はぁ、今日も学校かぁ。
働きたくないでゴザル。
と、思いながらも足は教室へ…。なんかすげぇ視線を感じるなぁ…。気のせいだろ、どうせ俺なんか誰も見てないだろうしな。
教室でイヤホンで『Roselia』の曲を聞きながら机に伏せていると、戸塚がやってきた。
「おはよう、八幡」
「おはよう、戸塚」
はぁ戸塚、可愛いなぁ…。
「どうしたの?そんなにジッと見て」
「なぁ、戸塚は異国のお姫様なんてことはないよな?」
「何言ってるの。僕、男の子だよ」
「そうだよな」
「それより、八幡!昨日は生徒会の書記の娘と手を繋いで帰ったんだって?」
見られてたのは、そのせいかぁぁぁ。
「ん?いや、気のせいじゃ…」
「ヒッキー…、おはよう…」
由比ヶ浜が挨拶してきた。
「由比ヶ浜、やっはろーはどうし…」
由比ヶ浜の目のハイライトが消えてる…。どこかのメインヒロインみたい…。
「放課後、部室でゆっくり…お話ししようね…」
怖い怖い、あと恐い。
「なぁ、戸塚。なんか由比ヶ浜、怒ってないか?」
「さぁ、知らない。先生来たから、またね」
戸塚に冷たくあしらわれて、落ち込んでたら、あっという間に昼休み。
ベストプレイスに向かおうと思ったら、一年生の女子に止められた。この前、藤沢に近づくなって言ってたヤツだ。
人の少ない階段に移動。昨日のこと言われるのかなぁ。面倒くせぇなぁ。
「比企谷先輩…」
「あ~、昨日は…」
「この前は、すいませんでした!」
「え?」
何、この深いお辞儀…。
「比企谷先輩に、あんなこと言ってしまって…。比企谷先輩は沙和子の気持ち知ってるんですよね?」
「あ、いや、それは…」
「比企谷先輩も沙和子のこと、真剣に考えてくださいね」
「あ、え、おう…。わかった」
照れ臭いなぁ…。
「まぁ、あれだ、お前も気にするなよ」
「…」
「ん?どうした?」
「い、いえ…。ありがとう…ございます」
「じゃあ、俺は昼飯に行くから」
なんだったんだ?赤い顔して。熱でもあるのかな?
午後の授業も恙無く終わり、部室へ…、部室行きたくねぇなぁ…。
「ヒッキー…」
「由比ヶ浜…」
「部活…行くよ…」
由比ヶ浜のハイライトが仕事してない…。
「あ、いや、ほら、あれが、これだから…」
「行くよ…」
「い、行くから、襟をひっぱるなよ」
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今日は朝から私の周りが騒がしい。理由はわかっている。
「ねぇ、藤沢さん!昨日、一緒に帰ってた人って彼氏?」
「沙和ちゃんの彼氏って格好いいね。なんていう人?」
「沙和子ちゃん、昨日のイケメン紹介してよ!」
あれ?思ったのと違う方向でも賑やかになってる。
「沙和子、凄いことになってるね」
先輩にヒドイこと言ったモブ美が声をかけてきた。昨日、あんな感じで別れちゃったから、少し気まずい。
「沙和子、ごめんね」
「え?」
「私、沙和子が好きな人にヒドイこと言っちゃって」
「う、ううん。わかってくれればいいの」
お陰で比企谷先輩に頭を撫でてもらえた…、とは言えないけど。
「私、昼休みに謝ってくるよ」
「うん、優しい先輩だから許してくれるよ」
午前の授業が終わり、モブ美が謝りに行くと教室を出ていった。一緒に行こうかと言ったら一人で大丈夫と言っていたので、教室で待つことにする。
モブ美が赤い顔をして帰ってきた。
「おかえり。許してくれたでしょ?」
「うん…」
モブ美の様子がおかしい…。
「どうしたの?」
「なんか、格好良かった…」
「え?」
「『気にするな』って、言ってくれたんだけど、その時の顔が…」
そのまま赤い顔してうつむいてしまった。
そうだよ、モブ美。比企谷先輩は格好いいんだよ。でも、誰にも譲らない…。生徒会長にも、雪ノ下先輩にも、由比ヶ浜先輩にも…。
でも、比企谷先輩が有名になってモテるのは嬉しいけど、ちょっと複雑だなぁ…。
午後の授業も終わり、生徒会がないので、どうしようか思案していると、生徒会長からLINEが来た。
【昨日の件でお話しがあります。奉仕部へ来てください。先輩は確保しました。】
ど、どうしよう…。とりあえず、奉仕部に向かうことにした。