Dead Man Walking《完結》   作:田島

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I saw the dead, the great and the small, standing before the throne(1)

 肌を裂くような鋭さが、目の前のものから発せられる気配から感じられた。

 食らい尽くすという貪欲さ、同化さもなくば灰に帰すという意志。目の前のものに目的はない、何者も飲み込み押し潰そうとする、圧倒的な質量を持った意志の奔流が渦巻いているだけだ。

 まるで、性質(たち)の悪い赤ん坊だ。巧の胸に感想が浮かんだ。

 例えば人は生まれ出でて、まずはそこには生存に必要な欲求だけがある。赤子の父母への信頼と愛は生まれ出た後の関わりで築かれ、育まれる。人との関わりの中で、世界には自分と異なる存在がある事を認識し、分かち、区別し始める。

 分かつ事で世界は、くっきりとしていく。他者は己の思いもよらぬ事を為し、己の持たぬ物を持っている。世界は望めば何でも叶う場所ではないのだと、知らされる。

 目の前のものには、区別はないだろう。恐らく全ては、食らうか壊す対象だろう。ただ影山冴子のように気紛れに選ばれたオルフェノクだけが不死を手に入れる。目醒めたばかりで、オルフェノクを取り込み己の力となす必要がある今なら、尚更。

 食い眠り、母に抱かれる事が欲求の全てだった子供は、言葉を知り認識を知り、他者を知り己と他者を区別する事によって、己が持たざる者だと知らされる。持たぬものを得たいと望み、叶わないかもしれない願いに胸焦がすようになる。

 世界が広がれば広がるほど、手の届かない美しく遠いものは増えていく。

 巧は、美しいものを欲しいと思うのが、怖かった。死者がそんなものを得て、何になるだろう。一秒後には、己は灰色の異形に姿を変えて、美しいものを叩き壊してしまうかもしれないのに。

 それでも、美しいものの美しさは胸を焦がした。手が届かなくてもいい、美しいものは美しいまま在ってほしかった。

 自分はまだ生きている、生きたいと思った。

 例えこの命が、間違っているとしても。

 ――強くなければ生きていけないって言いますけど、人間ってどれくらい強くなればいいんでしょうね。

 あまりに優しくひたむきだったから、誰も抱える醜さを許せなかった青年を思い出した。彼の願いは世界が美しく優しくある事だったのに、彼に叩きつけられるものといえば、理不尽と痛みと悲しみばかりだった。それに耐えきれなくて、我慢ができなくなってしまった、現実は彼から多くを奪い過ぎた。だから彼は。

「畜生が!」

 最初に動いたのはスネークオルフェノクだった。王に向かい、机を飛び越して猛然と駆け出す。

「愚かね、そんなに王に取り込まれたいの!」

 嘲笑ってロブスターオルフェノクは横に飛び、道を開ける。言う通りだ、海堂が一人で飛び込んでも、捕まって食われるしかない相手だ。

 アギトが軽く駆けて低く跳んだ。スネークオルフェノクの横を飛び越し、焔纏う拳が王を捉えようとするが、何かに阻まれたように王の胸の前で拳が止まり、弾かれる。

「ぐうぅ……っ!」

 教壇が派手な音を立てて転がり、翔一の声で呻きが低く響いた。

 スネークオルフェノクはその光景に目を奪われる間に、百瀬の拳を横合いから受けて椅子を壊しながら床に転がった。

 まずい。ファイズフォンをベルトから引き抜くと、開いて急ぎコードを打ち込んだ。

『Burst mode』

 ファイズフォンの液晶部分を回し、短銃のような形に切り替えて、機に乗じてレイピアを振るおうとしたロブスターオルフェノクを狙い撃つ。不死とはいえ、その身に攻撃を受ければ痛みもあるのか、ロブスターオルフェノクはエネルギー弾を二三発浴びると、短く叫んでやや後退った。

 その機を逃さずファイズも机を飛び越すように飛んで、着地ざまに、ややよろめいたロブスターオルフェノクにミドルキックを放つ。

「愚かな坊や、まだ自分が人間のつもり? 私達は折角人を超えて、つまらない人間の限界になんて縛られる事はなくなったのよ、望めば何だって出来るのよ、どうしてそれを理解できないの」

「分かりたくもねぇよ、下らねぇ!」

 足場が悪い。避けようとすれば大きな机にぶち当たる。だが、狭い教室内で、ロブスターオルフェノクもレイピアを振り回すのは難しいだろう。

 ロブスターオルフェノクは眼前、ファイズの間合いの中にいる。この間合いなら有利なのはこちらだ。レイピアの突きを当たるすれすれで、柄を右拳でいなして軌道を逸らすと、一歩踏み込んで左の拳を叩き込む。一発の拳でどうこうできる相手では勿論ない、態勢を立て直す暇を与えてはいけない。

 望めば何でも手に入る、子供の願う事だ。そこには、決して意のままにはならない他者は存在しない。どこまで行っても何を持っていても一人だ。そんな世界は御免だ、意のままにならなくてもどれだけ傷つけ傷つけられても、独りきりは、嫌だ。

「これが進化だと、ふざけんなよ! こんな力、こんな王なんてもんがいるから、死ななくていい照夫が死んだんじゃねぇか、まだ子供だったんだぞ、これからいくらだって、楽しい事があって、一生懸命生きていけたんだ! 何でオルフェノクなんて死人の為に! おかしいだろうがよ!」

 スネークオルフェノクは、百瀬の攻撃に防戦一方となり、頻繁に攻撃を受けてよろめいていたが、後退ってもすぐ体勢を立て直して向かっていった。

「認めねぇ、俺は絶対、王もお前らも、あの時何も出来なかった俺も、認めねぇ!」

 気合いを発する雄叫びのように、どこか涙も混じったような張り詰めた声が響いた。

 ロブスターオルフェノクは不死を得た。ファイズの力では、倒しきれない事は二年前にもう分かっている。だが。劣勢のスネークオルフェノクの援護をする時間が出来れば上等。

 ロブスターオルフェノクが反撃に放った右拳が胸の装甲を掠める。ややバランスを崩しかけながらファイズは、ベルトのファイズフォンからミッションメモリーを抜き取りつつ、踏み留まって右脚を軸にし身体を無理やり捻って、左脚を振り上げた。

 不意を食らってロブスターオルフェノクは蹴りを避け切れず、後ろに吹き飛ぶ。ファイズショットを取り出してメモリーをセットし、装備するには十分な時間が生まれた。

『Exceed Charge』

「この……!」

 ロブスターオルフェノクが起き上がる動作に重ねるように、踏み込んで左の拳を振り抜く。手応えは浅くてもいい、どうせこの攻撃で倒せる相手ではない。入りさえすればそれでいい。

 ファイズショットを鎖骨あたりにまともに食らい、ロブスターオルフェノクの身体は大きく吹き飛ばされて壁を突き破った。

 その様を見届ける間も惜しい、ファイズは振り向いて駆け出し、腕を振りかぶった百瀬の背中に、駆け込んだ勢いのままに右の足の裏を食らわせた。

「うらぁっ!」

「⁉」

 百瀬が前のめりに倒れこむ間に、スネークオルフェノクは体勢を立て直して、起き上がった百瀬に刃を浴びせた。よろめいた百瀬を、ファイズの拳が迎え撃つ。

「やれ海堂!」

「おうよ!」

 ふらつき踏み留まった百瀬の胴に、一閃、二閃。スネークオルフェノクが振るう刃の斬撃が、灰で出来た胸を裂いた。

 激しい音を立てて机に激突し、倒れた百瀬の胸や腹はぼうと蒼く燃え始めていた。

「い、嫌だ、冴子様……助け……」

「悪いけど無理ね。あなたに死なれるのは痛いけど、王を甦らせる役目も果たした事だし。後は、死ぬならせめて王の力になりなさい!」

 瓦礫を抜け出したロブスターオルフェノクは、悠然と歩くと、百瀬の頭を両手で掴み上げ、無造作に放り投げた。

 急に舞い込んだ珍客を、軌道上に立ち王と対峙していたアギトが、咄嗟の事ながら横跳びに躱す。既に胸板は蒼い炎に覆われた百瀬は、王の十の指先から放たれた青い光の筋を浴びた。

「うわ、嫌だ、たす……あああ、ひっ、ひあああ、ああああーっ!」

 蒼い炎は百瀬の全身に燃え広がり、不思議な事にまるで凍りついたかのように、炎と百瀬は固まった。塊を王は受け止める。ばさり、と塊が崩れてさらさらと灰が零れ落ちるが、王は意にも介さず、百瀬だったものを歯をむいて貪り始めた。ばり、ぼり、と固いものを噛み砕く音が響いた。

 そんなには時間をかけずに、百瀬と呼ばれていたオルフェノクはすっかり食い尽くされて、もうどこにもいなくなった。食事を摂った事で食欲が刺激されたのか、王が発する光は揺れ、空気が強くざわめいた。

「何ですか乾さん……今の一体、何なんですか!」

「……見ての通り、食われたんだよ」

 アギトの声には怒りがあった。

 王と対峙していたアギトが一方的にやられている様子なく立っているのは、驚愕すべき事実だった。だが王は無傷、アギトはダメージを負ったのか、左手で右の肩を押さえてややふらついている。

「王も漸く目が覚めてはっきりしてきたようだし、あなた達もう終わりね。王どころか私だって倒す術がないんですもの」

 冴子の声で嘲笑が響く。舌打ちが漏れるが、何も手はない。後退ったアギトとやや前に出たファイズは、並ぶ形となる。

「どうしますか……俺の攻撃なんて当たっても効いてませんよ。まともに打ち合っても、通用する相手じゃなさそうですけど」

「お前は、あいつとタイマン張って立ってるってだけで充分化け物じみてる。俺達はまともに立ってる事も出来なかった」

「でも、二年前は乾さんが倒したんでしょ?」

「……俺一人じゃ無理だったさ」

 瀕死の木場勇治が王を押さえたからこそ、ファイズブラスターフォームの攻撃は王を捉える事に成功し、沈黙させ眠りに就かせる事が出来た。

 木場にとどめを刺したのは自分、その思いは、どうしようもなかったとか木場は放っておいても燃え尽きていたとか、どんな事情も言い訳も飛び越えて、巧の心の底に重しのように沈んだ。

 海堂と同じだ。巧は木場を助けられなかった自分を決して許容できないだろう。誰かを犠牲にしなければ王を沈黙させられなかった事に、腹を立て続けるだろう。

 手詰まり、何も浮かばない。ロブスターオルフェノクはスネークオルフェノクに向かい踏み込んでレイピアを振るい、まともに食らってスネークオルフェノクは大きく弾き飛ばされる。

「海堂! ……っ⁉」

 スネークオルフェノクを目で追って、ファイズの複眼は予想しないものを捉えた。すうと、音も立てず現れたのは、巧を襲った魚類らしきアンノウンだった。

「アギトよ。エノクの力は天にある太陽よりも眩き、光輝の力。お前は違う戦い方が出来るのではないか」

 低い声が語り掛けた内容に驚いたのか、アギトは未だふわりと浮かんで空気を細かく震わす王を見た。

「そしてエノクの子よ、忘れ物だ」

 アンノウンが左手で放った箱は、ファイズの胸元で受け止められる。忘れてきたファイズブラスターだった。

「忌々しい神の走狗、こいつらに肩入れするというの!」

「我等は己が役目を果たすのみ、その者共に加勢するのは、役目ではない」

 ロブスターオルフェノクのヒステリックな詰問にもアンノウンは動じた様子もなく、淡々と返答を返した。

「エノクの子よ、父なるものを見事倒してみせるか」

 呼び掛けに答えず、ファイズはベルトからファイズフォンを抜き取るとファイズブラスターにセットした。

『Awakening』

 電子音声がシステムの起動を告げる。ファイズブラスター側に備え付けられたテンキーを操作した。

 5、5、5、エンター。

 システムが再起動し、ファイズのスーツは一度フォトンにまで還元されると、即座に組み替えられていく。

 ストリーム上を巡っていたフォトンブラッドは、全体に染み出してスーツを赤く暗い光の色に染め上げ、ストリームは流れを失って暗く虚ろとなる。背中に飛行ユニットが生成される。

『Complete』

 あの戦い以来だった。こんな強過ぎる力を、もう使うことなどないだろうと思っていた。だけれども、王を焼き尽くし全て終わらせる為に、ファイズブラスターフォームは、再び起動した。

 アギトも何か目算があるのか、構えて再び、ベルト脇を押し込む。

 直に見る太陽の光のように、白い輝きがアギトを包んで、次の刹那には、アギトの暗い赤したその表皮はひび割れ剥がれ落ち、眩い白銀の姿が現れ出た。ベルト中央の宝玉から、二本の曲刀が引き摺り出される。

「……お前まだ変わんのかよ」

「人は変わってくもんじゃないですか。戦う為じゃなくて、生きていく為に」

「成程、それが進化って事か」

 軽い声で茶化すようにアギトの答えを流して、ファイズはブラスターのテンキーを再度操作する。

『Blade Mode』

 音声と共にブラスターは変形して、一見鋸とも見える、温度の高い黄色の刃が引き出された。

「見た目が変わった程度で、何だというの!」

 ロブスターオルフェノクが吠え、レイピアを手に猛然と斬り掛かる。その斬撃は、いとも容易く、アギトの左の曲刀に弾かれ流された。

 右腕が弾かれたレイピアに引き摺られて、ロブスターオルフェノクの胴はがら空きとなる。そこへ、流れるように、途切れなく連続して。アギトが両の曲刀で斬り付ける。

「あああぁぁっ!」

 たまらずロブスターオルフェノクは大きく後ろへと倒れこんだ。

 胸に幾筋も付いた傷は、塞がろうとするもののぶすぶすと黒い煙を上げて、再生はなかなか進まない様子だった。

「何……何なの、この力は……私は不死を得たのよ、こんな傷なんて、すぐに塞がらないと」

「さっき面白い事聞いてきたぜ。王は生命の実を半分しか食べてないから、不死ってのも不完全なんだとよ」

『Exceed Charge』

 呟きつつファイズが、ブラスターのエンターキーを押し込んだ。ブレードにフォトンブラッドが生む高熱のエネルギーが集まり宿っていく。

「つまりお前も不完全、焼き尽くしちまえば、消滅するってな!」

「嘘よ、嘘!」

 立ち上がりふらついたロブスターオルフェノクには、ブラスターの一撃を避ける余裕はない。レイピアの柄で受けようとする。

 だがファイズの一撃は、柄と中の手を叩き割って、縦一直線の兜割りにロブスターオルフェノクを頭から叩き割る。

「燃えて、なくなれ!」

 ブレードが、更に鳩尾へと突き立てられる。

「おおおぉぉっ!」

 ブレードから発せられる超高熱に再生が追い付かないのだろう、ロブスターオルフェノクの鳩尾の傷口の周囲が色を失って白い灰へと変わり、白い部分は腹と胸に徐々に広がっていった。

「おのれ、乾、乾巧……!」

 ロブスターオルフェノクの左腕が力なく上がり、ファイズの首にかけられる。だがもうブラスターフォームのスーツから放出されるフォトンブラッドの熱と毒性に耐える力もないのか、左手も陰影を失って、さらさらと白い灰へと変わっていく。

「嫌よ、どうしてこんな、おかしいわ」

「おかしかねぇよ。人間ってのは、いつか死ぬもんだろ」

 ファイズが答えると、ロブスターオルフェノクを蒼い炎が包み、急激に勢いを増して、彼女の体を焼き尽くした。炎は広がったと思うとすぐに鎮火して、どさりと白い灰の山が、板張りの床に崩れ落ちた。

 ロブスターオルフェノクが滅びた今、残るは王のみ。

 二年前、なぜファイズの最後の攻撃は、王を捉えながら焼き尽くすに至らなかったのか。その疑問の答えは、巧の胸に二年前から既にあった。

「今度こそ……今度こそ、俺は迷わない。後はあいつを丸焼きにすりゃあ、こんな面倒事もお終いだ」

 誰に聞かせるつもりもない言葉が低く漏れ出た。ファイズはブラスターのテンキーを再度操作した。

『Blaster Mode』

 音声と共にブラスターのブレードはしまい込まれて、今度は銃のような形に変形する。

 王と再度対峙していたアギトは、ファイズの側が収拾したのを見、大振りに刀を振るって間合いを開けて、一時後退る。

「津上、あいつは近寄ってもまともな戦いができる相手じゃない。何か、一気に決められるような技とかあるか」

「ありますよ、とっておきの、一番かっこいい奴が!」

「かっこよさはどうでもいい。決めたらすぐ離脱しろ、俺が一発ぶっ放す」

「いや、重要でしょかっこよさ。とにかく話は分かりました、行きますよ!」

 重要度に対する見解の違いにやや不服そうな口調だったが、アギトは両手の曲刀を出した時とは反対にベルトの宝玉部分にしまい込むと、腰を低く落とし、低く声を上げて構えた。

「おいお前等、こんな狭い所で何する気なんだよ!」

 近寄らず後ろから成り行きを眺めていたスネークオルフェノクの咎め立てする声に、二人は反応しなかった。

 崩れやすい老朽化した建物、二人が王に対抗し得ると考える攻撃の威力は恐らく凄まじいもの。ここは地下深く、埋められれば生還は難しい。懸念は分からないでもない。

 だがもう、そんな事を考えている余裕はない。

 王の動作は未だ緩慢だった。目覚めてから食べたオルフェノクが足りないのか、目覚めたばかりだからなのか。どちらにしても、まともに動くようになれば勝機はない。

 ぼう、と、一つ二つ、光が灯る。アギトと王を結ぶ直線上に、紺碧の光を放ち、龍の紋章が二つ浮かび上がる。

 アギトは一二歩助走を付けたかと思うと床を蹴り、紋章を潜る。飛び蹴りの体勢のままにアギトの体は二つめの紋章まで地面と平行に飛んだ。

「とりゃああぁぁぁっ!」

 二つめの紋章を潜れば王は眼前、右の足裏は王の胸板を捉えた。弾かれたのはアギトの方だが、王は胸を押さえよろけ、アギトは後方でひっくり返った机にぶつかりつつ着地する。

「今です乾さん!」

「分かってる!」

『Exceed Charge』

 エンターキーを押し込み、銃口を王へと向ける。引鉄を引けば、フォトンブラッドの弾丸が放たれ、避ける気配もない王を捉えた。そのまま、二発、三発。

 高熱が爆風を生み出し、煽られてファイズもアギトも、大きく吹き飛ばされる。海堂の危惧通りに、激しく揺さぶられた建物はぐらついて崩落を始めた。

「お前等、俺様の事もちょっと配慮しろ! バッキャロー!」

 砂塵に隠れ王の姿は見えない。降り注ぐ瓦礫に埋もれていきながら、スネークオルフェノクの叫びは掻き消えていった。

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