インフィニット・ストラトス~死神と呼ばれるIS~リメイク   作:神喰いの王

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死神の休日~シャルロット編~

週末の日曜日。天候は快晴、絶好のデート日和。

IS学園と本島を繋ぐ唯一の交通手段。モノレールの駅前で私服(半袖のホワイト・ブラウス。その下はスカートと同じライトグレーのタンクトップ、ふわりとしたディアードスカート)に着替え、めいいっぱいおめかしたシャルロットは腕時計を何度も確認したり髪型が変じゃないか何度も確認したりして、待ち人を今か今かと待っていた。

 

「わりぃ、待たせちまったか?」

 

「う、ううん!ぼ、ぼくも今来たところだから・・・」

 

こちらも私服に着替えたデュオがシャルロットに駆け寄り取り敢えず謝罪すると、シャルロットはブンブンと首を横に振り力一杯否定するが、途中で・・・

 

(な、何かこれって、こ、こここここ恋人との待ち合わせの定番じゃないかな!?・・・・はぅ~~~~!!)

 

「お、おい、大丈夫か?やっぱ今日はやめとくか?」

 

プシューッと煙を吹きながら真っ赤になり俯くシャルロットにデュオは中止を提案するが、

 

「ダメ!!」

 

「うおっ!?」

 

「大丈夫だから、ね!ほら、もうすぐモノレールが来るよ!!」

 

「わ、わかったってだからひっぱんなって!」

 

シャルロットの勢いにタジタジになるデュオは彼女の勢いにペース乱れまくりである。

 

 

因みに、デュオたちが立ち去った後にIS学園の朴念仁とそのファースト幼馴染が本島行きのモノレールに乗車したところをイギリスと中国、ドイツの代表候補性が目撃しスニーキングを始めたが、今のところ彼らには関係ない話であった。

 

 

 

 

 

 

 

モノレール内、シャルロットは先ほどの自分の行動を思い返していた。

 

(はわわわっ!!さ、ささっきのは、け、結構、というか、かなり大胆だったかな!?)

 

今更ながら先ほどの自分の行動に羞恥心が湧き上がっていた。

 

(で、でも・・・・デュオの手って昔と違って大きくて硬かったなぁ~)

 

それに体つきも逞しくなってたし・・・と前回一緒にお風呂を共にしたことを思い出したシャルロットはブンブンと邪念を払うように首を横に振った。

 

(ち、違うよ?前回のはお礼ってだけで決して疚しい気持ちはなかったし。・・・でも、小さい頃とは色々と違ってたし・・・ってだから違うでしょ!僕!!)

 

「クッ、クフフフッ!!」

 

隣で頭を抱えながら百面相するシャルロットをみて遂にデュオは堪え切れず、吹き出してしまった。

デュオの笑い声にシャルロットはハッと隣を見ると隣に座っているデュオが口を押えてそっぽを向き必死に笑いを(実際には堪え切れていないが)堪えていた。

 

「デュオ・・・・?」

 

「ちょ、待てって!今話しかけられたら・・・クハハッ!・・・!!」

 

「~~~~~っ!!」

 

今までの自分の行動を思い返したシャルロットは羞恥のあまり顔を真っ赤にして、

 

ポカポカポカッ!

 

デュオの頭を叩きはじめた(割と力強めで)。

 

「ちょっ!?い、イテッ!痛いって!!わ、悪かった、悪かったよ」

 

叩いてくる彼女の両手をつかんでデュオは全く悪びれてない顔で謝罪した。

 

「う~~~~!」

 

唸りながらジト目で睨んでくるシャルロットにデュオは片目をつむって笑いかけた。

 

「な?今日、水着の他になんか買ってやるからよ、機嫌治してくれよ?」

 

「・・・・ホント?」

 

上目使いで確認をとってくるシャルロットに内心ドキリとしながら、

 

「おう。何せ俺は逃げも隠れもするが嘘は言わないデュオ・マックスウェルだぜ?」

 

「・・・・なら、許してあげる」

 

ようやく許しをもらえたデュオはホッとしながら彼女の両手を開放する。

が、シャルロットは解放された右手の人差指をたてデュオの鼻先に突き付けながら、

 

「それから、他に何かいう事は無いの?」

 

「・・・あ~~・・・その服、似合ってんぜ」

 

そっぽを向き頬をかきながらデュオは彼女の服装を褒めた。

 

「・・・・・・ありがとう」

 

頬を朱に染めシャルロットは嬉しそうにはにかみ、デュオもそんな彼女を見て恥ずかしそうに頭をかいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅前ショッピングモール『レゾナンス』。

駅前にあることからIS学園の生徒や教師、はては市内や市外から客が買い物に来る程、品ぞろえが豊富であり、高品質のものを取り揃えている。そんなショッピングモールのある一軒の有名ブランドの服屋。

の、紳士服売り場。

 

「なぁ~、もうこんぐらいでいいだろ?」

 

「ダメ!」

 

大量に積まれた衣類に辟易するデュオと一心不乱に彼の服を選んでいるシャルロットがいた。

事の始まりはレゾナンスに着いたとき、

 

「そういえばデュオ」

 

「ん、なんだよ?」

 

シャルロットは彼の服装(黒のタンクトップに同色のジーンズ)を見て昔から無視できない彼の性格を思い出し、

 

「まさかと思うけど・・・私服ってそれだけじゃないよね?」

 

と、はんば確信めいた質問を彼に投げかけた。すると、

 

「・・・・・・・・・ソンナ事ナイデスヨ?(冷や汗ダラダラ)」

 

素人でも分かるほど動揺し片言で返事をするデュオに、シャルロットはやっぱり・・・とため息を吐いた。

この男、ことファッションや自分の服装などはとことん無頓着なのだ。幼い頃も同じ服を何度も何度も着ていたし(さすがに下着は毎日、履き替えていたが)、服を買わせても大抵、同じ色や柄を選んでいたため、服装に変化がないのである。

 

「・・・孤児院の時もそうだったけど、デュオ。君も年頃なんだからいい加減、オシャレにも気を配ろうよ」

 

「べ、別にいいじゃねーか。それによ!俺だって昔とは違うんだぜ?替えの私服だって何着か―――」

 

「どうせ、冬用のコートと上着の替えが数着だけ、でしょ?」

 

「う‶っ・・・・」

 

図星をつかれ、デュオは言葉が詰まった。

その態度にシャルロットは二度目のため息を吐いた。

そして、よしっ!と胸の前で両拳を握り気合を入れると、

 

「じゃあデュオ!まずはデュオの服を買うよ!!」

 

「へっ!?い、いや~・・・別にいいかな~―――っておい、引っ張るなって!」

 

乗り気じゃないデュオの発言を無視し、シャルロットは彼の手をつかみ強引に引っ張って行った。

そして現在。

 

「も~~~勘弁してくれ・・・・」

 

大量に積まれた衣類と強制的着せ替え人形状態にされ続けたデュオは既にグロッキーだった。

 

「う~ん・・・まだまだ、見てみたいけどさすがにこれ以上は無理かな?」

 

そんな状態のデュオと腕時計を交互に見ながらシャルロットは名残惜しそうに断念した。

 

「そんじゃ、会計済ませてくるから先に外に出ててくれ」

 

「え?でも、それは悪いよ・・・」

 

流石に半ば強制的に選んだ服を買わせるのは彼に悪いと思い、自分が出そうとするが、

 

「いーて、いーて。どうせ今日は全部俺が奢ろうと思ってったンだしな。それに、おれって結構稼いでんだぜ?」

 

ニッと笑いながら大量に積まれた衣類をもってレジに向かうデュオを見て、ここは彼をたてようと思ったシャルロットなのであった。

 

 

 

 

 

会計を済ませたデュオは、シャルロットと並んで水着売り場に向かう途中、ある人物を発見した。

 

「あれ・・・・」

 

「どうしたのデュオ――――「隠れろ!」わ、わぁっ!?」

 

怪訝に思ったシャルロットはデュオに尋ねるが、それを無視しデュオは彼女の肩を抱くとゴミ箱の蔭へと隠れた。

 

「ど、どうしたの?」

 

「あれを見てみ」

 

彼の顔が近くにあることに体温が上昇するが、デュオが指差した方向を見るとそこには・・・。

 

「あれって・・・・一夏と箒?」

 

「と、そのおまけにセシリアと鈴とラウラだな」

 

私服姿の一夏と箒が二人並んで歩いており、その少し後ろをセシリア達三人がストーキングしていた。

 

「クックックッ!コイツァ、修羅場な展開が期待できるぜぇ」

 

この男、前回ひどい目にあったのに全く懲りていなかった。

そんなデュオを見てシャルロットは重いため息を吐いた。

 

「ハァ~・・・(折角のデートなのに・・・・この様子じゃあ、もう無理かなぁ~)」

 

いや、だがまだあきらめるには早い。この広いレゾナンスで一夏達と鉢合わす確率は低いはずだ。こちらが注意すればあるいは・・・とシャルロットが考えていると、隣で隠れているデュオが徐に立ち上がろうとしていた。

 

「よ~し・・・そんじゃあ―――「はい、ストップ」ぐえっ!?」

 

悪戯っ子の顔をしながら腰を起こそうとしたデュオをシャルロットは彼の長い茶髪の三つ編みを掴み、強制的に動きを止めた。

その際、彼の首からグキリッと嫌な音がしたが、何も問題ない。

 

「ッ~~~~~~!!」

 

「この前、酷い目にあったんだから、少しは学習しようね?」

 

(も、もう・・・既にひどい目にあってるっつの・・・)

 

ズキズキと痛む首を押えながら、恨みがましくシャルロットを睨むが彼女はそんな彼の視線などどこ吹く風、彼の首根っこを掴み、そのまま歩き出した。

 

「ほら、早く買い物すまそ?次はデュオの水着だよ」

 

「い、いや・・・水着ぐらい自分で選ぶよ。そこまでしてもらう必要ねえよ」

 

「ダ~メ、デュオに任せるとまた趣味の悪いものになっちゃうからね」

 

「なっ!?しゅ、趣味が悪いってどーいうことだよ!?」

 

「え?だって・・・・」

 

シャルロットは本気で驚いているのか、昔の彼の趣味を思い出す。

何故かドクロの刺繍が入った、ハンカチ。

ゾンビのイラストが描かれたTシャツ。

悪魔のイラストが描かれたコート。

etc.etc.

ハッキリ言って子供の趣味じゃない。

 

「・・・うん。やっぱり僕と一緒に水着選ぼうね?」

 

「いや待て!だからなんでそう言う結論に至るんだよ!!」

 

「それは今度、デュオの私服を周りに見せたら答えが出るんじゃないかな~」

 

納得いかね~!っと背後で叫ぶデュオを放っておいてシャルロットはクスリっと笑いながら水着売り場に向かった。

 

 

 

 

「やっぱりこうなっちゃったか~・・・」

 

ハァ~っと今日何度目かわからない重いため息を吐くシャルロット。

彼女の隣では同じく重いため息を吐きながら肩を落とす箒。

目の前ではセシリアと鈴が一夏に水着を見せて似合っているかを訊いている。

 

「その・・・すまない。シャルロット・・・」

 

「ううん、箒が謝ることじゃないよ・・・。こうなる事は(一夏達を見た時から)予想してたから・・・」

 

謝罪する箒にシャルロットもこちらこそごめんねと謝る。

なぜこうなったかというと、簡単である。

デュオの水着を選んでいると、一夏とバッタリ遭遇。

一緒に買い物しようぜ、と一夏の常時朴念仁スキル発動。

断ろうとするシャルロット達だが、一夏の押しに押されてしまい押し切られてしまう。

さらにダメ出しでセシリア達も参戦。

結果、全員でお買い物←今ここ。

 

(まあ、しょうがないかな・・・。機を見て一夏達とは別行動とればいいかな・・・・?)

 

そこでふと辺りを見渡すと、自身の幼馴染がいないことに気が付いた。

 

「あれ・・・デュオ・・・どこに行ったんだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――――で?いったい何の用だよサリィ?」

 

水着売り場から少し離れた場所の柱に寄りかかりながらデュオは反対側にいるサリィ・ポォに話しかけた。

 

「あら?私は偶々ここで買い物をしていただけよ?その過程であなたを発見しただけなんだけど・・・」

 

「ぬかせ。ここに来てからずっと監視してたろーが」

 

バレバレなんだよと悪態をつくデュオに対してサリィはクスクス笑いながらごめんなさいねっと謝罪した。

 

「用というのは今月の臨海学校についてよ」

 

「―――――何か掴んだのか?」

 

「ええ」

 

柱越しでも分かるほどサリィの真剣みを帯びた声にデュオは眉根を寄せた。

 

「貴方達が臨海学校に行っている最中――――正確には二日目にハワイ沖でアメリカ・イスラエル共同開発している軍用ISの試験運用があるの」

 

「軍用ISだと?・・・・名称とスペック、それにパイロットは?」

 

「IS自体については特Aクラスの機密で調べられなかったわ。ただ、パイロットは『ナターシャ・ファイルス』という事だけわかったわ」

 

「アメリカ軍でも指折りの操縦者か・・・・。っつても、どんなISかわからない様じゃどうにもならんな・・・・」

 

ボリボリと後頭部を掻きながらデュオは臨海学校で起こりうることを考えた。

 

「ま、どうせこの情報はカトルにも送ってんだろ?なら後の事はアイツに任せるわ」

 

「丸投げね~」

 

デュオの丸投げ発言にサリィはまたもクスクスと上品に笑う。

そんな彼女にウッセっと口を尖らせる。

 

「それじゃあ、私はこのままハワイでバカンスでも楽しんでくるわね」

 

お土産期待しててね~と言いながら柱の反対側で彼女の気配が遠ざかるのを確認しながらデュオはシャルロット達がいる水着売り場へ戻って行った。

 

(タナトスのいう試練、臨海学校中に軍用ISの試験運用・・・・偶然・・・なワケねぇか。・・・臨海学校、何かが起こるな)

 

 

 

 

 

「で?いったいどういうこと何だこりゃぁ?」

 

水着売り場に到着したデュオはいまいち状況が呑み込めないのか首を傾げた。

 

「だからさっきから言ってるじゃない。ラウラの水着選びを手伝ってほしいって」

 

「いや、それは別にいいんだけどよ。ラウラの方はいいのか?」

 

デュオの質問にラウラは恥ずかしそうに頬を染めながらも首肯した。

 

「う、うむ。先ほどクラリッサの意見も訊いたのだが、それだけでなく周りの者の意見も取り入れようと思ってな・・・」

 

(へぇ・・・)

 

デュオはラウラの変わりように驚きながらも感心した。人は恋をするとこうまで大きく変化するものなのか、と。

 

「おっし!そういう事なら、俺もお前にあったものを選んでやるぜ!!」

 

「あ、デュオはあくまで感想を言うだけでいいからね」

 

「っておい!ここにきてソレは無いだろ!?」

 

シャルロットの無慈悲な宣告にデュオは悲痛な叫びをあげる。

 

彼は、プレゼント選びのセンスもなかった・・・・。

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