墨影二郎丸は影柱(仮)に就任しました   作:トライオ

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最終選別 中編 壱

── 一日目 ──

 

「杏寿郎、これからどうする?」

 

「うむ、そうだな。」

 

二郎丸と杏寿郎は見晴らしの良い川岸に居り、そこで何をするべきか考えていた、まだ日は高い、なので鬼が出ることはない。つまりやることが無いのだ。そしてち頭を捻り唸りながら二人が出した結論は、

 

「「よし、寝よう!」」

 

日が落ちるまで休憩することだった。

名案だと言わんばかりにウンウンと頷き、木陰に行き、二人並んで寝転んだ。だがしばらくすると、

 

「おい貴様ら、何をしている?」

 

不意に声をかけられた。二人が声のした方向を見ると口に布を巻いた黒髪の小柄な少年が立っていた。

 

「全く、鬼の蔓延るこの山で呑気に昼寝とは随分とお気楽だな。そうであれば直ぐに鬼に殺されてしまうぞ。」

 

それからしばらく、その少年はネチネチと喋り続けていた。

 

「要は気を付けろて言うことだね。」

 

「そういうことか!忠告感謝する!」

 

「フン、分かればいい。」

 

「「よし寝よう!」」

 

「待て貴様ら、分かってないだろ!」

 

再び木陰に戻ろうとした二人を少年が引き止める。

 

「む?忠告は聞いたぞ、おかっぱ少年。」

 

「誰がおかっぱだと?」

 

「名前を知らないからそう呼ぶしか無いんだよ。あ、僕の名は墨影二郎丸。」

 

「俺は煉獄杏寿郎だ!」

 

「「それで、名前は?」」

 

「…」

 

ダメだ、話が通じない。と言わんばかりに少年は頭を抱える。

 

「伊黒小芭内だ。」

 

そして諦めたのか、素直に名乗った。

 

「伊黒か、宜しく頼む!」

 

「フン、貴様らだと次に会えるかどうかわからんがな。まあいい、とにかく忠告はしたぞ。」

 

そう言って伊黒は去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん」

 

あの後、二人は寝た。

 

そして、二郎丸が起きたのは、太陽が半分程地平線に沈んだ時だった。杏寿郎はまだ隣で任務に寝ている。

 

「なんだ、起きたのか。」

 

振り返れば伊黒が立っていた。

 

「あれ、起こしに来てくれたの?」

 

「そんな訳ないだろ。この俺が忠告しても寝ようとした奴らだからな、鬼に喰われてないか見に来ただけだ。」

 

実のところ、まだ太陽が沈みきっては無いため、まだ襲われるということはなかったのだが。

 

「要は心配してくれてたんだね。」

 

「…違う」

 

そう言って伊黒はそっぽを向いてしまった。

 

「杏寿郎起きて、もうすぐ夜だよ。」

 

「む、もうそんな時間か…ん?よもや、そこにいるのは伊黒ではないか?」

 

杏寿郎は既に日が沈みかけていたこと、そしてこの場に伊黒が居ることに驚いていた。

 

「僕達の事を心配して来てくれたんだよ。」

 

「そうだったか!何度もすまないな!」

 

「だから違うと言っているだろ。」

 

話しているうちに、日が完全に沈みきり、鬼の蔓延る夜が訪れた、が、

 

「あれ?鬼が来ない限り夜もずる事がない?」

 

そういうことだ。

 

「なら、自分で鬼を探しに行けば良いではないか。」

 

「いや、ここの鬼は比較的弱いと聞いているけど、万が一が有るかもしれない。だからそれはしない。」

 

「確かにそうだな。」

 

「お前達、この俺を忘れていないか?」

 

「「あ」」

 

『ヴオオオ!』

 

「「「ん?」」」

 

振り向けば森の中から一匹の鬼が三人に向かって飛び出してきた飛び出してきた、だがこの程度の鬼に遅れを取るような三人ではない。

 

「「「全集中」」」

 

「蛇の呼吸 弐の型」

 

「炎の呼吸 壱の型」

 

「影の呼吸 弐の型」

 

『狭頭の毒牙』『不知火』『影切舞』

 

三人で一斉に鬼へと駆け出し、頚に目掛けて剣を振るう、その刃は同時にたどり着き、鬼の頚は体を置いて彼方へと飛んでいった。

 

「…実力は確かな様だな。」

 

「当然!伊黒もやるではないか!」

 

「確かにね。」

 

鬼を討伐した後、互い誉めあった。

結局、襲って来た鬼は先程の鬼一匹だけであり、そのまま朝日が昇った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー 二日目 ーー

 

「これはマズイぞ、二郎丸。」

 

「確かに、これは一大事だね。」

 

二人は新たなる危機に直面していた、

 

「「腹が減った。」」

 

「何の茶番をしている貴様ら。」

 

近くに居た伊黒が呆れて声を上げた。

 

二人は藤の家を出た後何も口にしてない。それは育ち盛りの二人にとっては酷なものであった。

因に、二人に渡された大量の小遣いなのだが、あれは零郎と愼寿郎が当時の最終選別を振り返り、食料に困らない様にと渡していたものだった。渡す際に、『これで食い物を買え』と言って渡したのだが。当の二人は道中の甘味処で殆ど使い果たしている、間違ってはいないが根幹を全く理解していなかったのだ。

 

さて、そんな二人が頭を捻りながら出した答えは

 

「「狩りだ!」」

 

「…は?」

 

そう言うと呆れる伊黒を置いて、森の中へと走り去って行った。

 

ここで獲物を狩れなければ、その先は死あるのみ。

 

命を掛けた狩りが今始まる。

 

 




※二郎丸と杏寿郎、二人が揃うとお互いのIQが若干溶けます。ただし二人であれば大抵何とかなります。

番外編はどれを読みたいですか?

  • 隊士訓練で二郎丸が不在時の炎と恋の話
  • スケベ隊服について
  • 炎蛇影の合同任務
  • どうせなら全部書いて
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