インフィニット・ストラトス~死神と呼ばれるIS~リメイク 作:神喰いの王
~放課後~
「ふぃ~やっと終わったぜ」
デュオはため息をつきながら寮に向かっていた。あの後一夏が決闘を了承した所為で流れ的に自分も受ける羽目になってしまった。
(他の国の代表候補生と戦っても大丈夫か~?後で文句とかこねえよな?)
そんな事を考えながら、指定された自分の部屋に着くと鍵を開けようとして、ハタと気づいた。
(カギが開いてる?この部屋の住人は俺だけのはずだろ?じゃあ、一体どうして・・・)
デュオはゴクリと唾を飲み込みドアノブに手を掛け、恐る恐る開けると、そこには・・・・
「あっ!帰ってきたの、ダーリン。もう遅かったじゃないの~」
バタン!!
(オ~ケイ、落ち着け俺。今のは幻覚だ。アイツがこの部屋にいるはずがない。・・・・よし!)
そして、もう一度ドアを開けると、
「も~!!いきなりドアを閉めるなんて失礼だよ?デュオ」
「何でいんだよ~楯無!!」
デュオはガックシと膝をつきながらこの学園の生徒会長にして『学園最強』の異名を持つ『更識 楯無』を見た。楯無は扇子を開きながら朗らかな笑顔でデュオを迎えた。
何故かスク水エプロン姿で・・・・
「っていうか、何でスク水エプロン!?そしてどうやってここに入ってきた!?」
「え~久々の再会だから、インパクトのある衣装で来たんだけど・・・嫌だった?」
そう言って上目使いでこちらを見る楯無に、デュオは
「むしろ、大好きです!!って違うわ!?俺が聞きてえのは、どうやってここに入ったのかって聞いてんだよ!?」
「そこは、ホラ。合鍵でちょちょ~と・・・」
「思っきし不法侵入じゃねえか!?」
「大丈夫!私、生徒会長だし!!」
「むしろ、一番やっちゃいけねえ立場じゃね!?いいのか、この学園。こんな奴が生徒会長で!?」
「えへへ~そんな褒めないでよ」
「今のをどこをどう取ったら褒めた事になる!?」
頬を染めながらイヤン、イヤンっと悶える楯無にデュオは、
(ダメだこいつ・・・早くなんとかしないと・・・)
「ったく、相変わらずだな、楯無?」
「そう言うデュオくんこそ、相変わらずね?」
二人は互いに握手しながら笑いあった。
「それより聞いたよ?早速イギリスの代表候補生と試合するらしいじゃない」
「幾らなんでも情報速くねえか?」
「本音ちゃんがデュオくんとおんなじクラスだからね」
「あ~そう言えばいたな。クソッ情報のソースはアイツか」
本音とは本名『布仏 本音』そして本音の姉『布仏 虚』。この二人の家系『布仏』は代々コイツの家『更識家』に使えていて、昔で言うなら王様と家臣?(微妙に違うが)と言う間柄だ。と言うコイツの家も裏工作を実行する暗部に対する対暗部用暗部「更識家」の当主であり、『17代目の楯無』。その実力はこの学園最強の実力者にしてロシアの代表である。
「で?それだけの為に来たのか?」
「そうよ?」
探るように楯無を見ると、彼女は人を食ったような笑みを浮かべながらデュオに言う。
「それだけなら、さっさと着替えて帰った帰った。生徒会長サマが男の部屋に二人っきりとか、スキャンダル以外の何物でもねえぞ?」
「え~私はそれでもいいわよ?」
「お前はよくても俺がよくねえ。それに俺はシャワーも浴びてえし、飯も作んねえといけねえから、お前にかまってらんねえよ」
「あ、ご飯なら私が作っといたわ」
「なに?」
ホラっと指さす先には部屋の備え付けのテーブルに豪華な日本料理が並べてあった。
「・・・・・」
「ね?大丈夫、味の心配はしなくていいよ。花嫁修業はバッチリしたから」
エッヘンっと胸を張る楯無。っていうか胸を張るとその豊満な胸が揺れて・・・ゴホンゴホン!!!
「じゃあさっさとシャワー浴びるか」
「お背中流しましょうか?」
「ブッ!!ば、馬鹿野郎!?な、何言ってやがる!?」
猫撫でしたような甘い声に不覚にもドキッとしたが、なんとか理性を保ち拒否する。
「いいか、絶対入ってくんなよ!?」
そう釘をさしデュオはシャワールームに入っていった。
「入ってくんなっていっただろうが・・・」
「あ、アハハ、ゴメンゴメン。フリだと思ったし、どうしても我慢できなくってね~」
「お前な・・・・」
まったく悪びれもしない楯無にデュオは怒りを通り越してあきれた。
あの後、デュオがシャワールームでシャワーを浴びていると、突然バスタオルで身を包んだ楯無が入ってきてデュオはかなり焦り混乱した。
慌てて彼女を追いだそうとした時に誤ってバスタオルを引っかけてしまい取れた先には・・・・・先ほどのスク水ではなくマイクロビキニを着ていた。
「いくらアレは水着に分類されるとはいえ面積少なすぎるだろうが・・・第一、着てなかったらどうすんだよ?」
「ん~美味しく頂いちゃう?」
「お前な、もう少し自分を大事にしろよ」
楯無が用意した料理を口に入れながらデュオは彼女にそう言うが、
「大事にしてるよ?こんなこと言うのはデュオくんだけだもん」
「・・・・」
真顔ですごい事言う楯無にデュオは顔を真っ赤に染めてそっぽを向いた。
「~~♪」
そんなデュオの反応がお気に召したのか、楯無は鼻歌交じりにご飯を口に入れた。
そんなこんなで初日は穏やかに過ぎていった。
かに思えた。
夜、デュオは就寝しようとベッドに入ったがそこである事に気付いた。
「おい、一応聞くぞ。なにしてやがる」
「え~っと、夜這い?」
「いや、堂々と夜這い宣言してんじゃねえよ、生徒会長」
「細かい事は気にすんなぁ!!」
「細かくねえよ!?」
「ええ~い!往生際が悪いな!!さっさとその貞操を寄こしなさい!!」
「ふざけてんじゃねえ!!」
「ふざけてないよ!!私は何時だって本気さ!!」
「なお、悪いわ!!!」
「むう~こうなれば仕方ない・・・・」
「は?・・・おい、ちょっと待て、まさかお前・・・」
「こうなったら『更識』の技で・・・」
「何でこんな事で『更識』の技を使うんだよ!?・・・な、おい、冗談だよな?オイ!!」
「フフ、大丈夫。気持ちよくしてあげる」
そう言って楯無は妖艶な笑みを浮かべデュオに迫っていった。
「ちょ!?いつの間にか拘束されてるし!?ちょ、まっ!!?・・・・
アアーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
翌朝~食堂~
「・・・・・おはよう・・・・・」
「おう、おはよってどうしたんだデュオ!?そんなげっそりした顔して!?」
「ああ、いや、昨日、忍び込んだ猫に貞操を狙われかけてな・・・」
「は?」
「ああ、いや、何でもねえ。ただ、千冬の姉御が駆け付けてこなかったら、マジでヤバかった・・・・」
どうやらあの後、騒ぎを聞きつけた千冬がデュオの貞操を守ったようだ。
「なんかよくわからねぇけど・・・。そう言えばデュオと千冬姉って知り合いみたいだけど何時知り合ったんだ?」
自身の朝食を食べながら一夏はふと疑問に思ったことを訪ねてきた。
「ん?なんだ~一夏くんは俺と姉御の関係が気になるのかな~?」
「べ、別にそんなんじゃねーよ!!た、ただ疑問に思っただけで――――」
ニヤついた顔で訊いてくるデュオに一夏は慌てて否定するがデュオはうんうんと頷きながら、
「分かってる、分かってる。お前の気持ちは分かってるから」
「ぜ、全然分かってねぇ・・・!」
「まぁ、あんな美人でスタイルの良い姉を持つとシスコンになるのは分かるが、だからって過保護すぎるのはどうかと思うんだよ俺は」
「しかも、話しすら聴いてねぇ!」
いっそ殴った方が早く解決するか?と一夏の内心に一瞬物騒な考えが浮かぶが流石にダメかとすぐにうち払った。そうしている内にデュオは段々とエスカレートしていくが、
「まぁ、姉御と知り合ったのは二年ぐらい前だったか?詳しい経緯は訊かないでおいてくれや」
「何でだよ?」
釈然としない一夏にデュオはニヤリと笑い、
「そりゃあ、お前。俺と姉御の二人だけのアツ~イ思い出だからな、おいそれと喋れn『ドゴンッ!!』グゲッ!?」
「何をふざけた事を言っている、貴様は」
クネクネとしなを作りながら語りだすデュオの脳天に千冬の鉄拳が振り下ろされ、拳の威力を殺しきれず、そのまま机に叩きつけられた。
「何をしている!食事は迅速に効率よく取れ!遅刻したものはグラウンドを十週させるぞ!・・・・それから、織斑!」
「は、はい!」
ギンッ!と擬音が付きそうな眼光で睨まれ一夏は思わず直立不動になってしまった。
「そこのバカの言っている事は十割がデタラメだ。少しでも信じようものなら・・・・」
「は、はいっ!了解です、織斑先生!!」
ドスの効いた声音で忠告してくる千冬に一夏は直立不動で返事をするしかなかった。
「よろしい。ならばさっさと食事を済ませて教室へ迎え」
「は、はいっ!」
その後、食事を終えた一夏は食堂を後にした。デュオを置いて・・・・。
そして、案の定。予鈴ギリギリに意識を取り戻したデュオは朝のHRを遅刻しグラウンド十週させられたそうな・・・。