煌めいた彩りは新しい春を運ぶ   作:♡チェケ♡

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遊園地から帰ってきた煌成と彩。これから2人で同じ部屋で寝ることに緊張してる彩に対して煌成は何だか冷静で…?




※オリジナル設定注意
視点変更あり


煌めく冬。ずっと隣にいたい。

「じゃあごゆっくりな」

 

「うん、煌成くんもね!」

 

そう言い私は女湯の暖簾をくぐり中に入る。

 

「わぁ……!」

 

中に入るとふわっとした温泉の匂いが漂っていた。

広い更衣室!コーヒー牛乳の自販機!沢山のドライヤーの音とかが私に「これが温泉やで」って囁いてるみたいだ。

 

近所の銭湯くらいしか行ったことのない彩にとって、本格的な温泉旅館というのは新鮮だった。

 

「す…すっごいなぁ……」

 

煌成に感謝しつつ、彩は初めての本格温泉を堪能……

 

 

なんてできる状況ではなかった。

 

こ、煌成くんと同じ部屋で寝たりするんだよね…。一夜を!煌成くんと!同じ部屋!

顔が赤くなるのは温泉の熱気にあてられたからだけじゃない。でもこんな状況で冷静になれって方がおかしい話だ。ど、どうしよう……。

 

で、でも煌成くんはいつも通りな感じだったし、私が意識すぎなのかな…?

 

とりあえず髪と体を5回ずつ洗った彩は肌をスベスベにする湯に体を沈めた。

 

 

 

「あっつ…」

 

その頃煌成は、サウナで自分と戦っていた。

 

「ぐぅ…もう時間か…?」

 

ある程度入ったらサウナを出て、水風呂に入る。それを2、3回繰り返して整ってから温泉を堪能するのがいつもの楽しみ方だ。

 

「あぁぁ〜。極楽極楽ぅ…」

 

温泉に浸かると日々の疲れが癒えるようだ。退院してからいくつかの整体に通いバキバキになっていた体をほぐしてもらっていた煌成にとって温泉は最高の治療場所だった。

 

「…どうすっかなぁ。今日の夜…」

 

整った頭で煌成は冷静に考える。

 

一応この旅行は彩とのデートというわけだが…だからといってどうにかしようとか思っているわけじゃない。普通に疲れを癒して欲しかったというのが1つ。あと1つはまあ…

 

「俺も変わっちまったなぁ…」

 

恋人になってからあの事故にあうまでは一緒に帰ったりするだけで楽しかったし、時折手を繋いだりするだけでも十分満たされるような感覚だったけど、あの事故で色々と変わった。

 

まず彩が2人きりの時にもっと甘えてくるようになった。手を繋ぐだけでなくバックハグとかもした。バックハグの度に彩の目から薄く涙が零れ落ちていることも知っている。

あの事故で俺がいなくなってしまうと思ったのだろう。彩のスキンシップはどんどん増していっていた。

 

そして俺も、満更じゃなかった。

 

自分でもビックリするくらい心臓がドキドキしていたし、顔も赤くなっていた。バックハグじゃなかったらしっかりバレていたと思う。

 

でも、俺は……

 

 

 

決意を決めたような顔で温泉に浸かっている煌成は、しばらく考え込んでいた。

 

それから20分後。のぼせてしまった煌成は近くにいたおっちゃん達に担がれ部屋に運ばれたのである。

 

 

 

 

 

「ん…あれ?」

 

うっすらと目を開けるとそこは知らない天井だった。

 

「ここは……?」

 

「あっ!煌成くん起きた!」

 

上から彩の声がする。ああ、そういえば俺たちは温泉旅行に来て…温泉に入って…。

 

「のぼせたのか…。まじか」

 

現状を理解し頭を整理できた1つの疑問を持った。

 

どうして彩の声が上から聞こえるんだ?

 

うっすらと開いていた目をパッチリと開くと、そこには彩の顔があった。

 

「煌成くん、大丈夫?水でも持ってこようか?」

 

そこで俺は、自分が今どこにいるのかを把握した。

 

 

あ、これ膝枕だ。

 

顔が一気に赤くなるのを感じる。慌てて飛び上がると彩もびっくりしたような表情でこっちを見ている。

 

「こ、煌成くん?大丈夫?」

 

「……ああ。もう大丈夫」

 

彩は少し不安そうな顔をしている。まあそれも無理もないのかもしれない。今回は100%俺のせいだけど。

 

でもまだ少し体が熱い。顔が熱いのは気の所為だろうけど体に熱がこもってる気がする。風にあたりたいな。

 

「少し、散歩しないか?」

 

そして俺たちは旅館の庭園を散歩することにした。

 

 

 

 

 

「ふぅ…。夜風が気持ちいいな」

 

「そうだねぇ…」

 

12月だけど温泉でポカポカになった体に風が気持ちいい。のぼせちゃった煌成くんにもよく効くかも。

 

でも…やっぱ…

 

「煌成く「不安に…させたよな」

 

「!!」

 

私が話そうとした言葉は煌成くんに遮られた。

 

「ごめんな。また不安にさせて」

 

そう言い煌成くんは両手で私の手を握った。

 

少し冷えた肌が熱を取り戻していく。煌成くんが私の気持ちを分かってくれているという事実に体の内側が温まっていく感覚がする。

 

「うん…今回はのぼせちゃっただけだけど…。やっぱり少しだけ……怖かった…」

 

煌成くんが目を閉じている間はずっとあの事故の事を思い出していた。

あの辛く、悲しかった時間を。

煌成くんが目を覚ました時に安心して流れた涙もあった。

 

「もう、不安にはさせないから」

 

そう言い私は、真正面から抱きしめられた。

 

「えっ!?えっ?」

 

「ごめんな。もう大丈夫だから」

 

そう言い頭を撫でられる。体と顔が熱くなっていく。目頭が特に熱い。

 

「もうっ…!煌成くんのバカっ……!!」

 

声を絞り出し煌成くんに抱きつく。煌成くんが不安にさせないといったのだ。私だって泣かない。不安にさせない。

 

「…ああ。一緒にバカ同士だな。俺たち」

 

「かっこ悪いよ!それ!」

 

2人で顔を合わせて笑う。そのまましばらく見つめ合い、互いにそっと顔を近づけた。

 

 

 

私がこの旅行を忘れることは無いと思う。クリスマスイヴにあったちょっとだけ早いクリスマスプレゼント。

 

いや、違うな。きっと煌成くんとの思い出を忘れることはない。だって、離れた唇はまだこんなに熱いのだから。

 

 

 

そうして部屋に戻った2人は手を繋いで隣に眠った。

 

 

 

 

夜ご飯の食べ忘れに気づいて彩が目を覚ました話は、あの2人だけの秘密なお話。

 

 

 

後日のクリスマスデートも無事に終わり、2人の旅行は終わった。




メリークリスマス!最近寒くなってきましたね。もう少しで今年も終わりです。頑張って過ごしましょう!

ごめんなさい。茶番が過ぎました。最近緊急事態宣言などととても大変な事が起きていますね。体調に気をつけて健康でいてくれる事を願います。
この物語も残すところ3つといったところでしょうか…。次のお話はバレンタインです。え?1月?何を言ってるですか。ないです。

それでは次回の投稿でお会いしましょう!

彩と煌成の未来のお話

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