煌めいた彩りは新しい春を運ぶ   作:♡チェケ♡

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交通事故に巻き込まれてしまった煌成が病院に運ばれてから3週間。傍らで涙を堪える彩の思いは……




※オリジナル設定注意


もう一度、煌めくために ー中編ー

煌成くんが入院してから、3週間がたった。

 

学校に行く前に顔を出し、()()()()()()()事を確認。学校が終わってからはそのまま病院に行き煌成くんの横でその日あった事を話続ける。

それが私、丸山彩の1日となっていた。

 

 

「…今日ね、千聖ちゃんとお昼ご飯食べたんだよ。久しぶりに。同じクラスの花音ちゃんって子も一緒に食べたんだけど、花音ちゃんとおかずの交換したんだよ」

 

「帰り道に猫がいてね、撫でたら可愛い声で鳴いたんだよ。今度、一緒に触りに行こうね」

 

「あと1ヶ月でもう冬だね。去年くれた手紙とっても嬉しかったんだよ。まだ部屋に飾ってあるし。今年は一緒に過ごせるといいな」

 

 

 

…何を話しても届かないのは分かってる。何を言っても何も返って来ない事も。

 

 

「…ねえ煌成くん。今年の冬は、一緒に出かけようよ。どっか遠くにさ。楓さんのお見舞いの時みたいに、電車とかでさ」

 

未来の話をすれば、「それはいいな」なんて言って起きてくれるんじゃないか、なんて考えてる私がいる。そんなことに意味なんかないってのは分かってる。

いつか煌成くんが目を覚ますのを待ち続けるしかないというのも分かってる。そう簡単に目を覚ますわけじゃないっていうことも分かってる。

 

 

だからこそ、私はここ(となり)で待ち続ける。笑顔を作り、いつ煌成くんが目を覚ましてもいいように。

 

 

私は、待ち続ける。

 

 

 

 

ー翌日ー

 

「…ちゃん。彩ちゃん!」

 

「…えっ?」

 

誰かが呼んでる声が聞こえ、パッと目を開くと千聖ちゃんが困惑した顔で私を見つめていた。時計を見ると12時半。授業中に寝ちゃってたのかな…。

 

「彩ちゃん、今朝も?」

 

「……うん」

 

千聖ちゃんは毎日煌成くんに会いに行くことに最初は反対していた。朝早く夜遅くで移動する私の身体を気遣ってのことなのは分かっている。

 

「…黒峰さんに変わりは?」

 

「…特にはないよ」

 

千聖ちゃんも何回か一緒に煌成くんの所に行ってるけど最近は学校の後にドラマの撮影があるため来れていない。

…本当は、私も放課後は……

 

「彩ちゃん、いつまでパスパレの練習に出ないつもりでいるの?」

 

「!!!」

 

「あの日から3週間。まだ3週間しかたってないのにこんなことを言うのは酷かもしれないけれど、私達はアイドルとしての腕を落とす訳にはいかないのよ」

 

「…それは、わかってるけど」

 

「なら、今日遅れてでもいいから練習に行きましょ?私も今日は撮影ないから。一緒に行きましょう」

 

「…うん。ありがとう、千聖ちゃん」

 

あの日から千聖ちゃんには甘えてばかりだ。申し訳ない気持ちでいっぱいだけど、今だけは。今だけは許して欲しいって心の中で思っちゃっている。

 

 

 

…私は、ワガママだ。

 

 

 

 

ーレッスン場ー

 

「あっ、彩ちゃん!久しぶりー!」

 

「久しぶり、日菜ちゃん!ごめんね、最近来なくて」

 

「仕方ないよ、あんな事があったらさ。あたしもなんか変な感じだし」

 

やっぱり、皆同じ気持ちなんだもんね…。私だけワガママ言ってられないし、頑張らないと!

 

「あら、もう居たのね」

 

「彩さん、久しぶりっス!」

 

「アヤさん!もう大丈夫なんですか?」

 

「うん!平気だから頑張ろうね!」

 

 

 

私は1人じゃない。たとえ煌成くんがいなくても。

 

…君が起きるまで、私も頑張るよ。煌成くん。

 

 

 

ー1週間後ー

 

「もう時間か。じゃあここまで。号令」

 

長かった数学が終わり、やっと放課後だ。ぐいっと背伸びすると後ろから声をかけられた。

 

「今日は黒峰さんのとこに行くの?」

 

「あ、千聖ちゃん。うん。今日はレッスンないからね」

 

あの日から煌成くんの所に行く回数を減らしてその分レッスンに打ち込んでいる。勿論煌成くんの所に行くのが嫌になったりしたわけじゃない。煌成くんが起きた時にとびきり成長して驚かせるためだ。

 

 

 

「ふふふんふふーん、ふんふんふんふんふんふーんふーん…キャッ」

 

びっくりした…。鼻歌歌いながら歩いてたら頭に冷たいものが…。

 

「あっ…雪だ……」

 

上を見上げると、薄暗い雲からパラパラと雪が降ってきていた。初雪かな。

 

「煌成くん、驚くだろうな。目を覚ましたら月が変わってるなんて。雪まで振っちゃって」

 

びっくりしてる煌成くんを想像したら少し笑えてきた。煌成くんが驚いていることなんて数回しか見たことない。

 

ふと私は、昔の事を思い出していた。

 

 

 

 

「…オーディションでそんなことしたら普通落ちるぞ!?まじでびっくりさせやがって!」

 

私が考えた【アイドルとしての挨拶】をやったら笑いながら怒られたんだっけ。あの時は私もちょっとびっくりしたなあ。

 

 

 

「…俺は眠いんだけど。小学生じゃねえんだから。……少し散歩するか」

 

一緒に海に行った後にホテルに泊まった時、一人部屋が思ったより怖くて煌成くんに電話したら散歩に誘ってくれたんだっけ。

 

この2回はちょっとびっくりしてた気がするな。…まあ私が驚かすようなことをしてただけなんだけどね。

 

 

……それと、今回。私を庇う瞬間の煌成くんの顔は今でもハッキリと思い出せる。驚きつつも、必死な顔。

 

もし目が覚めたら、今度は私が【嬉しいびっくり】をたくさん届けてあげたいな。

 

 

 

 

 

「煌成くん、クリスマスももうすぐだしどこかに行きたい…ね……?」

 

 

病室につき、扉を開けた私は手に持ってたバッグを床に落としてしまった。

 

 

 

だって、そこには……

 

 

 

 

後編へ続く




読んで頂きありがとうございます。
中編と後編を一斉に出すと言いましたね。あれは嘘です。ごめんなさい。
想像以上に中編書くのに手間取っちゃったので、後編はなるべく早くということでご勘弁ください。

次の話でこのストーリーのシリアスも終わり。次の投稿でお会いしましょう。



沢山の方にアンケートにご協力頂きありがとうございます。次の後編を書き終えた時点での集計で各バンドから1人づつ選抜させて頂き最終アンケートをとる予定でいます。

彩と煌成の未来のお話

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