誰もが、普通である必要なんて、まるでない。
※オリジナル設定注意
「彩ちゃん。あなた、黒峰くんのことが好きでしょう?」
「えっ?」
千聖ちゃんからの突然の質問に驚く私は思わず後ろずさってしまった。
ガッ!
「きゃっ!」
後ろに歩いていた人に足をぶつけたのだろうか。慣れない下駄も相まって足をくじいてしまう。
「彩ちゃん!」
その後私は千聖ちゃんの手を握りながら2人木陰に腰を下ろしていた。
…どうしてこうなったのだろうか。
ー30分前ー
「祭だーっ!」
「ちょっと待て氷川っ!」
元気よく日菜ちゃんがかけ出すのを煌成くんが走って止めに行く。最近このくだりはよく見る気がする。
2人を見つめていると千聖ちゃんが
「ち、千聖ちゃんどうしたの?」
「……え?い、いやなんでもないわ」
そう言い微笑む千聖ちゃん。む…流石に女優さんの表情は崩れない。私もこんなふうに表情変えれたらモデルの時に役に立つかも!
コロコロ表情を変えていると日菜ちゃんに見られてしまった。
「あははー!彩ちゃん変な顔!どうしたのー!?」
「なんだ丸山。そんなにはしゃいでるのか」
「べ、別にはしゃちでるわけじゃないよっ!」
げ、帰ってきてたのか2人とも。慌ててごまかすが噛んでしまった。
もっと2人に笑われる。
「まあまあ。黒峰さんも日菜さんもそこまでにして。イヴさんがワクワクを抑えれなくなってきてるんでそろそろ行きましょう」
「はいっ!早く行きましょう!ブシドーです!」
ま、麻弥ちゃん……!!
祭りはすごい混み方で、とても6人で固まって動けるような様子ではなかった。
案の定、私達は2つに別れてしまった。煌成くんと日菜ちゃんと麻弥ちゃんとイヴちゃん。私と千聖ちゃんの2つに。
そしたら急に千聖ちゃんに煌成くんのことが好きなんでしょ?って聞かれて…ってほんとになんで!?
「きゅ、急にどうしたの?千聖ちゃん」
動揺を隠せないまま聞くと、千聖ちゃんはにこやかな顔で答えた。
「あんなの誰でもわかるわよ。バレバレだもの」
「ええっ!」
お、落ち着くんだ私。そもそもアイドルは恋愛禁止。こんなのがバレたらきっと千聖ちゃんも怒る。誤魔化さないと!
「そ、そんなことないよ!私は別に…好きなんかじゃ……」
じーっと見つめてくる千聖ちゃんの視線から逃げるように横を向き、口ごもる。私は…どうすれば……
「仮にもし。彩ちゃんが黒峰さんのことが好きだったとしたら」
千聖ちゃんは優しい目でこっちを見た。
「私は別に、アイドルだからダメ。なんて言わないわ。女の子だもの。恋くらいするわよ」
「ちっ、千聖ちゃぁぁんっ!」
思わず抱きつこうとするも、肩を掴まれて動けない。
「でも、これだけは約束。もし想いを伝えることがあったとして、黒峰さんにフラれたりしたら即座に諦めること。仕事に影響がでるわ。いい?」
「ふっ、フラれ……」
こ、煌成くんにフラれる…想像しただけで……苦しい…
暗い顔になってしまっていたのだろう。千聖ちゃんが慌てて言う。
「べ、別にフラれることが決まってるわけじゃないのよ!私は応援してるわ!」
「千聖ちゃぁんっ!」
今度はしっかり抱きつく。やっぱ千聖ちゃんはいい人だっ!
「そういえば彩ちゃん、足首は大丈夫?」
「うん!もう痛くないよ!」
2人で色々話していると、煌成くんたちが歩いてきた。
「おっ、丸山ー、白鷺ー」
「あっ!煌成くん!」
すぐに立ち上がり走って向かおうとした瞬間。ズリッと音がした。
「あっ」
次の瞬間、私は地面に寝っ転がっていた。
「うう……面目ない…です」
半ベソかきながら私は煌成くんの背中に背負われて家へと向かっている。落ち葉を踏んでツルッと滑った私は慣れない下駄ということもあり足首をグキッとやってしまった。
せっかく千聖ちゃんの時の足首の痛みが引いてきていたのに、今度は逆の足を捻るなんて……
「まったく…高校生にもなって恥ずかしいと思ってくださいよ丸山さん」
「ご、ごめんなさい……」
煌成くんにも申し訳ない…。足を捻ったけどまだ花火とかがあって帰りたくない私は煌成くんの背中ですごしていた。
申し訳ないとは思うけど、暖かいし私としては大満足な祭りだ。落ち葉に感謝しよう。
「女の子だもの。恋くらいするわよ」
急に千聖ちゃんが言ったことが頭に浮かんできた。
…私の恋は、叶ってもいい恋なのかな?
アイドルは恋愛禁止。そんなことは当たり前。……でも、好きになるのは仕方が無いの?
「アイドルは…恋できないの?」
「えっ?」
あっ、やばっ。
「……丸山」
「は、はいっ!」
煌成くんが立ち止まる。まずい、これは説教コース…?
「俺は、アイドルの恋は叶ってはいけないと思ってる」
…だよね。それが普通なんだよ。
「でも、俺がもしアイドルの立場だったら。そんなの関係なく好きな人には好きって言っちゃうかもな」
うんうん…え?
「えっ?な、なんで?アイドルは恋愛禁止が普通…でしょ?」
「確かにな。でも、それで納得できるようなものじゃないだろ?恋って」
まあ俺は告白とかしたことないけど、と言い笑う煌成くん。
…私は、煌成くんの事が好きだ。その想いは自分でもわかっている。でも、それを伝えたら関係は崩れてしまうだろう。私はアイドルでいられないかもしれない。
そう考えたら、私はこの気持ちは押し殺さなければいけない。そう思っていた。
………そんなの、納得できるわけない!!
「よし、丸山。家に着いたらから降ろすぞ」
そう言い煌成くんが座りこもうとする。伝えるなら…
「煌成くんっ!」
気づいたら私は彼の背中で声を上げていた。
「実は私、丸山彩は!煌成くんのことが!」
彼の右耳に向かって。それでも聞こえるような大きさの声で。精一杯。
「好きです!」
言った勢いで煌成くんの背中から転がり、家の中に走る。足の痛みさえ感じない。それくらい心臓がドキドキしていた。
そのまま玄関で座り込む。
「言った……言っちゃったよぅ…!!」
真っ赤になった顔は、伝えれた嬉しさと恥ずかしさに溢れていた。
その夜、煌成くんからメールがきた。
『夜分に申し訳ない。今日の告白について明日話したいことがある。明日、駅前のカフェに来てくれ。 黒峰 』
読んで頂きありがとうございます。ちょっと考え事が多く全然投稿できずにいました。遅くなってすみません。
遅くなってしまったことの反省というかただ自分がやりたいだけというかで、これから投稿ごとに投票の1番上の人からの話の初めの部分のみをTwitterに投稿します。頑張りますのでぜひ見てください。@DkojiUrcFxNgSL6で調べればでると思います。
次回は、煌成くんが男になる時です。頑張れ煌成!
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それでは、次回の投稿でお会いしましょう!
彩と煌成の未来のお話
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