「へ?」
「どうかしら……。
私は346プロダクションの者なのだけれど。」
は?
346プロダクションって大手じゃん。
765プロダクションに並ぶ大手事務所じゃん。
「え、なに一世一代のバカなの?」
「いきなり暴言吐かれるととてもショックを受けるわね」
「あ、ごめん」
いや、待ってよ。
ぼくじゃないだろ。
「その…スカウトさん…。
ぼくじゃなくてあんちゃんをもっと輝かせてよ…。あんちゃんあんなに頑張ってるんだぞ。」
「あんちゃんさんは今は地下アイドルとして頑張って、いつか自分の力で上に上がりたいって言ってたわ。」
「はぁ!?!?あんちゃんと話したの!?いつ!?」
「あなたの後ろに並んでいたわよ…」
は?いつだよ。チェキか?チェキなのか??
「さぁ、聞かせて頂戴。
あなたにとってアイドルとは?」
ぼくにとってのアイドル?
「そりゃ勿論尊い。アイドルは尊いんだ!よ!!アイドルがぼくたちを見てくれるからぼくたちはすこすこのすこになっちゃうんだ!
努力して、汗水流して一生懸命がんばるアイドルが大好きなんだ。」
「じゃあその大好きなアイドルにさらに近付きたくない?」
「お近付きになりたい!あわよくばちやほやしたい!されたい!」
はっ、つい欲望がだだ漏れに。
「ただぼくなんかがアイドルになって炎上しない?」
「多少なら炎上してもいいわよ。」
大丈夫なのか?このスカウトさん。
「…ただし、ネットの利用はある程度制限するわ。」
「やっぱ炎上するって思ってんじゃん!!!!」
「ほら炎上商法でライブ中止になった例もあるし…ね?困るじゃない?」
「生々しいからやめろし!」
大丈夫じゃない。こいつまともじゃない。ぼくもか!あははは〜。
…じゃなくて。
「ほんとに…ぼくでいいの?」
ぼくには何もない。
中途半端で放り投げるばかりで何もない。
「貴女がいいの。
ね、私の事務所にいらっしゃい。」
待って。
ちょっとなんか引っかかった。
「…あ、あれ、スカウトさんじゃないの??」
「私はプロデューサーよ。」
スカウトさんだと思っていたことをスライディング土下座で30分近く謝り倒しました。
「じゃ、夢見りあむさん。
明日説明とアイドル達と顔合わせしてもらうからよろしくね。
書類も書いてもらうから印鑑と身分証は忘れないで頂戴ね。」
うーん、これガチでぼくアイドルになっちゃう系ですか?大丈夫?怒られない?燃えない?やばくない???
「ち、ちなみに誰がいますのでしょうか?」
恐る恐る聴いた質問には
佐久間まゆちゃん…森久保乃々ちゃん…橘ありすちゃん…棟方愛海ちゃん…喜多日菜子ちゃん…遊佐こずえちゃん…佐城雪美ちゃん…。
名だたるアイドル。
やばい、もうぼく今日が命日でもいいや……。