煌めいた彩りは新しい春を運ぶ   作:♡チェケ♡

16 / 33
年も明け順調にレッスンを重ねていく彩。
残された時間は1年間。煌成と彩の思いは……




※オリジナル設定横綱(?)
消えた1月と2月


寂しげな冬 〜新しい春の予感〜

ー花咲川学園体育館ー

「卒業生、起立」

ガラッと椅子の音が響く静かな体育館。あまり関わりはないがその背中は来年の俺たちを示しているようだった。

3月9日の今日、3年生が卒業する。

 

そして来週から学校も無くなり、俺にも新しい仕事が入ることになっている。

ただのバイトのはずだったのに、こんな大役を任せてくれるのはとてもありがたい。俺にとっても、あいつ(丸山)にとっても。

 

そう。1月と2月でみっちりアイドル修行を終えた丸山へのプレゼント。

 

 

丸山たちのアイドルグループが、始まろうとしている。

 

 

ー卒業式後 レッスン場ー

「少し遅い。集中きれてるぞ」

「はいっ!」

今日は長めのダンスの練習だったが、少し早めに切り上げた方がいいかもしれない。最近かなり練習量増やしたし。

 

にしても、かなり上達している。

ダンスは元々の運動神経の良さもあっていい動きするし、歌もどんどん上手くなっている。まあ問題は1つだけだろうな。

 

そう、丸山最強の個性(とちり)……!!

 

大人数の前で歌う、喋るをしようとすると噛んだり頭が真っ白になるという恐ろしいもの。これを克服しないことにはなぁ…。

まあ数こなして慣れていくしかないか。今は目先のことを頑張ろう。

 

 

 

ー練習後 帰り道ー

帰り道、煌成くんに買い物に誘われた。

 

時間もそんな遅くないし普通に行きたかったから嬉しいな。

でも…まあ……わかってたよ…うん。

 

「いや…この服だと下はこれか。いや待てよ、こっちもありだな……」

案の定、お仕事関連でした。悲しい。

でもこうしているとなんかカップルみたいで楽しいのも確かだ。ふふふふ……おっと危ない。ニヤけそうになるのはダメ。バレちゃう。

 

結局何も買わずに店を出た私たちはそのままカフェに入った。何やら煌成くんが話したいことがあるらしい。

 

「それで煌成くん。話ってなに?」

「まあ時期が時期だしな。予想はついてるかもしれないが、ようやく。決まったよ」

……!!

普段察しがあまり良くない私でもわかる。事務所に入ってから1年。早いものだ。でも、やっと始まるんだ……

 

「お前たちのアイドルグループの、メンバーが決まった」

そう言い煌成くんが出した資料に視線を落とす。そこにはおおまかなプロフィールが書いてあった。

 

「まずギター。これはお前と同い歳だな。氷川日菜。なにやら周りからは天才って呼ばれてるらしい。性格も明るく、ちょっと個性が強そうなやつだけど面白いやつだと思う」

氷川日菜ちゃんは私も知ってる。すぐ近くの羽丘学園の子だ。なんでもすぐにできる天才っ子って花咲川でも有名な子だ。その子と一緒にやれるなんて楽しみ…!

「次にベース。いきなりの大物だな。白鷺千聖。お前と同じ学校だよな?ベースはまだ練習中だがそこそこ出来るようになってきてる。まあこいつに関して言うことはそんなないかな……ん?どうした、丸山」

「えっ、ええええええっ!?し、白鷺千聖ちゃんっ!?」

私の突然な大声に周りがじろりと見てくる。あわわっ、やっちゃった……

でもすごい。私はあまり喋ったことないけど、仲良くなりたいな。

「んでドラムは大和麻弥。1度会ったことがあると思うけどまあ…こいつは無理やり引き抜いた。本人めっちゃびっくりしてたけど、やるからには全力でやってくれるそうだ。よかったな」

麻弥ちゃんとは2月の時に1度会った。煌成くんとセッションしに来たって言って2人でずっと合わせてたのを覚えてる。ドラムもめっちゃ上手かったはず。

「んで最後は、キーボード若宮イヴ。1番説明する必要ないよな。最近よく会うし」

そう。イヴちゃんは私のモデル後輩。1月には私と2人で表紙に写った。仲良しだし、イヴちゃんがやってくれるのは嬉しいな。

 

「まあこの5人でやっていくわけだ。全員で集まるのは来週からになるな」

そう言うと煌成くんは急に顔を机に突っ伏した。

「ど、どうしたの?煌成くん?」

「いや〜、なんていうか。複雑だな、って思ってさ」

「え?」

 

「これは伝えてなかったが、俺があの事務所との契約は来年の今日までなんだ」

「えっ……?」

え、ということは煌成くんと一緒にいれるのも、あと1年だけってこと……?

 

「だから俺としてはお前たちの1年を成功させるってのが最後の仕事になるわけだ。そう考えると、楽しみな反面少し寂しいってのも…あるな」

「煌成くん……」

寂しいのは、私も…だよ。

言葉には出ないその思いを胸の中で繰り返していると、煌成くんが切り出した。

「しかもお前らみんな個性強いから絶対大変だし。絶対疲れるよな」

「ってえー!?それは酷くない!?」

寂しげな雰囲気から急にいつもの雰囲気に変わる。でも、煌成くんの目は真剣だ。

「だからこそ、お前ら一人一人の個性が合わさればきっと良いアイドルになる。それぞれの明るいパステルカラーを融合させる、そんなアイドルユニットに」

煌成くんの口から言われたその名は、これからの私の宝物になるだろう。そう直感した。

 

 

「俺は、パステルパレットと名をつけようと思う」

 

 

チラッとこっちを見る煌成くんに向けて私はサムズアップをする。

 

「大賛成!!!」

 

 

帰り道煌成くんと肩を並べながらずっと考えていた。

残された時間はたったの1年。

だからこそその1日1日を私は大切に生きていこう。

これから先、絶対に忘れないような幸せを刻んでいこう。

 

 

「あ、もう桜が咲いてる」

 

「もう春がくるんだな……」

 

 

 

 

私と煌成くんの、最後の春が訪れようとしている




閲覧者「1月と2月……どこいった?」
私「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

読んで頂きありがとうございます。1月と2月は死にました。
いよいよ残り1年です。次回からは一気にキャラが増えていくのでご注意下さい。
「僕が出会った少女はガラスのような人でした」は見て頂けたでしょうか?まだ見ていない方は是非とも読んでいただけると嬉しいです。

それでは次の投稿でお会いしましょう。良いバレンタインを。






爆ぜろリア充

彩と煌成の未来のお話

  • ほしい
  • 結構です
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。