無感動な少女と魔眼使いの少年(リメイク版)   作:しぃ君

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 みたま「前回までの『無少魔少』。前回は、口寄せ神社の場所が分かって、突入したって所よねぇ」

 結翔「……出番欲しいからって、あらすじ紹介に来なくても」

 ももこ「まぁまぁ、調整屋の事をそう言ってやんなよ」

 こころ「そうです!今話も私はチョイ役なんですよ!」

 まさら「私はそこそこ」

 ???「私はまだですねぇ。はぁ、早く本編に出たいです。やっちゃん……」

 しぃ「……今の一言でバレちゃったよ。折角名前伏せたのに」

 メル「そんな事はさておき!ボクが活躍する二十一話をどうぞ!!」


二十一話「守れなかった過去と、守れるか分からない未来」

 ──結翔──

 

 目の前に立っている少女の名前は安名メル。

 大東学院の黒を基調としたボレロタイプのブレザーを着て、緑青色の髪を赤いリボンで纏め、エメラルドグリーンの瞳でこちらを見つめている。

 快活そうな少女だ。

 

 

 約一年前まで、俺ややちよさんたちとチームを組んでいて、そこで……俺が守れなかった──殺してしまった魔法少女。

 占いが大好きで、朝の占いでその日を歩め方を決める変わった奴だった。

 でも、悪い奴ではなかった。

 

 

「……偽物なんだよな?」

 

「逆に、本物だって言って信じます?」

 

「いいや。信じない」

 

「そうでしょう?」

 

 

 クスクスと笑うメルは、本当に本物の彼女のようで、今すぐにでも抱き締めたい気持ちに襲われるが、必死に堪える。

 今回は、それをしに来たんじゃない。

 俺は謝りに来たのだ、彼女に謝りに来たのだ。

 

 

「メル。…ごめん。最期まで伝えられなくて、最期にならないと伝えられなくて……ごめん」

 

「別にボクはいいですよ。最期だって、そう伝えたはずです。……ボクは望む答えを貰えた、君は望む答えを言ってくれたです。それだけで十分だったんです。それ以上を求めるのは傲慢ってやつです」

 

「…でも!! もしかしたら、俺がもっと早く答えを出してれば、俺が関係が崩れるのに臆病にならなければ、メルは──」

 

「今でも生きていたかも? です? ……結翔くん、どう頑張っても、それはたらればですよ」

 

 

 俺の言葉に、メルは淡々と返す。

 それが、俺への最大の恩情だと、頭では分かっている──分かっているけど心で納得なんて出来ない。

 出来やしない。

 

 

 仲間だった、家族だった、大切だった、俺の──

 

 

「ボクに心残りはないです。……いや、一つあります。それは──」

 

「俺の事?」

 

「そうです。結翔くんの事ですよ。ボクの事を忘れろだなんて言いたくないです。と言うか、言っても忘れてなんてくれないですよ。だから、ちゃんと進み始めて欲しいです。足掻き続けるのは──停滞するのは悪い事じゃないと思いますです。けど、そこに居るだけじゃ、また守れないですよ。誓ったんなら進み続けないと、なんたって結翔くんはヒーローなんですから!」

 

 

 忘れろと言わなかったのは、優しさで。

 足掻き続けるのを、停滞するのを悪い事じゃないと言ったのも優しさで。

 進み続けろと言ったのは、多分彼女の願いだ。

 

 

 なんで、なんだろうな? 

 俺が一番、ヒーローになりたいと思ってるのに、俺自身がなれないって一番思ってる、相応しくないって思ってる。

 でも、俺が守れなかった奴が、今近くにいる奴は、みんなが俺をヒーローだと言っている。

 

 

 優しくされる資格なんてない、好意に答える資格もない。

 そんな俺に、優しさを向けてくれる人がいて、好意を余すことなく言ってくれる人がいて……俺はそれを心地良いと感じている。

 ダメなのに、大勢守るべきものを殺したのに。

 優しさを向けられたいと思っている、好意を嬉しく感じてしまう。

 

 

「……本当に、なんで俺の周りばっかこうなんだよ」

 

「そりゃあ、結翔くんが優しいからですよ。結翔くんが好意を持って相手に接しているからです。類は友を呼ぶ? でしたっけ? それですよ、きっと」

 

「そっか、そうなのか」

 

 

 一人だけ例外が居るが、何時かはそうなるのだろうか? 

 分からない、分からないが少し楽しみだ。

 臆病だから、真実を伝えるのはきっと先になる。

 もっと先になる。

 下手をしたら、俺の口から言えるかどうかすら怪しい。

 

 

 怖い、嫌われたくない、離れていって欲しくない。

 彼女たちがそんな子じゃないと分かっていても、俺はそう思ってしまう。

 ……本当に臆病になってしまった。

 

 

「……どうやら、ウワサが暴れだしたみたいです。そろそろ──」

 

「あぁ、行かないとな」

 

 

 どんなに苦しくても、どんなに辛くても、ヒーローは戦わないといけない。

 それは、俺が他のヒーローから学んだ事。

 弱さを押し殺してでも、戦場で拳を握り、剣を取らなければいけない。

 

 

 少しの間考えて、メルの方に歩き出した。

 例え、偽物でも、そこに居るのは安名メルだ。

 だから俺は──

 

 

「……セクハラですよ」

 

「なんとでも言え」

 

 

 そっと抱き締めた。

 仲間だった、家族だった、大切だった、俺の──()()()()だった。

 この世にはもう存在しない、初恋の人。

 

 

 優しくされる資格は貰っておきたいが、好意に答える資格は当分いらない。

 メルに未練がある訳じゃない。

 だけど、誰かの好意に答えられるほど、俺は強くないし、自分を好きにも慣れない。

 

 

 加えて、危険な仕事をしている、何時どこで死んでも可笑しくない。

 俺の弱さで、誰かを傷付けるのは、好意を持ってくれた誰かを傷付けるのはごめんだ。

 まぁ、時既に遅しと言った可能性もあるが。

 

 

「…じゃあな。また、墓参りにでも行くよ」

 

「そうして下さいです」

 

 

 俺は走っていくウワサの元へ走っていく。

 メルが見えなくなった頃、頬を伝った涙はきっと気の所為だ。

 絶対に、気の所為だ。

 

 

 ──いろは──

 

 結局、ウワサの結界の中で会えたういはういの姿をしたナニカだった。

 

 

『運命を変えたいなら神浜市に来て、この街で魔法少女は救われるから』

 

 

 意味が分からなかった。

 ういが魔法少女を知っている事にも驚いたし、私の言葉を聞いてくれない事に……

 だけど、そのお陰でういが偽物だと分かった。

 

 

 偽物のういは私が何をするでもなく、勝手に消えていて、次の瞬間から私は急いで走り出した。

 やちよさんと結翔さんが心配だっから。

 二人はどうなってるのか気になったから。

 

 

 ……ういが偽物だったように、二人が会えた人も偽物の可能性が高いと思い、伝える為に走り出した。

 最初に見つけたのはやちよさんだった、近くに居る女性は白髪ショートカットのおっとりとした優しそうな人。

 すぐに行こうとしたが、ウワサの手下に手間取り遅れをとった。

 

 

 ウワサの手下を倒して、二人の元に辿り着くと、少しの会話の後にやちよさんがこう言った。

 

 

『環さんを倒しなさい…そうすれば認めるわ』

 

『…ごめんなさい、環さん。まさかあなたに甘えることになるだなんて。お願い、この偽物を倒して…。今の私じゃうまく動けそうにないから…』

 

 

 近くに立つみふゆさんが本物か偽者か見分ける為ではなく、自分が戦えないから、代わりに倒して欲しいと。

 だから、私は全力で戦って偽物を倒した。

 チャクラムを使う魔法少女であるみふゆさんを相手に、必死で食らいついて勝利を得た。

 

 

 戦いが終わって聞くと、みふゆさんはやちよさんにとって大切な幼馴染らしい。

 もっとも、ここに来ている時点で、行方知れずなのは確定だろう。

 だからこそ、口寄せ神社を調べていたと。

 

 

 ……よく見ると、ソウルジェムが酷く濁っていた。

 会えなかった事が、偽物だったことがショックだったのかもしれない。

 私は自然と、昨日貰ったグリーフシードをやちよさんに使った。

 やちよさんには怒られたが、別に構わない。

 だって、二人が言っていたのだから。

 

 

 穢れが溜まりきると大変な事になる……と。

 

 

 その後、ウワサに惑わされなかったことから私たちは現実世界に戻って来た。

 鶴乃ちゃんも出てきたじゃウワサの手下を倒し終わっていたのか、変身を解いていて、三人で今回のうわさの話をした。

 

 

「人の弱みにつけこんだ嫌なうわさ」

 

 

 それが三人の総意だった。

 鶴乃ちゃんがこれからもみふゆさんの事を調べると息巻いていると、やちよさんがこう続けた。

 

 

「まだ、終わってない」

 

「ですよね、前みたいにうわさは消してないですし…」

 

「私は会いたかった人を否定した上眠りもせずに戻って来た。これはウワサからすると無視できない状況のはずよ」

 

「あれれ? でも、結翔は──」

 

 

 未だ帰ってこない結翔さんの話を、鶴乃ちゃんが続けようとすると、どこからか声が聞こえてきた。

 気味の悪い、気持ちの悪い声だ。

 

 

『最愛ノ者トノ再会ヲ求メテ殺メル者ヨ。神ヲ謀ッタソノ罪、万死ニ値スルデアロウ』

 

「来たわね」

 

「│鮟画碑憶蝮騾繧後陦後!! │」

 

「これが、うわさを現実にしている大元のウワサってわけね」

 

 

 変身し直して、ウワサと相対する。

 大きい……が、絶交ルールの時に出てきた奴よりかは幾分かマシに見えた。

 結翔さんが居ないのは大きいが……何とかしなくちゃ! 

 それに──

 

 

「今、謀ったとか聞こえたような気がするけど。それが、このウワサの言葉ならそっくりそのまま返さないとね」

 

「はい、会いたい気持ちを利用するなんて」

 

「万死に値するわ!」

 

「──じゃあ、一番槍もーらった!」

 

「えっ!? 今の流れ、私たちだと思うんですけど!?」

 

「鶴乃らしいわ…」

 

「ですねぇ……」

 

「──って!? 結翔さん!? いつから…?」

 

 

 いきなり現れた結翔さんは、どこかスッキリした表情をしていた。

 ……少しだけ泣いたあとがあるのは気の所為だろうか? 

 

 

「取り敢えず、話は後でね。今は目の前の奴を倒さないと」

 

「…分かりました!」

 

「鶴乃に続くわよ!」

 

 

 一番槍として突っ込んだ鶴乃ちゃんが、既に攻撃を仕掛けている。

 刃仕込みの扇子に炎を纏わせて斬ったり、炎の竜巻みたいなものを出して攻撃をしているが、あまり効いている様子がない。

 

 

 …硬い敵って事なのかな? 

 だったら、一発一発に力を込めて! 

 

 

「はぁっ!」

 

 

 連射、とはいかずともそこそこの頻度で打ち出される光の矢は、簡単に弾かれてしまう。

 結翔さんも銃の弾丸が弾かれた為、舌打ちをしながら、剣を片手に突っ込む。

 やちよさんと二人で連携しながら斬りかかるが、私の攻撃と同じく全くダメージが通ってない。

 

 

 結翔さんたちに教えて貰った、魔力を託すコネクトも効果は期待できないだろう。

 

 

「やちよさん、矢も弾も弾かれてます!!」

 

「斬撃も無理っぽいですね」

 

「……あれかな? 魔力を弾くコーティングでもしてるのかなぁ? 油まみれの厨房みたいな!」

 

「また、そんな適当なこと言って…。んなわけないで…しょ…いえ…。ウワサはウワサ…魔女と関係ないなら…」

 

「やっぱり有り得るってことだよね」

 

「だけど、分かった所で解決策が出てくるわけじゃないぞ…」

 

 

 このまま行くと、ジリ貧で私たちが負けちゃう。

 解決策……とはいかなくとも、取っ掛りやきっかけさえあれば……

 

 

「何か考えるきっかけってないですかね…? 馬、蛙、口寄せ、神様…」

 

「ほっ?」

 

「鶴乃?」

 

「鶴乃ちゃん?」

 

「う──ん…。神様!!」

 

 

 唸り声を少しだけ上げてから、鶴乃ちゃんがひらめいたように叫んだ。

 頭の回転が早いと言うのは本当らしい。

 もしかしたら、ここから逆転のチャンスがあるかもしれない。

 弱点、とはいかなくても攻撃が少しでも入るようになれば……

 

 

「ナイスだ鶴乃! 何を閃いた?」

 

「ひらめいたよ! あのね、神様って願いを叶えてくれるでしょ? で、魔法少女って願いを叶えて生まれたでしょ? どっちも奇跡に関係してるから魔力の質が似てるのかなーって! もしそうだったら、魔法とか効かなそうじゃない?」

 

「…百歩譲ってそうだとして…どうすればいいのよ…」

 

「う──ん…物理攻撃…? 木を引っこ抜いて殴るとか!」

 

「他に!」

 

 

 あれ、なんでだろう? 

 凄くダメそうな予感がしてきた。

 私たちじゃ、どうにもならなそうな感じの予感だ。

 

 

 例えば、無理難題な攻撃方法が鶴乃ちゃんの口から出てきそう……

 

 

「えぇと…呪いや穢れの力?」

 

 

 やっぱり!! 

 

 

「そ、そんな力、私たちにはないよぉ! …鶴乃ちゃん、私たち…もしかして今…」

 

「絶体絶命かもね、たはー。それに、正しいかどうかも分からないし」

 

 

 笑顔でそう言う鶴乃ちゃん。

 全然笑顔になんてなれない。

 本当に絶体絶命のピンチが、目の前まで音を立ててやって来ているのだから。

 どうにかする方法はないか辺りを見渡すと、結翔さんが面倒臭そうな表情で右眼を抑えていた。

 

 

「敵が強い理由はどうあれ、笑えない状況なのは確かみたい。………………。呪いや穢れの力…ね」

 

 

 ピエロが付ける緑色に変な模様が入った二股帽子の頭部に、ピンクと黒で配色された卵型の胴体、そしてそれを支えて動き回るための車輪。

 二股帽子を伸ばして叩くような接近攻撃と、毒の泡のような遠距離攻撃で遠近両方にも対応出来る攻撃方法は厄介でしかない。

 

 

 毒の泡の攻撃は避ける事が出来ているが、二股に別れた帽子の先で叩くような攻撃は上手く避けられない。

 泡のようなゆっくりのスピードじゃないし、芯のない捻ることが出来る攻撃は避け辛い。

 

 

「│鮟画碑憶蝮騾繧後陦後!! │」

 

「づぅ!!」

 

「環さん!」

 

「ちょっとかすっちゃいました…まだ大丈夫です」

 

「でも、明らかに動きが鈍いわ。鶴乃はまだいける!?」

 

「時間をかけると、魔力が尽きちゃうかも!」

 

「さすがに、攻撃が通じないんじゃ自称最強も形無しってわけね。…あまりとりたくない手段だけど」

 

「…やちよさん、悔しいけど逃げるしかないと…思います」

 

 

 結翔さんが決死の応戦をしてるから、私たちには飛んでくる攻撃が少ないだけだ。

 既に、結翔さんは満身創痍。

 魔眼のお陰で傷の治りは早いらしいが、治ったそばから傷がついていくんじゃ回復しても意味がない。

 

 

「鶴乃、退くわよ!」

 

「アイアイサー! 戦略的撤退だー! よーい、どん!」

 

「ちょっと先に行かないの! 少しは連携を考えて! もう…」

 

「行きましょう、やちよさ…」

 

 

 一瞬、全身から力が抜けて、続けようとした言葉が途切れた。

 何故だろうか、上手く力が入らない。

 立つことさえままならないレベルで、完全に力が抜けていってしまう。

 

 

 なんで……? 

 

 

「環さん!?」

 

「──っ!? いろはちゃん! 大丈夫!?」

 

「ご、ごめんなさい。急に体から力が抜けちゃって…。ふぅっ…うぅ…」

 

「──っ!? あなた、そのソウルジェム…」

 

「ソウルジェム…?」

 

 

 やちよさんにそう言われて、私はソウルジェムに目を向けた。

 酷く、濁っていた。

 穢れが溜まりきる一歩手前、と言った所だろう。

 

 

 絶体絶命…そんな言葉が脳裏によぎる。

 先程より、状況が酷くなったのは明らかだろう。

 

 

「あれ、すごい穢れが溜まってる…。もう少し、大丈夫って思っ出たんですけど…。ういに会えなかったの、ショック、だったのかな…?」

 

「そんな状態で…どうして私にグリーフシードを!」

 

「大丈夫ですよ、やちよさん…ちょっと、動き辛いだけですから」

 

「動かないで! 私があなたを負ぶっていくわ。結翔!」

 

「グリーフシードを!」

 

 

 結翔さんが小さな巾着袋からグリーフシードを投げ渡す──が、ウワサの手下にそれを弾き落とされてしまう。

 

 

「ちっ! 早く行って! 俺が時間を稼ぎます」

 

「……死ぬんじゃないわよ」

 

 

 やちよさんの言葉に、結翔さんは何も答えず、大元のウワサに向き直る。

 思えば、この時から、私の体は少しづつ違う何かに変わりつつあったのかもしれない。

 

 

 ──結翔──

 

 鶴乃の推測による仮定が合っていれば、俺とこのウワサはまだ相性が良い。

 何故なら、俺の魔眼は悪魔との契約の証。

 呪いや穢れの力で構成されてると言ってもいい。

 

 

 直死で死の線は見えているが、攻撃が通らないから意味がない。

 未来視の魔眼を使って、ヘイトを俺に向けながら避け続けるのが一番の手だろう。

 攻撃はウワサの手下を消すだけで十分。

 ウワサ本体にも、ヘイトを俺に向け続けさせる為に攻撃するが、軽くでいい。

 

 

 倒せないなら倒せないなりの戦い方がある。

 幸い、そこまで早くはないから、避けるのは難しくない。

 だけど、庇ってた分のダメージが残っているし、毒も結構回ってきている。

 

 

 魔眼の限界は、そう遠くない。

 

 

「クソっ!」

 

「│鮟画碑憶蝮騾繧後陦後!! │」

 

 

 毒の泡攻撃はグロックで撃って、出来るだけ遠くで対処。

 二股帽子のような頭の耳でする叩く攻撃は、未来視の魔眼で先読みし避ける。

 攻撃パターンは多くないので対処事態はできるが、攻撃が通らないのが痛い。

 

 

 マギアである『英雄の一撃(ヒロイックフィニッシュ)』で吹き飛ばす事は出来ても、体力を消耗するだけで焼け石に水。

 かと言って、もう一つのマギアである『一閃必殺』は斬撃が通らないので意味がない。

 

 

 万事休すも良い所だ。

 でも、逆境を覆してこそ──

 

 

「ヒーローってもんだろ!!」

 

 

 過去の力に縋りたいが、泣き言を言っている暇はない。

 魔力の質が似ているから問題なのだ。

 魔力の質を極限まで、光から闇に寄せればいい。

 それだけの話だ。

 

 

 一か八かの賭けになるし、失敗したら後ろにいかれること間違いなしだろう。

 だけど……やるしかない。

 

 

 過去に味わった絶望は、メルに会ったお陰で鮮明に思い出せる。

 出来るだけ濃く闇の魔力を生成する。

 穢れが溜まっていくが問題はない。

 生と死の魔眼が勝手に穢れを浄化していくからだ。

 

 

 使い勝手のいい魔眼で、本当に助かる。

 ……もっと、早く目覚めてくれれば良かったのに。

 後悔や憎悪、そう言った穢れになりうる感情を溜めて魔力を生成する。

 

 

 拳に魔力を纏わせて、一気にウワサとの距離を詰める。

 最速の足運びで間合いに入り、最凶の一撃を喰らわせた。

 

 

「吹き飛べっ!!!」

 

 

 拳は確実にウワサに届いたし、ダメージを与えた感覚もあった。

 だからだろうか、俺は一瞬、油断してしまった。

 消せた自信はなかったが、ダメージを与えた感覚があったから。

 

 

「……よし。取り敢えず、ごうりゅ──」

 

 

 後ろを振り返り、やちよさんたちの様子を確認しようとした刹那、背筋が凍るように固まった。

 まさか、と思った。

 そんな事ある筈ないと思った。

 だけど──

 

 

「│鮟画碑憶蝮騾繧後陦後!!!! │」

 

「えっ……」

 

 

 車輪を捨て、龍のような姿になったウワサが、俺の背後に陣取っていた。

 

 

 さっきので相当ダメージが入った筈だ。

 まず、間違いなくすぐに動ける筈はない。

 なのに、何で動けてる? 

 

 

 車輪捨てて、スピードが上がってるなら、俺がぶち込む前に車輪を意図的に外して、限界まで後ろに引いたのか? 

 ……いや、だとしても、こんなすぐに動けるようになるか? 

 

 

 逡巡する思考、僅か数秒の間に行えたと思うと僥倖なのか? 

 んな訳ない。

 間違いなく、一発食らう。

 防御姿勢に──

 

 

「│鮟画碑憶蝮騾繧後陦後!!!!!! │」

 

「ぐっ……ぁああああ!!!!」

 

 

 尻尾による吹き飛ばし攻撃で、俺は地面と水平に飛ばされる。

 不味い、不味い不味い不味い! 

 防御姿勢で腕をクロスしたのはいいけど、吹き飛ばし攻撃の衝撃でまともに動かねぇ。

 ジンジンと痺れてクロスした状態から動かせないし、かと言って無理矢理足で止めようとすれば、最悪足がちぎれるしよくても折れて使い物にならなくなる。

 

 

 やっと勢いが収まっても、地面でバウンドして余計に吹っ飛ぶ。

 勢いが完全に止ったのは、内苑の壁に当たってからだった。

 背中から当たった事もあり、肺の中にあった空気が無理矢理外に出される。

 そして、序と言わんばかりに血塊が口から吐き出された。

 

 

 口の中に残る鉄の味。

 久しぶりに味わったよ……二度と味わいたくないと思ってたけどな。

 痛みと吐血、魔眼の使い過ぎ、様々な要因によって揺らぐ視界で、俺はそれを目にした。

 

 

 いろはちゃんから生まれたとも見える()()は、鳥の姿に似ていて何故か全身を布で覆っており、ペスト医師がつけるマスクを頭部に被っていた。

 彼女は何もしなかった──いや、出来ることなどなかった筈だ。

 何せ、彼女のソウルジェムは穢れが溜まりきる一歩手前で……

 

 

「…ま……さか。魔女の力?」

 

 

 呪いや穢れの塊である魔女の力を、限定的に使っているのか? 

 有り得ない、だけど──色々の物が有り得てしまうのがこの世界。

 彼女から生まれたそれは、あっという間に苦戦していたウワサを倒して、消えていった。

 

 

 そして、ウワサが消えたと同時に、結界も解けていった。

 

 

「結翔! 大丈夫!? 肩貸すよ!」

 

「悪いけど、頼むは……」

 

 

 俺が鶴乃に肩を貸してもらいながら、いろはちゃんたちの方へ移動する。

 すると、そこではやちよさんがいろはちゃんの無事を確認していた。

 

 

「環さん! 大丈夫!? あなた…そのソウルジェム…」

 

「へ…? あ、あれ…? 穢れが消えてる…?」

 

「………………」

 

「はっっっ!! 分かった! 今のは穢れを使った技なんだね! すごいね、いろはちゃん! 魔法少女の新しい技を発明だー! ふんふん!」

 

「うるっさいなぁ! 耳元で大声出さないでくれ! ただでさえ頭がクラクラするのに、余計酷くなる!」

 

 

 耳元で大声をだす鶴乃を叱り、何とかいろはちゃんとの会話を繋げる。

 善い奴なんだけど、偶にダメなんだよな。

 

 

「そう、なのかな…? すみません、全然自覚がなくって、私…」

 

「俺も初めて見るよ。…あれがなんだかは、後で考えよう。それより、一旦調整屋に行くよ。ソウルジェムの事なら、俺らよりみたま先輩の方が知ってるし、休む場所もあるしね」

 

 

 俺が調整屋で調査や休憩を済ませようと言うと同時に、どこからか見た事のない魔法少女が現れた。

 金色の髪はフィクションでしか見た事のないツインドリルになっており、同じく金色の瞳がじっくりとこちらを──いや、いろはちゃんを見つめている。

 

 

「悪いけど、行かせる訳にはいかないわ」

 

「え!? えと…あなたは…?」

 

「私は(ともえ)マミ。見滝原の魔法少女よ。…あなたたち、魔女と一緒にいてよく平気でいられるわね。妙な結界があると思って入ったら思いがけない収穫だったわ」

 

「……笑顔でずいぶんと敵意を剥き出しにしてくるわね」

 

「えぇ、そうね。ただそれは、そこの魔女さんにだけよ」

 

「………………。わ、私、ですか…!?」

 

「白々しいわよ。まさか、人に紛れている魔女がいるなんて思わなかったわ」

 

「なにを勘違いしているの? ここにいるのは全員あなたと同じ魔法少女よ」

 

「だけど、その子は違うわ。お生憎様だけど、この目で見ちゃったのよね。本当の姿を…」

 

 

 話を聞くに、他所のテリトリーの魔法少女で、運悪くさっきのいろはちゃんが出したあれを見たのか。

 最悪だ……。

 黙って聞いてれば、色々言ってくれちゃって。

 

 

「取り敢えず、百歩──いや、千歩譲っていろはちゃんが魔女だったとして、君がここに居る意味が分からない」

 

「…私の街で、魔女が減ってるの。キュウべえに聞いたら、この神浜市に集まっているって聞いたから調査に来たのよ」

 

「まーたアイツか。…はぁ、一応言っておくけど、俺たちも魔女が増えて苦労してるんだ。狩っていくなら好きにしてくれ。但し、うちは早い者勝ちなんでな、遅れないように気を付けて」

 

「……ご忠告どうも。じゃあ、そこにいる魔女を狩らせてもらうわ」

 

「やってみろ。手負いだけど、追い返すくらい出来るぞ」

 

「そうかしら。随分辛そうよ? あなた」

 

 

 ……痛い所突いてくるなぁ。

 ぶっちゃけ、今戦ったら負ける。

 魔眼使えないし、相手は余裕有りそうな感じだし。

 さて、どうしたものか? 

 

 

 俺が言い返せず黙っていると、いろはちゃんが一歩前に踏み出した。

 

 

「環さん?」

 

「私だけを狙ってるんですから、私が戦います。それに、今、まともに動けるの私だけみたいですし」

 

「強いよ。俺たち四人でもどこ吹く風って感じだし」

 

「なんとかしま──」

 

 

 なんとかします、そう言いかけたいろはちゃんだったが、突如響いた乾いた金属音に言葉が途切れる。

 …今日は、言葉が途切れるのが多い日だな。

 

 

 それより、マミちゃんだっけ。

 あの子凄いな。

 背後からの一撃に完璧に対応した。

 しかも、リボンをマスケット銃に変えるなんて…あれは相当魔力の扱いに長けてる証拠だ。

 

 

 いろはちゃんじゃ勝ち目が無いどころか、本気で狩られる可能性があったかもな。

 まぁ、それも杞憂か。

 なにせ、まさらが来たからな。

 

 

「──っ!」

 

「………………」

 

 

 既に魔法少女に変身していたまさらは、固有の能力である透明化で近付いて不意打ちを浴びせようとしたのだろう。

 失敗に終わったが、一人増えただけでも心強い。

 まさらは押し切れないと分かると、力を抜いてダガーをマスケット銃の銃身を滑らせて受け流す。

 

 

 受け流した後は、すぐさまこちら側に移動した。

 

 

「か、加賀見さん!?」

 

「ナイスまさら。助かった」

 

「迎えに来たのよ、貴方が遅いから。…状況は大体分かってる。面倒だけど、目の前の敵は私が片付ける。環いろはは下がっていて」

 

「……えっ!? で、でも、二人で戦った方が」

 

「言っておくけど、私は死ぬまで退かないし、死んでも退かないわよ?」

 

「……………………分かりました」

 

「ならいいわ」

 

 

 暴論でいろはちゃんの協力を拒否し、まさらは敵であるマミちゃんに向かい合う──と思ったが不意にこちらを向く。

 …何故だろうか、若干不機嫌そうに冷たい目つきで俺を見ている。

 

 

「覚悟しなさい。こころ、泣いてたわよ。あの子を泣き止ませるのに苦労したんだから」

 

「……悪い」

 

「謝るのはあの子にしてちょうだい。さっさと片付ける」

 

「……さっきから、言わせておけば好き放題言ってくれるわね」

 

「別に、貴女を弱いだなんて思ってない。ただ、強い弱い関係なく、片付けると言っているだけ」

(何分あれば回復する)

 

(五分)

 

(分かった)

 

 

 自分の言葉に被せるように、まさらは俺にテレパシーを送る。

 相も変わらず、高等テクニックな事をサラリとやってくれるなお前。

 何十回と特訓して習得した俺が拗ねそうだよ。

 

 

 拗ねそうになる心を引っ叩いて、目の前で起こる戦いに集中する。

 まさらの透明化は結構面倒臭い能力だ。

 

 

 基本的には、格上倒し(ジャイアントキリング)は出来ない。

 何故なら透明になるだけで、立てた音や気配は消せないからだ。

 だがしかし、加賀見まさらと言う少女に、この能力は嘘みたいに合っている。

 

 

 本来、透明化は歴のあるベテランや強者には効かない。

 どうしてかと言うと、音や気配でバレるから。

 他にも、例え弱くとも耳が良ければ音は聞こえるし、鶴乃のように第六感が鋭ければ気配で分かる。

 

 

 まさらが使うとあら不思議。

 某ハンターなハンターに出てくる、ゾルディック家の皆様にみたいに、完璧に物音を消すし気配も消す。

 マギアの名前が不可視の暗殺者(インビシブル・アサシン)なだけはある。

 

 

「行くわよ」

 

「来なさい!」

 

 

 先に仕掛けたのはまさら、ダガー右手に持ち一気に手前まで近付き──消える。

 マミちゃんはそれに驚きつつも、冷静に先程までまさらが居た場所にマスケット銃を発砲し、撃ち終わったら投げ捨てた。

 

 

 使い捨てマスケット銃。

 ……うん、なんか言葉にするとパワーワード感があるな。

 その後も、まさらは透明化状態を維持したままダガーによる攻撃を仕掛けているようだ。

 

 

 見えないが、マミちゃんが必死にマスケット銃で防いでいる所を見ると、結構早いし手数も多いらしい。

 戦い始めてから一分もしない内に、マミちゃんの体には所々浅い切り傷が出来ていた。

 

 

「凄い」

 

「あの子に透明化、厄介な組み合わせね」

 

「うんうん! どこからか攻撃してくるか、全然想像つかないよ!」

 

 

 ……まぁ、一番恐ろしいのはここからだよ。

 俺の読みが間違ってなければ、まさらはそろそろ透明化を解除する。

 

 

「手抜きのつもり?」

 

「いいえ別に」

 

「そう。じゃあ、遠慮なく行かせてもらうわ!!」

 

 

 やっぱり、まさらは透明化を解除してマミちゃんを煽った。

 煽ったのは、浅いけど怪我をしたマミちゃんを焦らせる為……か。

 お互いに間合いに入り、マミちゃんはガン=カタのような二丁銃使った肉弾戦、対するまさらはダガー一本を右手に持ち、左手は可能な限り開いたまま対処している。

 

 

 時折発砲音が聞こえるが、まさらが無表情を崩してない所を見ると、全く持って脅威になりえてないんだろう。

 涼し気な様子で、振り回されるマスケット銃を受け流しているので、余裕は有り余ってるな。

 流石に余所見は出来ないが、テレパシーを送っても問題ないレベルだ。

 

 

 話を戻そう。

 まさらの一番恐ろしいのは、その天性の才能だ。

 勉強にしても、運動にしても、まさらの才能は異常だ。

 特に運動能力──戦闘能力は群を抜いている。

 長年鍛錬を積んできた俺や、魔法少女として歴のあるやちよさんに、追い縋る程の戦闘能力。

 

 

 水泳をやっているらしいが、それだけで鍛えられとは思えない。

 俺との組手でも、淡々と無表情で俺の攻撃を受け流す。

 魔眼を使ったら流石に顔色が変わるが、それ以外の時は全然と言っていいほど顔色は変わらない。

 

 

 他所のテリトリーではそこそこ歴があるであろうマミちゃんも、まさらの涼し気な様子で攻撃を受け流す状況に歯噛みしてるのか、一歩引いた。

 だが、まさらはそん事では退かない。

 今まで順手で持っていたダガーを逆手持ちに変えて、踏み込んで振り下ろす。

 

 

 流石のマミちゃんも、そんな攻撃は喰らわないと言わんばかりにマスケット銃で受け止めたが、視線を武器に集中し過ぎたのが悪かった。

 右手に持っていたダガー振り下ろす為に、まさらは左足で踏み込んだ。

 アイツはそれを利用して、右足で脇腹に蹴りを叩き込む。

 

 

 反応が間に合わなかったマミちゃんは後方に吹き飛ばされるが、マスケット銃を発砲し、その反動で勢いを止める。

 しかし、押されているのは火を見るより明らかだ。

 

 

「……貴女の負けよ」

 

「何を言って──」

 

「ったく、神浜の猛者が雁首揃えてどういうことだ? 傍観者を決め込むなんて泣けてくるよアタシは」

 

「ももこさん!? どうしてここに?」

 

「ちょいと、四人の手伝いに来ただけさ。そしたらこのザマだからね。今週のビックリドッキリNo.1だ。で、そこの三人はなんで突っ立てるんだ? …って、よく見りゃ、なんでボロボロなんだよ!」

 

 

 ももこのノリッツコミに座布団の一枚でもくれてやりたい。

 だが、そんなものはないので、普通に返すことにした。

 

 

「既に戦ってきたからよ…」

 

「わたしも…魔力がカラカラだよぉ…」

 

「おいおい、まさか、お前が…!」

 

「ちょっと待って、それは誤解だわ!」

 

「と、言われてもこの現場を見た以上はさ。こちとら、はいそうですかって納得できないんだよなぁ。まさらちゃんはいつから?」

 

「四人が危害を加えられた後」

 

「ちょっ!」

 

 

 ……アイツ、ナチュラルに嘘ついたな。

 しかも、平然とし顔で言ってるよ。

 前は嘘を吐くことに意義を感じられないとか言ってた気がするのに、今ではこれなんだから……

 

 

「さすがに、退いた方が良さそうね」

 

「事情は良く分からないけどさ、消えるならさっさと消えてくれ。10秒だけ我慢してやる」

 

「…覚えておいて、私はあなたたちの敵じゃないわ。私の敵は、ここにいるただ一人。人に化けた魔女よ」

 

 

 そう言い残して、マミちゃんは去っていった。

 ……その後はと言うと、ももこがバットタイミングにウワサを調査した後だと知り、とぼとぼと帰り。

 いろはちゃんがやちよさんに誘われてみかづき荘に行った。

 鶴乃は閃いたように何故かダッシュで帰って行った。

 

 

 勿論、みんなには俺がグリーフシードを渡して穢れは浄化したので、一応問題は無いだろう。

 調整屋には行かなかったが、まぁあれは後回しでいいだろう。

 

 

 ……唯一の問題があるとすれば──

 

 

「……家、帰りたくねぇな」

 

「諦めなさい」

 

 

 泣いて心配してくれたこころちゃんが、家で待っていると言う事だ。

 

 

 ──こころ──

 

 今、私の目の前には正座をする結翔さんが居る。

 こうなった原因は元々、結翔さんにあるのだ。

 

 

 遅くならない内に帰ってくると言ったのに、帰ってきたのは十時手前。

 しかも、顔色も全然良くなさそうだったし、取り敢えず少し休んでもらったあと、お説教を開始した。

 ……その間、まさらは普通にレンジでチンしてご飯をチィと一緒に食べていた。

 

 

「いい加減! 心配する人がいることを分かってください!!」

 

「はい……すいません」

 

「次のウワサの調査から本格的に私とまさらも加わります! あと、いろはちゃんのお手伝いも私します!」

 

「…………分かったよ。けど、無理はし過ぎないでね?」

 

「自分に言ってます?」

 

「……ごめんなさい」

 

 

 結局、この後も、終始結翔さんは謝りっぱなしだった。

 ……だけど、こう言う時は大抵結翔が悪いので、仕方の無い事だ。

 少しだけ、縮こまりながら謝っている彼を可愛いと思ったのは、心の奥底に沈めておこう。




 今回の話でお気付きの人も多いですが、結翔くんが自分を殺したいほど嫌いなのはそう言う訳です。
 アニメ版のみを視聴している人は……それはそれは楽しみにして下さい。
 (アニメ版に追い付くとは言っていない)

 次回もお楽しみに!

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