がっこうぐらし!ver2.0_RTA 『一人ぼっちの留年』ルート≪参考記録≫   作:ゆキチ

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二日目・深夜 Dream

ある意味そのままな深夜廻りを敢行するRTA、はーじまーるよー……(小声)

 

 

 

ゲーム内時間で、就寝から一時間くらい経ちました。

このぐらい過ぎれば、寝ている二人はノンだのレムだのに入って起きませんし、見回りの二人も緊張が解れ出している頃です。

動くには実に良いタァイム……(イケボ)

 

とはいえ、行動開始には少し時間がかかります。

気持ち良く寝入り始めた段階での起床なので、ショタがしっかりと起きれてないのです。

就寝前の疲労度によって最適な睡眠時間が設定されています。無論、全然足りてないので覚醒まで若干の時間を有してしまう訳ですね。

 

何しても無意味なので、ここは心を落ち着かせて意識が覚醒するまで待――はよ起きろやオラァン!!(ボタン連打)

 

…………ちっ。

やはり無理か(仕様に抗う走者の鑑)。

 

仕方ないので、時間を無駄にしない為にも――これから行う、チョーカーさん救出について少しお話しておきましょうか。

 

チョーカーさんこと、柚村貴依ちゃん。

彼女は、アウトブレイク後において主要キャラ以外で唯一学校で生存する、サブキャラ・隠しキャラ的な立ち位置の子です。

 

まあ、有り体に言って居ても居なくてもどっちでもいい子ですね(明け透け)。

彼女専用のイベント・エンディングを取ろうとしない限り、救出してもしなくてもストーリー進行に影響はありません。

 

しかし、彼女は平均的なステータスながら、キャラ同士のコミュニケーションを円滑にする『話し上手』スキルを持っていて――学園生活部のペペローション(迫真)になりうる存在です。

 

基本、主要キャラは武力最強(かれら割り人形)雑事最強(恵体)魅力最強(上位三隊)基本万能(何も思いつかない)という特化キャラしかいないので、居れば痒いところに手が届くようになります。

こうした中間管理職はやっぱり大事なんやなって。

 

それに本チャートにおいて――()()()()()()()()()()()()

ケツイをキメて救出に行きます。

 

ですが、問題点として。

 

彼女はアウトブレイクからだいたい三日ほどしか生存出来ず、且ついる場所も学校のトイレの個室――時間も場所もランダムです。

つまり、下手をすれば一日目の時点でかれらになっていたりしてますし、運が悪ければ一階から三階のトイレの個室を全部見ないといけません。

 

その為、どーーーしても……!(苦渋)

救出出来ない可能性が出てきます。今の私は後衛組なので余計に。その場合はロスになりますが諦めるしかないですね。

 

ですから、今が実にベネなんですね。

二日目が過ぎれば正直見込みは無くなります。夜は『かれら』はゴーホームで少ないので絶好の救出日和です。

 

 

「すぅ……すぅ……」

「んっ……むにゃ、や……」

 

 

二人とも気持ち良く寝てますねぇ……(ニチャァ)

チャンスです。ゆきちゃんはやけに鋭かったり、めぐねぇは大人の汚さで妨害してくるので二人が封じられてるのは実に大きいです。

さっさとチョーカーさんを助けにいきましょうか。

二人とも一度寝入れば何しても中々起きないのは知ってます(平行世界の実体験)。

 

行って帰って、そのままチョーカーさんも一緒に寝るまでが一セットが理想ですね。

まあ、余裕ですけどねっ?あったりまえだよなぁ?

 

 

――おっ、動くようになった。

では、行動開始です。するりと布団から抜けだします。

 

まずは寝室を出る扉に、耳を立てましょう。

今回見張りをしているのはゴリラとりーさん。……りーさんも一緒に見張りは予想外デス……。大抵、二日目はゴリラズの片割れなんですけどねぇ。

 

 

『……ろ、かしら……』

『ん……な。もう少し……な』

『コー……り……る?』

『……むわ』

 

 

むっ。

丁度二人共いますね。出るのは待つべきです。

 

時計を見ます。……22時ぴった。

見張りは基本的にくるみが仕切るので、彼女の趣味的な意向で時間刻みでバリケードの点検に行きます。後少ししたら出かけると思うので、くるみはクリア。そうすると残りはりーさんですが……お茶を沸かしに行くか此処に残るかのどちらかですね。前者である事を祈りましょうか。

 

では、二人は行動するまで部屋でやるべき事をやりますか。

 

まずは枝切りバサ槍さんを回収します。頼りにしてるぜ相棒。月明かりで煌めいて自信満々ですね。

あとはバッグがあればいいですが……あー、めぐねぇのしか無いですね。チョーカーさん救出の合間に物資回収もしときたいんで、空のバッグが必要です。中身引っくり返して音を立てる訳にはいきません。バッグは二階で適当に取る事にします。

 

……あっ、因みにここでバカ正直に『外行ってくる!!』と言うのは止めましょう。

 

先に結論から言います――大ロスです。

 

寝てる二人はともかく、外の二人は閉鎖的なリアリスト(偏見)なので、なにバカな事言ってんだと一笑されます。好感度低い状態だとさらに下がるほどです。説得も可能ですが、それは『かれら』の中をすいすい泳げるような武力を二人に見せとかないと無理です。

つまり無理なんですぅ!(慟哭)

 

そっ、それもこれも……!

 

 

「すぅ……びーる、びーる……」

 

 

このめぐねぇのせいだぁ!おっ、冷えてるかぁー?(煽り)

こいつが私のバールを盗むからぁ……!

 

皆さんは知らない事だと思いますが――私は根に持つタイプです

具体的にはたとえショッピングモールとか行っても、ぐびねぇの為にお酒は持ってきてあげません(ドヤァ)。……まあ、このままじゃあ私が外行けるかどうかもアレなんですが。

 

……それにしてもまたバール持ったまま寝てますね。何でしょうか、固めが好きなんでしょうか(レッテル張り)。

――ふむ。今ならイケるか?さすがにステータスだけは優秀(だった)めぐねぇが相手でも、寝ている間ならバールを取るぐらいいけるのでは?『かれら』の間をスルスルと進む必要があるので、正直あれば助かります。

……ていうか、本チャート通りなら使うつもりでした!(怒)

 

まあ、二人がどっか行くまで時間ありますし、ここは盗りに行きましょうか。

筋力対抗フェイズに入ります。1か、2分くらいで余裕でしょう。

まあ、流石にこのクソザコショタでも寝ている相手に負けるはずが――

 

 

 

盗れなかったぜ。

投稿者:がっかりザコ走者 何月か分からない日 22時30分くらい。

 

めぐねぇの握力がつええぜ。最悪や。

筋力対抗フェイズに入る余地すら無かった。もう気が狂う。

なんとか離させようと脇とか首を擽ってたら、寝ぼけて抱きついてきた。あばらが三本ずつ折れた(比喩表現)。もうめちゃくちゃや。

腹が立ったんで、仕返しにめぐねぇの髪を纏めて、天辺で結んでやったぜ。そうすれば、朝起きた時に髪が広がって虚無僧になってるはずや。ざまぁねぇぜ(タイムロス)

 

 

ふぅ……。

嫌な……事件でしたね……(現実逃避)。

もういいや。もういいですぅ!……酒見つけても片っ端から穴開けてやる……(怨)。

 

バールは諦めて次だ!次ぃ!

壁に立てかけてあるめぐねぇのカバンからマニュアルをスります。

 

すっ(バッグを開ける)

サァー!(迫真のマニュアル奪取)

 

よしっ。

これで、マニュアルは全部手中に収めました。まあ、こいつ以外すでに……ククク(黒幕並感)。

 

では、この世から抹消……する前に、ショタに一回読ませます。

チャート補完の一環です。本チャート通りなら、ショタの口から皆に漏れる可能性も込みで完全に闇に沈めるところですが――ここは把握だけはしておきます。選択肢は多い方がいいので。

使う場面が無い事を祈りますが……。

 

ここは暗いので、読む事は出来ません。

灯りを付けると流石の二人も気付くので、違うとこで読みます。

 

扉に耳を当てて……。

 

…………。

 

おっ、何も聞こえませんね。(気配も)ないです。

――頃合いです。出撃しましょうか。

 

 

 

 

……だぁれもいませんね。

廊下は静かなもんです。いや、遠くでライトの光が見え隠れしたんで、くるみが三階を回ってるのは確かですね。気付かれないように、反対側のバリケードを目指しましょう。

りーさんどこ行った?反対側のバリケードですかね……?

 

ここからは時間との勝負です。

見張り組が定期的に三階を回る事もそうですが――寝室の様子も確認してくる場合もあります。

そうなると一発で気付かれるので、こればっかりは乱数の神に祈る他ありません。まあ、遅かれ早かれ気付かれるのは想定済みです。出来る限りそれが遅れれば楽は出来るのですが……。

 

むっ、廊下の先に明りが漏れてます。

……生徒会室。後の学園生活部の部室ですね。あそこは三階唯一のキッチンがあるとこなので、予想通り、茶ァ沸かしに来ているみたいです。

 

……ちらっ。

 

 

「……ふふ~ん……」

 

 

やはりーさん。ここにいましたか。

恵体を揺らしながら、インスタントコーヒーを淹れてます。

 

……すげぇ機嫌良いですね?

アウトブレイク発生直後は一人でいる時は死んだ魚みたいな目をして、じっとしている事が多いんですが――これは正気度足りてますねぇ!(満足)。焼き芋が活きたんですかね。

定期的にやりましょうか、アレ。

 

 

「さてっと、くるみのところに……」

 

 

おっと。こっちに来ます。えーと……隣の教室で隠れましょう。

 

お盆を持ったりーさんが出てきました。

そうして……くるみが居た方向に行きましたね。よし、なら反対側は安心です。

 

オーケー。

ついでに生徒会室でマニュアル読んどきましょうか。下手に違う部屋の明かりを付けて感づかれても面倒です。

 

では、いざ読書タイムとしましょう。

私は親の顔より読んだ内容ですが、このショタには初めてです。

 

 

――正気度はガツンとイキます。

 

 

はえー、すっごい減り幅……。これが所持金なら過呼吸起きそうな勢いですねぇクォレハ……。

まあ、プレイキャラ側の正気度減少は操作に影響を及ぼすだけです。ゲームプレイにこういった感情的機微を反映させるのはちょっと大変だったんですね、きっと。

ですので、慣れてる我らRTA走者からすれば死に設定に近いです。常時メダパニなだけですので。えっと、↑は→、→は↓、↓は←で←は↑……っと。おしっ。

 

さて、マニュアルはこれで用済み……。

ふふふ……皆の安寧の犠牲になって貰いましょうか。これもRTAのため……。

生徒会室のコンロで炙っていきましょうか。赤目は火を嫌うってそれ一――ん?

 

――足音。

 

てぇ……こっち来てる!?

えー……もう気付かれました?くそっ、今回は乱数の神様は微笑んで下さらなかったか!

タァイムに響いちゃぁーう↑↑↑。

 

マニュアル燃やすのは中止します!

ええっと……そう、棚!棚に一先ず隠れましょう!このショタの体型なら大丈夫です!あっ……っと。バサ槍さん忘れるとこだったあぶねぇ!

 

 

「――っとと。忘れものしちゃった」

 

 

――セーフ!んんん……ンセーフゥゥゥ!!

危ない、あと数秒遅かったら見つかってました。

 

りーさんです。何か忘れて戻ってきたみたいですね。

気付かれた訳じゃないみたいですね。良かった。まだバレてません。

 

 

「お砂糖お砂糖……あら?()()()()……消し忘れたのかしら?」

 

 

んー!バレてない!バレてないぞぉ!

私がバレてないと言ってるのだからまだバレてない!(自己暗示)

 

ん?また足音が……。

 

 

「――りーさん」

「あら、くるみ。コーヒーはちょっと待ってね。今お砂糖入れるから」

「あんがと。それより……ガムテープないか?」

「ん何使うの?」

「いや、バリケードをもうちょい補強しとこうと思って。まだ不安でさ」

「そうね……やり過ぎるなんて無いものね」

 

 

KURUMI IS GANBARIYA。

ありがたい。滅多に壊れませんが、バリケードを補強するに越した事はありません。

安全はタイムの次に大切です!いえーい!ありがとうくるみ!もうゴリラとは言わなくもないよ!

 

……ん?りーさん。なんでこっち……。

 

 

「確か、棚に何個かあったはずよ」

「ああ、一個くれ」

「一個?もっと必要じゃない?」

「いや、なんかあった時の為に残しといたほうがいいだろ?」

「それもそうね――くるみ、かしこいっ!」

「……褒められてるのかこれ」

 

 

――ファッ!?

えっ、まっ……ああ!確かにガムテは棚にたまにあります!

ちっ畜生、こっ……こっちに来るな!ああ、マズイです!ここでバレたら連れ戻されるに決まってます!マニュアルもバレ……!

ぴぃ!リセットはやだ!やだぁー!小生やだ!

 

ごめんりーさん!もう裏でセクハラしないから許し――

 

 

「――はい」

「おっ、サンキュー。んじゃあ、ちゃっちゃとやってくるわ」

「ええ、コーヒー。そっちに持っていくわね」

「おーう」

 

 

……と、隣の棚……。

ペッ!恵体め!恵体め!……ビビらせやがってこのぉ……恵体めっ!(語彙力不足)

 

 

……二人が行きました。棚から出ましょう。

廊下を確認します。……あっちのバリケードに行きましたね。補強をするならしばらくはこちらには来ないでしょう。

 

 

ふぅ~……あっぶねぇ……余裕でしたねっ!

 

 

いや、危うくイく所でしたよ。いやぁ……良かった良かった。

 

では、今の内にバリケードへ向かいますか。

バリケードは作る人によって大きく癖が異なります。

ですが、このゲームをやり込んだ私にはその癖――バリケードの弱点が完璧に分かります。

えっと、今回はめぐねぇ・くるみ・りーさんだから……右下!よし、紐を切れば通れる箇所です!行くぞ、バサ槍さん!

 

 

 

 

 

 

――少しのアレはありましたが。

体良くバリケードを抜けられました。安全地帯を抜けたので、ここから戦闘パートですね。

 

『かれら』は勿論、います。ですが、その数は少ないです。昼間の三階程度ですね。

 

『かれら』は――生前の行動に沿って行動します。

つまり、学生なら朝は家・昼は学校・夜は家ですね。ですので、大半はゴーホームしているという訳です。それでも感染の進行具合によってはそれすら忘れて、徘徊するようになります。

今いるのがそれらの個体ですね。

 

……廊下に二人。教室に出現する数は多くて、三人です。楽勝です。目的を一つ一つクリアしていきましょう。

ここはRTA走者っぽくステルスで…………――いや、RTA走者だよあたしゃ!(セルフツッコミ)

 

最近、カボチャ派ニンジャなる存在が台頭していますし、ここは一つ――このショタもヤればデキる子であるという事も証明していきましょう!サツマイモ派は、決して屈し…………うーん、カボチャ。あれも中々……いや、皮が分厚くてこのショタじゃ無理だわ。

やっぱサツマイモイチバーン!

 

 

皆さん忘れていない事を祈りますが――このショタの初期スキルに≪隠密≫があります。体格も込みで、大きな音を立てるか目の前を堂々と歩くかしない限りは『かれら』にバレません。私のプレイスキルも相俟って、ニンジャプレイは余裕なんだよなぁ(自信)

 

因みに此処でスキルポイントを稼ぐのはロスです。

ショタ単体の場合、まず攻撃を待ってからの――カウンター!でしか殺せないので。強制戦闘はこの先もあるのでスキルポイントさんはここでは端から期待はしません。

 

では、一番近い教室に入って、まずはバッグを手に入れます。

バッグは生徒のがいっぱいあるので、ショタの体格にあったのを適当に選びます。こういうサバイバル物では容量が多いモノを選びがちですが、体格が良い奴ではないとかえって動きが鈍くなってしまうのでロスです。

 

バッグには物が入っているので、中身を全部出して空にしてしまいましょう。どうせ誰も使いません。

捨てる際に音が出るので『かれら』に気付かれます。

――が。

攻撃モーションは≪掴み≫からの≪噛み付き≫しかないので、スルスル避けて次に行きます。数も居ないので。

 

 

はい、お湯―。

 

 

次の教室は……むっ。一人ですか。ならここで必要な物資を集めきってしまいましょうか。

とはいえ、教室で回収できるのは一区分の物資だけです。

 

――『誰かの物』。

 

教科書・文房具・キーホルダーとかそういった雑多なものを合わせて、そう表示されます。

正直、通常プレイでも使う機会は少ないゴミ区分です。文房具はともかく、教科書なんて使わん使わん。

 

ここで必要になるのは、ハサミや先の鋭いペン、後は金属で出来たキーホルダーを集めます。バッグいっぱいになるまで集めます。それ以外は要らないので容赦無く捨てましょう。

ハサミやペンは言うまでも無いでしょう。近接武器として使います。特にハサミは即席ナイフとして分解出来るので用途は多く、『誰かの物』区分では一番有用と言えるでしょう。

 

むっ。捨てる音で『かれら』の一人に気付かれました。

教科書でも投げ付けて妨害しながら回収を続けましょう。おらっ、『かれら』になっても勉強すんだよおらっ!(鬼畜の所業)

 

次にキーホルダーですが、一つだけではゴミです。

ですが、これを纏めると即席の鈍器に早変わり。バール補完の一つです。バサ槍さんは歴戦の枝切りバサミだったので、いつ折れるか分かりませんし。

おっ、これは旅館の売店にある男子中学生が絶対買う龍の剣のキーホルダー……!キーホルダーの中では一番殺傷力が高いので回収です!

……キーホルダーの中で一番殺傷力あるってなんだよ(素)

 

 

――こんぐらいですかね。バッグん中がパンッパンだぜ。

 

 

さて。やる事は終えました。

とっととトイレでチョーカーさんを助けましょうか。じゃあな!教科書踏んでねぇできちんと読めよ!

 

廊下をダッシュで進みます。

 

無論、音で『かれら』に気付かれますが――スルリスルリと回避しつつ突貫です。私に掛かれば、こんなの本当に余裕なんだよなぁ!

あっ、ここ走れない人はRTA止めてGEOってからまた買ってRTAして下さい(大煽り)。

 

 

――ふぅ。

やばいです。

 

なんか――私今、すごいRTAしてる気がします(錯乱)。

 

いやぁまじか。最高だわ。予定通りに事が運ぶってこんなに気持ちがいいんですね!(純粋)

ここの区間タイムも、物資回収分を含んでも誤差は一分単位!ぼく、満足!

 

 

――難なくトイレ着。女子トイレに入りましょう。ここまで良い感じなんだから此処にいてくれよなぁ?

では、個室を開けます。三室なので直ぐに済みます。

 

一室目。居ない。

……ままっ、たまにはね?

 

二室目。居ない。

…………いやね?最後があるから、気配とか何も感じないけどいるかもしれないからぁ!

 

三室目。居ない。

………………ええ……。

 

まじか。えー、まじかぁ……。

一階?一階行かなきゃだめ?いや、一階は流石になぁ……。生徒じゃない外の『かれら』も入り込んでいるので数はダンチです。生徒が持っていないモノを持ってるので、有用ではありますが今の状況ではロスでしかありません。

どーすっかなぁ。物資回収できたので諦めるのも手ですがいやでも全体のタイムを考えるとここで諦めるのは――

 

――ガンッッ!

 

むっ。隣の男子トイレで音がしました。

まあ、『かれら』が適当に転ん………ん?男子、()()()

 

…………。

 

――シュババババババッッ!(ダッシュで隣に行って扉を開け放つ音)

 

 

「――ひぃ……!」

 

 

ああ!ここかぁ!

男子か男子トイレにもいる事があるのか!基本女子トイレにいたから男子はないとずっと思ってたよもう!不安にさせやがって!

あー……良かった。タイムは守られた。

 

では、トンットンッ。

 

 

「……っっ!~~~っ!」

 

 

必死に息を殺してますねぇ……(愉悦)。

チョーカーさんは警戒心が強い為、普通に声を掛けても開けてくれ――ないと思っていたのか?(サイヤ人並感)

 

ここで、ゆきちゃん幼馴染ルートが活きてきます。

だから、あの子は最強に可愛いんですね。

 

――おーい。柳くんだよー。だれかぁー、誰かいますかー。

 

 

「えっ……や、なぎ……?」

 

 

――そうだよ。

 

 

「――!柳ぃ……!」

 

 

はい。秒で開けてくれました。ははっ、すげぇ隈。涙混じりに抱きついてくるのはご愛敬です。

チョーカーさんはゆきちゃんとは、親友一歩手前な関係のお友達です。ゆきちゃんの幼馴染になると私にもその状態が付与されます。ですので、声を聞くだけで開けてくれます。

タイム短縮ですね。

 

 

「あのっ、なにが起きてるのか分からなくて隠れて……私、誰かみ、みごろ――!」

 

 

はいはい。落ちつきましょうねー。大丈夫大丈夫いい子いい子。0……0……0……。

――ショタの耳囁きASMRで心を静めてあげましょう。この状態だと『かれら』を見ると腰が抜けてお荷物になった挙句噛まれます(2敗)。

落ちつくと『かれら』にビビっても黙って付いて来てくれるので、それで十分です。

 

 

「柳……」

 

 

おし。落ちつきました。

取り敢えず、簡潔に状況を説明し、フォローミー!と叫びます。大統領の娘並みに付いて来ます。

 

 

第一目標はクリアですね。

では、三階にもどっ――*おおっと*。

 

 

「大丈夫か……?」

 

 

――大丈夫だ、問題無い。

プレイ画面が少しブレましたね。これは疲労がキてる事を指しています。

寝不足、悪魔の書(マニュアル)とダブルで疲労を削りに行ってるので、体力持久力クソザコのショタにはキツイです。ですが、三階まで行っちゃえば問題ありません。

耐えてくれよマジで。

 

 

では、行きましょうか。

さっきとは違い、チョーカーさんがいるので廊下を走る事は出来ません。これ終わったらGEOってこのゲームを買い直しましょう。

 

ですので、さっきのバリケードの逆側――くるみとりーさんが補強していたバリケードに向かった方が早いです。

では、行くぞー!

 

 

「うっ」

 

 

口を押さえて吐き気と恐怖に耐えてるチョーカーさん……最高やな!

でも静かに付いてきてくれてます。さんきゅーでっす!

 

むっ。先にいる『かれら』の位置、ちょっと悪いですね。このままスルーしても気付かれてチョーカーさんが美味しく頂かれそうです(比喩に非ず)。

ここは、集めておいたキーホルダーの一つを適当にそこらに投げて誘導しましょう。

 

 

「――それは……」

 

 

ん?そこらで集めたキーホルダーだよ。

ぽいーっ。

 

……オーケー。行きましたね。

チョーカーさん行くよ。

 

 

「……ああ。照子……」

 

 

だれだよ(ピネガキ)

 

 

 

 

むーっ。

こっち側は結構多いですね。誘導できて進めてるのは良いんですが。

 

 

「………」

 

 

チョーカーさんが青ざめながらも付いて来てます。

ありがたし。キーホルダー投げる度に顔色変えてるのは気になりますが。キーホルダーマニアなのかな?

 

バリケードの直ぐ近くに来ました。

……小さく話し声が聞こえますね。くるみとりーさんです。……補強が終わって、休憩中かな?さっきからゲーム内時間で30分かそこらなので妥当でしょう。

 

 

「……!着いた!」

 

 

あっ、おいバカ!走るな!(素)

その近くに『かれら』の一人がいるのが見えんのかお前ぇ!

 

 

「――ひっ!」

 

 

ああもう!

気持ちは分かるけど!最後で気抜けるのは分かるけどぉ!

くそっ!しょうがない!行くぞバサ槍さん!

 

突進して、脇腹を抉ります!

 

 

「……柳!」

 

 

口しか出せんのかお前は!

よしっ、このまま押し出してぇ……!

 

 

――ポキッ。

 

 

ん?

あれ、急に感触が無くな――ああ。

刃先が『かれら』の腹に刺さってますね。歴戦のバサ槍さんは老年のバサ槍さんだったんですね。接合部分が脆かったみたいですはははははははははははははははは――ジィィィィィィザァァァァァス!!

 

 

「……だっ、誰か!そこにいるんだろ!助けてッ……!」

 

 

ばっか叫ぶな!他の来るダルルォォ!?

でもナイス!このままじゃ二人とも死ぬからネ!リィセットの危機ィ!

 

――くるみー!早く来てくれー!(クリリン並感)

 

 

「……えっ?」

「なぎ、くん?そこにいるの?」

 

 

――いるからとっとと来て!やーらーれーるー!

 

 

「――っ!くるみっ!」

「ああくそっ!()()()()()()()()()()()()()!やなぎっ!待ってろ直ぐにそっちに……!」

 

 

おしっ、これで大丈夫――じゃねぇ!

流石『かれら』脇腹刺されてもびくともしねぇか!くそっ、こうなるんだったら、ヘッドォショォォを狙うべきだった。体格上むずかったけど!

 

ああ、このままじゃあくるみが来る前に!

 

………やりたくなかったけどしゃあない!

先ほど『かれら』は生前の行動に沿って行動をしていると説明しました!つまり――生前の事を利用すれば誘導出来る余地はまだあります!夜にまだいる奴なんで期待は出来ませんが、やらなきゃリセット!やったるぞコラぁ!

 

こいつは誰だ……?

さっさと思い出せショタァ……!義一くん?サーカー部?

 

いや、だれだよ(ピネガキパート2)

 

いや、そんな事はどうでもいい!ともかく、声を掛けます!

大丈夫だ私を信じろ!――ゆきちゃんと幼馴染の私を信じろぉ!!

 

 

――あれ?義一くんまだ学校に居るの?また顧問に怒られるから早く帰った方がいいよ?

 

 

こい!こいこいこいこいこぉい!

 

 

「あっ――」

 

 

よしっ!止まった!今がチャンス!

くるみぃ!

 

 

「――やなぎから離れろ!!」

 

 

――グシャァ。

うわぁ……ぐろてすくぅ……(助けてもらった人)

 

 

「やなぎ!……ああくそっ、噛まれてないよな!なんであたし達に何も……って。柚村?」

「……恵飛須沢」

 

 

あっ、この子生存者。助けてもいいよね?

――まあ、事後承諾させるけどなぁ!おらっ、見ろ!さっきの騒ぎで『かれら』が寄ってきてるぜ?感染の有無よりまずは脱出だぁ!

 

 

「――くるみっ!なぎくんは無事っ!?」

「っっ!今は後だ!二人とも行くぞ!」

「……ああ」

 

 

やった!勝った!

チョーカーさん救出、完!!

 

今回はRTA出来た気がするぞおい(歓喜)!

 

あっ、こういう脱出になると後で詰問になるのですが――ショタの疲労がピークで、安全地帯に入ると気絶するのでその詰問もカットされます。

だから、早く起きてマニュアルを読んだんですね(偶然)。

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――

 

 

 

――何が起きたのかは分からなかった。

 

 

でも、悲鳴と轟音と呻き声――血。

それだけでなにか酷い事が起きたという事はわかった。

 

私は、トイレまで走って個室に隠れた。

 

友達に「なにがあったの!?」と聞かれた。無視した。

知り合いが「助けてくれぇ!!」と血に塗れた手を伸ばしてきた。無視した。

ゆきもやなぎも――どうなったかすらも考えなかった。

 

ただじっと耳を塞いで、目を閉じた。

扉を叩かれて、悲鳴と怒号――すぐに呻き声と血が溢れた音と咀嚼音が聞こえても。そしてしばらくして、動き出した音が聞こえても。

 

聞こえても、ただ……ただじっと隠れていた。

 

 

……意識が覚醒する。何度目かわからない目覚め。朝か昼か夜かも定かじゃなかった。

私は個室から一歩も出られなかった。あの光景が過るとどうしても足が動かなかった。外に出ないで済むのなら――便器に顔を突っ込むのも苦じゃなかった。

 

……これからどうなってしまうのだろう。

不安と恐怖と、空腹で――頭がおかしくなりそうだった。いっそこれは全部ドッキリでトイレを一歩出れば、皆がクラッカー片手に大笑いしてくれればどんなに良いと思った事か。

 

 

 

また意識を失って――覚醒した。もう限界だった。

ずっとこのままでいるくらいなら、いっそああなった方がいいんじゃないか、と変な笑いが零れた。

お腹は空いたし、便器に顔を突っ込む自分を笑う事すら出来なくなった。

 

――もう、いいじゃん。

 

 

そう思って、立ち上がって。

ふと――隣から物音が聞こえた。

 

「……っっ!」

 

身に張り付いた恐怖と空腹のせいか、足に力が入らず――転んでしまった。

ごつんっ、と壁に頭を打ってしまう。

 

呻いてる暇は無かった。

その物音が――直ぐにこのトイレの扉を開けたから。

 

「――ひぃ!」

 

怯えは一瞬。

ただ口を紡いで耐える。そうすれば居なくなる。居なくなってくれる。

何が聞こえても、動かず……ただ、聞こえない振りをしていれば――

 

 

「――おーい。誰かいる?やなぎくんだよー」

 

 

ふと――聞きたかった友達の声が聞こえた。

なんで。どうして。――そんな事も考えられず。私は直ぐに扉の鍵を外した。

 

ああっ、やっと……やっと!

 

 

「ふーん――ボくなら、開ケるんダ?」

 

 

そこにいたのは――血に塗れた友達と、私が見捨てた知り合いが立っていた。

 

「私ガ聞いタ時は、聞きモしなカったのに?」

「僕が手を伸バして助けてっテ言った時ハ、跳ネのけタのに?」

「俺ガ開けてクれって言ッた時は、何モしなカったノに?」

 

「「「柳なラ開けルのカ?」」」

 

 

ちっ、ちがっ……!

 

 

 

「ヒキョウモノ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ッ!!」

 

――身体が起き上がった。

久しく感じなかった感触。

 

「はぁ……はぁ……」

 

窓から差す朝日、温もりが残る布の感触、飛び跳ねてるであろう髪の鬱陶しさ――良くあるような、朝の目覚めだった。

 

「………」

 

――助かった。

一番に想ったのはソレ。私は助かった。……皆を見捨てた卑怯者が、助かった。

 

 

「――目、覚めたか?」

 

 

重い頭を横に動かすと、シャベルを持った恵飛須沢が気持ちよさそうに寝ている柳の頭を撫でながらこっちを見ていた。

その横には、ゆきと佐倉先生が静かな寝息を立てている。……ゆきも助かっていたんだ。佐倉先生は寝る時、あんな面白い結び方して寝るのか、とどうでもいい事が頭を過った。

 

「三人、寝てるから静かにな……」

 

そう言って、顎を部屋の外へとしゃくる。柳の頬を一つまみしてから外へ出てった。

 

 

――あの後。

バリケードを越えた後は大変だった。

恵飛須沢はこっちにシャベルを向けて「奴らにならないだろうな!」なんて凄んできたし、若狭は若狭で、柳を抱きしめて「どうしてこんな事したの!」って絶叫してたし――当の本人は、気絶したみたいに寝始めるし。

 

実に混沌とした現状だった。

 

結局、やけになった私が服全部脱いで「どこも噛まれてねぇよ文句あるか!」と叫んだのを最後に収束したが。

……今思えば、相当キテたな、私。

 

ゆっくり立ち上がって、起こさないように外を出る。

私を助けてくれた勇者は、何も無かったような安らかな寝息を立てていた。

 

 

「………」

 

廊下に出ると、恵飛須沢がバツの悪そうな顔をしていた。

 

「なんだよ」

 

特に何も無いが、ついそう言ってしまった。

 

「いや、その――ごめん。夜の時は悪かった」

「……いいよ。あの時はきっと恵飛須沢が正しかっただろうし」

 

人を喰らうような化け物が徘徊してるんだ。

そんな所で、いきなりまともそうなのが出たらああなるだろう。私だって、逆ならそうする。

恵飛須沢はきっと、私が寝ている間も――じっと睨みつけたんだと思う。私がいつ奴らになってもいいように。

 

結果、朝まで私はぐっすりと悪夢を見てたから。問題無いと判断して謝ってきた。そんなとこだろう。

 

「それでもだ。ごめんな」

「………」

 

こいつ。こんな、良い奴だったのか。

恵飛須沢はどっちかっていうと寡黙な奴で、卒業したOBの事しか興味がないって印象だったんだが……なんか――意外だ。

 

……こんな状況でもなきゃあ、卒業までそのままだったかも。

 

「じゃあ、謝るのはこれで終わりにしよう。私もアレで、恵飛須沢もアレだった。それでいいだろ」

「そう、だな。……あんま、湿っぽいのもな」

 

そうして、へへっと笑う恵飛須沢はやっぱり新鮮だった。

 

 

 

「りーさん。柚村が起きたぞー」

「……あら、おはよう。お湯でいいかしら」

「……?コーヒーもうないか?」

「いえ――コーヒー飲み過ぎたせいか、頭痛いのよ。カフェイン摂り過ぎたかしら」

「ははは、ありそう」

 

生徒会室では、若狭がお湯をくれた。

夜とはうってかわって、焦りを煮出したみたいな顔じゃなくて――疲れてても穏やかな顔だった。

 

 

……誰も何も喋らない沈黙が広がった。お湯を啜る音が、やけに大きい。

特に何も無かった。でも、私が居た場所や出来事は軽く話した。便器に顔を突っ込んだ事とか――友達を、見捨てた事は隠して。

 

その後、今度は二人が何があったのかを話してくれた。

屋上で難を逃れた事、生存の為に三階にバリケードを築いた事。話してない事もありそうだったが、お互い様だ。そこは聞かない。

 

「運が良かったんだな」

「運が良い……のか?」

「さあ?」

「……お前が言ったんだろ」

 

なんだか会話が楽しくて、つい軽口も漏れてしまう。

悲鳴しか言えなくなったと思ったが、良く生きていたな私の口。

 

話題は自然と柳の事になって言った。

というか、私が誘導した。聞きたかった事があったからだ。

 

「そういえば、柳はどうして外に居たんだ?」

 

バリケードは強固の印象だった。

奴らを近づけないように考えられていて、端から外に行くなんて思考の外にあるように隙間が無かった。

つまり、皆としては外に出るつもりは無かった――なのに、柳は外に出た。

 

それのおかげで私は助かった訳だけど、どうしても知りたかった。

 

二人は息を呑んで――深刻そうな顔をした。

 

「……抜けだしたんだ。きっと、生存者を探そ――いや、きっと信じられなかったんだと思う」

「そうか……」

 

柳はきっと――信じたくなかったんだと思う。

あいつは皆と仲が良かった。それの日々を、血で塗り潰された。そんなの認めたくなかったろう。

 

「……ねぇ、二人とも。なぎくんのバッグの事なんだけど」

 

若狭はそう言うと柳が背負っていたバッグを机に置いた。

チャックを開けると――血に塗れた文房具やら、キーホルダーが雑多に詰め込まれていた。もう何も入らないほどにギッチリと。

 

「なんだこりゃ」

「ええ。なんでこんなもの……」

 

二人は分かっていないみたいだった。

でも――私には分かっていた。その意味が。

 

柳が、奴らになっていた友達に投げたキーホルダーを思い出す。

……彼氏に貰ったって喜んでいた淡い水色の魚のキーホルダー。照子……私の友達だった奴のモノだった。

アイツはそれを目で追って、近づいて行っていた。あれは、音に寄せられたのか――それとも、他に何かあったのか。それは私にはわからなかった。

 

私がその事を話すと。

二人は――静かに項垂れた。……ぎしりと歯ぎしりが聞こえた。

 

 

話す事はもう無かった。

軽口を言える空気でも、もう無かった。

 

私はお湯を啜りながら、窓の外を見る。

奴らが校庭で蠢いていた。体育着の奴らが多い。まるで――朝練しているようだった。

 

 

ふと。奴らに襲われた事を思い出した。

 

 

『あれ?義一くんまだ学校に居るの?また顧問に怒られるから早く帰った方がいいよ?』

 

 

誰かもわからないくらいな奴に、あたかも当たり前のように言った柳。

それを聞いて――()()()()()()()()()()()()アイツ。

 

『……ァ、ヤ……』

『――やなぎから離れろ!』

 

想像は血を思い出したので頭から追いやった。

もう、どうでもいい事だ。

 

それよりもこの空気を何とかしたかった。

もう裸になるのは通じなさそうだったから。

 

 

 

 

 

―――――

 

 

「――んっ。むぅ……ふぁー、やーくぅんおはよぉ」

 

 

おはよう。ゆきちゃん。はい、ぎゅー。

 

 

「むふふ」

 

 

……うーん、チョーカーさんが居ませんね。

早めに起きたんでしょうか?まあ、寝室に戻ってるので問題なしです。

 

 

「……んんっ、っむ」

 

 

おっ、虚無僧が起きたぞ。

 

 

「……めぐねぇ?なにそのあたっ――むぐっ」

 

 

しー。ゆきちゃん、しーっ。

私は、根に持つタイプです(大事な事なので二回)。

 

 

「……ふふっ。やーくんもワルよのぅ」

 

 

「あら?見づらい……」

 

 

寝ぐせすごいっすよめぐねぇ(大嘘)

 

 

「そうだね。早く、鏡見た方がいいよ」

 

 

「ぅうん……そうね。ちょっと行ってきまふ……」

 

 

……なんかバール持って歩いてる虚無僧って下手な『かれら』より怖いなアレ。

 

 

「ねぇ……やーくん」

 

 

なぁに、ゆきちゃん。

 

 

「この後怒られる気がする」

 

 

おっと、それを考慮に入れないとは悪代官失格だぞ、ゆきちゃんよ。

 

 

「そっかぁ」

 

 

――悲鳴が聞こえてきました。こっち誰か走ってきますね。

…………。

チョーカーさん、救出大成功!ミッションコンプリート!今回はガバなかっ――

 

 

「やなぎくん!ゆきちゃん!私の頭をパイナップルにした件についてお話があります!!」

 

 

いや、それ虚無僧です(鋼の意思)

 

 

 




――
※解説

『誰かの物』
教室を探索する際に入手する一区分のアイテム群の事。
主に教科書・文房具・キーホルダーが多い。有用なものは少なく、大抵は使いどころなどない。

それが何に使われ、どう想われていたかなど血に塗れてしまったが――これらをどう使い、どう想うかは自由だ。

どうせ、もう『かれら』には必要ないものだ。


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