インフィニット・ストラトス~死神と呼ばれるIS~リメイク   作:神喰いの王

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死神は学園生活を謳歌し、中華娘はIS学園へと来日する

「では、一年一組代表は織斑一夏くんに決定です。あ、一繋がりでいい感じですね!」

 

「はい?」

 

セシリアとのクラス代表決定戦から翌日、朝のSHRで教壇に立った真耶が喜々としながらそう宣言した。

一夏は周りが騒いでいる中、真耶の言葉に思考が停止してしまい、しばらくして

 

「先生、質問です」

 

「はい、織斑くん」

 

「俺は昨日の試合に負けたんですが、それに最後に勝ったのはデュオのはずなんですけど、何で俺がクラス代表に選ばれているんですか?」

 

「それは――――」

 

「それは、俺が辞退したからだ」

 

真耶の言葉を遮りデュオは頬杖をつきながらダルそうに言った。

 

「何で?」

 

「何でって、こう見えても俺は多忙な身なんだよ。クラス代表なんて役割を押しつけられたらこっちの行動が抑制されるし、自由に動けねえからな」

 

頬杖をつきながらヒラヒラと手を振るデュオの姿に一夏は何かを我慢するようにプルプルと震えていると、

 

「で、本音はなんだ、デュオ」

 

「そりゃあ、クラス代表になって四苦八苦する一夏を見て楽しむ・・・・はっ!?」

 

「やっぱりかああああ!!!!」

 

「ちょ!姉御、誘導尋問は卑怯って、うおおおぉおお!?」

 

千冬の誘導にデュオはまんまと乗ってしまい、振り上げた一夏の拳をギリギリかわす。

 

「あぶねえだろうが!?」

 

「やかましい!一発殴らせろ!!」

 

「喰らうかあ!!」

 

迫りくる一夏のラッシュをデュオは紙一重でかわす・・・・無駄にハイレベルである。

 

ドッガガッ!!!!

 

「「ぐあっ!?」」

 

「止めんか、馬鹿者共」

 

更にヒートアップしようとした二人の頭に千冬の鉄拳が振り下ろされた。

 

「~って~~~ち、千冬姉!!」

 

スパァン!

 

「~~~~~」

 

「織斑先生、だ」

 

千冬が来た事で一夏が千冬に問い詰めようとしたが、千冬の出席簿アタックを喰らい、痛みに悶えてしまう。

 

「~~~~~そ、それよりも、だったら、俺に直接勝ったセシリアがクラス代表じゃ・・・?」

 

「それは、わたくしも辞退したからですわ!」

 

突然、後ろから席を立つ音が聞こえ後ろを振り向くとセシリアがポーズを取っていた。

 

「まあ、勝負はあなたの負けでしたが、しかしそれは当然の事。何せ貴方はIS初心者の上、相手がわたくしセシリア・オルコットが相手だったのですから。」

 

「ぐっ」

 

そう言われると一夏は何も言い返せなかった、何せ実際負けたのは事実だし。

 

「まあ、あの時はわたくしも大人げなかった事を反省しまして・・・一夏さんにクラス代表を譲る事にしましたの。幸いマックスウェルさんもクラス代表を辞退すると聞きまして、それならわたくしも、と」

 

「そう言うこと~♪」

 

「ちっくしょおおおおぉぉ!!」

 

後ろで高らかに宣言するセシリアと自分の隣でデュオのイイ笑顔で一夏は絶望に打ちひしがれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

四月も下旬、遅咲きの桜が丁度散った頃、デュオ達はグラウンドにて千冬の授業を受けていた。

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、マックスウェル。試しに飛んで見せろ」

 

千冬の言葉にデュオとセシリアは即座にISを展開した。しかし、普通のISの光の粒子の色は白なのに対してデュオのISの光の粒子の色は黒。まるで闇が彼を飲み込むように展開される光景を見て、その場にいたクラスの者達に動揺が走った。

やがて、一秒も経たないうちにその禍々しい装甲が姿を現した。

 

「織斑、何を呆けている。さっさとISを展開しないか」

 

「は、はい!」

 

タナトスから発する禍々しいオーラにクラスの大半が飲まれている中、千冬の叱咤に一夏は再起動しすぐさま白式を展開し始めた。

そして、千冬は一夏も白式を装着し終えたのを見て、

 

「よし、では飛べ」

 

その言葉と共に黒と青の閃光が空に舞い上がり、上空で制止した。一夏もそれに遅れて上昇してきたが、二人

に比べてはるかに遅かった。

 

「なにを遊んでいる。基本スペックではタナトスはともかくブルー・ティアーズよりも上なんだぞ」

 

一夏の飛び方があまりにお粗末なので地上から千冬の叱責が通信越しで飛んできた。

 

「んな事言ったってさ、角錐をイメージってのが分かんないんだよなぁ~。そもそも、なんでこれで飛べるんだ?なぁデュオ、何かコツとかないわけ?」

 

一夏は隣で並走するデュオに教えてもらおうとしたが、

 

「あ~まあ、最初は誰だってそんなもんだ。俺の場合は最初っから飛べたし、ようは慣れだな。慣れ」

 

「マックスウェルさんの言うとおりですわ、一夏さん。イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を模索した方が、建設的でしてよ」

 

「そういうことだ」

 

「んな事言ったてなぁ~」

 

「なら説明してさしあげましょうか? 反重力力翼と流動波干渉の話になって長くなりますが」

 

「「ごめんなさい。結構です」」

 

「そう、残念ですわ」

 

ふふっとセシリアは全然残念そうに見えない笑みを浮かべていると、

 

「一夏っ!いつまでそんな所にいる!早く降りてこい!」

 

いきなり通信回線に箒の怒声が響き、下を見ると箒が真耶のインカムを奪っていた。後ろで真耶がワタワタしているのが印象的だ。

 

「丁度いい。織斑、オルコット、マックスウェル、急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

 

「了解。そんじゃ、お二人さん?おっさき~♪」

 

千冬の指示を聞いてデュオはいち早く反応し、地表へ急降下していった。

そして、きっかり地表十センチのところで完全停止した。

 

「・・・・まあこれぐらい出来て当然だな」

 

千冬の前でドヤ顔をするデュオに千冬は冷たく返し、その間にセシリアが降りてきた。

 

「次はお前だ、織斑。さっさと降りてこい!」

 

千冬が上空に向かって通信を送ると、

 

ギュンッ!!

 

ドオオオォォォン!!!

 

「・・・・確かに早く降りてこいと言ったが、誰がグラウンドに穴を開けろと言った。」

 

「・・・・すみません」

 

「アハハハハハ!!!ってイッテェ!?」

 

千冬は呆れた目で一夏を見下ろしながら、隣で爆笑しているデュオに拳骨を落とす。

 

「まったく・・・では次に武装を展開しろ。織斑、何をそんな所でぼうっと浮かんでいる。さっさとならばんか」

 

「は、はいっ」

 

やっと地面から脱出で来た一夏は休む間もなく千冬に叱責されデュオの横に並ぶ。

 

「では、織斑、武装を展開しろ」

 

「は、はいっ」

 

そう返事をした後、一夏は左手で右腕を握りしめ光りの粒子が手のひらから放出され、ゆっくりとだが像を結び形として形成され雪片二型が形成された。

 

「遅い。0.5秒で出せるようになれ」

 

しかし、千冬は褒めるどころかキツイ言葉を一夏にあびせた。

 

「セシリア、武装を展開しろ」

 

「はい」

 

そうしてセシリアは左手を肩の高さまで上げ、横に突き出すとその手にスターライトmkⅢが握られていた。

 

「流石は代表候補生と言ったところか。だが、そのポーズは止めろ。横に向かって展開させて一体誰を撃つ気だ。正面に展開するようにしろ」

 

「で、ですがこれはわたくしがイメージをまとめる為に必要な―――」

 

「直せ。いいな?」

 

「・・・・はい」

 

不満そうな顔をするセシリアだが千冬の一睨みで納得させる。

 

「ハア、デュオ。手本を見せてやれ」

 

「了解」

 

返事をした瞬間、黒い光の粒子が長い棒状の形をしたかと思えば灰色のロッドがデュオの前に現れそれを手に取った。

 

「流石だな。いいか、織斑、オルコット、これが正しい武装の展開だ。よく覚えておけ」

 

「いや~姉御にそんな褒められんと照れるぜ」

 

千冬に褒められ?デュオは手を頭の後ろに回し本気で照れている。

 

(あれ、褒めてんだ・・・)

 

「セシリア、近接用の武装を展開しろ」

 

「え?あ、は、はい」

 

千冬に言われセシリアは直ぐに武装を展開しようとしたが、スターライトmkⅢの様に直ぐには展開できず光りの粒子が彼女の手の中で漂っていた。

 

「クッ」

 

「まだか?」

 

「も、もう直ぐです・・・・ああ、もう!『インターセプター』!」

 

千冬の催促にセシリアは武器の名前をやけくそ気味に叫ぶとその手にショートブレードが現れた。

 

「・・・・何秒かかっている。お前は実戦でも相手に待ってもらうのか?」

 

「じ、実戦では近接の間合いには入らせません!ですから、問題ありませんわ!」

 

「ほう、織斑との対戦で初心者に簡単に懐に入られ、マックスウェルには特殊武装があったにしてもいとも容易く懐に入られ、負けたのはどこの誰だ?」

 

「そ、それは・・・あの・・・」

 

セシリアはごにょごにょとまごついた後、一夏の方をキッと睨みつけた。

 

「まったく、専用機持ちと言ってもこれでは話にならんな。マックスウェル、この中で一番ISを使えるのはお前なのだからしっかり指導してやれ。いいな?」

 

「へ~い」

 

バシンッ!

 

「返事ははい、だ。馬鹿者」

 

「~~は、はい」

 

「よろしい。では、今日の授業はここまでだ。織斑、グランドを片付けておけよ」

 

その言葉を聞き一夏は絶望したような顔になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

夕食後~食堂~

 

「それでは、織斑くんクラス代表決定おめでとう!」

 

「おめでとう~!」

 

パン、パパァン!

 

一人のクラスメイトの音頭であらかじめ配られていたクラッカーが一斉に鳴らされた。

 

「・・・・・」

 

しかし、クラスが盛り上がってる中一人だけテンションが低い奴がいた。そう、今回のパーティーの主役の一夏である。

 

「おいおい、どうしたんだ、一夏?主役がそんな顔してたら盛り上がんないぜ?」

 

「デュオ・・・なら変わってくれるか?」

 

「ムリ」

 

イイ笑顔で断られ一夏はガックシと肩を落として落ち込んでしまった。

 

「人気者だな、一夏」

 

「・・・本当にそう思うか?」

 

「ふんっ」

 

箒は不機嫌そうに鼻を鳴らすとそっぽを向いてお茶を啜った。

 

そんな二人の様子を見てデュオはニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべ、一夏はそんな箒の態度に訳がわからないといった感じだ。

 

「はいはーい。新聞部でーす。話題の二人の新入生にインタビューに来ましたー!」

 

突然の新聞部の登場でまた場が無駄に盛りあがった。

 

「あ、私は二年の黛薫子。よろしくね。新聞部の副部長やってるの。はいこれ、名刺」

 

そういって、薫子は一夏に名刺を渡すとキョロキョロと周りを見渡し、

 

「あれ?もう一人の男子のデュオ・マックスウェルくんは?」

 

「え?デュオなら隣に・・・・っていねぇ!?」

 

隣を見たらいつの間にかデュオの姿は無く、代わりにノートの切れ端が座っていた所に置いてあった。

 

「えっと・・・『後は任せた』ってあの野郎~!覚えてやがれーーー!!!」

 

ノートの切れ端を握りつぶし一夏はここから消えたデュオに向かって絶叫した。

 

 

 

 

 

「ふう~あぶねえ、あぶねえ。楯無の言った事が本当なら、あの二年にかかわんない方がいいよな~」

 

食堂から逃げ出したデュオは自分の部屋に向かっていた。

 

「それにしても一夏の奴。何で、アイツ等の好意に気づかねえんだ?普通気付くだろう・・・」

 

まあ、あれはあれで面白いからいいんだが・・・と呟いていると、自分の部屋が見えてきた。

 

「そういや、ここ最近カトルに連絡してなかったな・・・丁度いいから連絡すっか」

 

デュオは部屋に入ると、自身の携帯を取り出し、親友に電話を掛ける。

 

プルルル・・・ガチャッ

 

「もしもし、カトルか~?」

 

『デュオ?珍しいですね、君から連絡するなんて・・・何かあったんですか?』

 

久々に聞いた親友の声は変わりない優しさに満ちた声をしていた。

 

「いや、別に何かあったってわけじゃねえんだけどよ・・・・ってそっちは今、仕事中か?」

 

『いえ、今しがた仕事が片付いたので、これから食事をしようと思っていた所です。』

 

「あ~そっか・・・ってまた、仕事してたのかよ。俺が言えた義理じゃないがしっかりと休んでおけよ」

 

『フフ、ありがとうございます。デュオはそっちに行っても変わって無くて安心しました』

 

デュオの呆れた様なそれでいて気遣うような言葉にカトルは嬉しそうに感謝の言葉を述べた。

 

「まあ~な~。こっちはこっちで楽しくやってるよ。特に一夏の奴には笑わせてもらってるさ。今日だってな――――-」

 

デュオが今日あった実習のことを話すとカトルはクスクスと笑いだした。

 

『ハハハッ!確かにそれは笑ってしまいますね』

 

「だろぉ?そういや、同じクラスに俺以外の代表候補生がいたぜ」

 

『え?デュオ以外にですか?』

 

「おお。しかも、あのオルコット家の一人娘、セシリア・オルコットだ。」

 

『セシリア・オルコット・・・確かイギリスの名門貴族オルコット家の一人娘でイギリス代表候補生でしたっ

け・・・まぁ、IS学園には世界各国から来ますからね何ら不思議ではありませんけど・・・』

 

「そうそう、そいつ。そのイギリスの代表候補生と一夏が入学早々、決闘をしてな~。しかも、流れ的に俺に

まで決闘を申し込んできたんだよ」

 

『え?デュオにもですか?デュオ、何か気に障る事を言ったんですか?』

 

デュオの言葉に驚き、不信がるようにデュオに問いかける。

 

「おいおい。今回は完璧、俺に非は無いぜ?」

 

『今回はって自覚あったんですね。そうですか・・・でも、流石に他国の代表候補生と問題になった場合、貴

方の身に危険が降りかかります。気を付けてくださいね?』

 

「おいおい、安心しろって。んなヘマしねえよ。心配すんなって!」

 

カトルの心配そうな言葉にデュオは安心させる様に陽気に返す。

 

『ならいいんですが・・・・っとラシード、どうしました?・・・ええ、わかりました』

 

「カトル?忙しいんなら、また掛け直すぞ?」

 

『いえ、そう言う事ではなく先ほど入った情報で、デュオのいる学園に新しい、代表候補生が転入するらしいです。』

 

「ああ?代表候補生ってどこの国のだ?」

 

『はい、中国の代表候補生で名は――――――』

 

そうしてしばらくして、カトルとの通信を終え、デュオはシャワーを浴びて就寝した。

 

 

 

 

~翌日~

 

「よお、一夏!おはよ~す」

 

「おはよう、裏切り者」

 

朝、廊下でばったり会った一夏に挨拶するといきなりそんな言葉を言われた。

 

「おいおい、いきなり御挨拶だな。昨日の事まだ根に持ってんのかよ?」

 

「うっせー!昨日お前が消えた後大変だったんだぞ!?」

 

「ははっ!まあ、悪いとは思ってぜ?今度なんか奢ってやるから機嫌直せよ」

 

「まあ、そこまで言うなら・・・・」

 

そんな会話をしながら教室に着くと、

 

「織斑くん、マックスウェルくん、おはよー。ねえ、転校生の噂訊いた?」

 

「おはよっす」

 

「おはようって、転校生?今の時期にか?」

 

今の時期に入学ではなく、転入という形でIS学園に来るという事は――――

 

「うん、何でも中国の代表候補生なんだってさ」

 

「ふーん」

 

「あら、わたくしの存在を今更ながらに危ぶんでの転入かしら」

 

いつの間にかセシリアが何時もの様にポーズを取りながら登場した。

 

「別にこのクラスに入るわけではないだろう?騒ぐほどの事ではあるまい」

 

更に、これまたいつの間にか篠ノ乃の奴も一夏の隣に立っていた。

 

「どんな奴なんだろうな」

 

「む・・・気になるのか」

 

「ん、まあな」

 

「ふん・・・」

 

一夏のそんな態度は篠ノ乃的に気にくわなかったらしく、鼻を鳴らしてむくれてしまった。

 

「今のお前に女子を気にしている余裕があるのか? 来月にはクラス対抗戦があるというのに」

 

(あ~あ、素直じゃねえな~。もっと、「他の女子なんか気にせず、私を見て!」みたいなセリフを・・・無理か)

 

そんな言葉を言う篠ノ乃を想像できない。

 

「そう!そうですわ一夏さん。クラス対抗戦に向けて、より実戦的な訓練をしましょう。相手ならこのセシリア・オルコットが務めさせていただきますわ」

 

「あーその件なんだが、オルコット。一夏を鍛えるのは俺がやる事になった」

 

自信満々に宣言するセシリアに申し訳なく言う。

 

「な!?ど、どうしてですのっ!?」

 

出鼻をくじかれたセシリアがこっちにくってかかってきた。

 

「いや、昨日千冬の姉御が言ってただろ?当面は俺が一夏に基本的な事を叩きこんで来月のクラス対抗戦の出来次第で俺が鍛え続けるか否かを決めるらしいぜ?」

 

「そ、そんな事―――」

 

「あ、因みに文句なら姉御に言ってくれよ?俺に言ったって無駄だからな」

 

「ッ~~~~~!!」

 

俺の言葉に納得がいかないのかセシリアは声にならない叫びをあげた。

 

「まあ、その事は置いといて、中国の代表候補生か・・・」

 

(昨日のカトルの報告通りか・・・)

 

「何か知ってんのか、デュオ?」

 

周りが騒いでる中、俺の呟きに隣の一夏が反応した。後ろで篠ノ乃も聞き耳を立てているが気にしない。

 

「ん?ああ、中国の代表候補生は操縦者はともかくISは割かし有名なんだぜ?」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、何でも第三世代ISの問題点である燃費と安定性を第一に設計されてる物なんだ」

 

「へ~それってすごいのか?」

 

「ああ、従来ISはどれも燃費が悪いし、安定性に欠けてるんだよ」

 

「ねーねー!でもさ、今の所専用機もっているクラス代表は一組と四組だけだから、余裕だよ」

 

話に割って入ってきた一人のクラスメイトに一夏は返事をしようとした時、

 

「その情報、古いよ」

 

突如、教室の入り口から声が聞こえてきた。

クラスが一斉にそちらを向くと髪をツインテールにした小柄の少女が片膝を立ててドアにもたれかかっていた。

 

「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝できないか」

 

「おまえ、鈴・・・?鈴なのか?」

 

「そうよ。中国代表候補生、鳳鈴音(ファン・リンイン)。今日は宣戦布告に来たってわけ」

 

鈴音はフッと軽く笑いながらツインテールを揺らしてみせる。

 

「なにカッコつけてんだ。すげえ似合わないぞ」

 

「んなっ・・・・!?なんて事言うのよ、あんたは!」

 

(あ、こっちが地なのか)

 

「おい」

 

「なによ!?」

 

(あ、馬鹿・・・)

 

バシンッ!!

 

いつの間にか鈴音の背後に立っていた千冬が彼女の頭に強烈な出席簿攻撃が炸裂した。

 

「もうSHRの時間だ。教室に戻れ」

 

「ち、千冬さん・・・」

 

「織斑先生だ、さっさと自分の教室に戻れ、そして入り口を塞ぐな。邪魔だ」

 

「は、はいっ!」

 

千冬の登場に怯えながら、ドアから退いた鈴音はまた一夏の方を向くと、

 

「また来るからね!逃げないでよ、一夏!」

 

「さっさと戻れ」

 

「は、はい!」

 

そうして鈴音は自分の教室に逃げるように戻っていった。

 

「これはまた、面白くなってきそうだな・・・・」

 

 

その後彼女との関係を問い詰めようとした篠ノ乃とセシリアを筆頭としたクラスの女子が千冬の出席簿の餌食になったのは言うまでもない。

 

 

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