ハイスクールD×D ~太陽のカラスと龍と赤龍帝~ 作:ソースケ_研究中
何カ月も放置した事、待っていてくださった方には本当に申し訳ありません。
今までこれからのストーリーの構成を練っていたのとネタ探しに時間を食いすぎました。
今後も少し遅れるかもしれませんが、ご容赦ください。
ではよろしく
校門前、既に登校しているの生徒の周りから居なくなっており、目の前に立つ白龍皇ことヴァーリは不敵な笑みを浮かべながら此方を見ており、隣に居る兵藤は今さっきから腕か疼いてしょうがない様だ。こっちも何時かは接触するつもりだったが、此処で来るとは思わなかった。
そして兵藤の意識が腕にいっている隙に彼が動いたと同時に庇う様に前に出る。
「――――――――――うわぁっ!?」
兵藤の前に出ためんどくさそうな目で見ている俺を好戦的なぎらついた目で見ながらヴァーリは
「コレは俺達の白と赤の問題なんだがな・・・。王様はそこらへんで高みの見物でもしていて欲しいが、それとも先にそっちからやっても俺は別に良いぞ。」
「やり合う気も無い癖に煽るな。――――――からかうのもいい加減にしろ。さもないと」
「”さもないと”・・・・どうなるんだ?」
「―――――――その時はこの杭をお見舞する。」
彼が気付いた時には眉間に当たる寸前の所で太陽龍王の剛角《ソーラー・ステーク》のリボルビング・ステークが止められ、一歩違えば眉間に穴が開いていたと言うのに、平然として居る所か、その神器《セイクリッド・ギア》を見て、少し嬉しそうに口を開く
「太陽龍王の神器《セイクリッド・ギア》は他の武器を取り込んだだけの紛い物だと聞いていたが・・・。その輝きと力、威圧感、本物の龍王の角、鱗と遜色無い、名前だけの玩具じゃなくて嬉しい。これならアザゼルが欲しがるだけの事はあるな。」
「うるさいぞ。戦闘狂。リアス嬢達が来る前にさっさと帰れ。」
「まぁ、そう言うな。今日は少し挨拶に来たんだ。――――――――――。」
とりあえず俺が腕を降ろして翡翠の輝きと共に腕が元に戻る。勝手に話を進められている中、今さっきの事で呆気に取られていた兵藤に目を向けてヴァーリは声をかける。
「・・・・そうだな。兵藤一誠。君は何番目に強いと思う?」
「―――――――何?」
突拍子の無い彼の言葉に兵藤は疑問の声をあげるが、気にした様子もなく続ける。
「君の禁手化《バランス・ブレイカー》。まぁ、他の物の力を借りてやっと発動できる未完成の物だが、上から数えると四桁。千から千五百の間だ。いや、宿主のスペック的にはもっと下かな?」
「―――――――――なにがあたっ!?」
遠周りな説明ばかりで、苛立ちを見せ始める兵藤の後頭部を俺が引っ叩くと掴みかかる様な感じで俺に怒鳴りつける。
「いきなり何すんだ!!テメェは!!」
「何が言いたいじゃねぇだろうが、あからさまに弱いって言われてんだよ。お前さんは。」
「そう言う事だ。兵藤一誠。君は死に物狂いで自分を鍛えた方が良いぞ。」
「てめぇらなぁ!!」
二人に馬鹿にされて沸点上昇中の兵藤にフォロー入れる様に俺は
「はぁ、そうかっかすんな。お前はお前さんの強さを極めれば良い。――――”お前らしい最強を”な。」
「――――――――”俺らしい最強”?」
「ほう、その口ぶりだと君が彼を鍛えるのか?」
「まぁな。それが業務だし、”俺の役目だ”。」
そう言った後にやれやれと言った感じで、俺達の事を見ているヴァーリは
「龍の王が直々に『赤い竜(ウェルシュ・ドラゴン)』とその宿主を鍛えるか・・・。どんな存在に化けるか楽しみだな。」
「ああ、楽しみにしてろ。力ばかり求めて先に”破滅”するなよな。コイツにはそれ以外の強さでお前を超える素養があるからな。」
そう言うと信じられない様な目で見る兵藤。そして不敵な笑みを浮かべていた表情が少し歪んだ様に見えたが、気付かない内に元に戻って俺達に
「そうか、それは楽しみだ。―――――――ではな、俺の用は済んだ。コレでも俺は忙しい身なのでな。」
そう言ってヴァーリが去って行くのを警戒するようにその後ろ姿を見ていた。暫くして何時もの感じに戻っている俺に兵藤が
「なぁ、霊烏路。」
「なんだよ。」
「――――――――アレ、マジで言ってんのか?」
「あんな状況ならはったりに聞こえてもしょうがねぇだろうが、嘘は言ってねぇぜ。そんな事よりも、何時もより遅れてんだ。さっさと行くぞ。」
「お、おい!!――――――――まだ聞きたい事がって、待てよ!!」
そう言って俺達は自分の教室に向かう為に歩き始める。様子を見ている感じでは腕の術式はまだ機能しているみたいだったが、この感じだと近日中にアーシア嬢に兵藤の腕を見て貰うように言っておく必要があるな。なんにしても白龍皇が気付いてくれてればいいが・・・・・。
そして昼休みの時間に、いつの間にか頭に乗っかっていた猫状態の刀舞を乗せたまま、一息付いていると後ろの方で兵藤を含めた三馬鹿が騒いでいるのを見ているゼノヴィア嬢、アーシア嬢、桐生だ。まったく見ていて飽きないよ。お前等は、と思いながら見ているとゼノヴィア嬢の持っている物を取ってそのまま走って行ってしまった。
そしてあくびしながら前に視線を戻そうとする俺に桐生
「ホント面白いわね。霊烏路も入ればよかったのに。」
「うっせぇよ。マジで寝みぃのにあんな馬鹿騒ぎに誰が入るか。」
「眠くなかったら入るの?」
「めんどくせぇ」
「ふ~ん。」
桐生は俺の反応につまんなそうに見ているが、何か引っかかるのか首を傾げながら
「ねぇ、霊烏路。アンタさぁ、少し雰囲気変わった?」
「―――――――んん?そうか?」
「・・・雰囲気変わったかな?」
「どっちだよ・・・。」
そして暫くうんうん唸っていたら、何かに思い当たったのか、彼女は掌に握り拳をポンッと置いて少しニタニタした様な嫌な笑みを見せながら俺に
「アンタ、失恋でもしたの?」
「―――――――っ!?!」
それを言われて体が少しビクッとなってしまう。いやぁまぁ、あの時の返事は完全にNOって言われていたし、失恋という表現は間違っていないと思うけど、改めて言われるとこ、心に響く物が・・・・。何でこう核心に迫る様な事を思いつくかなぁ、ああ、なんで先生が生きている内にコクっとかないかなぁ俺、どんだけダメなんだよ。つか誰があんな事態になるなんて思うかよ。ああ、一度時間が巻き戻るなら、いや、巻き戻ったとしてもコクる勇気が無い。・・・・・・ああ、俺なんてへタレの――――。
そして段々とネガティブ思考が頭の中を占領して行くにつれて、表情が暗くなり、終いに変な笑い声を呪詛の様に吐きながらガチ泣きしていた。
「あ、あははははははは・・・・・。」
「え、ちょっ、!?!ガチ泣きする程!!?!?!!待って!私が悪かったわ!お願いだからその怖い笑い声を上げながら泣かないで!!すごく怖いから!!」
「―――――――?」
「―――――――――――いぃっ!?その状態でコッチ見ないで!!?!?」
何でか何時もの雰囲気と違って、何時も余裕そうに笑って場を書き回すのを楽しんでいる彼女がすんごく慌てているのは新鮮味があるが、泣きやめと言ってもなんのことやら、うん?頬に手を当てると湿っぽく、いつの間にか涙を流していたようだ。頭がネガティブ思考が一杯になっていて気付かなかった。つか桐生よう、そんな引き気味の嫌な顔で見ないください。マジで傷付きますから・・・。
そんなこんなで休み時間が終わって今日のメインイベント、公開授業の始まりなのだが・・・・。
「ふふ・・・。」
教室の後ろの方で父兄の皆さま方と一緒に居る俺の姉ちゃんこと霊烏路 空。服装はアーシア嬢のあいさつした時と同じビジネススーツの恰好でニコニコとした笑みを見せながら立っており、その隣にパツキンである嫌な笑みをしている紫さんが、似たような黒めの紫色をしたスカートのレディススーツを着て立っている。オイィィィィィィィィ!!!なんでだよ!!?何で姉ぇちゃんが居んの!?俺は誰にも教えてない所か、連絡の紙をゴミ箱に投げ捨てたのに此処に居るのはおかしいと思うんだが!!まぁ、明らかに横に居る人の所為だろうけど、何でこう俺の首を絞める様な事ばかり思いつくかなぁ!!仮にも妖怪の賢者がこんな所で油売ってて良いの?また藍さんに怒られても知んないぞ!!つか、何処の家族だよってすんごく目立っているだけど!絶対目ぇ合わせない!!絶対だからな!!そして何で英語の時間なのに何で粘土ぉっ!!いろいろな表現があるからって、何処の保育園か小学校だよ!!もうなんかつっこまなくて良い物まで出ている気がするけど、もうぉ知るかぁっ!!
俺はため息をつきながら心を落ち着かせて目の前にある粘土を捏ねまわす。
うーん。兵藤達もそうだが、実際俺の方も今後の戦い方を考えた方が良いな。俺も現在あるイグニスの能力を使いきれていないと言うより、収納、神器製造、進化や武装を取り込むのは使っているが、いまだに能力取り込みが出来る捕食能力は使い所に困っている。この能力は相手の一部を捕食して能力を一時的に使えるように出来る様にする。イグニスが言うには他の神器《セイクリッド・ギア》とかからも能力を奪えるらしいが、黒き獣だけは例外になる様だ。アレは最初から無であるので食ったとしても自分にダメージが行くだけだと言っていた。こればっかりは戦闘中に上手く使うしかない。
後は、最近通っている総督さんとの神器制作だが、怖い位に滞りなく進んでいる。発注していた武装や見つけた強い魂の入った物品を加工、馴染ませることに成功しているのは総督さんが独自に研究を進めていた成果があったからだ。血を魂の情報として神器に与えて、両者の同意をもって契約を成す。輪廻転生により授かる神器を俺と総督さん、にとっちゃんが魂魄珠の製法を元に独自で作り出し、内包されている魂の能力を100%以上を引き出す事に成功した神器。俺達はこの神器を契約神器《コントラクト・セイクリッド・ギア》と名付けた。
とりあえず五機は完成している。さらに契約神器の共通機能である同意無しで使用できる仮契約がある。中の存在と折り合いがつかなかったり、何かの事情で契約できなかったりした時に最低限の機能を使用できるようにする機能だ。契約時の能力を50%程しか使えないが、契約時には性能が本来の神器に引けは取らない程の能力を発揮する。性能テストは総督さん本人が率先して使用してくれた為、データは取れている。残りの四機中二機は当てを付けているが、その二機を使いこなせるかはそいつらしだいだ。
それから暫く捏ねているとだんだん精神が研ぎ澄まされてきたというか、深く集中し始め、周りの音が遠くなってくる。粘土の塔を作ると俺は机の中から定規を出して頭にある想像を粘土を削って形を作って行く、削られて人の形に変り、頭の両サイドに耳の様なブレード状のアンテナ、額に同じくブレードの様な角、肩が大きくコンテナになっており、右腕はリボルバーの銃口部分に杭があり、左腕は三本の銃身の付いた機関砲、足は推進機や冷却装置などを内蔵した太い脚。重装甲で相変らずゴツイ恰好の造形を尖った定規で削って整える。
そして出来たのは一番お世話になっている古の鉄騎”アルトアイゼン”。・・・・・・・出来た。出来たのは良いが、此処まで造形を再現する必要な何処にあったのだと思わせる程、細かい所までそっくりだ。何やってんだ俺、と思い頭を抱える。時計を見るがまだまだ行の時間が残っているので、単行本より少し大きいくらいのアルトを見ながら右腕で頬杖を突き、半分余った粘土を残った片手で捏ねて遊ぶ。
そしていきなり――――。
「――――――お!?コッチも凄いぞ!!」
「え、何?」
「どれどれ・・・。―――――――――――おお、コッチはロボットか!!クオリティ高いなぁおい!」
え、何!?何なの!!?いきなり!!?なんか視線がこっちに集まっているですが!?と思いながら、周りを見てみると兵藤の方にも人だかりが出来ていて、机の上に姫さんのヌードが出来上がっている。危ない所は隠されているし、スタイル云々は分からないが細部まで作りこまれており、まんま姫さんにそっくりだ。
・・・って再現度高ぇなおい!!やっぱコッチじゃ誰もアルトの事を知らないから、見た目通りのロボット発言。と言っても俺自身も設計図とかのデータでしか、知らないから余り人の事言えないんだけどな。ああくそぉっ!!兵藤が目立っている間に潰しとけば良かった!!何か後ろからにやにやとした視線がやたらと鬱陶しい!!どうせ俺はオタクですよ!!でも技術屋は皆オタクみたいなもんだろうが!!そんなこと思っていると桐生が
「前々からこそこそやってるかと思ったら、アンタこう言う趣味があったのね。」
「・・・・ワリィかよ。」
「良いんじゃないの?何かに熱中出来る事があるのって良いと思うわよ。」
俺に意地悪な笑みを見せながらそう桐生は言う。ったく恥ずかしいったらありゃしない。あんまり目立つのは好きじゃないんだよ。だが、なにより授業参観中も平然と刀舞を乗せたたまというか、誰も気にしなかったというより、気にしないのが気遣いと言わんばかりにスル―されていた俺は俺でどうなんだと思う・・・。
そんな感じで授業が終わり、俺はすぐに外に出ると姉ぇちゃんと紫さんがおり、俺の表情を見るなり
「――――――――――”何で此処に居るんだ”とか、思っているのでしょう?説明いる?」
「いや、だいたい想像はつくからいい・・・。」
「まったく、こう言うのがあるならちゃんと連絡しなさいよね。――――――まぁでも愚弟の驚いた顔も見れたし、そこは良しとしましょうか。」
「悪かったよ。―――――――――で、この後、紫さんと姉ぇちゃんはどうするんだ?」
そう聞くと紫さんは、何かを含む様な笑みを見せて
「私は一人で学園を少し回る事にするわ。」
「なら、愚弟。私に学園を案内して頂戴。――――――エスコートよろしくね。」
「まぁ授業もコレで終わりだし、分かったよ。」
そう言って俺達が別れた後に、何か恩讐の様な視線が背中にザクザクと刺さっていたが気にしない様にしていた。その後、簡単に学園を回りながら、足を運んでいると姫さんと朱乃嬢にはち合わせし、
「ん?ユウじゃない。どうしたのそんなめんどくさそうな相手に会ったような顔をして、失礼極まりないわね。」
そんな顔しておりませんですことよ?と口にはしないが、思う俺だが、正直、姉ぇちゃんについてどう説明しようかと思っていたんだ。兵藤んとこで言ったのは俺が真人間であることを前提に考えて言った事だし、この場合どう説明するべきだろうか?と思っていると姉ぇちゃんが二人をじっくりと観察しているような感じで見て、その視線に眉間に眉を潜めるようなそぶりを見せる姫さんとあまり変化はないがニコニコしている朱乃嬢は少し警戒している。
そして姉ぇちゃんは何時もの妖艶な笑みをすると姫さんが
「あの、何でしょうか?」
「――――― 失礼。ちょっとウチの愚弟がどんな娘とつるんでいるのかと気になってね・・・。はじめまして、私は悠の姉の霊烏路 空よ。アーシアとかから聞いていると思うけどよろしくね。」
「貴女が、イッセーが言っていたユウのお姉さんの・・・。私はリアス・グレモリーといいます。」
「私は姫島 朱乃と申します。―――――――――――近々会いたいと思っておりました。」
そう返す二人は、隙を見せない切れ味のある彼女に、弟である彼のもう一つの顔を連想させる。何時も怠けている彼が戦闘時に見せる顔は口調も雰囲気も全てが変わる。そんな彼のイメージをさらに強くしたような雰囲気を纏い。気高さや強かさを感じさせる彼女は
「私も近い内に貴方達に挨拶しておこうと思っていたのよ。何時もウチの愚弟がお世話になっているようだし・・・・。」
「いえ、どちらかというと私達が助けられている方です。いろいろ私たちのことも考えてくれているようで何時も助かっています。」
「ええ、私も以前の戦いで助けてもらいました。」
「・・・・・そう。」
と言うとおれに視線を向けてなんだか、何かを含んだ笑みを見せる姉ぇちゃんに俺が
「――――――――――なんだよ。」
「なんにも、昔の貴方なら面倒事に自分から首を突っ込むような事はしなかったのにね。やはり先生の影響かしらね。」
「成り行き上、いろいろやってたら何時の間にかこういう感じになってたんだよ。」
「そう言う事にしといてあげる。なんにしても上手くやれているようで賢姉ぇ安心したわ。」
「そうかよ・・・。」
その笑みは弟がうまくやれているようで安心している様な感じのものだった。俺はそんな笑みに照れる様に視線をそらしながら、後頭部を片手でかいている姿を見て意地悪そうな笑みを浮かべながら姫さん達は
「あら、何時もの感じはどうしたの?恥ずかしいの?」
「あらあら、可愛らしい所もありますわね。悠君は・・・。」
「うっせぇよ。――――――――ったく、学園をまわるんじゃなかったのかよ?姉ぇちゃん。」
「そうだったわね。」
そういうと姫さん達が
「そういうことなら私達が案内します。彼より学園のことは知っています。」
「私も御一緒させて頂いて良いでしょうか、いろいろお話したいですし・・・・。」
そんな感じで姫さん達と一緒に歩き始める姉ぇちゃん。それから暫く後ろのほうを出歩いて彼女たちの様子を見ていたが、両者ともアーシア嬢から話を聞いていたのか、それとも俺の姉ぇちゃんだからか、最初の様な警戒した雰囲気は何処かに置いてきたように交友的に話し始める。それを見ていた俺の後ろから兵藤とアーシア嬢の声が響くのを聞きながらぼそっと呟く
「――――――まぁ、何もなけりゃいいか・・・。」
やれやれとため息をつきながら、騒々しい奇声のする方に視線を向けると体育館方面の渡り廊下を全力で走って行く男子生徒の軍団が目に入ってその奇声の内容に首を傾げる。魔女っ娘の撮影会って何?
そんなやり取りをしている最中のことだった。他の場所では、白のスーツと黒のスーツに身を包んだ二人の男性が学園の廊下を歩いていた。見た感じでは背格好も年齢差も差ほど変わらないが、共通点として見覚えのある紅髪がまわりの視線を集めており、白を着こんでいる整えられた顎髭のある男性の方が何処となく貫禄が在るように見える。
少し人通り多くなった廊下を二人は楽しげに会話しながら歩いていると黒いスーツの男性の方に黒めの紫色をしたスカートのレディススーツを着た金髪の女性の肩が少し当たってしまって両者、少しよろめいてしまい男性の方が先に
「――――――!?すまない。大丈夫かね?」
「いえ、大丈夫ですわ。少し肩が当たった程度ですし・・・。」
彼の謝罪に気にした様子もなく、答える彼女に隣の白いスーツの男性も心配したように声をかける。
「そうか、それは良かった。――――サーゼクス。注意散漫になるとは、少し舞い上がりすぎではないかね?」
「言われた通り、少し浮ついていたのかもしれません。・・・申しわけない。許してくれるとありがたいのだが・・・。」
「これだけの人通りですもの、あまり気になさらないでください。――――では失礼たしますわ。」
「ああ、悪いね。では・・・。」
そう言って何事も無かった様に互いに人ごみに紛れ始める。その時、黒いスーツの彼の耳に声が届く
―――――――――――また、お会いしましょう。サーゼクス・ルシファー殿。
耳に入った声のする方にすぐに振り向いたが、そこにはスーツを着た金髪の女性の姿は何処にもなかった。
彼も魔王だ。名前が知られているのは解るが、雰囲気も特異性も感じれない”ただの一般人”が何故、自分の悪魔としての顔を知っているかの解らなかった。そんな振り向いたまま固まっている彼の隣にいる白いスーツの男性、彼の父がどうかしたのかと聞いてくるが彼は何事もなかったかのように、大丈夫だと言って共に人混みの中に紛れていった。
そして場所が戻って、ここは体育館内。今の状況はなんというか、ステージに群がるように居る男子生徒のだいぶ後方の方で姫さん達と姉ちゃんと一緒にステージで行われている男子共の言っていた魔女っ娘の撮影会と言うモノを見ていた。ってこれ何?アニメで出てきそうな魔法少女コスをしたスタイルの良い黒髪ツインテールの女性が付属物っぽいキラキラしたステッキを持ってポーズをとっていた。
まぁ童顔っぽいが、あれって明らかに良い年した女性だよな?どっかのコミケとかその筋の場所でやっていそうなコスプレ撮影会をまして公共の場であるここで行うとは・・・。度胸があるというか、羞恥心が無いのか知らんが、人の趣味には口出しするつもりはないがよくやるなぁと思っていると、兵藤辺りがアーシア嬢にあのコスプレ”魔法少女ミルキースパイラルセブン・オルタナティブ”について説明をし、姫さん達はやっぱりといった感じの表情だ。そして――――。
「―――――姉ぇちゃん。知り合い?」
「――ええ、バイトで少しの間だけ臨時でマネ―ジャーをね。あの娘、何こんな所でハッスルしてんのよ。」
と言いながら胸を支えるように腕を組みながら、知ってそうな顔ぶりで普通に見ていた。そのあとからの説明だと、スーツ云々やこちら側での金銭を稼ぐ際に短期間で高収入なバイトを探していた際に、たまたま合ったよさげな所の求人に応募し、面接を受けた所、何と合格した。そして事務所で任されたのが彼女、”Sera”のマネージャーという仕事だったらしい。
なんでも第一印象で我が強く、振り回されないという所を採用したらしい。なんでも志望してきた彼女はなかなかの逸材であると採用したが、少し行きすぎている所がある為、持て余していたらしい。
だが、事務所もこのまま辞めさせるのも勿体無いし如何したら良いか分からず。どうに手綱を握れる者が居ないかと思ってきた所に姉ちゃんが応募してきたのだ。
少しぶっ飛んでいる所はあり、人前だろうとお構いなしだが、それでも一般常識はあるし、姉ちゃんは仕事を覚えるのも早いし、確実にこなす。
そんな姉ちゃんがマネージャーを始めてからなんとか様になってきて、いろいろと軌道に乗り始めてきたのだが、ある程度貯まったので辞めたらしい。事務所の人たちには”正社員にするからと”泣いて縋られたがお構いなしだったそうな。
彼女たちの出会いの説明を聞いていると生徒会のサァジィクゥンがやってきて、注意している所に兵藤達がちょっかいをかけ始めた時に体育館の入り口から入ってきた相変わらず凛とした生徒会長さんが
「――――――――――――サジ。何事ですか?」
「えぇっと、この方が・・・。」
そんな彼女に少し困惑したような表情の匙君の背後から顔を出した”Sera”さん?まぁ、なんとうか、セラさんでいっか。そのセラさんが、生徒会長さんを見て
「―――――――――あ、ソーナちゃんだ!」
そんな声に彼女の凛とした雰囲気が崩れたように見えた。
「ソーナちゃん、どうしたの~? お顔が真っ赤ですよ~?せっかく“お姉さま”との再会なのだから!も~っと喜んでくれてもいいと思うの!お姉さま! ソーたん! って抱き合いながら百合百合な展開でもいいと思うのよ~ん♪」
「・・・・。」
そういったセラさんはステージから降りて生徒会長さんの前で文字で表記されると丸文字になりそうな台詞を延々と喋っている。行き過ぎた姉の好意を受けている生徒会長さんは顔が赤い。嬉しいというより、羞恥の赤ではないだろうか?俺も姉ちゃんがこんな感じで喋っているのが想像できない。そんな事を思っていると姉ちゃんが
「ふぅん。あの娘がセラのねぇ・・・・。まぁそれは置いといて―――――。セェェェェラァァァァ?」
「―――――――――――ひぃっ!?!」
「「「「「「「――――?」」」」」」」
姉ちゃんが少しドスの利いた声でセラさんを呼ぶとまるで錆びついたブリキ人形のようにゆっくりと声のした方に視線を向けると姉ちゃんが少し含みのある笑みで彼女を見ていた。
「―――――――――お、おくうちゃん。」
「はぁい、セラ。なんかいい空気吸っているみたいね。アンタ、前に仕事で口が酸っぱくなるほど言わなかったかしら?ちゃんとした公共の場ではちゃんとした格好で来る事、人様に迷惑をかけないって―――――?」
ただし、目が笑っていないそんな姉ちゃんを見てセラさんの表情が青ざめている。生徒会長さんや姫さん達もコレが初めてなのかその光景に驚いている。
匙や兵藤、アーシア嬢や俺が付いていけていない中、しどろもどろしながらセラさんは
「そ、それはわ、忘れてないよ。そ、そのつ、つい・・・・・。」
「――――”つい”ね。とりあえず・・・・。正座っ!!」
「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?!?!!!」
姉ちゃんは彼女の前まで歩いて行くと床に指差して怒声を上げると、慌てるようにその場で正座するセラさん。
要点を掻い摘んで聞き取りやすいように長くもなく短くもない姉ちゃんの説教が始まる。あまりにも見たことない彼女に知っている三人は唖然としたまま、涙目なセラさんに説教をブチかます。
それを見ていた兵藤と匙は表情が引き攣っており、アーシア嬢は知っているのか苦笑し、俺も一体彼女は何をやったか知らないが、かなり手を焼かされたのは確かだ。見ていてわかる。さすがに見ていられなくなった生徒会長さんが
「―――――――だいたいアンタわね。私が調節して仕事取ってきていること知っているの?ただやりたい放題やっていればいいもんじゃないよ?公共の場、すべてがアンタのライブ会場でも撮影会場でもないのよ?少しは考えてなさい!」
「はひぃぃぃぃぃ~・・・・。」
「―――――あ、あの?ちょっと」
と声を掛けられて無視されるかと思ったらすぐに二人が生徒会長さんに視線を向ける。助け船を出されて悲しいモノが出ているセラさんとまだ表情は妖艶な笑みを浮かべているが、いまだに目が笑っておらず、怒りが冷めない姉ちゃんの視線が彼女に突き刺さり、少し引き気味の彼女は
「―――――――あ、あのすみません。御姉様とど、どういった御関係で?」
「ソーナちゃん。彼女はおくうちゃん。こっちでできた大のしん――――――――――。」
「彼女の”元”お目付け役よ。―――――それよりアンタ事務所の方はどうしたの・・・。」
話しかけられたチャンスを生かそうとしたが姉ちゃんには関係なく、進路変更をしようとしたが強引に軌道修正されて説教再開、話に割って入ることを断念した。事務所の件は自分の道楽は入っただけであの後、彼女をうまく使える人が居なかったのとよほど上手く彼女が好きそうな仕事を取って来ていたのか、そのあと長続きせず、辞めさせられてしまったらしい。
というか生徒会長さんは自分にも一様メリットがあるのでこのまま引くことにした様だ。さらに言っていることも常々思っていた事だし、この期にちゃんと怒って貰える人に怒って貰おう。そう思った彼女を含めて、今の惨状を見たていた残りのメンツは
「えっと、部長。あの人は・・・・?」
と聞く兵藤に眉間に眉をひそめながらう~んの唸りながら姫さんが
「――――――えっとねぇ。セラフォルー・レヴィアタン様よ」
「―――え?」
「現四大魔王の一人、そして会長のお姉様だ。って、俺もお会いするのは初めてなんだが・・・・。霊烏路、あの説教している人ってお前に少し似ているけど―――――。」
「俺の姉ぇちゃんだ。はぁ、ウチの姉ぇちゃんは我が道を行くが当り前でな。相手が魔王だろうが知ったこっちゃねぇ、鈍くはないから説教している相手がどんな存在かくらいは知ってんだろうけど・・・。」
「マジかよ・・・・!?」
匙君は驚いたような顔をしているが、なんだか残りの姫さん達は納得したような感じだ。皆も雰囲気に乃漏れてしまって止めれそうなのが居ない。このままだと話が進まなそうだな。と思った俺は二人に近づこうと足を向けるの見て、今さっきからの感じを見てヤバそうだと思った兵藤は待てと言おうとしたが、聞かずにさっさと行ってしまった。
「―――――おーい、姉ぇちゃん。」
「―――――――――何よ?愚弟。」
「もう、その辺でいいだろ。この人も反省しているみたいだし、何より話が進まん。」
「――――ん。」
俺がそういうと生徒会長さん、次に後ろの姫さん達に視線を向けて少し考えた後に軽くため息をつき、
「そうね。もう少し正座させておきたいけど貴方の顔を立ててあげるわ。」
「そいつは助かるね。ありがと、姉ぇちゃん。」
解放されたとまだ涙目のままのセラさんが立ち上がって
「助かったよ~。私が悪いのは分かっているんだけど、仕事モードのおくうちゃんってすんごく怖いからね。」
「・・・・お仕事モード?」
「しらない―――――ガッ!?」
その先を言わせないと言わんばかりに姉ちゃんがセラさんの口を手で塞ぐ、半ばアイアンクローの様な感じになっているのでセラさんの顎辺りがギリギリゴリゴリ言っている。そんな号泣寸前のセラさんに姉ちゃんが再び、物でも見るかのように冷めた目で
「・・・・余計な事を言う口はこの口かしら?」
「―――――――ごへんなはい!?!ごへんなはい!!?そへはひみふでひた!!?!?!」
この状況、”お仕事モード”という単語、姉ちゃんにとってたぶん聞いちゃあいけない単語だろうと、その事にアーシア嬢以外、気にはなってはいたが聞かないことが最善だと、皆は考えて追求はしなかった。だってかなりの権力者であり、実力者である魔王の一角を気迫で屈服させる人の逆鱗に好き好んで触りに行こうとする奴はいないだろう。
そして暫くして・・・。
「初めまして、魔王のセラフォルー・レヴィアタンです☆レヴィアたんって呼んでねん♪―――――猫ちゃんを頭に乗せている君が・・・。」
「霊烏路 悠って言います。よろしくレヴィアタンさま」
俺がそういうとなっていないなと言わんばかりに左の人差し指を立てて左右に揺りながら彼女は
「のんのん、レヴィア”たん”だよ。後、さまもいらないよ。あぁ、君がおくうちゃんの弟で太陽龍王なのね。ユウくんって呼んでもいい?それかおくうちゃんみたいにセラでも可だよ。」
「―――――はぁ、さいで・・・。セラさんでいいっすか?」
「うん。良いよ♪」
それを聞くとはやり悪魔間でかなり知られているようだ。姫さんも独自で探っていたが、魔王さんあたりは前から知っているそぶりだった。多分前に婚約式辺りで確信に至ったんだろう。さらにあそこには生徒会長さんが居たんだし、あの場にセラさんが居てもおかしくはない。
そこからさらに姫さんが兵藤と妹分であるアーシア嬢を紹介した後に、生徒会長さんが異議申し立てするかのように
「御姉様、私はここの生徒会長を任されているのです。いくら身内だとしてもそのような行動や格好はあまりに……容認出来ません!」
「そんなソーナちゃん!? ソーナちゃんにそんなこと言われたら~……お姉ちゃん悲しい! お姉ちゃんが魔法少女に憧れてるって知ってるでしょ~!煌くスティックで天使堕、天使をまとめて抹殺なんだから☆」
「御姉様!ご自重ください! お姉様が煌かれたら、小国が数分で滅びます!・・・・。」
最初の妹の弱愛ぶりを思いだしていると、あのロン毛堕天使の件を知らせていたら大変な事になっていたんだな。もしかしたら滅びの煌きでこの街を吹き飛ばされていたのかぁ、と思いながら頭を掻いていると、朱乃嬢が
「―――――そうですわね。セラフォルー様が、妹君であるソーナ会長を溺愛しすぎているので、呼ぶと収拾がつかなくなりますわ。」
「朱乃嬢。俺、口に出していた?」
「―――――ふふっ、そう顔に書いていましたわ。」
え?俺ってそんなにわかりやすそうな顔している?そんな事を思っていると生徒会長さんが姉ぇちゃんに
「あのすみません。霊烏路君の――――。」
「霊烏路 空よ。別にお空でもいいわよ。」
「はい。では、お空さん。折り入って頼みたい事があります。身勝手なのは重々承知していますがどうかお目付け役として御姉様を御指導して欲しいのですが?」
「―――――――――――へぇ?」
突然そんな事を言い始めた生徒会長さんの言葉に素っ頓狂な声を上げるセラさん。今さっきのやり取りを見て手綱を握れるのはウチの姉ぇちゃんだと思ったのだろう。さらにこの人なら姉を今よりマシな魔王にしてくれるのではないかと頼んだのだろうが、姉ぇちゃんは
「それは無理ね。私にもやらなきゃいけない事がたくさんあるのよ。」
「そこをなんとか・・・。」
その返答に食い下がる生徒会長さん。ウチの実家の方の仕事とかあるしなコレてもたまにだろうし、そうしょっちゅうは来れないからそういうのは無理だろうなと思っていると、助かったと言わんばかりにホッとするセラさんを見た姉ぇちゃんは
「まぁでも、たまになら来てあげてもいいわよ?」
「ありがとうございます。御姉様の事をお願いします。」
「―――――――――――ええ!?!!」
危機回避かと思われたが、たまになら良いと了承したので驚いた声を上げるセラさん。頼まれてもあまり、はいと言ってくれないが、多分セラさんの表情を見て感じだよアレ、なんというかまったく・・・。
まぁ、交渉成立で生徒会長さんは万々歳、目には目を歯には歯を、姉には姉をってか?唯単にウチの姉ぇちゃんに対して頭が上がらないだけだろ。コレって、まぁそのあとは俺は適当に姉ぇちゃん用事があると言って先に抜けさせてもらった。
兵藤んとこは姫さんの兄の魔王さんとその二人の親父さん一緒に兵藤家に行くそうだ。アーシア嬢も負けられませと言って今度は刀舞と一緒に続けてお泊り、で俺はと言うと朱乃嬢に飯はいい、帰りが遅くなると言って先に帰って貰った。
でここは夕陽の輝くの河原。目の前にはビルなどの建造物が陰に隠れながら綺麗な夕焼けの色に染まった河を丸くなった砂利のある地べたに座って見ながら俺は待っていた。そして俺はようやく来た気配に
「―――――――――来てくれたか。無視されたらどうしようかと思ったぞ。」
「俺に何の用か?太陽龍王。くだらない事なら帰らせてもらうぞ。言っただろう俺は暇ではないのだと・・・。」
俺は学生ズボンを叩きながら立ち上がり、声のする方に視線を向けて
「――――――――そう急かすな。ちょっとした交渉だよ。お前さん大好きな戦いを条件内容に加えたちょっとし交渉だ。”ヴァーリ”」
「―――――ほう。少し聞かせてもらおうか?お前の言う交渉とやらの内容を・・・・。」
そう俺が呼んだのは、今朝あった共に夕暮れの赤に照らされる銀髪の青年。楽しみと言わんばかりの笑みを浮かべる白龍皇”ヴァ―リ”だった。
ではまたよろしく