔しようとするから、こうなるのよ。所詮、貴方は昔から変わっていなかったのよ」
「隼人君、なんでそう言ってくれなかったの!言ってくれたら、もっと別の方法も考えられたかもしれないんだよ!」
由比ヶ浜先輩まで…。
「そのへんにしといてやれ」
「まだよ」
え?雪ノ下先輩?
「葉山君、貴方が…貴方が…こんな依頼しなければ!」
「お、おい、雪ノ下」
雪ノ下先輩が葉山先輩の胸ぐらを掴んだ!ヤバイ!ヤバイ!
「私は比企谷君と付き合えたかもしれないのよ!!どうしてくれるのよ!」
雪ノ下先輩が壊れた!
「そうだよ隼人君!!」
由比ヶ浜先輩も参戦!
葉山先輩がぐわんぐわん揺すられてる!
「沙和子!一色!二人を止めてくれ!」
「は、はい!」
~~~~~~~~~~
「ごめんなさい、取り乱してしまって」
「ごめんね」
「まったくだよ」
やっと、落ち着いてくれました。
「葉山先輩」
「なんだい?」
「人を好きになる気持ちは止められるものじゃありません。中途半端に介入するとこうなります。海老名先輩と戸部先輩とちゃんと話をしてください」
「隼人君、あと優美子にも相談しようよ」
「あぁ、そうするよ」
「こんなんでいいか?海老名さん」
え?海老名さんなんて…。
扉が開いた…。海老名先輩!
「はろはろ~。さすが比企谷君」
「ボッチの観察力を侮るなよ。…ん?『比企谷君』?」
「まぁまぁ、気にしないの」
「戸部も居るんだろ?」
「ちい~す」
「私はね、比企谷君をはじめ、みんなに謝ろうと思ってね」
「海老名さんは気にしなくていいわ。悪いのはこの葉虫くんよ」
は、葉虫…。
「あはは。私達はもう大丈夫よ。ね、ヒッキー」
「まあな」
「ヒキタニく~ん、雪ノ下さん、結衣ちゃん、ごめんな」
「『ヒキガヤ』です!」
「すいません」
「こっちこそ、すまなかったな。戸部も気にするな」
「それと、比企谷君の彼女怖いな」コソコソ
「俺もそう思う」コソコソ
「コソコソ話さない!」
「はい!」
「はい!」
「それと、もう1つあるんだよ」
戸部先輩が海老名先輩に向き直った。
「海老名さん、好きです。付き合ってください」
えっ!ここで戸部先輩が!
「ごめんなさい。私、好きな人がいるから」
「そっか~」
「でも、戸部っちとは友達でいたいな」
「おう!今はそれでいいべ。いつか振り向かせてやんよ」
戸部先輩、海老名先輩、ちゃんと言えてよかった。
海老名先輩が私に目配せを…。
はっ!今なの!
「比企谷八幡君」
「へ?俺?」
「好きです。付き合ってください」
みんなキョトンとしてる。それはそうですよね。
「あ、いや、海老名さんが俺のことを好きになる理由がわからん」
「前にも言ったけど、比企谷君となら上手く付き合えそう。それに、あんなことされたら、嫌でも気になるよ」
「まぁそのなんだ。気持ちは嬉しいが、俺には付き合ってるひとがいるから…。その…、すまない」
「うん、わかってたよ。ね、藤沢ちゃん」
「はい。絶対にNTRはさせませんよ」
「だとよ葉山。あとはお前だけだ」
「お、俺は…」
八幡さんがドアに向かって歩きだした。
「三浦、こいつらの話を聞いてやってくれ」
ドアを開けると八幡さん達と同じクラスの金髪の人が…。
「あ、あーしは…」
俯いて、今にも泣きそう。
「雪ノ下、すまんが部室をこいつらに貸してやってくれないか?」
「仕方ないわね。一色さんもいいわね?」
「はい、了解です」
「由比ヶ浜、頼むぞ」
「任せて」
「海老名先輩…」
「大丈夫よ、藤沢ちゃん」
この後、どんな話になるかはわからないけど、由比ヶ浜先輩と海老名先輩を見る限り大丈夫そうだ。
それにしても…。
「八幡さん、色々抱え込み過ぎです」
「うぐっ!すまん」