インフィニット・ストラトス~死神と呼ばれるIS~リメイク 作:神喰いの王
先月は就活のため、更新できませんでしたが、それも終わり後は結果を待つだけです。
ようやくgrand orderでオケアノスが明日、配信されるみたいですね。しかもextraのライダー姐さんが出てくるとか・・・・イイじゃないですか!
オケアノスっていうからZEROライダーが出てくるかと思ったが、extraライダーとは・・・まあ、ガチムチ筋肉ライダーより姉御肌大鑑巨砲ライダーの方が皆もいいヨネ!!
楽しいひと時はあっという間に過ぎ、現在は七時半。大広間を三つもつなげた大宴会場にてデュオ達は夕食をとっていた。
「ん~~!!やっぱ日本っていったら刺身だな。なかなかいい魚使ってんぜ」
「そうだね。やっぱりIS学園って羽振りがいいよ」
そう言って、デュオの右隣に座っているシャルロットは頷く。
この旅館には『お食事中は浴衣着用』という決まりがあり、現在は全員が浴衣姿である。もちろんデュオとシャルも浴衣を着ている。ただし、デュオは浴衣の裾をたすき掛けしている。
因みに夕食のメニューは小鍋、刺身に山菜の和え物が二種類。さらに赤だしみそ汁とお新香である。
「しっかし、ホントうめぇな。つーかこれ、本わさじゃねぇか。すげぇなおい」
「僕としてはどうしてデュオがそんなに日本の文化や食に詳しいのか聞きたいんだけど・・・」
その浴衣のたすき掛けもそうだし・・・と尋ねてくるシャルロットにデュオは刺身を一切れ口に入れながら視線だけシャルの方に向ける。
「前にも話しただろ?仕事の関係で二年ぐらい日本に滞在してたんだよ。んで、その滞在先が結構な名家でな、その時に色々と日本の食や文化を学んだんだよ」
最も、本当に学んだのはそんなモノじゃないんだけどな・・・っとデュオは声には出さず心の中でそう続けた。
「へ~そうなんだ。じゃあ、本わさっていうのは?」
「本わさっていうのは簡単に言うとわさびのみを使ったもんだな。んで、学校の刺身定食は練りわさ。こっちは簡単に言うとワサビ以外のものや着色したりしてるんだよ」
「ふぅん。じゃあ、これが本当のワサビなんだ」
「そ、ンでこれを一番おいしく食べる方法だが・・・」
そこで、デュオはあることを考え付きニヤリと笑った。
「そのワサビの山を丸ごと一気に食べるのが一番おいしい食べ方って聞いたぜ」
この男、邪気のない笑顔でとんでもない事を言いおった。
「へぇそうなんだ。はむ」
そして、哀れシャルロット。何の疑いもせずにワサビの山を丸ごと箸で救い上げ、そのまま一気に口の中にいれた。途端、
「~~~~~~!!?!??!?」
「ブフッ!?ダッハッハッハッ!!」
鼻を押え、涙目になるシャルロット。そんな彼女をみてデュオは堪え切れなくなり噴出した。
「だ、だまひたね~・・・」
シャルロットは鼻声になりながらも隣で爆笑しているデュオを睨むが今のデュオには焼け石に水である。
「いや~ワリィワリィ。まさかあんな簡単に引っかかるとは思わなくてな」
っと、全く悪びれもせず言ってのけるデュオにシャルロットは悔しそうにデュオを上目使いで睨むだけであった。
「う~~~。・・・・デュオの意地悪」
ただ、そう恨み言を言うだけであった。
因みに、デュオ達のいた席から離れた場所では一夏とその周りがまたもや一悶着があったようだが、千冬降臨によりあっさりと鎮火した。
更にどうでもいいことだが、デュオ達の回りの席の醤油消費率が異様に高かっただが、割とどうでもいい話である。
「いや~食った食った。これなら明日の朝食も期待できそうだ。な、シャル?」
「ツーン」
夕食も食べ終え各々が席を立ち大宴会場から出ていく中、デュオもシャルロットと一緒に席を立ち外に向かって歩きながら隣を歩く彼女に意見を求めるが、彼女はそっぽを向いたまま拗ねていた。
「んだよ、まださっきのワサビの件を怒ってんのか?悪かったって、だから機嫌治せって」
「知らない・・・・どうしても許してほしいなら、今度の週末、買い物付き合って。もちろんデュオの奢りで」
そう言いながらデュオの方をチラ見するシャル。そんなシャルロットの態度にデュオは苦笑し、足を止め、
「承知しました、お姫様」
気取った態度で一礼した。
「よろしい」
そんなデュオに気分を良くしたシャルロットは鼻歌交じりで歩き始めた。
「ヤレヤレ(体は成長しても中身はあんま変わんねぇな~)・・・・ん?」
そんな彼女の後姿を見ながら肩をすくめると、そこでセシリアが何やら座ったままプルプル震えていた。
「何してんだ、セシリア?」
「デュ、デュオさん・・・・。い、今は、は、話しかけないで、くださいまし」
「どうしたの?って、セシリア?なんか震えているし顔も赤いけど・・・」
戻ってきたシャルがセシリアの顔を覗き込みながら心配して声をかけるがセシリアはセシリアで返事をする余裕がないのか、顔を吹かせ何かを必死に耐えている様子だ。
「・・・・便所か?」
「フンッ!!」
ドゴッ!!
「ゴフォッ!?」
馬鹿な事を呟いたデュオはシャルロットの容赦のないリバーブローを受け悶絶もんのダメージを負った。
っというか、今のリバーブローは世界を狙えるほど鋭い一撃であった。
恐るべし、シャルロット・デュノア!!
「じ、実はその・・・あ、足がしびれてしまいまして・・・・」
セシリアは先ほどまで顔を赤らめていたのが先ほどの現場を目の当たりにし、今度は一気に顔を蒼くなりながら、震えた声で現状を述べた。
「あ~・・・セシリアって正座とかに慣れてないんだね。それでもよく一夏の隣を譲らなかったね」
「ふ、うふふふっ・・・せ、折角、勝ち取ったものをそうそう他人には譲りませんわ」
不敵に笑うセシリアだがその代償は軽くなかったようだ。現に今も顔から嫌な汗が流れている。
周りに一夏の姿がいないことを見ると、プライドの高い彼女の事だ恐らく一夏を先に帰らせたのだろう。
「ほら、セシリア。摑まって、丁度セシリアの部屋は僕の隣だし送ってあげるよ」
「あ、ありがとうございますわ。シャルロットさ――――「つん」ピギィッ!?」
「せ、セシリア!?」
いきなりセシリアが奇声を上げてテーブルに突っ伏してしまう。いきなりの事で狼狽えるシャルロットだが、すぐに元凶を見つけた。
「こら、デュオ!」
デュオがセシリアの足の裏を人差指で突っついたのだ。軽くセクハラである。
「ヤベッ!」
見つかったデュオは一瞬で起き上がり脱兎のごとく大宴会場を後にした。
「まったくもう!いくつになっても悪戯好きは変わらないんだから!」
シャルロットはプリプリと怒りながらセシリアを助け起こす。
「お、追わなくていいんですの、シャルロットさん」
助け起こされたセシリアは恐る恐るシャルロットに問いかけるが彼女は大丈夫だよっといって苦笑した。
「だって、僕が手を下さなくても――――ボゴッ!!!「ギャッ!?」―――――ほらね?」
大宴会場の割と近くで響く打撃音とデュオの悲鳴、その後に我らが千冬様の叱りつける声が響いてきた。
旅館の露天風呂、IS学園の大浴場とは違った趣がある浴場にデュオと一夏の二人は満喫していた。
「クッソ~姉御め~ちょっと羽目を外しただけじゃねぇか」
「いや、お前の場合は羽目外しすぎだろ」
叩かれた頭をさすりながら愚痴る、デュオに一夏は冷静にツッコミを入れる。
「バ~カ、こういう行事は羽目を外してナンボだろうが。めいいっぱい楽しまないと損だぜ?」
「そう言うもんか?」
「そーいうもんだ」
そこでいったん会話が途切れるが、すぐにデュオは何か思いついたのかニヤリと笑いながら一夏に問いかけた。
「そーいやよぉ一夏」
「なんだ~」
「お前、好きな奴いんのか?」
「・・・はぁ!?」
デュオの唐突な質問に先ほどまでリラックスしていた一夏は飛び上がった。
「急になんだよ」
「バーカ、日本のこういう行事の夜は恋バナが相場だろ?」
「それって女子の場合じゃ・・・・っていうか、そう言うのは消灯時に布団にくるまってやるもんだろ」
「馬鹿たれ。俺らの部屋にはもう一人おっかないのがいるだろ」
「あ~・・・・」
神妙な顔つきで自分たちと同室の人物を思い出させるデュオに一夏もすぐさま納得した。
もし仮に、デュオと一夏が千冬が寝ている横でコソコソと恋バナなどして万が一、いや、確実に見つかり・・・
「俺たちが朝まで正座&制裁される姿が一瞬で想像できた」
「奇遇だな。俺もだよ」
二人の間で一気に空気が重くなってしまったが、デュオは気を取り直し、
「で、誰かいんだろ?うちの学校はみんなレベルたけーし。お前の回りにいる奴らなんて特にさ」
「ん~・・・今までそういうの考えた事は無いからな~」
本気でそう言う対象がいないのか一夏は真剣に考えていた。
「じゃあ、箒は?」
「箒?箒は幼馴染だぞ」
「あ~・・・じゃあ、セシリア」
「セシリアな~・・・最初は感じ悪かったけど、今はいい奴だよな」
「・・・・じゃあ、鈴は?」
「鈴か?鈴はセカンド幼馴染だ」
「・・・・・・・じゃ、じゃあ、ラウラ!!ラウラはどうだ?!」
「ラウラか。ラウラはなんというか、変わってるな」
そこまで来てデュオは我慢できずに立ち上がり一夏を指さした。
「はぁ!?おま、そんだけかよ!!?箒にしろセシリアにしろ鈴にしろ、もっとこう・・・あんだろ!?ラウラなんてその最たる例じゃねぇか!!」
「きゅ、急にどうしたんだよ・・・。まあ、確かにラウラのキスには驚いたけど、外国じゃよくある事なんだろ?別段珍しい事じゃなくないか?」
「はぁっ!?」
今度こそ、デュオは絶句した。この男、今何と言った?
確かに外国ではあいさつ代わりのキスはあるにはある。が、それは手の甲だったり、頬だったりの場合だ。断じて唇どうしのキスは挨拶などではない。
(コイツの鈍感さは知ってたがここまでだったとは・・・・呆れを通り越して恐怖すら感じるぜ・・・待てよ?・・・まさかコイツ・・・・ッ!?)
ズザザッ!!
「ど、どうしたんだ、デュオ?」
「近づくんじゃねぇ!!」
急に自分から距離をとるデュオに一夏は怪訝な顔でデュオに尋ねるが、とうのデュオは鬼気迫る表情で更に一夏から距離をとる。
「まさかとは思うが一夏テメェ・・・・ホモか?」
・・・・間。
「は、ハァァッ!?な、何でそうなんだよ!!?」
デュオの発言に一瞬、その場の空気が凍ったが、いち早く再起動した一夏は湯船から立ち上がり顔を真っ赤にしてデュオに食って掛かった。
「ウルセー馬鹿ヤロー!!こうまで女に対して無反応ならそう考えるのが妥当じゃねぇーか!!」
「誤解を招くようなこと言うな!!無反応じゃなくて必死に我慢してんだよ!!俺は普通に女の子が好きなんだよ!!」
「何っ!?・・・てーことはオメー・・・ホモじゃなくてバイか!?」
「だからなんでそうなんだよ!?」
我慢できなくなった一夏がデュオに掴みかかろうとするが、デュオは湯船の中にもかかわらず俊敏に躱す。
「ギャーーー!!助けてーーーー!!バイなシスコンに襲われるーーーー!!!」
「人聞きが悪い事を言うなーーーーー!!!!」
その後、当然ながら露天風呂で騒いだ事に対して丁度、館内を巡回していた麻耶にお説教を受けたのは至極当然の話である。
先ほどの騒ぎから時は流れ、デュオ、一夏、千冬の部屋には部屋の主である千冬と一夏の他に五人の女子が集まっていた。
「一夏、先ほどは訊かなかったがマックスウェルはどうした?」
「え?ああ、なんかここに来るとき着信がかかってきて、そのままロビーの方に行っちまった」
‶着信‶という単語に千冬の眉はピクリと動いたが、一瞬だったため誰も気づかなかった。
「そうか・・・・。お前はもう一度、風呂に入ってこい。部屋を汗臭くされては困るからな。ついでにマックスウェルを見つけたら、消灯までには切り上げてこいと伝えろ」
「ん。わかったよ、千冬姉」
そう言って、先ほどまで千冬とセシリアの二人をマッサージしていた一夏はタオルと着替えをもって部屋を後にした。
「・・・・・・」
そして、残ったのは千冬と沈黙の五人の少女達。そんな五人を見かねた千冬は苦笑しながら話しかけた。
「おいおい、何時ものバカ騒ぎはどうした?」
「い、いえ、その・・・」
「お、織斑先生とこうして話すのは、ええと・・・」
「初めてといいますか・・・」
「まったく、仕様がない奴らだ。どれ、飲み物でも奢ってやろう。篠ノ之、何がいい?」
いきなり話しかけられた箒はビクッと肩をすくませる。いきなりの事で箒は困ってしまいうまく言葉が見つからない用だ。そうこうしている間に、千冬は部屋に備え付けの冷蔵庫の中から五人分の清涼飲料水を取り出す。
「ほれ。ラムネとオレンジとスポーツドリンクにコーヒー、それに紅茶だ。それぞれ他のがいい奴は各人で交換しろ」
そうは言われたが、箒、シャルロット、鈴、ラウラ、セシリアは別に配られた飲み物に不満はなかったためそれぞれ飲み物を口にする。それを確認すると、千冬はニヤリと笑い、
「飲んだな?」
「は、はい・・・」
「そ、そりゃあ、飲みましたが・・・」
「何か入っていましたの!?」
「失礼なことを言うな馬鹿め。なに、ちょっとした口封じだ」
そう言って、千冬は缶ビールを取り出しプルタブを開けグイッと一気に呷った
「「「「「・・・・・」」」」」
その光景を五人は呆然と眺めている中、千冬は飲むのをやめて五人に視線を移す。
「ん?なんだお前たち、そんなあり得ないものを見たようなおかしな顔をして。私だって人間だぞ?それとも作業オイルでも飲んでいると思ったか?」
「い、いえ、そう言うわけでは・・・・」
「で、でも・・・今は職務中じゃあ・・・?」
「堅い事を言うな。それに、口止め料ならもう払ったぞ」
千冬はニヤリと笑いながら彼女たちの持っている飲み物を流し見る。
「「「「「あ」」」」」
「フッ・・・さて、前座はこんなもんでいいだろう。そろそろ肝心の話だ」
早速、一本を開けた千冬は冷蔵庫からもう一本取り出し、プルタブを開けた。
「お前ら、あいつのどこがいいんだ?――――ああ、デュノア。お前を呼んだのはもちろんあのバカについてだが、しばらくはこいつらの話を聞いてやってくれ」
「は、はぁ・・・」
オレンジをちびちび飲みながらシャルロットは気の抜けた返事をした。そもそも彼女は先ほどまでいまいち現状が呑み込めていなかった。セシリアを彼女の部屋に預けてから彼女は同室のラウラと他の女子たちとトランプしたりUNOしたり恋バナ(九割がたはデュオに関して)したりと結構楽しい時間を過ごしていたのだが、突然、箒と鈴に連れ出されたのだ。しかも連れてこられたのは千冬の部屋。更には自分と千冬以外は全員一夏に好意を持っている・・・・ハッキリ言って場違い感が半端ない。先ほどまで箒たち以上に肩身が狭かったが、千冬の‶あのバカについて”と言われれば一人しか思いつかない。自分の幼馴染で千冬を‶姉御‶と呼ぶデュオしかいない。
(デュオについてって・・・いったい何のことだろう・・・・?)
「「「言わなくていいです!!」」」
と、そこまで考えていると突然、箒とセシリアに鈴が大声をあげて千冬に詰め寄った。
どうやら千冬にからかわれたようだ。
そんな三人を笑って一蹴し、ラウラの方を見る。
「で、お前は?」
先ほどまで普段の千冬とはかけ離れた行いを見て若干、というかかなり動揺していたラウラはいきなり話を振られたビクッと身をすくませながらも言葉を紡ぎだした。
「つ、強いところが、でしょうか・・・」
「いや、弱いだろ」
にべもなくバッサリと切り捨てる千冬。実の弟が聞いていたら酷いと言いながらさめざめと泣いていただろう。
が、珍しくラウラは食って掛かった。
「つ、強いです。少なくとも、私よりは」
「そうかねぇ・・・。少なくとも一夏の腕ではマックスウェルに一太刀もつけられないほど弱いぞ」
『え?』
千冬の発言に五人は耳を疑った。そしてこうも思った、一夏がデュオに傷一つつけられない?そんなバカな・・・と。
「信じられんか?だが、事実だ。少なくともアイツはこの学園に来てから一度たりとも本気を出していない。対抗戦の時も実力の半分っといったところだ」
「そんな・・・」
千冬の話を聞いたセシリアと鈴は絶句した。あれほど高い戦闘技術を見せて、まだ半分の実力しか出していないというのだ。
「そもそも、奴のスタイルは高い操縦技術と高度な近接戦闘だ。特に奴のワンオフとフェイントを織り交ぜた近接格闘は私でも手を焼く。ラウラ、直接接近戦でやりやったお前ならわかるだろう?」
「は、はい・・・改めて思い返してみると終始デュオの動きに翻弄され懐に入れませんでした。それどころか、いつ首が落とされるか気が気でありませんでした」
生粋の軍人でこの五人の中でも高い近接戦闘を持つラウラにここまで言われて改めてデュオの強さを再確認したシャルたち四人であった。
「だろうな。――――さて、デュノア。ここからはお前に対してだが・・・」
「は、はいっ!!」
いきなり話を振られシャルロットはピンッと背筋を伸ばし、いったいどんな質問だろうと身構える。
「お前は、あいつの事をどれぐらいまで知っている?」
「へ?」
が、この質問は正直予想外であった。
「えっと・・・あの・・・どういう意味ですか?」
「どうもこうも言葉通りだ。お前はアイツの事をどの程度知っているのだ?」
シャルロットは千冬の質問の意図を測りかねていた。いったいどういう事だろう?彼女は何を言っているのだろうっと。が、問いかけてくる千冬の表情は酒で頬は赤いものの眼は真剣そのものだ。ここは自分も正直に答えようと思い、まっすぐ彼女を見つめる。
「デュオは、僕の大事な幼馴染で僕を助けてくれた大切な人です」
「ふむ・・・あいつは確か八年前からウィナー家で働いていたそうだが、その八年間を知っているか?」
「い、いえ・・・教えてもらっていないですけど・・・」
シャルの返答を聞いて千冬はやはりか・・・っと小さい声でつぶやく。そのつぶやきは余りにも小さいものでそばにいた彼女たちでも聞き取れなかった。
「あの、いったいどういう「デュノア」―――は、はい」
シャルロットの追及を遮り千冬は真剣な表情で彼女を見据える。
「お前がアイツの事を好いているのはよく分かっているつもりだ。だからこれは年長者として、何よりあのバカの事を知っている一人として忠告だ。よく覚えておけ」
「は、はい・・・」
「アイツと付き合うならそれ相応の覚悟をしておけ」
「・・・・え?」
訳が分からないといった表情のシャルロットを無視し、千冬は彼女以外の四人にも視線を投げかける。
「お前たちもだ。友人にしろ恋人にしろ生半可な覚悟でアイツに近づくな。さもなければ――――死神に連れていかれるぞ」
「し、死神・・・?」
「それってデュオのISのことじゃあ・・・・」
「それに覚悟って・・・?」
「教官・・・?」
「・・・・どういう意味ですか?」
「今、私が言えるのはこれだけだ。これ以上はあのバカに直接聞け」
そう言って、千冬は二本目のビールを空け、三本目に手を伸ばした。そんな千冬を余所に箒たち四人は重くなった空気に辟易している中、シャルロットは先ほどの千冬の話が胸の内に引っかかっていた。
(そう言えば僕、デュオが孤児院を出た後の事、全然知らない。デュノア社にいた時もデュオの経歴も見せてもらったけど、ほとんど白紙も同然だったし・・・いったい僕の知らない八年間に何があったんだろう・・・)
デュオの過去編については夏休み編でやります。その過程でシャルロット、楯無、千冬のとの出会い編も出しますので、しばらくお待ちください。