がっこうぐらし!ver2.0_RTA 『一人ぼっちの留年』ルート≪参考記録≫   作:ゆキチ

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(リアルで忙しかったり、ヌカコーラ飲んだりしてました。去年以来なので文字通り)初投稿です。

長くなりそうなので良くある表・裏で分けました。




七日目・表 R()e-What() Colla()pse?

狂気の世界の始まりだぜぇ……!なRTA、はーじまーるよー!

 

 

七日目に入りました。

ずっと続いていた晴天の日々とは打って変わっての――大雨。

分厚い雨雲が朝日を覆い隠して、今が夜に思えるほどに外は薄暗くなってしまってます。

 

……まるで、この後に何か起こるような空気だぁ(直喩)。

 

校庭に『かれら』の姿が一人も居ないような気がしたり、雨が窓に当たる音に混じって――なぁんか聞き慣れない音が沢山してる気がしますねぇ!

 

なんででしょうかねぇ~?不思議ですねぇ~?(すっとぼけ)

 

 

「部活始めだってのに……この天気かぁ……」

「まあまあ、くるみ。天気はしょうがないわ。それより、ほら――好きな缶詰を選びなさいな。因みに私はコンビーフ」

「んー……じゃあ、あたしも」

「あらやだ、私の事好きなの?」

「ちゃうわい」

 

 

生徒会室改め、部室。

皆揃っての朝食タァイムです。

薄暗い雨に負けず、場の空気は日向のように穏やかですね。

 

この後大変なので惜しい気がしますねぇ……(ニチャァ)。

 

本日の献立――白米・インスタント味噌汁・好きな缶詰一つ。身体に良さそうに見えるけど悪そうにも思える、実に感慨深いお食事です。

備蓄は十分ですが、昨日贅沢したので若干の節約を、といった感じでしょうか。

 

……気にせず浪費していって欲しい所ですが、食事関係は現在りーさんとめぐねぇに牛耳られている今、ショタが口出しする事ができません。

「(タイムの為に)いっぱい作って?」と言っても「(いつ無くなるか分からないから)ダメです」と正論で諭されて終わりです。

 

……くっ、スキルポイントさえ……!

スキルポイントさえあったなら《料理》スキル取って、私が牛耳る事もできたのにぃ……!(怨嗟)

 

まあ、それはともかく。ともかくぅ……!(不満の鬼)。

 

七日目、“あめのひ”はもう始まっています。

必殺技のおかげで楽出来ますが、初のガチ総力戦な危険地帯です。

帰らぬ過去より、変え得る今に目を向けましょう(私かっこいい)

 

 

「私はねぇ……大和煮!朝から牛!」

「私はサバの味噌煮かなぁ、王道を行く」

「それじゃあ、先生はサバの水煮に醤油とラー油~」

「……めぐねぇ、チョイスがおじさんだね」

「ひどい!美味しいのに……」

 

 

皆、朗らかに食事を楽しんでます。

正気度が低かったりすると、会話しなかったり、食事の量が少なかったり、そもそも食事に来てもなかったり、と分かりやすいアッピルがあります。

ですので――この段階では、全員安定していると言ってもいいでしょう。

 

良いことです。私が矢面に立ちづらくなっているので、一人でも欠けるとえらいこっちゃなので。

 

 

「やーくんやーくんっ!やーくんは何食べる?」

 

 

あっ、やまとにぃ!まだあったんだぁ!(ゆきちゃん並感)

 

…………はい(羞恥)。

此処はゆきちゃんと同じ物を選んで少しばかりの好感度アップでも狙います。

もうビンタはい”や”な”の”です!(ぷらずま)

 

 

「一緒だねっ!……やーくん私の事好きなの?」

 

 

そうだよ(適当)。

 

 

「きゃーっ!私も大好き!」

 

 

ヨシッ!(作業猫)

これで好感度が上がりま――寄るな触るな抱き締めるなはよ食えタイムロスるしお行儀が悪いダルルォ!?(自業自得)

 

 

「…………さぁ!くるみっ!」

「さぁ、ってなんだよ」

「恥ずかしい気持ちも分かるわ……でも私は大丈夫……――さぁ!」

「でさぁ、今日一日は何するんだめぐねぇ?」

 

「んぅ?……んぐっ。そうですねぇ、ここは部長のやなぎくんに決めて貰いましょうか。部長始めてのお仕事って事で」

 

 

おや、学園生活部の部長になったおかげで一日の行動の裁量権が委ねられたようです。これは良いタイム短縮です。

部長じゃなくても選択できますが、時たま反発されてその説得に時間を要する事もあるので、こうした実権は嬉しい誤算。

 

こういったとこでリカバーを図るのが、RTAの基本なんですね(ただの偶然)。

 

 

「…………」

 

 

……ああ、はいはい無視されて悲しいのね。無言涙目でにじり寄って来ないでねぇ、りーさん――好感度上げミスった後の悲しみの向こう側エンド思い出すから(異次元の記憶)

おーよしよし……(怯え)。

 

……なんかやけにテンションたっけぇなりーさん。

どうした、アニメでお行儀についてゆきちゃんを諭していたあの聡明に見えて中身ボロボロなりーさんはどこへ行ったんや!

お前誰や!(錯乱)

 

りーさんに限っては――元気な事はいいですが、元気なのは良くないんです(矛盾)。

 

 

「あら、やなぎくん。今日はお腹空いてたんですか?」

 

 

そうだよ(肯定)

さっさと、飯をかっ食らってショタを腹いっぱいにします。

おすそわけして、好感度稼ぎもいいですが――不測の事態に十全に動けるように気力だけは万全にしときます(走者の鑑)。

 

これから始まる“あめのひ”は、がっこうぐらしRTAでの大きなリセットポイントの一つなので。

 

……最早、チャートなどはシロアリに食われまくった木造建築並みにスッカスカですので、何が起きても驚きません。驚けません。悲しいです。

 

ですので!日頃のプレイスキル(長年の自信)で何とか乗り切ってまいりましょうっ!

行き当たりばったりでもタイムが早ければRTAだって、それ一番言われてるから(暴論)。

 

 

「あっ、そうだ。皆さん、聞いて下さい」

 

 

ん?

 

 

「今日の午後にミニテストをやるので準備していてくださいね?」

 

 

……あー。

イベントが挟まってしまいました。

 

 

「えーっ」

「えー、じゃありません。皆は生徒なんですから、お勉強するのは当然ですからね。もうテスト用紙を用意してます。ていうか、教室に配置済みです」

 

「……準備万端じゃねぇか……!」

「どっ、どうするくるみちゃんっ!大ピンチだよぉ!」

「おっ、おおおおちつけっ。ここは一つカンペを作るところから……!」

 

「……まったくいつもちょこちょこ勉強してないから焦るんだよ。なぁ、悠里?」

「…………」

「……悠里?」

「たかえちゃんは私の事好き?」

「口裂け女みたいになってるぞ」

 

 

これは――『めぐねぇの授業』ですね。

 

ゆきちゃんが本編で、一人で黒板に書いて一人で答えて一人で全問不正解なのを一人で諭して一人でびっくりするというかなり闇深なシーンが、このイベントに該当します。

 

これは、学園生活部の面々(全員ではない)が生存且つ正気度が高い状態(各種アイテム・『疾患』による見せかけ可)の場合に起こるイベントで、高校脱出の目処が立つまで何度でも発生します。

 

発生条件を満たしているとはいえ、まさか“あめのひ”である今日に挟まってしまうとは……。

 

イベントでは、学力を見せつけると好感度が上がったり、リーダーシップが増したり、発狂しているキャラを現実に引き戻せたり、と通常プレイではかぁなぁりぃありがたい良イベントなんですが――このチャートでは、はっきり言って時間の無駄無駄無駄ァ!

 

好感度稼ぎならさっきのようにちょいちょいできますし、本チャートも補完チャートも、説得力は別にいりません。

 

誰かの発狂の予定も、ありまっ、せんっ!!(断固たる意思)

 

 

はぁ……。

これはロスになっちゃぁー…………あっ、そっかぁ(知将)

 

失礼。ロスじゃないですね。

だって、今日の午後でしょ?――“あめのひ”総力戦でキャンセルされますねぇ!しゃあおら、ロスにはならなぃ!

 

予定されているイベントがキャンセルされると若干正気度が変動しやすくなりますが、これもタイムの為。

では、イベントも過ぎたので朝食の時間を終わらせましょう。

 

――『かれら』は着実にこちらにやってきています。

 

 

 

 

 

 

 

朝食が終わって、いつもなら自由行動のお時間ですが――今回は配置を選択します。

学園生活部、且つショタが部長になってるので、ちょっと不審な配置をしても怪しまれづらいでしょう。

 

 

「さぁ、やーくん!私たちは何をすればいい?」

 

 

なんだかほんわかした目を向けられているのが気になるところですが……。

 

選択タイムです。

 

今の状態では、第一バリケードと第二バリケードの点検。

後は三階の各種施設の利用。もしくは、前日までしていた、何も選択しない自由行動が選べます。

 

ここは補完チャート通りに。

 

くるみを第一バリケードへ。りーさんはその補佐。

めぐねぇは第二バリケードへ。その補佐にゆきちゃんとチョーカーさん。

ショタは部室に待機させる、を選択し。

それが終わったら、『めぐねぇの授業』へと進むという予定で決定します。

 

 

「うーい。じゃあその通りに行こうぜ」

「ふふふっ、なぎくんに命令されるってなんか新鮮ね」

「てか、自分はナチュラルにサボり宣言してるぞ。……別にいいけど」

「部長さん特権ね。先生は許しますよ」

「ぬふふ……亭主関白やーくん」

 

 

なんだか皆和やかですが。

この後、何が起こるか知ってる視聴者の皆さんならわかると思います。

 

はい――戦闘配置です。

 

最適な持ち場へ向かわせ、備えます。

本チャート通りなら、片方はゴリラ・片方は私といった分担でしたが、今の私はただの満腹クソザコショタなので代わりに覚醒ゴリねぇに担当させ、私は全体の補佐に回ります。

 

……運ゲーが混じるのが痛い……痛いですね。イタイデスヨー……(エコー)

 

まあ、三階制圧戦ではAIがやったおかげでむしろ効率良かったので、今回もそれに期待します。

 

それに“あめのひ”は、ヌッコロヌッコロな殲滅戦ではなく、エッチラホッチラな耐久戦ですので、引き際を弁えれば大丈夫です。コッコロコッコロ(性癖開示)

 

 

「では、バリケードの確認が終わったら、テストですからね」

 

「……ゆき、作戦通りにな……」

「……うんっ、バッチリ見てくるよっ!……」

 

「たかえさん、ゆきちゃん見てて」

「はいはーい」

 

「――げぇー!!」

「いや、諦めなよ……」

「くっ……こうなったらやなぎに……!」

「はぁい、なぎくんを悪の道に誘わないでねー。じゃあ良い子で待っててね。直ぐ戻ってくるから」

 

 

うーい。

 

……………………行きましたね。

 

では、コーヒーブレイクでも……な訳はありません!さっさと棚開けてマニュアルを持ち出します。

 

このっ!このっ!

もうこやつの悪運もここまでです。邪悪は今ここで断たねばならぬ。我は無垢なる刃……!!

さっさとコンロを着火し、全てを灰塵に帰しましょう。

 

 

ボッ!

チチチチチチチチチチチチ……ッッ!

ソォ……――

 

 

「――なぎくんっ!いるっ!?」

 

 

――カチッ(コンロを切る音)

――ガチャッ!(コンロ下の棚を開ける)

――サッ!(マニュアルを放り込む)

――バンッ!(クソデカ閉める音)

 

チラッ……。

 

 

「よかったっ……!おいでっ、バリケードが……!!」

 

 

 

はえーよぉ(半ギレ)

 

 

すぅ……(深呼吸)

 

 

はえーんだよぉ!!(全ギレ)

 

 

まぁた燃やせなかったじゃんよもぉぉぉぉぉ!!

タイム的にありがたいですけどぉ!?RTA的には構わないですけどぉ!?

最早、タイムしか誇れないRTAだから良いですけどねぇ!?(逆ギレ)

 

 

 

りーさんに連れられ、廊下に出ると――画面暗転(Now Loading)

 

戦闘前ムービーが入ります。

良くある、ボス出現演出みたいなものです。

 

 

と言っても、『かれら』が階段を上がろうとしてスッ転び(いつみてもかわいい)、その転んだ奴を足蹴に他のかれらがズンズン上がってくる(いつみてもこわい)――

気が狂う人海戦術の様子を見て怯える学園生活部の映像が流れるだけです。

 

このムービーの間に――今回の“あめのひ”について説明しますね。

 

 

――“あめのひ”は3分間の耐久戦です。

 

 

血の気の多いプレイヤーは、全員殺し尽くせば終わると思い「丸太は持ったな?いくぞぉ!!」と果敢に戦いますが――それは不可能で、千体以上殺しても延々と湧いて出てきます。

巡ヶ丘高校は市内有数のマンモス校だった……?(たぶんちがう)

 

その為、バリケードで『かれら』を塞き止め、適度に殺しつつ、時間を稼ぐ必要があります。

 

――3分。

 

それはカップ麺の聖なる時間。……地味に長いですよね?

その為、大抵のプレイヤーは引き際を誤り、ひーひー言わされる……『がっこうぐらしっ!』の鬼門たる所以の一つです。

 

3分経過すると、選択肢が現れ、『何処かに立て籠る(任意選択)』『徹底抗戦』のどれかを選ぶ事が出来ます。

 

さっきも言った通り、『徹底抗戦』を選んでも『かれら』は枯渇しません。また選択肢が出るまで3分戦う羽目になります。これを選び続けると、B級映画の派手だけど胸糞エンドが待ってます。

 

その為、まともな選択肢は『何処かに立て籠る(任意選択)』だけ。

絶望だけしか残ってなさそうですが、ステータスが育ちきったプレイヤーなら、どこに立て籠ってもそれなりの苦労はしますが突破出来ます。

 

が――それが出来ないと、一人犠牲にならなければなりません。

 

状況が好転しないと、こちらの制止を振りきってランダムで一人が囮として外に出ちゃうんですね。

……本編の、めぐねぇのような末路になります。

 

ですが……まあ。そうですね。

 

ある意味、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

――()()()()()?(人道派)

 

本編めぐねぇの献身を見て涙した純真無垢人畜無害な私には到底選ぶ事ができない選択です。でも、ここでりーさんをリタイアさせると後の正気度管理が楽――ああいや、なんでもないですなんでも。きょーはいーてんきだなー。

頭数が大事な本チャートでそんな外道するわけありません。あははのすけー。

 

私には秘策があります。……まあ、ちょっと前から言ってる必殺技の事です。

知らない方に説明しますと――少し前に、『かれら』は生前の事柄である程度誘導出来ると説明しましたよね?

そして此処にいる『かれら』は生徒(+α)です。一日の半分ほどをチャイムと放送で支配される存在でした。

 

後は分かりますね?

つまり――放送室で『下校の時刻です』とか『全校集会なので体育館へ』などと流せば、『かれら』は緩慢にですが向かっていくのです!

これを使えば、難なく“あめのひ”を突破出来るという訳ですよっ!

 

えっ?なんでこんな便利なのを最初から使わないんだって?

 

……連続して使うと成功率が下がりますし、こうした緊迫な状況下で行わないと、ただのイカレ行動だと思われるだけならまだしも――「なんで知ってるの?」と不信感を抱かれて後の行動に大きく影響を及ぼす結果になるからです。

あんま楽をさせないようにする運営はゲーム制作者の鑑。RTAの敵。

 

 

3分経つ頃に全員が放送室の前にいる事が理想ですね。選択肢が出た瞬間、サァー!と入ってパパッと放送を流して終わりッ!にしてしまいましょう。

 

でもまあ、3分耐えなければ意味ないですが。

 

数を減らしつつ、ゆっくりと後退していくのを意識しましょう。意固地にバリケードを守っていてはロスです。

十分距離が開けば、バリケードが壊れても問題ありませんし。

 

 

では――ジャジャァーン、と。

 

私の方で、さっきお昼ご飯のチキンラーメンに使ったキッチンタイマーを用意しました。これを使って正確に行動していきましょう

 

スタートは動けるようになった瞬間、ゴールはめぐねぇの「こ、これじゃあキリがないわ!」までです。

 

 

ではぁ……。

はーい、よーいスタート(本RTA二度目)

 

 

 

まずはりーさんに連れられるまま、くるみがいる第一バリケードに向かいます。

 

 

「くるみッ!」

「りーさん!やなぎは……!」

「いるわ!」

 

 

こちら現場です。

第一バリケードの隙間から見える二階は『かれら』でひしめき合ってます。数に押し出されるようにこちらの階段にも増えてますねぇ!

 

まるで、昔のドラクエの発売日みたいだぁ。

物売るってレベルじゃねぇぞ!(PS3)乗るしかない、このビッグウェーブに(iphone)。

 

 

「なんで……!」

 

 

数が圧巻なせいで、りーさんの正気度が下がるのが手に取るように分かります。

これは予測可能回避不可能で、主要キャラ全員が受けるので諦めます。今迄、そこそこ回復行動していってるのでそこまで影響は無いっしょ。

 

『かれら』は、まだバリケードに到達していません。ですが、来るのはもう時間の問題。

(流石のバリケードも肉の質量に押し潰されてしまえば意味)ないです。

 

 

「胡桃、悠里ッ!……柳も居たか、良かった。姿が見えないから心配したぞ」

「やーくんっ!!」

 

 

おっと、チョーカーさんとゆきちゃんが来ました。っっとと。ゆきちゃん受け止めー。

……めぐねぇが居ないって事は第二バリケードで足止めしてくれてるみたいですね。やっぱ覚醒めぐねぇってすげぇや(小並感)。

 

 

「……たかえ、あっちもか」

「ああ。……くそっ、今日になってどうしてこんなこ、と……に……?」

 

と。

惨状から顔を背けたチョーカーさんは――窓から見える雨を見て、ちょっと固まります。こうした事に引っ掛かりを覚えるチョーカーさんはほんと中間管理職の鑑。

これは放送室に行く口実が増えましたね。

 

皆、雨に濡れるのが嫌だから中に集まってるだけなんだよなぁ……。

 

『かれら』ってやってる事は死ぬほどこわいっすけど、行動とかたまに幼稚園並みに素直なのでこっちとしてはやりやすいです。

 

 

――ミシッ。

 

 

おっと、屍ロードを越えた一人がバリケードに組み付きました。

 

 

「――ッッ!たかえ!お前はあっちに回れ!ここはあたしたちがッ!」

「わかった!いいかっ、バカな真似はするなよ!絶対に!」

「こっちの台詞だっ!」

 

 

チョーカーさんは第二バリケードへ。

ゆきちゃんも行って欲しい……のですが、不安と絶望に染まった顔でキツく手を握られてしまえば無理に行かせるのもロスでしょう。私と一緒に行動します。

 

でも、手は離して?

 

 

「やだ……」

 

 

なん――とか言ってる場合ではありません。

流石に手元が少ないと大変なので、ここは説得します。

 

――大丈夫大丈夫。私がいるから。私が守るから。大丈夫だって安心しろよぉー。

 

……よし。ほどいてくれましたね。

 

 

そうこうしている間にも『かれら』はやってきてます。

くるみがバリケードから手を離させようとシャベルで手を払おうとしますが……。

一人を対処している内に二人。二人を対処している内に四人と。

呻き声は増える一方。

 

バリケードに『かれら』が殺到し始めました。

 

 

「くっ……くるみ!」

「りーさん!やなぎ達を……!」

「…………わかったわ。なぎくん、ゆきちゃん。こっち……!」

 

「うん……!」

 

 

おっ、おっ?

バリケードから離されました。……まあ、今此処にいても何も出来ません。今は従って援護出来るものを探します。

 

ゆきちゃんとりーさんとで、手頃な教室に向かいます。

 

その際、ショタがバサ杖さまを持っている事を確認し、行動する際は常にジャラジャラ鳴らす事を意識します。こうすれば耳が良い『かれら』は音で少し動きが止まります。

嫌らしい遅延行為イイゾぉ~。……できれば私もバリケード防衛したかった。もぐら叩きみたいで結構白熱なんですよあれ

 

んんっ!(咳払い)

 

ここで探すのはバリケードを補強する板状の物。あるいは『かれら』を押し戻す棒状の物が良いですね。

ちょっと前にバリケードはくるみが補強してくれたので、ここは掃除ロッカーから地味に万能武器であるモップを取り出します。

殺傷力は少ないですがリーチ良しで、今の状況にピッタリです。

ゆきちゃんとりーさんに装備させます。これ持って。

 

 

「えっ……う、うん……」

 

 

素直なのはいいゾ。ゆきちゃんはやっぱ天使や。

さっ、りーさんもりーさんも。

 

 

「……なぎくん。私は大丈夫」

 

 

えっ?

いや、拒否してる場合じゃないんだって!ショタがクソザコなんだから助け……あわ……な……?

 

 

「……私も、戦わなきゃ……」

 

 

おや?なんでりーさんが――バサ槍さんを?相棒は殉死したはずでは……!

まさか、生きて……!

 

…………あっ。そういえば、片割れ渡してました。

 

りーさんは基本戦わないから存在忘れてましたわ。テヘっ(精一杯の誤魔化し)

 

でっ!でも、これは良いガバですよっ!

 

りーさんが珍しく戦おうとしてくれています。前から刃物持たせていたからでしょうか?りーさんはほんと予測不能ですな!(理解放棄)

消極的でも積極的でも戦ってくれる事はありがたい!

私も後ろからサポートするで!行きましょう!

 

 

「……なぎくん達は此処にいて」

 

 

なんで?(半ギレ)

 

 

「……お願い。その、くるみの気持ちをわかってあげて。私も……その、不安なの」

 

 

りーさんはそれだけ言うと、ショタの頭を撫でてから行ってしまいました。

 

……いや、行きますけど(反逆)

 

不安がどうのとかって話だが、お前らだけで耐えれる訳ねぇだろぉ!行くぞぉぉぉおお!!

 

 

「まっ、待ってやーくん!」

 

 

ふっ、ゆきちゃんに止められようが――とぉ!?↑↑

最初の方から思ってたけど力強いなこのゆきちゃん!ゴリラ並みか!?いっ、いや違うショタだ!ショタがクソザコなだけだこれぇ!

 

 

「りーさんの言う通りだよ!此処にいよ?皆なら大丈夫だよ。きっ、昨日だって無事に……!」

 

 

……いや、確かにゴリラズいるから大丈夫だろうけどさ。

 

 

「それに……りーさん達はやーくんに……」

 

 

いや、良く分かんないけど――不安じゃん。なんかあったらカバーできる立ち位置っていうか、備え万全にしたいじゃん。

これ以上ガバはお呼びじゃねぇんです!

 

ごほんっ!(説得タイム)

 

ここまで来たんだ。色々あったけど。

もうチャートが息していなくても。最早、RTAという名の行き当たりばったりのタイムアタックだとしても。

ここまで、私達は辿り着いたんだ。

 

尊い犠牲があって(ショタの富士山)道行きへの不安があって(複雑過ぎるゲームロジック)、それでも!残された時間の中(リアルの隙間時間)でここまで、来たんだ!

 

もう……。

 

 

もう……!

 

 

もう――再走、したくないっ……!!(ここまで来るのに78敗)

 

 

 

――頼むゆきちゃん(再走は嫌だ再走は嫌だ)行かせてくれ(再走は嫌だ再走は嫌だ)後悔したくないんだ(再走は嫌だ再走は嫌だ)

 

 

「うっ……あっ、でも……でも、やーくん……わたしは……!」

 

 

頼むお願い!説得通って!

後でアマゾンで他の奴と三倍くらい値段違うゆきちゃんのフィギュア買うかもしれなくもないかもしれないからぁ!!(虚勢)

がっこうぐらし全巻GEOってからまた新品買い直すからぁ!(嘘)

 

 

「……わたしと、いっしょなら……」

 

 

やりぃ!

ゆきちゃん愛してる!――この言葉で十分だよな!

……えっ、さっき何か言ってた?……なんのこったよ(屑)

 

 

では、さっさと向かいます!

もう1分半経過しました!残り半分です!……10分は優に過ぎてるような気がするほど濃かったですが!

そろそろなんとかしないとバリケードが悲鳴を上げる時間です!

 

 

りーさんの下に戻ります。

大丈夫そうならめぐねぇのとこの様子を見に行きます!

 

 

 

 

「くっ……!このっ!さっさと……!!」

「もうっ……!どうして、どうして私達が……!!」

 

 

現場に戻りました。

――さっきより地獄ですね。

 

『かれら』は進む事しか考えていないので――前の人が押されて、誤ってバッグの底に入れてしまったオニギリみたいにペチャンコになろうともズンズン来ています。

 

くるみりーさんは返り血、返り肉片塗れ。シャベルとバサ槍さんをやたらめったら振り下ろしてます。……ちょっと恐慌入ってるな。まずいかもです。

 

 

うーん、ぐろてすくぅ……(見慣れた光景)。

 

 

にしても――ちょっと『かれら』の数多くなぁい?

にしても――ちょっと『かれら』の数多くなぁい?

 

 

「ひゃ……!」

 

 

――っと。

ゆきちゃんには刺激が強いですね。目を隠します。少しでも正気度減少を抑えましょう。

あっ、そういえば本チャート通りだったら二階にもバリケード設置するはずでした。それが無いから足止めされるはずの分が一気に来てるんだ。

 

あー……これはちょっとこのバリケードはもう駄目かも分からんね(冷静な判断)。

 

 

「あっ……やなぎ……」

「――ッ!なぎくん駄目!見ちゃ駄目!」

 

 

あっ!バカ!くるみは攻撃を放棄するな!!りーさんはこっちに来ちゃ駄目だってぇ!!

焼け石に水に見えるけどそれすら止めると――!!

 

 

――ミシッミシッミシッ。

 

 

oh~……。

 

…………。

――昔の諺にこういったものがあります。人は城、人は石垣、人は堀と。

つまり――大量に集まれば、バリケードなんて物の数じゃあないんですよ。

 

 

「……下がれ」

 

 

ゆきちゃん。目を瞑ってていいから後ろ反転。走って。

大丈夫――残り1分。

 

 

「――下がれぇ!!」

 

 

――ドンガラガッシャーン!!

はい、第一バリケード崩壊しました。『かれら』が安全圏に侵入――撤退します。

 

『かれら』は足は牛並みなので走れば追い付かれませんが、掴まると即死攻撃のオンパレードなので十分に距離を取ります。

 

……にしても、廊下全体を覆い隠すみたいな数はやっぱりこわいですね。バリケードが壊れた反動で潰された奴らも這いずりながらこっちに来てるとかパニックホラ―ですな(今更)。

よほど腹減ってんですねぇ……。

 

 

「ごめんっ……ごめんっ……!」

「くるみは悪くない!私がもっと……!」

「……っっ!……っっ!」

 

っと。恐慌状態が高まってまいりました。

放送室前まで後退しました。これで少しの間は接敵しませんが……うーん、残り40秒。これはちょっと、逃げ切れませんね……。

 

 

「――皆さんっ!」

 

 

あっ、めぐねぇ達が合流してきてくれました。同じく血塗れですが無事みたいです。……肉片塗れのバールがセクシー……エロい!(ホラー映画の見過ぎ)

……第二バリケードの崩壊の音は聞こえてきませんので、二人は黙々と良い仕事をしてくれたみたいです。……やっぱ――覚醒めぐねぇってすげぇや!何も言えない!(KTGM)

 

 

「……あっちは?」

「……まだ保ってるけど時間の問題。後少しすればああなる」

 

「ここは、あたしが――」

「駄目ですくるみさん!こんな数では……」

「――じゃあ!どうすりゃいいんだよ!このままじゃああたし達みんな……!」

 

「……やーくん」

 

 

残り30秒。『かれら』は目と鼻の先です。

これ以上後退すると、『かれら』に放送室の入り口が妨害されてしまうので出来ません。もう少しどうにかも無理ですね。

 

……ふぅ。…………ふぅ。

 

 

ぬわああああああああ!!!くそっ!やだぞ!ここまで来てリセはほんとにやだぞ!冗談抜きで!本当にぃ!

この数で、この狭さではゴリラズも足止め出来ませんし第二バリケードもじかっ――

 

 

――ドンガラガッシャーン!!

 

 

ふぁっきん、ゆーっっ!!!

のっ、残り25秒……。

 

 

「……たかえさん。皆を連れて屋上に」

 

 

おい、めぐねぇ――そっから先はマジで言うなよ!!

めぐねぇが言っていい言葉は「こ、これじゃあキリがないわ!」だけだからなっ!

 

くっ、ぢぐじょー……!

 

 

「やーくん!だめっ!」

 

 

二度の制止に引っ掛かるかお間抜けゆきちゃんめ!可愛いぞっ!

伸ばされた手を受け流し、そのままめぐねぇに向かって押します。そうすれば、囮しようとしためぐねぇも止まります。

前述した通り――事態が好転すれば、いいのです。

 

 

「やーくん……!!」

 

 

大丈夫、ゆきちゃん――感染する予定はまだ先だからなっ!

 

 

「な、なぎくん……」

「ああ、くそ!止めろ、やなぎ!早まるな!」

 

 

私がやる事は足止めです。残り20秒程度なら、スキルポイントを振ってないクソザコショタでも、私に掛かればこのぐらいは出来ます。出来るはず。出来るに決まってる!

強いゴリラもこの数では怯えますが、私が入ったショタでは問題ありません。

 

 

……バサ杖さまも必要ねぇ――いや、必要だ。てめぇらなんか怖くねぇ!!

 

 

野郎オブクラッシャー!!!

 

 

 

そぉい!(手近な奴を攻撃する)

 

あっ……!(残った奴に腕を掴まれる)

 

あにすんだ離せぇ……!(振りほどこうとする間にまた掴まれる)

 

なんだお前ら!ショタの腕なんか触って喜んでんじゃ……!(這いずってる奴に足首を掴まれる)

 

あっ……!ちょっ、ちょっと待ってもらって……(引っ張られる)

 

ちょっと待ってくれ、待てって言ってん――マ゚ッ!(転倒・後頭部強打)

 

 

 

……画面暗転しました。

 

なぁーんも見えないです。なぁーんも。

私のキューティクルなフェイスしか見えません。あははのはー。

 

………。

……。

…。

 

……ふふっ。

 

 

いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!ぐあああああああああああ!!!こっ、こんなのRTAのはずがない!!!即堕ち2コマなこんな無様がRTAのはずがない!!!!

あ……でも今迄のゲームプレイも多量のガバもよく考えたら………――

 

 

こ れ は R T A じ ゃ な か っ た?

 

 

にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!

そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!巡ヶ丘ぁああああ!!

 

この!ちきしょー!やめてやる!!RTAすらマトモに出来ないこんな人生なんかやめ……て……え!?画面……に?画面の右下にNow Loadingが出てる?

 

画面の右下にNow Loadingが出てるぞ!Now Loading中に見えるTipが出てきたぞ!なんかGAMEOVERじゃないぞ!!

ショタが……あんな状況下でまだショタが生きてるゾ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないんだねっ!

 

いやっほぉおおおおおおお!!!私には運が付いてる!!やったよゆきちゃん!!続いてるならまだRTAだもん!!!(難癖)

 

 

 

 

……えっ、いや――なんで生きてるん?(素)

 

正直、自分でも「だめだこりゃ」くらいな即堕ち2コマかましたはずなんですが……もしやあれから誰か犠牲になったとか?それとも前の日のフラグが活かされたんでしょうか……?

 

おっ、ゲーム画面が出てきました。

 

ここは……職員室の天井?時間は……17時過ぎ。

あれは朝だったから、かなり時間が過ぎてる事になります。……雨が上がってる、夕日が眩しいとこを見るとイベント自体は終わってますが――*おおっと*。

 

ゲーム画面が揺れました。これはぁ……疲れじゃないですね。『脳震盪』の疾患です。

まあ、後頭部打ったからなぁ……。画面見辛くなるだけなのでさっさと起き上がりましょう。

 

どうやらショタは職員室のフカフカソファーに寝かされていたみたいです。

 

辺りには、応急処置用の本が数冊、無造作に広げられてますね。血塗れのタオルも……頭を触ると拙いですが包帯が巻いてあります。どうやら倒れた時に当たりどころが悪くて、頭から派手に出血したみたいです。運悪いな、くそう。

 

《応急処置》スキルは、本を読めば楽に習得出来る半面、完治は出来ず、且つ使用者によって効果がまちまちです。ですので、上位スキルである《医学》がとれるまで、『脳震盪』や頭の傷とは長いお付き合いになります。

ですが、《応急処置》スキルはプレイヤー視点でメリットがあるんです。

 

このゲームに慣れた人ならば、処置の方法で誰にやられたかはわかるんですよ。

 

くるみならおおざっぱ、りーさんならきちんと、ゆきちゃんならがたがた、とかだから、結構わかりやすいんですよね。

 

これはぁ……えっ……めぐねぇ?

めぐねぇは生きてる?囮を止める事には成功した?では、必殺技を――うーん……駄目だ。あれからどうなったのかいまいち読めません。

 

意味不明なほど高度なゲームシステムなこのゲームですから、何が起きても不思議ではありません。

 

……ともかく。

 

ある意味タイム的には得出来ました。かなりの時間短縮です。

これが私の考案した気絶キャンセルです(大嘘)。……そう思うしかありません。

 

しかし、これが一人犠牲になった結末だと結果的にはプラマイゼロ。いや、マイナスに傾くかもしれません。

特にゆきちゃんが死んでると不味いどころの騒ぎではありません。まず私のモチベが死んでしまいます(自分本位)。

 

 

全員の無事を確認しにいきましょう。

職員室を出て皆を一人一人見つけ――*おおっと*。

……あれ?前に行こうとしたのに、なんで後ろって……ああ!写真!写真がないっ!『学園生活部の写真』が!

 

そのせいで正気度がオカシクなってしまったから、またメダパニが……ああ、めんどい……!

 

↑↑↓↓←→←→BA!――ヨシッ!問題ないな!

 

三階を急いで見に回りましょう!

廊下に出ます!

 

 

「あっ……」

 

 

おっ、チョーカーさん!よしっ、これで二人生存確認です!

……なんで扉の前で座り込んでるの?えっ、大丈夫?

 

 

「柳……」

 

 

ていうか、チョーカーさんに誰が生き残ったかこれで聞けますね。

ええっと。チョーカーさん、誰か死に――

 

 

「やなぎぃ……!!!」

 

 

ぬわっ、抱きついてきたっ!

ああ!揺らさないでっ!脳震盪が……脳震盪がぁ!

脳が揺れるっっ!!(SYMIKO)

 

 

「よかったぁ……ぐずっ、よがっだよぉ……!!」

 

 

あー、うん。ごめんね。心配掛けましたね。

確かに目の前で死にかけるのは堪えましたよね。少し待ちますか。

…………でさぁ、誰か死んだりし――

 

 

「わたしっ、わたし不安で!柳が死んじゃうんじゃないかってぇ……倒れた時、頭まっしろになって……!」

 

 

ああ、うんうん。そうだね。

それで、誰か死ん――

 

 

「でも、でも……――もう誰も見捨てたくなくて!!だから私頑張って、何とか……何とか出来ても皆が……」

 

 

せやな(天下無双)。

それで、その皆のお話なんだけどさ。誰か――

 

 

「皆、思い詰めちゃって……!わっ、私がっ、何とかしなきゃしっかりしなきゃってがんばってぇ……!!」

 

 

んにゃぴ……。

 

 

「取り繕っても……柳が居なくなると思うと苦しくてぇ……!」

 

 

いや、あの――

 

 

「だから、柳が居なくなるなら……私も死のうって思って……うぅ……やなぎぃ……!!」

 

 

――いや、お話聞いて!?ショタの言葉聞いてあげて!?

 

 

「うわああああああああんっっ!!!」

 

 

あー……だめだ。完全に泣きに入った。

これではお話が出来ないです。

 

泣き止むのを待つのはロスですねぇ……。

泣いてていいから、はいっ離す!はいっ手を繋ぐ!

簡易電車ごっこで他の人を探すとしましょう。

 

まずは部室に行くのが最優先…………ん?その他の教室で――めぐねぇがうずくまってますね。肩震わせてるから泣いてます。

なんでこんな特になにもないとこに……あっ、プリントがある。ここが『めぐねぇの授業』のイベント会場だったのか。

 

 

「……えっ、やなぎくん……?」

 

 

(たぶん)治療ありがとよっ!でもフォローは後だ、次イクゾー!

 

 

「まっ、待って……!お願い、離れないで……!!」

 

 

 

むっ、部室から料理のかほりをショタが感じとりました。……カレーとな?

りーさんやなっ!(女子力消去法)

 

 

「……あっ、なぎくん。よかった」

 

 

……若妻風りーさん、疲れ添えだけか。くるみとゆきちゃんがいません。

……泣いてないな。お話できそうですね。

りーさんやりーさんや。くるみとゆきちゃんは何処か――

 

 

「夜ご飯は貴女の大好きなカレーよ。自信作。……ほんとに、お疲れさま。貴方のおかげで……。ありがとう、なぎくん」

 

 

ちっ、台詞被った。もっかい。

りーさんやりーさんや。くるみとゆきちゃんは何処かのう?

 

 

「…………。くるみは確か、休むって言ってた気がするわ。ゆきちゃんは……ごめんなさい。分からない」

 

 

微妙に使えない恵体ですねぇ(明け透け)

ままっ、ええわ。生きててくれたならそれでええ。

 

休むなら……寝室ですかな。向かいましょう。

あばよ――旦那とすれ違い気味で少し欲求不満な若奥様風りーさん!

 

 

「もう……怪我してるんだから、あんまりはしゃいじゃダメよ」

 

 

わぁーてるわぁーてるぅ!(くるみ並感)

 

寝室に向かいましょう!チョーカーさんはそろそろ泣き止んで!

寝室ぅ、寝室ぅ、ベッディングルームにはぁ……。

――ガラッと、な、

 

 

「すぅ……すぅ……」

 

 

ゴリラ……かな、アレは。

……うん、くるみだ。ツインテールとシャベルがある。うちのゆきちゃんは横に寝そべってもあんな艶かしいラインは出ない子だからな。……やらしいゴリラねっ!

てか、あそこってショタの寝床…………いやまあ、良いんですけど。

 

 

……ゆきちゃんは?えっ、ゆきちゃんどこ行った?

 

トイレ?…………居ない。

他の教室…………居ない。ロッカーにもゴミ箱にも居ない。

下の階……は、簡易的にバリケードが設置されてます。行くはずがない。

 

 

……屋上?なして?ま、さか……。

 

いっ、いやぁそれはね?それはないと思いますよ。だってショタの頬に一発食らわせ、主要キャラ中最下位の筋力なのにショタが押し潰されたあのゆきちゃんですよ?

まさかそんな――

 

 

(本編のゆきちゃん回想中)

 

 

――あっ、やるわこれ。

めぐねぇ死んだらエアめぐねぇを出現させるポテンシャル持ってるから、世を儚んで(意味深)とか余裕だわ。

 

いっ、急げ!時間がない!

ゆきちゃんが死んだら、主要キャラ(と私)の正気度がイク!修正とか絶対無理ぃ!

せっかく拾った人生だぞ!無様でも完走までは行きましょうぞ!

 

 

 

「あっ、柳……」

「やなぎくん!待ってっ、やなぎくん!!」

「なぎくん」

「……んぅ?」

 

 

 

屋上まで遠い……意外に遠くない?

いや、ショタの足が遅いのか。スタミナバー酷使走法も『脳震盪』のせいで使えないし……くそぅ、疾患めぇ……!

 

やっと、着きました!

……扉が半開きです。これは絶対ゆきちゃんがいます!

 

――ゆきちゃん、大丈夫で、

 

 

「………………」(屋上の柵に寄りかかってる)

 

 

スタァァァァァァァプッッ!!

 

 

「わっ!……やーくん?」

 

 

あっ、あぶねぇ。ギリギリ間に合った……!

非力なショタックルでもゆきちゃんをどうにかこうにか止められたみたいです。

……?意外に顔が普通な気が、いや万全を期しましょう。

 

説得で何とか離させます。ゆきちゃんを心配している言葉を掛ければ今だけは止められるという事を私は知っている!(異次元の記憶)

 

選択肢で出現した中で優しい言葉をこれでもかっと連打します。

 

――大丈夫だって、生きてれば良いことあるよ、僕はゆきちゃんと一緒にいたい、ゆきちゃんに行って欲しくない、死なないで……。

 

うわぁ、全部月並みぃ……。

ありふれた言葉じゃ心に響かないってはっきりわかんだね(辛辣)。

 

 

「……うん、ごめんね」

 

 

ゆきちゃんはチョロい。QED(大人の汚さ)。

 

 

「ごめんね、やーくん。ごめんね」

 

 

やっぱ天使ですね。

ふんわりと抱き締めてきました。ヒュー!夕日をバックに映えるぜ!まあ、このスチル全主要キャラバージョンもう見てますけどね。

その時は、こんな台詞ではなくて、愛の告白だったんですけど。

 

 

「だから、おねがい……――」

 

 

とりあえず、7日目は終了!

何とかリカバー出来たと思われます!(推測)思いたいです!(願望)思え!(強制)

 

全員生存(ショタ重症)で、戦いがカットされたからタイムは想定の半分ちょっとで大変良き!

結果的には良かったんじゃないでしょうか!

 

……気絶している間、何が起きたのか不安でしょうがないですけどネ!(空元気)

 

 

 

 

 

 

 




ーーーーーーーーー
※解説

・ステータス『疾患』

キャラが負傷・発症、あるいは精神的苦痛を受けた際に発生する状態変化。
元々、罹患しているキャラも存在する。
 
《医学》スキルで治療できる。
《応急処置》スキルでは進行を遅らせる事しかできない。

『疾患』に侵されたキャラは、種類によって様々な行動阻害が発生する。
しかし、『疾患』の悪影響は予期せぬ形でーーより良い変化をもたらすことがある。


『疾患』は貴方に苦痛と絶望を背負わせるが、ほんの少しの希望も乗せる。

苦痛や絶望を消し去りたいと思うのは当たり前のこと。
だが、小さくとも希望諸共投げ捨てるのは、果たして最良と言えるのだろうか。




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