墨影二郎丸は影柱(仮)に就任しました   作:トライオ

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これは「就任、影柱(仮)」の続きの話となっています。最終選別から後の話は過去編として書いて行こうと思っています。


影柱(仮) 墨影二郎丸
柱合会議


影柱(仮)に就任することが決まった後、御館様から翌日の柱合会議に参加するように言われた。そして屋敷を出た後、和菓子屋に立ち寄っていた。

 

「どれにしようかな~。」

 

二郎丸は手土産を探していたのだが、どれにするか悩んでいた。目の前に並べられた様々な和菓子、どれも美味しそうだが、流石に全て買うというのは無理な話だった。

 

「…すみません、ちょっといいですか?」

 

「は~い!」

 

結局、自分では決めることは出来ずに店員に頼ることにした。

「この店のおすすめってありますか?」

 

「それでしたら、こちらの羊羹がおすすめですね、」

 

呼び掛けに答えた若い女性の店員がそう言った。

 

「良かったら一つ食べてみますか?」

 

「え、いいんですか?」

 

そして差し出された羊羹を一切れ掴む、食べてみれば舌触りが非常に滑らかで上品な甘さが際立っていた。

 

──確かにこれは美味い、よし決めた。

 

「すみません、これと同じ物を十一本下さい。」

 

「え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遅かったな。」

 

「え?」

 

柱合会議が始まる前に二郎丸は柱達の前で挨拶したのだが、挨拶が終わった直後、二郎丸はそう言われたのだ、そしてその言葉を発したのは、以外にも水柱の冨岡義勇だった。

普段、余りにも口数が少ない義勇が発言すること事態稀なことであり、その事に周りは驚いていたが、中にはその発言に納得するものも少なくなかった。

 

「大変癪だが、確かに冨岡の言うとおりだ。お前ほどの実力があれば今頃(仮)ではない影柱に就任していたとしてもおかしくない筈だ。」

 

「そうだな!寧ろ今まで柱になれなかったことの方が可笑しいことだ!」

 

不機嫌そうにしながらも義勇の発言に同意する蛇柱の伊黒、そしてそんな伊黒に同意する炎柱の杏寿郎。

 

「そうよね、どうして今まで柱になれなかったのかしら?」

 

そして二郎丸が柱になれなかったことに疑問を持つ花柱の胡蝶カナエ。

 

この四人は鬼殺隊の中で特に二郎丸と親しい仲のため、二郎丸の実力もよく理解している、故に他の三人は義勇の発言に納得していたのだ。

 

「ほぉ、見た感じは地味だが、派手に信用されてるみたいだな。」

 

二郎丸を一瞥して、そう語るのは音柱の宇随天元。

 

「みんな、話したいことは沢山あるだろうけど、先ずは柱合会議を始めようか。」

 

『はっ!』

 

そして御館様が話を切り上げたことで柱合会議が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回の柱合会議の内容は近状報告と鬼達への対策、そして二郎丸の活動区域の選定だった。

その後柱合会議が終わり、昼食会が開かれることになった。そして昼食会の中で御館様が、二郎丸の影柱(仮)となった経緯が話したりもした。そしてその反応も笑ったり呆れたりと様々であった。

 

「そういえば、何故この時期に私を柱(仮)に任命したんですか?」

 

御館様の話が終わった後、二郎丸は御館様に対して質問する。

 

「あぁ、それはね。」

 

────

 

話は遡ること前回の柱合会議にて、柱の後任について議題が上がった時、杏寿郎が発言した。

 

「御館様!柱の後任であれば二郎丸と言う者が居ます!」

 

「二郎丸…確か杏寿郎と小芭内の同期だったね。」

 

「はい、彼であれば柱の後任を…いえ!本来で.あれば既に柱に任命されている筈です!」

 

「…その通りだな。」

 

「寧ろ何故未だに柱になれていないんだ?」

 

そして杏寿郎に同意する伊黒と義勇。

「わかった杏寿郎、後で確認しておくよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

とは言ったものの、二郎丸が柱候補に上がったのは今回が初めてではない。だがいつも階級が足りてないため候補から外れていたのだ。だが確認してみれは二郎丸は乙になっていた、であれば、何か一つ任務を与えれば多少無理にでも甲まで階級を上げて柱に任命出来るのではないかと。そう考えた御館様は善は急げとばかりに行動を開始した。だが階級甲に昇格出来て、かつ柱として申し分ないと証明出来るような任務が中々見つからず、この時期になってしまったのだ。

 

────

 

「そんなことがあったんですね。」

 

御館様の話を聞いて幾らか納得する二郎丸

 

「ですが本当に(仮)だとしても私が柱になって良かったんですか?」

 

だが二郎丸はまだ不安があった

 

「俺は良いと思うが。」

 

そしてそれに答えたのは、またも義勇だった。

 

「例え空きが無かったとしても柱になってほしいと言われたのだろう?それは俺とは違ってお前の実力が御館様から認められているからこそだ、寧ろ俺はお前が羨ましいくらいだ。」

 

「義勇、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゃんと話せる様になってるじゃん、良い進歩だよ。」

 

「…そうか。」

 

「違う、そうじゃないだろう。」

 

検討違いな返事をする二郎丸に、誉められたことを嬉しく思いムフフと笑う義勇、そしてその会話に割って入る伊黒。

 

「なんだ?お前には話してない。」

 

「ちょっと義勇、それは言ったらダメな奴。」

 

「…なんだと?」

 

「待って!伊黒待って!」

 

そして突如(一方的な)一触即発の雰囲気になる伊黒と義勇、そしてそれを止める二郎丸。

 

「冨岡があそこまで派手にしゃべるとはな。」

 

それを見ていた宇随は感心したように呟いた。

 

「そうなのよ~、実は結構前から私たちにも話をするようになってくれてね、しのぶも義勇君が話してくれるようになったって喜んでいたのよ♪」

 

「…その話もっと詳しく聞かせてくれねぇか?」

 

「えぇ、勿論よ!」

 

そして胡蝶と宇随は別の話で盛り上がるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ずっと気になってたんだけど、その風呂敷に巻かれているのは何?」

 

胡蝶が二郎丸の側にある風呂敷を指して聞く

 

「これですか?手土産として買ってきた羊羹です。」

 

『え?』

 

ほどいた風呂敷から出てきた大量の羊羹を見て驚く周りの者達

 

「お!気が利くではないか!」

 

「一本いただこう。」

 

それに全く動じずに羊羹を受け取る杏寿郎と義勇。

 

「…そういうことか。」

 

そして何か納得した様子の伊黒。

 

「おい墨影。」

 

「あ、ごめん。伊黒は別の羊羹が良かった?」

 

「違う、そうじゃない。」

 

「もしかして、羊羹が嫌いだった?」

 

「違う、そうでもない。」

 

「そういえば、伊黒は少食だったね。けど大丈夫!食べきれない分は僕がたべるから!」

 

「そうだけどそうじゃない。」

 

「あ!あまね様の分を買うのを忘れてた!」

 

「違う!というか何故ここまで会話が噛み合わないんだ!!」

 

そう叫んで頭を抱えてしまう伊黒。

 

「はははは!地味だと思ったが派手に面白い奴だな!」

 

そして大笑いする宇随、よく見れば他の者達も吹き出したり肩を震わせたりしていた。

 

「冨岡、どういうことだ?」

 

「わからん。」

 

だが杏寿郎と義勇だけは頭に疑問符を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、実力を確かめたいという事で、二郎丸は試合をすることとなった。

ただ、その相手というのが

 

「…よろしく頼むぞ、二郎丸。」

 

「…はい。」

 

鬼殺隊最強と言われている、岩柱の悲鳴嶼行冥だった。

 

(なんで、よりにもよって悲鳴嶼さんと…。)

 

実は二郎丸、鬼殺隊に入る前に零郎を介して悲鳴嶼と会ったことがあるのだ。当時は子供であった二郎丸がどれ程の実力をつけたのかを自分自信で確かめたく思い、自ら試合を申し出たのだ。

 

ただ実の所、二郎丸は悲鳴嶼が苦手であった。

会った当時、二郎丸は悲鳴嶼の胸の内にある自分に対しての僅かな嫌悪感を感じ取ってしまっており、更に体格も大きいため、悲鳴嶼のことを恐れていたのだ。

今でこそ当時感じ取った嫌悪感は感じ取れないものの、当時のことを思い出してしまうため、柱合会議や昼食会の時にもあまり関わろうとしていなかったのだ。

だがどういう訳か、こうして手合わせをすることになってしまったのだ。

 

(けど、そんな事を考える時じゃない。今は勝負に集中するべきだ。)

 

二郎丸は気持ちを改めて二本の木刀を構える。

 

「準備はいいか?」

 

「勿論です。」

 

岩柱と影柱(仮)の試合が、今始まろうとしていた。




この小説の義勇さんは二郎丸にとって杏寿郎、伊黒に次ぐ長い付き合いがあるという設定があります。

因みに二郎丸と仲が良くなったことで話すようになり胡蝶姉妹と親しくなっており、しのぶさんと割といい感じになっています。尚、コミュ障と口下手は治っていません。

番外編はどれを読みたいですか?

  • 隊士訓練で二郎丸が不在時の炎と恋の話
  • スケベ隊服について
  • 炎蛇影の合同任務
  • どうせなら全部書いて
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