無感動な少女と魔眼使いの少年(リメイク版)   作:しぃ君

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 やちよ「前回までの『無少魔少』。過去編からようやく現在に戻って、夢の世界で対話したり、結翔が粟根さんに拒絶されたりした話ね」

 結翔「……正面切って言われると傷付くなぁ」

 こころ「………………ごめんなさい」

 まさら「別に、こころが気にする事じゃないと思うけど」

 みたま「そうよぉ。あんな過去見せられたら大抵の人は引くもの」

 結翔「過去の俺が悪いのは分かるんですけど、傷口に塩塗るのやめてもらっていいですか!?」

 ももこ「本編の終わりが全く見えない四十九話を楽しみにどうぞ!!」



四十九話「未来を切り拓く」

 ──結翔──

 

 少しの間、ぼーっと去って行くこころちゃんの背中を見つめる。

 まさらも、こころちゃんの表情を見て動揺していたのか、動けずにいた。

 

 

 だが、最悪な事にここは敵陣の中、ぼーっとしている案山子を見逃すほどウワサは甘くない。

 手下であるウワサが、ゾロゾロと押し寄せてくる。

 

 

「ちっ! まさら、構えろ!」

 

「…分かった」

 

 

 重ね重ね運が悪い、俺たちの居る場所は十字路のようになっていて、本棚で隠れていなかったのだ。

 反射で魔法少女への変身を済ませて、拳を構える。

 昔の踊り子のような衣装には、大部分を占める黄色以外にも真紅のラインが追加されていた。

 

 

 感覚的に分かっていたが、ようやく一段階元に戻ったようだ。

 隣に居るまさらは、俺の姿を見て興味深そうな顔付きで話し掛ける。

 

 

「その姿…」

 

「強化フォーム…とかだったらカッコイイんだがな。残念な事に一段階元に戻っただけだよ」

 

「そう…。戦力には期待しても良いのよね?」

 

 

 返事の代わりに、俺は迫って来たウワサを迎え撃つ。

 注射器のような体にタイプアームが羽のように生えており、先端には唇、動き回るための鉄の足もある。

 殆どの個体はタイプアームを羽のように使い、飛びながらこちらに襲いかかる。

 

 

 構えた拳に炎を纏わせ、一番最初に来たウワサを殴り付ける。

 殴られたウワサは炎の熱と衝撃に耐えられず、吹き飛ばされながら燃え尽きていく。

 この偽善者の衣装(フェイカーフォーム)は、基本戦術が肉弾戦。

 固有の能力──固有魔法を使って武器の召喚も出来るが、燃費も悪いし体への負担も大きい。

 

 

 殴ったり蹴ったりした方が早いのだ。

 俺はそのまま、殴った勢いを利用し、体を捻って次のウワサに踵落としをお見舞する。

 

 

「まっ、ざっとこんなもんだ」

 

「…まだまだ居るわよ?」

 

「…面倒だからすぐ終わらせる。下がってろ」

 

 

 身体中に炎を纏わせ、外から内に熱を凝縮していく。

 痛い…痛いけど、耐えられない訳じゃない。

 それに爆発すれば、一瞬で元通りだ。

 火傷なんて残らない……体力は相当消耗するが、ちまちま相手をしている暇はない。

 

 

「マジカルダイナマイト!!」

 

 

 ウルトラダイナマイトの代わりであり、最低最悪な下位互換。

 固有の能力なしでやるただの真似事。

 爆発後は、生と死の魔眼と簡単には砕けないソウルジェムを起点に、体を再生させる反則技。

 

 

 威力は折り紙付き。

 並の魔女なら一撃だし、強力な魔女にも致命傷を与えられる。

 …一応、ウワサにも効果はあったみたいだ。

 不自然に宙を浮くソウルジェムの周りに、光の粒子が集まり体を成していく。

 

 

 やっぱり、結構キツイな…。

 久しぶりの所為で、体力の消耗が激しいぞ……

 

 

「…はぁ…はぁ。まさら、急ぐぞ」

 

「少し、聞いていい?」

 

「…少しならな」

 

「今の貴方が強いのは、過去の貴方が強かったから? それとも、過去の貴方の力を、今の貴方が使ってるから?」

 

「…両方、かな。話は終わりか? もう行くぞ」

 

「ええ、大丈夫よ」

 

 

 手下のウワサがそこら中に居る為、みんなの魔力を探り難いが文句は言ってられない。

 意識を集中させて魔力反応を伺い、当たった場所を千里眼で確認する。

 …ビンゴ! 

 

 

 少し離れた開けた場所に、いろはちゃんとやちよさんが居るのを確認した。

 …揉めている所を見ると、あまり良い雰囲気は感じないがしょうがない。

 それより、居ないみんなの方が心配だ。

 

 

 洗脳されてもってかれたか……

 

 

「クソっ!」

 

 

 悪態をつきながらも、俺とまさらは目的の場所を目指す。

 ようやく二人が遠目に見えて来た所で、聞いた事の無い、いろはちゃんの怒鳴り声が聞こえた。

 

 

「ふざけないでください!? なんの理由も説明せず、いきなり解散なんて言われても、私は認めません!!」

 

「…認めなくてもいいわ」

 

「やちよさんとって…私たちとの縁はそんな簡単に切っていいものだったんですか!? みんなで買ったマグカップは…嘘だったんですか? 私たちを仲間と認めてくれた訳じゃ──ないんですか?」

 

「──っ」

 

 

 解散…か。

 あの時と同じだな。

 …俺が彼女の弱さに気付けなかったあの時と同じ。

 繰り返しそうになっている…また、繰り返しそうになっている。

 

 

 余りにも唐突な解散宣言。

 過去にも一度あったそれは、ももこに相当な傷を植え付けた。

 …泣きついて来たももこの弱々しい姿を、今でも覚えている。

 

 

 尊敬していた先輩だった。

 信頼していた先輩だった。

 目標にしていた先輩だった。

 

 

 だけど、メルの死から歯車が狂って何もかもが噛み合わなくなって……

 

 

 目の前で、また同じ事が起こりそうになっている。

 止めなくては…いけない。

 逃げた者として──ヒーローとして。

 

 

「やちよさん…。自分を偽るのは、苦しいだけですよ?」

 

「…そこまで言われたら、良いわ言うわよ。聞けばどうせ、離れていくだろうから。あの二人──メルとかなえが死んだのは私の願いの所為なのよ。魔法少女になる時、私は『生き残りたい』と願った。モデルとしてのチームを存続させる為には、リーダーである私が生き残らきゃいけなかったから。…今となっては過去の話だけどね」

 

「その願いが、どうして安名メルと雪野かなえの死に繋がるの?」

 

「二人はね、死ぬ間際にこう言ったのよ。『アナタ、チームに必要だから』、『尊敬するリーダーを幸せでした』。分かるでしょ? 願いが変わらない限り、私は仲間を犠牲に生き残り続ける。…だから、チームは解散よ。私は、一人で戦う、戦い続ける」

 

 

 …明らかに、片方は言っていない。

 まさか…都合の良い記憶を植え付けられた? 

 俺が考えている内に、いろはちゃんは動き出していた。

 

 

「私…怒ってるんですよ? いきなり解散なんて言うし、さっきまで全然訳も言ってくれなかったし。…やちよさんが、願いの事を気にしてるなら。これからは、私が()()()()()()()()()! ウワサも、私一人で倒して、死なないって事を証明してみせます!!」

 

「やめて…! お願いだから…やめてちょうだい」

 

「い、いろはちゃん!? 流石にそれは無茶だよ!」

 

「そうよ、環いろは。…私もやるわ」

 

 

 そう言うと、まさらはいろはちゃんの隣に並んだ。

 これには、流石にいろはちゃんも驚いて、大丈夫だと言おうとしたが……

 

 

「…魔女の気配?」

 

「最初から感じてた。私が魔女をやる。環いろははウワサを倒しなさい」

 

「で、でも…」

 

「ウワサと魔女、二体同時なんて出来る訳ないでしょ? それとも、無駄死にして、七海やちよにトラウマを植え付けたいの?」

 

「…いいえ」

 

「なら、決まりね」

 

 

 魔女の魔力は…さなを助け出した時に取り逃した、アリナの作品と似ている。

 つまり、強力な魔女って事だ。

 …正直、やらせたくない。

 ギリギリの戦いになる事は間違いないのだから。

 

 

 だけど、俺は何も言わない。

 こうなったまさらを止めるのは、こころちゃんじゃないと無理だ。

 後は、二人の勝利を祈るしかない──筈なのに、やちよさんは食い下がらなかった。

 

 

「加賀見さん!? あなたは仲間でもなんでも──」

 

「七海やちよには恩がある。だから、その恩返し。今だけは仲間よ」

 

「恩? …そんなのない筈よ」

 

「ある。結翔を生かしてくれた。…もし、貴女が結翔を弟子に取ってなかったら、きっと結翔は誰かを庇って死んでいた。生と死の魔眼が無い頃なら尚更…」

 

「それだったら! あなただって私たちを助けてくれたじゃない? 水名神社で」

 

「あれは、結翔を迎えに行っただけなのに攻撃されたから、ただの正当防衛」

 

 

 いや、それは違ぇだろ。

 明らかにお前から攻撃してただろ。

 …と、そんなツッコミは野暮なのでせずに、ただ見守る。

 

 

「…そうだとしても、私は助けられた。違う?」

 

「煩いわね。貴女のそう言う態度、不快なのよ」

 

 

 絶対零度の蒼色の瞳がやちよさんを突き刺す。

 すげぇな、言葉の節々から棘を感じる。

 本気で不快に思ってる証拠なのだろう。

 

 

 まさらはそのまま、話を続けた。

 

 

「絶交ルールのウワサの時、あなたはももこにこう言ったらしいわね? 『傷つけないことは守ることと同義じゃない、それぐらいわかるでしょ。あなたは仲間を傷つけることで自分が傷つきたくないだけよ』。仲間を死なせないことと、チームを解散することは同義じゃない。貴女は仲間が死ぬ事で自分が傷付きたくないだけよ」

 

「そ…れは……」

 

「いい? 私がやると言ったらやるの。私がルールよっ!」

 

 

 吐き捨てるようにそう言ったまさらは、いろはちゃんを連れて魔女とウワサが居る方に進んでいく。

 言葉に詰まったやちよさんは、呆然とした様子でそれを見送った。

 

 

 今後の未来を賭けた戦いが、今、始まろうとしている。

 

 

 ──まさら──

 

 本当に不快だ。

 結翔の近くには、バカなお人好ししか集まらないジンクスでもあるのか? 

 孤独になってまで仲間を想うのなら、最後まで足掻いて仲間を守ろうと努力すればいいだけだ。

 

 

 何故それをしないのか? 

 仲間を思う心があるなら、そこまでするべきじゃないのか? 

 本当に理解に苦しむ不快さだ。

 

 

 優しいから孤独になってまで仲間を思って、優しいから仲間の為に自分を犠牲にする。

 …バカの集まりだ。

 

 

「その、ありがとうございます、加賀見さん。…怒ってくれて」

 

「…感謝される事はしてない。私がやりたいからやっただけ。…バカなお人好しは、時々本当に不快だわ」

 

「…私は、加賀見さんも十分お人好しだと思いますよ?」

 

「私が? 有り得ないわ」

 

 

 そう切り捨てて、私と環いろはは自分の敵に対面する。

 容姿は結翔が前に話ていた、ピンク色の兎のぬいぐるみを模した魔女にそっくりだが……圧力のケタが違う。

 アリナ・グレイの作品…だったかしら? 

 手塩にかけて育てだのが分かる、尋常ではない魔力の濃さ。

 

 

 無傷の勝利は望めない。

 あそこまで啖呵を切ったのだ、退く訳にはいかない。

 けど、こころの事があるので死ぬ訳にもいかない。

 

 

 絶体絶命とはいかないが、生と死の狭間で戦う事になるのは確実。

 

 

「…負けない、負けられない」

 

「はい。勝ちましょう! 背中はお願いします」

 

「使い魔一匹、そっちに送ったりしないと約束するわ」

 

 

 …なのに、不思議と大丈夫だと思える。

 昔は信じていなかったが、画面越しに見るヒーローはどんな困難にも立ち向かい、打ち勝って見せた。

 私はヒーローになりたいとは思はない…が、結翔の家族として、恥じない人間でありたいとは思う。

 

 

 いつも通りの慣れた所作で、ダガーを編み、敵を見据える。

 余裕の表れか使い魔など出さず、魔女本体が突っ込んできた。

 …完全に舐められているが構わない。

 

 

 全力で叩き潰すだけだ。

 透明化で姿を消しながら、私は突っ込んでくる魔女を迎え撃つ。

 青白い焔をダガーに纏わせ、継ぎ目をなぞるように切り裂いていく。

 魔女は、透明化した見えない私を攻撃する為に、腕を振り回したり、耳を叩き付けたりと、大振りな攻撃を仕掛けるが、体を反らしたり、屈めたりするだけの最小限の動きで回避する。

 

 

 少しづつ、少しづつ、私は魔女の体力を削っていく。

 この魔女は強い…強いけど、なんとか対処出来る。

 当たったら即死は免れないが、当たらなければいい。

 

 

 限界まで透明化を維持し、傷を増やしていく。

 

 

 ここで、ようやく本気を出す気になったのか、頭の部分が中心から裂けて口のような器官が姿を見せた。

 

 

「本気の攻撃で使うまで封印してるって事は、そこが弱点なんでしょ?」

 

 

 一瞬だけ姿を見せて気を引き、もう一度透明化する。

 マギアを使う意志を感じ取ったのか、青白い焔はひとりでに動き出し魔女を囲むようにサークル状に灯った。

 

 

 それを合図に、私は自身の出せる最高スピードで、先程から攻撃していた継ぎ目に追撃を仕掛ける。

 ある程度追撃をしかけたら、上空に飛び透明化を解除、姿を見せてもう一度引きつける。

 …予想通り。

 

 

 魔女はこちらに開いた口と耳を向ける。

 耳で捕らえて口に放り込むつもりだろうが、そうはいかない。

 空中と言う不安定な状況の中でも、私は焦らず迫り来る耳を切り裂く。

 タッチの差ではあったが、右の耳より左の耳の方が早く来たので、左手に持っていたダガーを順手から逆手に持ち替えて、左耳を刺すように切り裂き、右耳は蹴り払う。

 

 

 勝利の法則は今、決まったのだ。

 

 

「これで…終わりよ」

 

 

 私のマギア『インビジブル・アサシン(不可視の暗殺者)』。

 片手で逆手持ちしていたダガーを両手に持ち替えて、切っ先を下に振り下ろす。

 口を閉じようとしても遅い。

 

 

 切っ先は既に口に入っている。

 その後は重力に従ってダガーを地面まで落とす。

 魔女は頭にあった口から裂けて、グロテスクな中身が外界に触れる。

 

 

 トドメ、そう言わんばかりに周囲に青い結晶状の刃が放射状に降り注ぐ。

 勝利の余韻に浸りながら、後ろを振り返ると、そこには未だに戦闘を続行している環いろはが見えた。

 

 

 苦戦しているようだが…私の仕事は終わり。

 加勢するつもりはないし、加勢したら意味が無い。

 

 

 ただ一言。

 

 

「期待…してるわ」

 

 

 ──いろは──

 

 視界が霞んで、体がまともに言うことを聞いてくれない。

 相手のウワサはメカメカしい機械のようでありながら、生き物にも見える矛盾の塊。

 

 

 攻撃方法も特殊で、刷った紙を飛ばしてきたり、手下のウワサに奇襲させたりと厄介で、周囲に気を配りながら、大元のウワサを倒さなければいけないのは、正直言って勝ち目が見えない。

 

 

 でも、倒すと言った。

 リーダーになると…言ったんだ。

 だったら、負ける訳にはいかない。

 

 

 鶴乃ちゃんにフェリシアちゃん、さなちゃんにこころちゃん、みんなを連れ戻すまで…絶対に負けてなんかいられないんだ! 

 

 

 飛んでくる刃のような紙を避けながら、ウワサの周囲を回り続ける。

 一つの場所に留まらず、出来るだけ動き回りながらクロスボウで攻撃を仕掛け、隙を作る。

 

 

 クロスボウでの攻撃は溜め攻撃ではなく連射攻撃。

 大きな一発──マギアはダメ押しに使う、それまでは隙を作るまでチクチクと小さいダメージを与え続ける。

 

 

 背後からくる手下のウワサに構ってる余裕はない。

 前に進みながら避ける為に飛び前転をしたり、スライディングして攻撃を回避。

 チクチクとダメージを溜める作戦が功を奏したのか、少しづつウワサの攻撃頻度も減ってきて、手下のウワサに指示も出せていないのか攻撃が止んだ。

 

 

 チャンスだ! 

 この期は絶対、逃がしたりしない!! 

 

 

 持ってる魔力を全て出し切るように、私は特別な一射を構える。

 暗雲立ち込める未来、それを切り拓く一射。

 

 

「お願い! 私たちの未来を切り拓いて!! 『ストラーダ・フトゥーロ(未来への道)』!!」

 

 

 放った一射はウワサの頭上に飛んでいき、眩い光を放つと、光の雨──小さい矢となって降り注ぐ。

 蓄積されていたダメージと合わせて限界を超えたのか、ウワサのメカメカしい見た目は崩れていく。

 

 

 同時に結界も晴れて、元の書庫へと戻った。

 

 

「…はぁ…はぁ。やりましたよ、やちよさん。ボロボロですけど、私はウワサを倒しても生きてます」

 

「ホント…頑固なんだから」

 

「やちよさん。証明されました。いろはちゃんもまさらも生きてる。あなたの願いが原因で、メルやかなえが死んだんじゃない」

 

 

 結翔に肩を借りながら、私はやちよさんの元まで歩いて、残った力を振り絞って抱き締めた。

 私はちゃんとここに居ると、分かってもらう為に。

 

 

「…ありがとう…ありがとう…()()()!」

 

「……はい、どういたしまして」

 

 

 名前を呼んでくれたのが嬉しくて、やちよさんの願いへの懸念が晴れたのが嬉しくて、私は笑った。

 

 

 来た道を辿りながら、私たちは帰路につく。

 体の傷は、結翔さんに治してもらい、ゆっくりとだが出口に向かう。

 

 

 もう目と鼻の先、そうなった所で、彼女は現れた。

 最悪な出会いを果たした魔法少女──巴マミさん。

 まどかちゃんやほむらちゃんの探していた先輩が…どうしてここに? 

 

 

 やちよさんや私、加賀見さんが足を止めて様子を伺おうとすると、結翔さんが私たち三人を真横に突き飛ばした。

 次の瞬間…私たち三人がいた場所には小さなクレーターが出来ていて、宙を舞う人の腕が目に映る。

 

 

「ぇ?」

 

 

 呆然とする私を他所に、すぐにやちよさんと加賀見さんが立ち上がり、消耗している私を庇うように前に立った。

 第二ラウンドは唐突に始まったのだ……

 




 次回もお楽しみに!

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