もしかしたら、カップリング要素がこれから出てくるかもしれませんが、それがダメと言う方はブラウザバック推奨です。
※柱の人数を七名に変更しました。
考え事
柱に欠員が出たため、二郎丸は正式に柱となった。影柱(仮)となってから二ヶ月後の事である。その後も何度か柱の入れ替わりがあり、一年後、柱の総数は七名になっていた。
「うーん。」
「どうした墨影」
二郎丸は悩んでいると、伊黒が話しかけてきた。
「伊黒…いや、それがね。」
一人で悩んでもキリがないと思い、二郎丸は伊黒に相談する事にした。
「急に呼び出して済まなかった、よく来てくれた。」
「いえいえ、お構いなく。」
その日二郎丸は、話があると悲鳴嶼に呼び出されていた。
「それで、話と言うのは?」
「うむ、まずはこれを見てくれ。」
そう言って木刀を手に取るとそのまま降り始めた。肩から先だけで振っている筈だが、それにしては余りにも速い、だがそれだけで二郎丸は悲鳴嶼が言いたい事を理解した。
「悲鳴嶼さん、それって…」
「うむ、そなたが教えてくれた連結動作だ。」
二郎丸は愕然としていた。
連結動作の練習は、ひたすら地味なもであり、習得する方法はただ一つ、ひたすら同じ動作の繰り返しである。
初めはそれぞれの間接の機動速度を理解する事から始まる、その後、腕を木刀を含めて前方に水平に伸ばした状態から肩、肘、手首をそれぞれ九十度曲げた体制から再び前方に水平に伸ばす、この時、同じタイミングで三つの間接を動かし初め、、同じタイミングで動きを完結させなければならない。その為にハエが止まりそうな速度で動かし、少しでもタイミングが違えばその度に修正の繰り返し、頭と体に叩き込む、そしてそれが可能となった後、速度を上げて同じ動作を繰り返す。また、速度を上げた事によって動きにズレが生じた場合はその速度で再び修正を行わなければならない。
そんな地味な作業を繰り返す事で連結動作を使用出来る様になるのだ。
実際、二郎丸は五才の時にこれを思いつき、試行錯誤しながら十一才の時にコツを掴み、十五才の時にある程度自由に使用できるようになったのだ。
だからこそ、悲鳴嶼が連結動作をたった一年で習得したことが信じられなかった。
「素晴らしい技術だ。刀を振る速度を上げることができ、それと同時に威力をも補え、かつ連続的に使用することも可能だ。」
誉められている事は理解出来るのだが、どうしても素直に喜べない。
「だが、欠点としては習得難易度が高い事だ。私でさえ一年も掛かってしまった。」
一年しか掛かってないんですよと、言いそうになったが寸での所でそれをこらえる。
「そこで、そなたに頼みたい事なのだが、」
だが、そんな二郎丸を余所に悲鳴嶼はある頼み事をしてきた。
「簡易的な連結動作を考案してほしい。」
「…(そんな無茶な)」
二郎丸はそう思わざるを得なかった。
「と言う訳で、今考えている訳なんだよね。」
そう語る二郎丸、だが伊黒にはそれ以外に聞き捨てならない事があった。
「少し待て、悲鳴嶼さんが連結動作を習得しただと? 」
「うん。」
「お前が教えたのは確か去年の柱合会議の時だよな?」
「うん。」
「…そうか。」
伊黒はそれを聞いて酷く落ち込んだ。
実は伊黒も二郎丸に連結動作を教えられており、習得する為に日々練習しているのだが、まだ実戦で使用できるまでに至ってないのだ。
因みに、練習を開始してから今で約三年目である。
「そ、それで簡易版の連結動作はできたのか?」
「うん、一応ね。」
「なんだと?見せてみろ。」
伊黒はあわよくばそれを使える様になろうと考えていた。
「うん、いいよ。」
そう言うと立ち上げられている丸太に面と向かう。そして無造作に木刀を振ると、丸太には木刀の軌道に沿って抉れた跡が出来上がった。
「おぉ…相変わらず凄まじい威力だな。」
「いや、威力じゃなくて動きを見て欲しかったんだけど。」
「む?」
そう言ってもう一度木刀を振った。その様子を見た伊黒はあることに気がついた。
「これは、連結動作の動きと余りにも違うではないか。」
「その通り、簡易版の連結動作って言うよりは連結動作に変わる戦闘技術だね。」
全ての間接を同時に動かす連結動作とは違い、これは肩を軸にして腕全体を鞭の様にしならせる事で速度と威力を生み出すというものだ。これは連結動作と比べて遥かに習得するのが楽なものだった。
「そうか!ならば早速」
「いや、これは没だね。」
「む?なぜだ。」
この戦闘技術には連結動作以上の欠点があった。
「先ず刀の切っ先を当てないと十分な威力が出ない。」
「そうか、だがそれは連結動作にも当てはまるのではないか?」
連結動作でもそうだが、この戦闘技術は、『速さを力に上乗せして威力を増す』ものである。当然、切っ先の方が速いため威力も上がる、逆に付根だと威力が下がるのだ。
そして二つ目
「気を抜くと関節が外れる。」
「確かにそれは…待て、その言い方だと」
「うん、何回か外れた。」
「大丈夫なのか?」
この戦闘技術を使用するためには力んではいけない、ただし力を抜きすぎると関節が外れる恐れがあるのだ。その為、この戦闘技術を最大限に使用するためには、関節を繋ぎ止めるために素で強靭な筋肉を持っていなければならないのだ。
最後に三つ目
「僕より広いの関節の可動域がないといけない。」
「お前より?なぜだ、使用出来ているではないか。」
「今も関節が凄く痛むんだよね。」
「それを早く言え。」
これが最大の問題、下手をすれば関節が外れるのではなく壊れる。そうなれば一生刀を握る事は不可能となる。
以上の点から、二郎丸はこの戦闘技術を没にしたのだ。
「そうか、ならば仕方ないな。」
「うん、僕も新しい戦闘技術を考えるよ。」
理由は違うが、二人の気分は沈んでいた。そして、落ち込む二人はそのまま解散することになった。
『主、杏寿郎カラノ手紙ダ。』
「え、何?」
伊黒と別れた後、二郎丸の元に杏寿郎から手紙が届いた。幼馴染である杏寿郎だが、いつでも会えると言うわけではない為、たまに手紙でやり取りすることがあるのだ。
「え~と…、えぇ…。」
手紙の内容を要約すると『新しく継子をとったから会いに来ないか?』というものであり、二郎丸は不安を感じた。
杏寿郎は何度か継子をとった事があるのだが、厳しすぎて一月も経たずに逃げ出していたと耳にしていた為、かなりの不安を感じたのだ。
「…見に行ってみるか。」
とりあえず、息抜きと継子の安否も確認の為、炎柱邸に向かうことにした。
「紹介しよう、彼女が俺の新しい継子だ。」
「…ぇ?」
客間にて向かい合って座る二郎丸と杏寿郎。そして杏寿郎の隣には桜色の長い髪を三つ編みにした少女が座っていた。
「はじめまして、炎柱・煉獄杏寿郎の継子、甘露寺蜜璃です!」
これが後に恋柱となる、甘露寺蜜璃との出会いだった。
※二郎丸は技巧派ですが、戦い方はかなり脳筋だったりします。
番外編はどれを読みたいですか?
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隊士訓練で二郎丸が不在時の炎と恋の話
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スケベ隊服について
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炎蛇影の合同任務
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どうせなら全部書いて