蜜璃の自己紹介が終わった為、今度は二郎丸の番となった。
「はじめまして、僕の名は墨影二郎丸、影柱です。因みに杏寿郎とは幼馴染だよ。」
「はい!よろしくお願いします!…えっと、影柱様!」
「蜜璃、影柱ではなく二郎丸と呼んでも構わぬぞ。」
「いや何で杏寿郎が言うの?まぁ、いいけど。」
何故杏寿郎が許可するのか疑問に思ったが、二郎丸自信も堅苦しい呼び方はあまり良しとしない為、その事は否定しなかった。
「わかりました!二郎丸さん!」
「…うん、よろしく。」
そして、二郎丸は自己紹介が終わった後、ある疑問を杏寿郎に投げ掛けた。
「それで、わざわざ手紙を寄越して、僕に何を話したいの?」
杏寿郎との手紙のやり取りは、何も現状報告の為だけではない。
杏寿郎は二郎丸に一番話したい事に限って手紙には書かずに直接口で伝えようとする癖があるのだ。
杏寿郎は継子をとった事は手紙には一度も書いた事がない、だが今回はわざわざ『会いに来ないか?』とまで書いているのだ、その事から継子の事に関して何か自分に話したい事があるのではないかと考えたのだ。
「…よもや、気付いていたか。さすが二郎丸だな。」
そして、その予想は図星だったようだ。
「ならば話が早い、実は頼みたい事があってだな、」
どうやら杏寿郎は頼み事があったようだ。そしてその内容は。
「俺と共に、蜜璃に稽古をつけてくれないか?」
というものだった。
「…う~ん、」
二郎丸はそれに対して渋い顔をするが、杏寿郎は引き下がらなかった。
「噂程度に聞いていると思うが、俺は蜜璃以外にも継子をとったから事がある、だか皆一月もせずに俺の元から逃げ出してしまったんだ。もしかすれば俺の指導が至らないせいかもしれない、いや実際そうなんだ!他人任せと思うかもしれないが、今はそんな事を気にしている場合ではないんだ!二郎丸も気付いてるだろ?今、隊士達の質が落ちてきている、だからこそ高い実力を持つ隊士を育成しなければならない!蜜璃は、刀を握って間もないが、それでも何れ柱になれるかもしれない才を持っているんだ!だからこそ!俺が至らぬせいでその芽を潰したくないんだ!頼む二郎丸!お前の力を貸してはくれないか!?」
そう言って深く頭を下げる杏寿郎、彼は二郎丸が思っている以上に切実に悩んでいた様だ。二郎丸は渋い顔をしたものの、別に共に稽古をつけることを嫌がっていたわけではない、寧ろ力になりたいと思っていた。ただ、それ以上に優先したいことがあったのだ。
「…杏寿郎、手伝いたいのは山々だけど、僕にもやることがあるんだ。」
「なっ、それは?」
「実は、悲鳴嶼さんに連結動作以外の戦闘技術の開発を頼まれててね。」
そう、伊黒にも話してある事なのだが、二郎丸は悲鳴嶼に一般隊士でも使用出来る戦闘技術の開発を頼まれている。今思えば悲鳴嶼さんなりに一般隊士の質の向上を考えて頼んできたのだと二郎丸は思った。
「…そうか、二郎丸なりに行動していたのだな。無理を言ってすまなかった。」
そう言って杏寿郎はもう一度頭を深く下げた。
「あの…すみません。」
「「ん?」」
ふと二人以外の誰かが声を上げた、その声の主は蜜璃だった。
「「…あ。」」
ここで二人は気付く、蜜璃をほったらかしにして二人で話していた事に、
「…ごめん、完全に忘れてた。」
「うむ、気配りが足りてなかったな。」
「い、いえいえ!お二人とも真面目に話していたので…」
そう蜜璃が言おうとした時、『ぐぅぅ』と小さくお腹が鳴る音がした。
「「?」」
二郎丸と杏寿郎は顔を見合わせるが、どうもお互いではないらしい。
「はぅ~…///」
チラッと横目で蜜璃を見れば、顔を赤く染めてお腹を押さえながら俯いていた。
「…そういえば、もう昼時だね。」
「うむ、そうだな。」
そう言って二人は立ち上がるが、蜜璃は未だに俯いたままだ。
どうすれば良いか少し考え、二郎丸は蜜璃の前で屈み込んだ。
「大丈夫?具合が悪いの?」
「え?」
顔を上げた蜜璃はキョトンとする。
「いや、急に俯いたから具合が悪くなったのかなって、」
「いえっ、ただお腹が空いただけでっ…!」
そう言って、また恥ずかしくなったのか俯いてしまった。
「別に恥ずかしがることは無いよ、誰だってお腹は『ゴロロロロロ…』…。」
「え?」
そう言おうとした時、部屋中に雷が轟くような音が響いた。
「…ごめん、僕の腹の音だね。」
自分でも凄まじい音だと思ったが、逆に好都合だと二郎丸は考えた。
「ナハハ、聞かれちゃったか~、すっごい音でしょ?」
「…フフッ、そうですね。」
のほほんと笑う二郎丸につられて、蜜璃も笑いだした。
「そういうわけだからさ、一緒にご飯食べに行かない?」
「え、良いんですか?」
「うん、人は多い方が良いからね。」
「なら、御一緒させて下さい!」
「勿論!」
そう言って二郎丸が手を差し出すと、蜜璃も手を伸ばして手を取った。
「よもやよもや、手を繋いだりして、随分と仲が良さそうではないか。」
「「」」
杏寿郎との言葉に固まる二人、この時二郎丸は杏寿郎の事を完全に忘れていた。
「場所はあそこで良いな?先に行ってるぞ。」
杏寿郎はそう言って少し拗ねた様子で部屋から出て行った。
「「…」」
そして部屋に残された二郎丸と蜜璃、蜜璃は先程とは別の理由で顔を赤く染めいる、対して二郎丸は顔から冷や汗を流しており若干青くなっていた。
「…行こっか。」
「はい…。」
二郎丸は立ち上がると、手を引いて蜜璃を立ち上がらせる。
話をしていると周りが見えなくなってしまう、これからは気を付けねば。
そう思う二郎丸だった。
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隊士訓練で二郎丸が不在時の炎と恋の話
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スケベ隊服について
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炎蛇影の合同任務
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どうせなら全部書いて