インフィニット・ストラトス~死神と呼ばれるIS~リメイク   作:神喰いの王

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死神は他人の修羅場を見て愉しむ

「待っていたわよ、一夏!」

 

昼休み、デュオたちは専用機組+αで昼食を取ろうと食堂に向かうと鈴が待ち構えていた。

 

「まあ、取り敢えずそこどいてくれ。食券出せないし、普通に通行の邪魔だぞ」

 

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

 

鈴は恥ずかしそうに盆を持つとすごすごと道を開けた。

因みに盆の上にはラーメンが鎮座しており、その事で一夏が伸びることを指摘すると鈴は更に恥ずかしそうに声を荒らげた。そんな仲良さげな二人に箒とセシリアの機嫌が急降下していくのは必然であった。

 

(おーおー、楽しそうじゃねぇの。後ろの二人はすっげぇ不機嫌そうな顔してるし、こりゃあ修羅場勃発秒読み段階か?)

 

因みにこの二人、朝の鈴の登場のせいと言っていいのか、昼休みが終わるまで真耶に注意五回、千冬に三回出席簿で叩かれていたりする。そんなこんなで触らぬ神に祟りなしと考えたデュオはこっそりと一夏達のテーブルから離れ本音たちのいる隣のテーブルに座った。

 

「マックー。いらっしゃ~い」

 

「おう、本音。ちょっとお邪魔させてもらうぜ~」

 

デュオは自分のトレー(因みに今日はカレーライス)を置き他の二人にも断りを入れておく。

 

「鷹月と相川だっけ?悪いけどご随伴させてもらうけどいいか?」

 

「マックスウェルくん!?いいよ、いいよ」

 

「どうぞどうぞ!」

 

「サンキュー」

 

デュオは二人に礼を言うと椅子に腰掛け、食事を始めながら隣の会話に聞き耳を立てた。

 

「ねーマックー。どうして、おりむーたちの方に行かなかったのー?」

 

「あん?バッカおめぇあんないつ爆発するかわからない火薬庫に態々座る訳無いだろ?ああいうのは、遠巻きに見るのが面白れぇんだよ」

 

ニヤリと笑うデュオに鷹月静寐と相川清香は苦笑するしかなかった。

 

「マックー、性格悪いって言われない~?」

 

「人聞き悪いこと言うなって」

 

ピシッと本音の鼻の頭を軽く弾きながらデュオはカレーを頬張った。

 

 

 

 

 

 

放課後、第三アリーナ。

 

「え?」

 

「お?」

 

デュオは一夏、セシリアの三人で訓練をするために第三アリーナに向かったのだが、そこに先客が待ち構えていた。しかも――――

 

「な、なんだその顔は・・・・おかしいか?」

 

「ンな事ねぇって。な、一夏?」

 

「え?あ、いや、おかしいっていうか――――-」

 

「篠ノ之さん!?どうしてここにいますの!?」

 

箒は『打鉄』を展開、装着していた。

 

「どうしたもなにも、一夏に頼まれたからだ」

 

デュオはそうなのか?と一夏に尋ねると一夏は一瞬首をかしげたが、すぐに思い出したように頷いた。

 

「それに、近接格闘戦の訓練が足りないのだろう?私の出番だ」

 

「ふ、フフッお生憎様ですわね。それなら、デュオさんがいますわ。それに参加するならデュオさんの許可を取ったほうがいいのではなくて?」

 

「ん?別にいいぜ~」

 

「ええ!?」

 

余りにも軽く許可を出したデュオに先程までの勝ち誇った笑みを浮かべていたセシリアが慌てて振り返った。

 

「ほ、本当か!?」

 

「おう。俺と一夏の得物の間合いは全然違うからな。剣は扱えないこともないんだが、本職には劣るし、どっち道篠ノ之には近接格闘を頼もうと思っていたんだ」

 

いやー助かったぜーと朗らかに笑うデュオに箒はうむうむと満足気に頷き、セシリアは対照的に陸に挙げられた魚のごとく口をパクパクしていた。

 

「んじゃ、一夏。改めて言うが、今のお前はハッキリ言って雑魚だ」

 

何やら箒とセシリアが言い争いをしているがデュオはあえてそれを無視して一夏に事実を言い放つ。

 

「うぐっ・・・」

 

「正直に言って白式の性能に頼りっきりだからな。本来なら訓練機でISの操縦に慣れ、その後に専用機を貰うのが正しい手順なんだよ」

 

「そ、そうなのか?」

 

「ああ。ま、貰っちまったもんはしょうがねぇ。取り敢えず遠距離担当はセシリア。近接格闘は篠ノ之。総合的な総合技術は俺が担当するから」

 

「あ、ああ。よろしく頼む」

 

何やら後ろで言い争いをしなが戦闘に勃発しているのか、銃撃音や爆音、剣戟の音何かが聴こえてくるがデュオはあえて無視した。対して、一夏はデュオの後ろで始まった戦闘をみながら顔が引き攣り始めてきた。

 

「・・・・そんじゃあ一夏。最初の訓練だ、あの二人を止めて来い」

 

「え゛?」

 

後ろを指さしながら軽く言うデュオに一夏の顔は完全に引きつってしまった。

 

「え、えっと・・・デュオ?今なんて?」

 

「だから、あの二人を止めてこいって」

 

聞き間違いかと思いもう一度尋ねる一夏にデュオは笑顔のまま後ろを指さした。

 

「い、いやいや。あの二人を止める?無理だろ・・・」

 

「大丈夫だってこれも訓練の一環だ。安心して逝ってこい」

 

「字がちg「いいから。逝ってこーい!!」ギャー!!」

 

まだ駄々を捏ねる一夏にデュオは首根っこを掴み戦闘のど真ん中へと放り投げた。

一夏は途中で白式を展開して最悪の事態は免れるが箒とセシリアの二人に標的にされ、ボコボコにされてしまったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜、デュオの部屋にて・・・。

 

「ってことがあったんだよ」

 

デュオは先ほどあった事をまたも勝手に入ってきた楯無に聞かせていた。

 

「全く、意地が悪いわよデュオくん」

 

楯無はバッとセンスを開き『悪趣味』と書かれていた。

 

「いや、まあ確かに悪ふざけが過ぎたけどよぉ。ちゃんと後でフォローしたぜ?」

 

「フォローするくらいなら最初っからしなければいいじゃない」

 

「ウグッ・・・」

 

ブーたれるデュオに楯無はさらに追い打ちをかけ、デュオは気まずそうにうめき声を上げた。

 

「というより、ちゃんと訓練してるの?っていうか、デュオくんって人にモノを教えた経験ってあるの?」

 

「まあ、正直言うとない」

 

断言するデュオに楯無はアラ!?とずっこけた。

 

「だ、大丈夫なの?」

 

「大丈夫じゃねぇよ。一夏の奴は知識も技術も足らなねぇんだ。それなのに白式っていうハイスペックなISを持ってんだぜ?ペーパードライバーがいきなりF1に乗るようなもんだ」

 

「う~ん。確かに今までの織斑くんの機動を見てるとその喩えが当てはまるわね」

 

「だろ?でもまぁ一応仕事だし、やれることはやろうと思ってる」

 

「うん、偉い!流石は男の子ね~♫」

 

「茶化すなよ」

 

優しく頭を撫でる楯無にデュオはその手を優しく払いのける。

 

「さって、悪いが今日は俺は早めに寝るからお前もさっさと自分の部屋に戻れよ」

 

「え、なんで?」

 

「・・・え?」

 

「え?」

 

沈黙、後に怒号。

 

「ふ、ふっざけんな!テメェ性懲りもなくここに泊まる気か!?」

 

「いいじゃない!一人部屋なんだし、私が泊まっても減るもんじゃないし!!」

 

「お前が泊まると俺の安眠が減るんだよ!!」

 

「だいじょ~ぶよ。優しくしてあげるから♫」

 

「ぜんっぜん、大丈夫じゃねぇー!!」

 

その後、騒ぎを聞きつけた千冬が部屋に突入するまで二人は取っ組み合いという名のじゃれあいは続いた。

 

 

 

 

 

 

 

「んで?今度は何やらかしたんだよ、お前」

 

翌日の朝、デュオは眠気をこらえながら朝食のパンを頬張りながら隣の一夏に視線を送った。

デュオがなぜこんな質問をしたかというと、今朝一夏達と挨拶を交わしている時に鈴が通りかかり、あからさまな不機嫌顔で横を通り過ぎていったのだ。

昨日までとは百八十度態度の違う鈴にデュオは一夏が何かやったと確信し、一夏を問いかけた。

 

「うっ・・・いや、あのな――――-」

 

一夏の説明によると昨日、鈴が一夏たちの部屋に訪ねてきて、いきなり箒に部屋を代わってほしいと言ってきたのだ。流石に譲るわけがなく、結局その話はお流れになってたのだが、問題はここからであった。

一年前、一夏と鈴はある約束を交わした。

 

『料理が上手になったら毎日わたしの酢豚を食べてくれる?』

 

所謂、プロポーズである。

中々古いが立派なプロポーズである。普通なら気づくレベルである。

しかし、この鈍感(いちか)が気づくはずもなく、何をトチ狂ったのか“食べてくれる?”の部分を“奢ってくれる”と間違えて覚えてしまったのだろう。

そして、その事で鈴が大激怒、今に至るというわけである。

以上、一夏の話から推理したデュオの考えである。

 

「んで?本当に覚えてないのか?」

 

「うーん・・・・。確かそんな感じだったはずなんだけどなぁ~。そもそもなんで鈴があそこまで怒ってるのかわからないし」

 

「・・・・ハァ(こりゃあ、相当だな・・・)」

 

一夏の鈍感発言にデュオは分かっていたつもりだったが、まだまだコイツの鈍感さを理解しきれてなかったんだなとちょっと反省した。

 

「ま、早めに謝っとけよ。何せ次の対抗戦(リーグマッチ)の相手は・・・・」

 

デュオは食べ終えたトレーを持って先ほどわかった対抗戦(リーグマッチ)の相手を思い出した。

 

『クラス対抗戦(リーグマッチ)一回戦。一組織斑一夏対二組鳳鈴音』

 

「こりゃあ、ひと波乱ありそうだな・・・」

 

 

 

 

 

 

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