※オリジナル設定注意
彩視点
「よーし。今日はもう終わりだ。ストレッチな」
煌成くんの声でみんなが一斉に息を吐く。今日はそこまで辛いレッスンじゃなかったけど、明日のことを思うと気が気じゃない。
そう。明日は私達の初ライブ。
楽しみだ…けど、今から緊張してる。
「そういえば彩ちゃん、明日なんだけど…」
「ふぇぇっ!?ど、どどうしたの千聖ちゃん!?」
「えっ?あ、いや明日はどうやって駅まで行くのかなって…」
「あ、ああ明日は歩いて駅まで行くよ!」
「そ、そう…」
うああああ。き、緊張が凄いよぉ…。
「そーいえばさー、麻弥ちゃん。ライブってどんな感じなの?」
「そーッスね…まあお客さんが近いので楽しいですね!盛り上がりますし……」
ええ…麻弥ちゃん凄いなぁ……。
「煌成さん!明日ってお弁当持ってっていいんですか!?」
「あ、それは持ってこなくてもいいぞ若宮。事務所から弁当が配られるから。でも食べたいものがあんなら自分でもってこい」
い、イヴちゃんも煌成くんも普通だなぁ…私だけ?
「あ、彩ちゃん。緊張してる?」
「えっ?そ、そんなこと…ある…よ」
思わず下を向いてしまう。千聖ちゃん達は緊張しないのだろうか。
「ふふっ。仲間ね」
「えっ?」
「私もずっと緊張してるのよ。失敗したらどうしよう、って感じに」
「へ、へえ…」
「でもね、彩ちゃん。少し考えてみて欲しいの」
「な、なにを?」
「私たちは、アイドル。アイドルは人を笑顔にできる人達よ。でも、そのアイドルが楽しくなさそうだったら見てる人達も楽しくないと思うの」
ニコッと笑って千聖ちゃんは言う。
「だから緊張しても、笑顔で私達はいるべきよ。楽しみましょう。初ライブ」
そう言い千聖ちゃんは私の手を握った。その手は微かに震えているのがわかる。
「…うん!頑張ろうね!千聖ちゃん!」
そう言い笑顔で話し始める彩を煌成は遠目に眺めていた。
ー初ライブ当日 朝ー
「よし!出発!」
気合いを入れ玄関からでる。昨日はちゃんと寝れて今日の調子はけっこういい。ただ緊張は……してる。手の震えが止まらない。
「…しっかりしなくちゃ。笑顔笑顔」
自分に喝を入れ、前を向くとそこには見覚えのある人物がいた。
「おはよう、丸山」
「こ、煌成くん?」
ど、どうしてここに?心の中で思うと読まれたかのように答えが返ってくる。
「どこぞのアイドルが緊張してトイレに籠らないかが心配でな。見に来たんだよ」
「も〜!ひどいよ煌成くん!それは1年くらい前のことでしょ!」
私だって成長してる…はず。
「…お前は成長してるよ。丸山」
また心を読まれた気がする。
「この1年。たった1年でお前は成長した。歌もダンスも上手くなって、人前で喋るのにも慣れてきた。モデルとしての人気も上がって表紙も増えた。お前は成長してるよ」
煌成くんに言われ、私はこの1年で頑張ってきたことを思い出す。…でも、やっぱり不安だ。手の震えは収まらない。
「でもたったの1年だ。まだまだひよこレベル」
「ってええ…その流れでそれはひどいよ、煌成くん…」
すると、煌成くんは私の震える手を握り、言った。
「だからまだ俺が一緒にいてやる。それなら安心だろ?」
ニカッと笑う煌成くんに胸がドキッと高鳴る。
実際煌成くんには数えきれないほど救われてきた。たくさんの迷惑をかけてきた。
でも、煌成くんはずっと一緒にいてくれた。何があっても。
「…煌成くんとなら、怖くにゃいよ。……あ」
「ぶふっ!」
…か、噛んじゃった……
「も〜!笑わないで!煌成くん!」
「あっははは!本番は噛むなよ?あははは!」
私達はそのまま手を繋いで駅まで向かった。
…本当に、怖くない。煌成くんと、パスパレの皆となら。
ーライブ会場ー
「本番5分前でーす」
スタッフさんの声で私達の間に沈黙が走る。いよいよだ。
すると、煌成くんが声をかけてきた。
「みんな、ちょっと聞いて貰っていいか」
みんなが煌成くんの方を見る。
「パステルパレットが全員集合してからたったの3ヶ月だ。前々から個人での準備はあったとはいえ、この短期間でよく頑張ってくれた。そして、今日はその努力の成果を見せつける時だ。俺から言いたいのはただ1つ」
煌成くんは両手を上げ、ハイタッチのポーズをとって言った。
「楽しんでこい!以上!」
「「「「「はい!」」」」」
「パステルパレットさん、入ってくださーい!」
私達は1人ずつ煌成くんとハイタッチして会場に入っていく。
さあ、最高のステージにしよう。
「皆さん、初めまして!私達、パステルパレットです!私達は、バンドとアイドルを組み合わせた斬新なアイドルとして皆さんと頑張っていこうと思ってますので、これからよろしくお願いします!」
ワァァァァァァァァア!!
す、凄い歓声だ。思わずゴクリと唾をのむ。
でも、この人たちは私たちと一緒に楽しんでくれる人達。みんなで、楽しむんだ。
「まずは1曲目、聞いてください!『パスパレボリューション』!」
す、凄い…凄い!凄いよ!
私の声が。日菜ちゃんのギターが。千聖ちゃんのベースが。麻弥ちゃんのドラムが。イヴちゃんのキーボードが。そしてお客さんの声が!
皆の音が重なって、1つになって、どんどん楽しくなってくる。
私は歌いながら、少し泣きそうになった。
あぁ、やっぱり私。アイドルになって良かった。
いつまでもこの時が続けば、そう思いながら私は歌いきった。
「ありがとうございましたー!」
みんなで手を振りながらステージの裏に移動する。呼ばれた名前や歓声がずっと頭の中でこだましている。
「あっ、煌成くん!終わったよ!」
ステージ裏の楽屋の中に入るとソファでコーヒーを飲んでる煌成くんがいた。
「いやー!すっごくたのし…かっ…わわっ」
近づくといきなり煌成くんは立ち上がり、私達5人の手を握った。
「お前ら…最高だった!丸山の歌も。氷川のギターテクニックも。白鷺の低音も。大和のリズムも。若宮の音色も。全部が最高だった。俺はきっと今日のこの瞬間を忘れない」
そう言い目元の涙を拭う煌成くんを見て、私も少し泣きそうになった。
「全部…煌成くんのおかげだよ。全部」
「そーだよ。煌成くんのおかげであたし達は集まったんだから」
「黒峰さんがいなかったらここまでのものはできてないですよ」
「黒峰さんの指導力の賜物です!」
「本当に、ありがとうございます!」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
「…ありがとうな。みんな」
優しい声で呟く煌成くんは、すぐにいつもの顔に切り替わって言った。
「このライブでどれだけの反響がでるかはわからん。でもこれからもっと色んな人に見てもらうために、レッスン頑張ろうな」
「「「「「はい!」」」」」
すると煌成くんは私に言った。
「じゃあ丸山。円陣。1本締めてくれ」
「え、えええっ!?い、いきなりだよ!」
「頑張れ、できる」
む、無茶ぶりだよ…よ、よしっ!
「え、えーっと…これからも頑張っていこう!パスパレ〜ファイッ!」
「「「「「「おー!」」」」」」
私達は今日をきっと忘れない。なにがあっても。
読んで頂きありがとうございます。
初ライブ、無事に終わりました。原作では見てて辛い話だったのでせめてここでは笑顔になろうという魂胆です。
実はこの話のどこかに最後のシリアスの伏線があります。ぜひお考え下さい。
今投票して頂いてるアンケートでそれぞれのお話の内容をTwitterで少しだけ上げる予定でいます@DkojiUrcFxNgSL6で調べればでると思うので、良ければフォローお願いします。
ただいまアンケートの取り方をかえました。目次に入って頂き1話を読むと1番下にポピパのアンケートとなっております。2話はアフグロ。3話はパスパレ。4話はロゼリア。5話はハロハピとなってますので、是非ともアンケートに協力してください。
それでは、次の投稿でお会いしましょう
彩と煌成の未来のお話
-
ほしい
-
結構です