ハイスクールD×D ~太陽のカラスと龍と赤龍帝~   作:ソースケ_研究中

37 / 38
忘れてしまっているかもしれません。待っていまいかもしれませんが、すみません。
スランプというか、書けない状態がかなり続いて何カ月もあけるようになってしまいました。では今後ともよろしこ。


※注意※
時間の進みようを変えてます。ほぼオリジナルで書いていますので原作の時系列はあまり参考にならないと思います。


銃の!!扱いは!!貴族の嗜みですわ!!byアゼリア

草原と木々がある森林地帯で響く金属と金属の衝突音。

 

 

「なかなかやりますわね!!」

 

 

「そっちこそ!!」

 

 

その中で土が剥き出しになっている場所で二人が戦い。四人がそれを見ている。戦っているのは、槍と言っても良い長さを持った長銃と悠から貰って自分の神器になった”蜻蛉切”を模した槍をぶつけ合っているアゼリアと忠勝。

彼女の腕には全体的に白い籠手があり、袖口は共通して青い装甲に覆われ、左腕の肘関節の付け根が少し広って肘分部に当たる所が鋭角になっている。袖口からは手を中心に三本の細い砲身が伸びている。黒い装甲に覆われた手、白い手甲には青いモニターが付いている。

左にある砲身が邪魔して動作が少し遅れそうなのに、そんな感じを思わせない様な銃捌きを見せるアゼリア。と言ってもエネルギー弾と実弾を撃ち分け可能な彼女の主武装”オクスタンランチャー”を槍の名の通り、クルクルと回して槍と打ち合っている。

忠勝が隙を見せれば、即座にゴムスタン弾をぶち込みに来るから余計に手強い。長距離狙撃を主体とし、使いようによっては波状攻撃もこなす事が出来る遠中距離をポジションとした武装なのに、彼女はランチャーの頑強さを生かして中近接格闘を行っている。

それを見ていた四人、ラグナとエス、刀舞、鹿角。今戦っている二人と同じジャージを着て見ている。

 

 

 

「銃ってああいう使い方だっけか?」

 

 

「使い方より実益でしょう。止まらず回しながら叩き込んでいる以上、遠心力が加わって重い一撃になっているようです。それに以前の戦いでソウルゲインは修理中、ガーリオンは無茶して再調整。

―――――今度引っ張り出して来たのは、長距離狙撃と空での高速戦闘機動を主体とした”ヴァイスリッター”だそうです。それを神器化させた月狼女王の槍銃《ルナ・オクスタンランチャー》。長銃を槍に見立てての中近接格闘、距離を開ければ正確な射撃。完璧ですね。」

 

 

「銃の!!扱いは!!貴族の嗜みですわ!!」

 

 

 

「―――――だそうですよ。」

 

 

 

「知らねぇよ。そんな事・・・。俺達に顔合わせとか兼ねて手合わせするぞって言ってた張本人は何処行ったんだ。」

 

 

 

「ウチの大将やったら野暮用があるって言っとったけど、なんでも赤い龍んとこのエロ坊ちゃんの指導とかなんとかって・・・。」

 

 

 

「忙しいって訳か、最近いろいろ動いてるみたいだけど大丈夫なのか?」

 

 

 

「どうやろうな。新型の術式端末と神器の開発とかもやっとる見たいやし、そこんとこどうなんや?鹿角ちゃん。」

 

 

そう言いながら刀舞は、鹿角の方に視線を向ける。

この件は、契約神器である破刀龍の砕刀《セヴァー・ポットブレイク》を使っている鹿角や忠勝に関係し、戦っている忠勝を除けば、今聞けて把握してそうな人物であるからだ。

 

 

 

「鹿角ちゃん・・・・。

―――――はい。ええ、殿は、新たな契約神器開発などで多忙である事はみなさんが御存じであると思います。近々現行の神器や契約神器の為の後付け武装を作るとおっしゃってました。なんでも創造系神器の原理を利用するとか・・・。」

 

 

 

「そうなんか。これやったら死んだ神さんも形無しやな。こん世界でどの陣営でも危険視されとる神滅級神器すら自らの手で作り出してしまうんやからな。そいつもやり様によっては出来るんやろ?神滅ってやつを・・・。」

 

 

 

「殿の言葉ですと、蜻蛉切や瓶割も”至れば”事象干渉も可能にし、神格だろうと何だろうと割断、割砕可能だと仰っておりました。」

 

 

 

その事にエスは片手を少し上げて挙手し、鹿角に質問する。

 

 

 

「刀身や穂先に映った対象を割断、割砕する能力。デメリットは存在するのですか?」

 

 

 

「射程30m内の実体や非実体、魔法だろうと割断、割砕可能ですが、射程外である事、能力使用には刃に映さないといけないので刃を隠されると使用できません。煙や霧、刃の曇りも対象に入ります。映した対象が巨大すぎる場合は、完全に割断、割砕は出来ません。

――――最後の場合だけ、気持ちの持ちようでどうにかなると仰っていました。」

 

 

 

「様は気合でどうにかしろって言うんかい。ウチん所のエロドラゴンも似た様な事何時もやっとるし、神器が宿主の思いに答えるのは、同じと言う訳やね。万能過ぎんやろ気合。と言うか、此処は契約神器でも同じような事が出来るっちゅう事に驚くべきか・・・。」

 

 

 

そう納得した感じに刀舞が頷いていると首に付けていたハードポイントが金属が擦れるような音をさせながら展開し、『着信』とあり、下に『悠』と表示されたホロウィンドウが展開する。

言い忘れていたが、最近になって関係者が居る時以外は、何があっても連絡が取れる様にハードポイントを付けていてくれと悠が皆に頼んでいた。それでジャージを着ている皆の首元に装着されている。戦闘も想定っされて設計されているのでそうそう壊れないし、付けているのを忘れるほど軽量なので全然気にならない。

刀舞は突然展開されたホロウィンドウにどう対応したら良いのか分からず。

 

 

 

 

「なんや!?いきなりでなんか出おった!!コ、コレどうしたら良いや!?!!」

 

 

 

「落ち着いてください。刀舞。悠が取る時は出たホロウィンドウに触れれば良いと言っていた事を忘れたのですか?」

 

 

 

「おお!そうやった!!そうやった!!」

 

 

 

そう言って彼女はホロウィンドウに触れると『着信』の表示が『SOUND ONLY』に変わり。

 

 

 

『チャオッス!俺、悠。そっちはどうだ?』

 

 

 

「大将。いきなり電話かけて来てどうしたん。」

 

 

 

『新しくチャットシステムってのを実装したから。後な、週末の晩に大事な会議あるから時間開けとけよ。』

 

 

 

「ああ、うん?なんや良く分からんけど分かったわ。―――そうや、アンタこっちこれそうか?」

 

 

 

『すまん。まだこっちも兵藤の方を見ていてそっち行けそうに無い。くれぐれも怪我だけは気を付けろよ。』

 

 

 

「別に良えけど、ウチらそんなへまする奴は居いへんって、心配せんでもこっちはこっちで順調にやってるさかい。気にせんでええで。」

 

 

 

『悪いな。んじゃまたな。』

 

 

 

通信を終えるとホロウィンドウが消え、刀舞は頭を掻く。

何時も通りに接しているつもりだろうが、余裕無い感じが少しながら感じ取れる。彼女からしたら人の心配より自分の心配をしろと言いたい。言って聞くなら世話ないのだが、そうもいかない。

自分達だけでは、黒き獣に対抗する武器の製作も出来ないし、個々の成長だけではどうにもならない相手である以上、彼の頑張りは今後の戦いにおいて必要不可欠である。彼にしてやれる事と言ったら・・・・。

刀舞は首を鳴らしながら手を皆に聞こえる様に拍手する。それを耳にして戦っていた二人を含めて視線が集まる。

 

 

 

「皆聞いてぇな。

――――――今回から新入りも迎えて大所帯になってきおった。それでも戦力はたりん。なんてたって向こうさんはこっちより規模の大きいテロ屋共や、さらに言うなら黒き獣が後ろで手ぇ引いているって言うやないか。私らの大将が使っている鎧型、それ以外に新入りさん達が入る前に戦ったごっつい戦闘艦型の禁手化とかの化け物級の奴が出てくる。

ウチらの大将達が技術的もんで私らの得物が通る様にしてくれるわ。それで私達は――――。」

 

 

 

「―― 己をさらに研磨し続ける・・・。そうですわね。どれだけ優れた武器を持っていてもそれを扱う私達が弱くてはどうにもなりません。

コレでも私は、元は個人で傭兵稼業をやっていた身、専門家《プロフェッショナル》であるなら尚の事ですわ。」

 

 

 

「ま、言いたい事は分かるわな。」

 

 

「賛成です。」

 

 

「常に高みを目指すのは、武将として侍として当たり前の事よ。」

 

 

「私もその思想には賛同いたします。」

 

 

皆を同意を得られて歯を見せる様な笑みを見せながら刀舞は

 

 

 

 

「―――――――――――気合、入れ直そうか?」

 

 

 

それぞれが模擬刀、剣、槍やゴムスタン弾が装填された銃を構え、その場に散らばった。次の瞬間、辺りに地を振るわせる爆音が響き渡る。

 

 

場所が変わり、苔の生えた廃ビルが乱雑して立ってる場所。まるで文明が衰退しかの様な場所。此処では悠と一誠、アーシアの三人が居り、悠は通信を終えたホロウィンドウを消して

 

 

 

「・・・・ふぅ。向こうさんは、順調そうだな。こっちはこっちでどうしたもんかね。ホント。」

 

 

 

俺の眼の先に居る赤い鎧を着て座禅をしている兵藤。向こうのビルの陰でアーシア嬢はアーシア嬢でシャウトとクロスした状態で複数開いたホロウィンドウの情報を処理している。

こっちは俺とアーシア嬢で兵藤が自力で禁手化出来る様に手助けしている。俺が案として提示したのは、赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》の核であるドライグとの対話で、互いを知る事で波長を合わせ、手を借りず自分で至る。

この手段は近道であるが遠回りとも言えない。下地は既にある。俺とイグニスみたいに直に分かり合えば直でも禁手化可能だが、そう簡単に意志のある者同士が互いを容認できる事は無い。意思があると言う事は個性があると言う意味だ。

自分を形作る自分の個性が、相手を容認すると言う事は簡単でとても難しい。それは言葉を持って語る事だけでは成り立たない。聞いた上でその思いを汲み取る。その思いを自分が許容できるかが問題なのだ。

まぁ、イグニスが言うには、幸運な事にドライグ自体強くなる事には賛成しているから、積極的に動くだろうと言ってはいた。間に合うかどうかは後は当人同士の問題。一応、間に合わなかった場合に対しての最終手段はあるのだが、彼等の身にならないからあまり使いたくない。

俺は瓦礫に腰をかけているアーシア嬢の方に声をかけながら

 

 

「アーシア嬢。調子どうだ?」

 

 

 

「はい。こっちは大丈夫です。―――――ですけどイッセーさんの方が・・・。」

 

 

 

そう言って回された一枚のホロウィンドウに表示しているのは、赤と黒の折れ線グラフ。ギザギザな波を描いている線は赤龍帝ことドライグと兵藤の同調率を現しており、高ければ高い程禁手化に適した状態にある。

今はクロスしたアーシア嬢の能力でチューニングして許容範囲内に抑えているが波にかなりのズレがあり、このズレを十倍にした感じがチューニング前の波形になるから禁手化できない。鍛えて負荷に対する許容を増やす力技なら確実なのだが、二週間ちょっとで不可能だ。期日までに到底間に合わない。近くの瓦礫に腰を下しながら回されたホロウィンドウを見て聞く

 

 

 

「中でもめてんのか?アーシア嬢。会話内容の文字表記できるか?」

 

 

 

「出来ます。ちょっと待ってて下さいね。」

 

 

 

そう言って展開されたキーボードを使って操作し、数枚のホロウィンドウを展開した後、新たに展開された全て消えて一枚に集約される。

 

 

 

イッセー『だから言ってるだろ!!』

 

 

ドライグ『いや、だからな・・・。』

 

 

 

「案の定かと言うか、ニュアンスとしては兵藤の言葉をドライグが理解していない?」

 

 

そう言う俺の右手の甲が翡翠の光を灯し、厳つい声を響かせる。声の主は俺の相棒のイグニスだ。

 

 

『その認識で間違っていないようだな。元人間の転生悪魔と龍。合わせると言うのは少し難しいか。我々は元より心あり方が少し特殊であり、似通っていたから簡単に禁手化出来たのだ。』

 

 

「あ?それって契約しなくても禁手か出来たって事か?」

 

 

「そうなのですか?」

 

 

そう言いながら横に居るアーシア嬢は小首を傾げる。あんな大層な契約内容を提示しておきながら無くても禁手化出来ると聞かされれば、妙な顔をしたくなる。だが、イグニスは

 

 

『そう言うわけじゃない。相棒もそう聞くが薄々は感づいているのだろう?』

 

 

「俺に答え言わせんのかよ。・・・まぁ、あの時のお前は親しく接していたが、それ以上踏み込まない一線って言うのがあった。俺の事を主殿って言っていたのがその証拠だ。」

 

 

「と言う事は、イッセーさんとドライグさんにはそれ以上の溝があるって事ですか?」

 

 

 

『うむ。先にも言っていた通り転生悪魔の元人間の価値観、我が物顔で空を翔け、地を紅蓮に染め上げる誇り高き龍としての価値観はあまりにもかけ離れており、違いすぎる。異種間の思想共有と言うのはとても難しい。同じ種族でさえ難しいのに姿形が違うとなおさらだ。

我等に関しては、人間という思想を知り、欲し、真似た。相棒の場合あのあり方に憧れたと言えば良いか・・・。我も彼等の技術以上に、人間の生き方に魅せられた。

――短き命で良くも悪くもアレだけ輝く事が出来る人間に魅せられた。だから我等の心のあり方は特殊であり、根本的な所で似通っている。』

 

 

今まで多くの人間を見て、魅せられたイグニスと先生と言う個としての人間を知り、そのあり方に憧れた俺。多か個の違いがあるが結果は同じと言っても良い。それが俺達の在り方。それと違って兵藤達はそう言った特別な感じの思いと言うか拠り所と言うか、心の共通部分が無い。

さらに俺達の関係は共に闘うという意識だが、ドライグと兵藤の関係はドライグが力を貸し、兵藤はその力を借りると言った関係になる。普通に考えればちゃんとした協力関係になっている。ドライグとイグニスが出来る事は少ないし、変わらない。助言、能力使用、関係としては似ているが決定的に違う。

それは心のありよう。それは傍観者であるか、当事者であるかだ。

傍観者であるドライグは今代と今までの歴代赤龍帝と見方は同じ、白龍皇を打倒するその為に力を貸す。宿主を性能《スペック》の違いと言う物でしか見ていない。

当事者であるイグニスは1人1人に違う見かたを持っていた。それは親友を思うと同じ、共に生き、戦う者として共に駆けた。日常を共に過ごした。宿主それぞれに違った親愛を持っている。

多分これが決定的な違いだろう。共に闘うか、観戦するかで心の持ちようは変わって来る。それを考えれば、俺とイグニスの心は近く、兵藤とドライグの心は遠い・・・・のかもしれない。その事実があったとしても”絶対”言うわけではない。俺はそこに賭けている。

イグニスが説明してる間に新しいログが更新されてた。

 

イッセー『大きさを保持しながら重力に負けないあの美しさ、包まれた時のあの柔らかさ!!何故この良さがわかんねぇんだよ!!』

 

 

ドライグ『いや、リアス・グレモリーの乳の話など聞いていないし、その感情に同調するのは俺には無理だ。乗れん。』

 

 

「あの馬鹿、何話してんだよ。」

 

 

「最近大人しいと思ったのですが、やっぱりイッセーさんはイッセーさんですね。」

 

 

『コレを聞いていると本当に我の相棒が、悠であった事に感謝するな。流石にアレは無理だ。コレならもう根性でキャパシティを増やして禁手化の負荷を受け止められる様にした方が良いのではないか?』

 

 

「それじゃ足りねぇんだよ。禁手化で手一杯の可能性なんて無いも同じだ。」

 

 

「それはどういう?」

 

 

「姫さんとこの最大火力担当がコイツなんだ。もちょっと頑張って貰おうって事だよ。接続するがいいか?」

 

 

「良いと言いますか、出来るのですか?」

 

 

アーシア嬢が小首を傾げながら聞いて来るのに対して俺は何時も通りに、気だるそうな態度で

 

 

「そこんとこはイグニスの力だな。―――――――――――あ、しくったな。こんな事になるなら全部メンテに回すんじゃなかった・・・・・。なんか持ってきてたか?」

 

 

『替わりに”ゲシュテルベン”を持たされただろ?アレを使えば良い。既に神器化は済んでいる。』

 

 

ゲシュテルベン。神機人の依り代として使われている機種、量産型ゲシュペンストMk-IIをベースに改修した機体。出力上昇、ハードポイントの増加、武器搭載量の増加による影響で多彩な武装を使う為、火器管制システムも改良されている。欠点と言えばハードポイントの増加に伴い装甲が薄くなっている。打たれ弱いが、それを除けば高水準の性能を持っている高性能機。

コイツは新世代の機人向けに生産されたのだが、あまり使ってくれる機人が少なかった。

その理由は、量産型ゲシュペンストMk-IIのマイナーチェンジにあたる”量産型ゲシュペンストMk-II改”に人気総取りされた結果だ。換装次第でどんな奴でも使え、どの場面にも対応できる高い汎用性がその理由だ。

Mk-II改は、そのまま改良機と言った見た目で、ゲシュテルベンは見た目がスタイリッシュと言うか、通常のゲシュペンストに比べて腰の位置が少し高く、少し線が細く見える。機体は少なからず人を選ぶが、Mk-II改はその範囲がかなり広いと言うだけだ。ゲシュテルベンもそれ用にカスタマイズすれば良いと思いが、見た目が良くて使いにくいと見た目が良くて使いやすいで考えれば、後者を選ぶと言う話だ。

最終的にはその人達が選んだ数の結果と言う事になる。

・・・・かなり脱線しだが、ようはこっちに回されたのは、生産した機体の余りの一機を戦術鎧にした奴だ。

 

 

「そいじゃ頼むわ。」

 

 

そう言って山吹色の輝きと共に展開し、白色の曲線の腕と手首辺りに短いブレード型の翼が二枚平行にあり、手の甲まで覆う暗い藍色の籠手、白い色の手甲。同じく手の甲には長方形の高血をした翡翠のモニターが光り輝いている。

予備弾倉を左腕に取り付け、左肘にナイフ程の刃渡りのアサルトブレード、右肘辺りに武骨で砲とも呼べる口径の散弾銃”M13ショットガン”に合わせた両サイドから挟み込むように保持している専用ハードポイントを付けている。

 

 

『太陽龍王の重散弾銃《ソーラー・M13ショットガン》と言った所か。――――検索、接続完了。うむ。では行くぞ。』

 

 

「ちょっと行ってくるわ。」

 

 

「え、あ、はい。お、お気をつけて・・・?」

 

 

隣で座っているのに行ってくるも何もないだろうと思うが、意識が暗転し、暗い海の中に沈む様な感覚を覚える。あの時全然感覚が違うが、イグニスが前回の朱乃嬢の一件で使った”アストラルシフト”の応用で話し合う為に潜っている兵藤達の元に連れて行ってくれるようだ。

 

ああ、アレかな。闇中に灼熱の炎が渦巻く場所で巨大な西洋風の赤い龍と小さい人影が見え始める。それを確認したと同時に俺の近くに巨大な翼を持った人型の山吹色の龍が姿を現す。

 

 

「イグニス。今回はお前も居るのか。」

 

 

『うむ。少しは赤ガキの事を知っている我も居た方が良いと思ってな。』

 

 

そう話していると、兵藤達が俺達に気付いて

 

 

「え!?霊烏路!!と何だ!ドラゴン!?ど、ドライグ!!此処って他の奴も入って来れるのか!?」

 

 

『そんなわけないだろ。認めるのは嫌だが、アレでも龍を統べる王だ。太陽の爺ならここに入って来ることは容易だろう。

――――態々此処にまで来て何用だ?糞爺。』

 

 

そう聞いて来る頃には、イグニスはドライグの近く、俺は兵藤の近くに降り立ち

 

 

 

『相変わらず口の悪い餓鬼だな。お主は。』

 

 

 

「何だが捗ってなさそうだったから、とりあえず一旦中断して話しの内容を纏める為に来たんだ。そうやって気付いた事を整理した方がお互い理解しやすいからな。」

 

 

『その前にこの暑苦しい世界を変えようか。』

 

 

そう言ってイグニスが指を鳴らすと暗かった足元に波紋が広がり、天に一面の星空が広がる。水面の様な地面に変わる前の炎がかなり小さくなっているが水面に揺られながら残っている。

 

 

『俺の心象世界になんて事してくれてんだ糞爺。それに貴様にとってこの程度熱いの内にはいらないだろ!!』

 

 

『まぁな、気分だ気分だ。格好付けてごうごう燃やしてんじゃねぇよ。オジサン的にそう言うのいらないから。』

 

 

そんなやり取りを見て兵藤は珍しいとかなんか想像と違うというとか、そう言った表情で

 

 

「ドラゴンって皆、なんか偉そうな感じだと思ってたんだが、霊烏路とこのってなんかアレだな。フレンドリーって言うか。」

 

 

「つるみ易いだろ?こう言うスタンス嫌いじゃないからな。俺。・・・ってか段々と話が脱線し始めているぞ。とりあえずまとめに入るぞ。お互いコイツはこうなんだなって感じの感想を言って貰えないか?」

 

 

「ドライグの事か?なんつうか、ドラゴンだから上から目線とかは、まぁ当り前か。後は、戦いの事とか、前に合った白い龍との決着以外あんまり興味無い感じ?」

 

 

『ああ、俺か?一言で表すなら性欲の化身ってとこか。今さっきから相棒が話す言葉はそればっかだ。――――まぁ、それ以外は、今代は”面白いヤツ”だとは思っているぞ。』

 

 

会話させて放置した結果、共に最小限のお互いの情報を得られたようだ。とりあえずお互いの事を知った事で生まれ嫌悪感や好意といった感情の変化が見られない。というより、ドライグの方がそう言った事に関心を持っていない。当然と言えば当然だが、戦闘とか己の誇りとかに対して執着を見せるタイプの典型的な傾向。俺以外どうでも良いってか?

いや、宿主に代理で戦闘して貰っている分、イレギュラー的な強さや戦い方には注目している。少しでも興味があるだけまだ対処のしようがあるのが救いだな・・・・・。――――――――――!?

敵意に似た感覚を追う様に顔を上げると夜空に浮かぶ一つの星が強く輝くのを視線に捉え、その輝きが段々と大きくなって・・・・・・と言うより近づいている?

 

『・・・・・。』

 

 

「ドライグさんよ。此処って頻繁に出入りがあるのか?」

 

 

『太陽の小僧。俺は言ったぞ。こんな事をするのはお前んとこの爺だけだ。―――――!?避けろ!!お前ら!!』

 

 

「うあ、ああ!?!!」

 

 

ドライグは兵藤の襟首を銜え直に跳び上がり、俺とイグニスも自前の翼を広げて星空に退避する。その後直に俺達が居た場所の中央に流れ星の様なモノが直撃し、爆発。その速度に応じた膨大な衝撃波を生み出しながら爆発音を響かせる。

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

『――――オイ!赤ガキ!!』

 

 

『煩い!!怒鳴るな!!言いたい事は分かっている!!どう言う事だ!この深度ではまだ出てくるはずは・・・・・!?』

 

 

「この感じ、中身にちょっと違和感あるが・・・・。」

 

 

落ちた場所は大量の爆煙が立ち上っていて何が落ちて来たのか、姿を確認する事は出来ないし、コイツの気配には覚えが無い。だけど、力の質はだけは何度か感じていて分かっている。兵藤を加えているドラゴンと同じ感じが・・・。と思っていると驚異的な力の高まりを感じ、内側から破裂する様に爆炎を吹き飛ばして姿を現したのは

 

 

「あの赤い鎧は・・・。」

 

 

「アレって赤龍帝の籠手《ブーステッド・ギア》の禁手化じゃねぇか!?どうなってんだ!!」

 

 

兵藤の言う通り、姿を現したのは彼の神器の禁手化である赤い鎧そっくり所か、力の質もそのまんま・・・いや、それ以上と言って良い荒々しい力を感じる。アレはヴァーリが使おうとした・・・。

 

 

『何がトリガーになったか知らんが、あそこに居るアレは前赤龍帝の残留思念だ。』

 

 

『執着執念、覇龍に呑まれてもなお残った強い思念が幾つも神器内に残留している。アレはその一つだ。気を付けろ強い念だけで突き動かされている。』

 

 

「アレ、倒せるのか?」

 

 

『アレは思念体だ。念事態をどうにかしないとどうにもならん。仮に倒せたとしても此処が精神世界である以上、倒してもしばらくすれば復活する。消滅しない。――――手段としては屈服させる事を推奨するが、アレは破壊衝動の塊だ。今のままでは無理だ。』

 

 

「そうか。そいつは好都合だな。」

 

 

『覇龍相手か・・・。セットしているのが何時モノならもう少し良いと思うが、まぁ良い手伝うぞ。』

 

 

『・・・・・ぬ?どうする気だ。』

 

 

俺が首を傾げたり、簡単な柔軟をする。イグニスの方は姿が輝き、その輝きが俺に吸いこまれるように収まり、太陽龍王の重散弾銃《ソーラー・M13ショットガン》を展開する。

少し骨が折れそうだが、勝つ必要は無い。兵藤達はあまり俺達の戦い方を見た事無いみたいだからな。実際戦ってどんな感じにやっているか見せれば少しは参考になるだろう。そう思い俺は

 

 

「どうするも何も、敵意がある以上やるだけだ。――――イグニス!!いっちょやるぞ!!」

 

 

《Sunshine Dragon!power of Overcharger!!》

 

 

 

「太陽龍王の重散弾銃《ソーラー・M13ショットガン》

―――――――――――――禁手化《バランス・ブレイカー》、太陽龍王の鎧《ソーラー・M13ショットガン・スケイルメイル》」

 

 

 

さらにイグニスの声が響き渡る。

 

 

 

『我、手に持ちたるは亡者の銃、残した思いと意思を弾丸とし、汝の敵を穿つ告死の亡霊なり・・・!』

 

 

 

山吹色の光がモニターからあふれ出す様に輝き始める。両腕を中心に形成されていく姿はゲシュペンスト系の流れを汲む姿形をしており、特徴としては、気にならない程度に座高が少し高くなっており、全体的に白を基調とし、部分的にある暗い藍色のパーツが目立つ流線型なフォルムなのだが所々に鋭角なパーツが目立つ。

曲線的な腕と手首辺りに短いブレード型の翼が二枚平行にあり、手の甲まで覆う鋭角的な籠手、同じく手の甲には長方形の高血をした翡翠のモニターが光り輝いている。

足は推進機が付いていて太く、腰のフロント、サイド、リアアーマーにずらして並んでおり、フロントとリアに片方六機、合計十二機、サイドに一機ずつ装甲にもなっている長方形の武装ラックがあり、冷却機や推進機などの付いたショルダーパーツも大きく、予備弾倉を左腕に取り付け、左肘にナイフ程の刃渡りのアサルトブレード、右肘辺りにショットガンに合わせた両サイドから挟み込むように保持する専用ハードポイントを付けている。

背部には前より大型化されたウィングの付いた二機と中心に一機の推進機が付いており、両サイドにブレード状のアンテナ、両側頭部に一機ずつある小口径の機銃。頭部はバイザーの換わりに猛禽類の様な翡翠の両眼が輝く、

 

 

 

 

「《Gesterben・Custom !!(ゲシュテルベン・カスタム)》」

 

 

 

 

とまぁカスタムと言っても色を白と部分的に暗い藍色に変え、腰部に装甲も兼ねた箱形の武装ラックを複数装備し、両肘に専用のハードポイント、頭部には新たに排莢しないタイプのバルカン、深紅のバイザーの換わりに翡翠色のデュアルセンサーに変えているだけだ。後はセンサー系やジャミング機能や電子迷彩等の術式電子系が強化されており、元々はタイプTTの改修機だったのでT-LINK系の機能も強化されている。

状況を確認しているのか、禁手化で力の上がった俺達をゆっくりと見る。その姿は獣が獲物を見つけた様な感じにも見え、こちら向かって巨大な水飛沫を上げながら飛んでくる。一応精神世界内にも重力と言う物があり、それを高度の維持の為に吹かしていた推進機類を全部切って重力に身を任せて回避する。

俺は明後日の方向に飛んでいく赤い閃光を確認しながら頭を戦闘モードに切り替え、右肘から散弾銃を取り出しながらされるがままに地面に頭を向け、そのまま遠回りして閃光の様に突っ込んで来る赤い鎧に銃口を向けて

 

 

 

「イグニス!T-LINKシステムの攻撃転用だ!!」

 

 

 

《了解だ!!―――――――T-LINKsystem Standby!!》

 

 

 

「――――今から俺が撃つ弾はアイツをぶち抜く・・・・。食らえ!!」

 

 

翡翠色の力の奔流が散弾銃の銃口に収束し始め、強い思いを込めて引き金を引いた。この散弾銃に装填さてれいる弾種は徹甲弾。中近距離で破壊力を発揮するのは前と変わっていないが、少し射程が伸びている。重い炸裂音と共に撃ち出された砲弾は閃光の矢となって飛ぶ。赤い鎧の方も避ける事無く魔力の障壁を発生させ、此方が放った弾と正面衝突した。

衝突直前に甲高い収束音を辺りに響かせ、目を焼く様な輝きを見せる。数秒の間拮抗したが、直に互いに逸れる様に弾かれた。

俺は地面が近くなってきたので身を捩り、姿勢制御を行って水面の様な地面に水飛沫を上げて膝を付いて着地する。

 

 

 

「強いイメージが威力に反映されるT-LINK系は、膨大であろうと魔力に対して有効だな。」

 

 

 

《悠!!また迂回しながら上空から降下、二時の方向から攻撃!!来るぞ!!》

 

 

 

「―――――!!」

 

 

 

直に立ち上がり、推進機の様な翼から魔力光を輝かせながら突っ込んで来る赤い鎧を避け、両脚部の推進機を使いホバリングして滑る様に後方へ下がる。その間も勢い余って飛んでいく鎧の背中を視界に捉え

 

 

 

《そのまま反転!背中ががら空きだ!!》

 

 

 

「そう何度も簡単に攻撃を許すと思うなよ!!貰った!!」

 

 

 

滑る様に反転して背中に向かって体を正面に向け、散弾銃を構え、ポンプアクションでリロードしながら発砲。複数の重い炸裂音を響かせて念動を纏った三発の砲弾を放ち、魔力の障壁を貫通させて推進機を破壊する。

そして推進機が破壊されて失速し、頭から倒れる様に水面に接触し、水切り遊びの石の様に弾けて水飛沫を上げ転がる。

 

 

 

《相変わらずの命中率だな。だが、時間を与えれば直に回復する。》

 

 

 

「ああ、速攻で行くぞ!!」

 

 

 

そのまま背部の推進機から噴射炎を輝かせ、さらに推進力得て鎧が飛んでった方へ追撃をかける。その間も鎧が吹き飛んだ方向、水飛沫で見えずらいが見えないわけではない。跳ねた時にタイミングを合わせて数発御見舞いする。

体勢を立て直そうと躍起になっている所に叩き込まれる砲弾に反応しきれず肩や脇腹の装甲を貫通し、砕く。それでもどうにか地面に鋭い爪を突き立てて飛沫を上げながら止まり、獣の様に腕力と脚力で飛び、こっちに向かってくる。いくら速くとも分かっていれば・・・!!

 

 

 

『がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!』

 

 

 

《前方三秒ほどで接敵!悠!覇龍で強力になったと言っても思考能力ない以上獣と同じだ!》

 

 

 

「なら獣畜生には、それ相応の対応をするだけだ!」

 

 

 

接敵の瞬間、推進機の出力を落として逆噴射させ、勢いに任せて此方を抉ろうと伸ばして来る腕を半身を引いて反転。避けた拍子にサイドアーマーの武装ラックから抜いた黒い柄で腹のあたりが平べったいダガーを持ってそのまま一回転し、擦れ違いざまに赤い鎧の治っていない背中に逆手持ちで突き刺す。それでも気にした様子も無く足や両腕を付いて着地しようとした所に畳み掛けるように撃ち込む。

 

 

そして覇龍に対して普通の禁手化で挑む二人の姿を見て居たドライグと一誠。

直に巻き返されると思ったが安定して優位に立っている姿に唖然とする。その理由はドライグから見て悠は、今戦っている前代の赤龍帝の動きはあまり捉えきれていない。その証拠に少しずれた所を見ている。目で追えているのは通過した後の軌跡だけ、だが確実に回避し、攻撃を当てに行っている。

アレ程の速度になると”獣の様な動きだから対応しやすい”で程度で片付けられる問題じゃない。彼等がそれでも対応できているのは

 

 

 

『・・・・爺が見ているからか!』

 

 

 

「ドライグ・・・?」

 

 

 

ドライグは、覇龍の力から生み出された速力で駆けているアレを宿主が覇龍無しに見るには余程特殊な目が無い限り無理だ。イグニス程になればアレぐらいの速度を見る事は造作も無い。それでもそれは、自分で直に見たモノじゃない。宿主の換わりにイグニスが見ているだけだ。他人が見た物を簡単に信じる事は、この状況では無理だ。精神世界だろうと彼等の精神体に致命的な攻撃を受ければ、ただでは済まない。

他人に大事な感覚である視覚を頼ると言う事は綱渡りにも等しい。こんな芸当、お互いを信じているから出来ると言う事、戦友として生きる者達の強固な信頼関係。彼がこの場を設け、提示して来た強さは多分こういうモノを言うのだろう。

今さっきから負荷に対する疲労の蓄積も戦闘時の運動だけで、そこまで消耗している様には見えない。本当にじっくりと観察してみないと分からない変化だが、コレが限りなく負荷を無くさせる禁手化の近道なのかもしれない。確かに実力が上がれば確実に禁手化出来るだろう。それでも此処まで消耗が無い禁手化は見た事無い。コレが出来れば今の実力でも確実に一誠は禁手化は可能だろう。

 

ただし、一朝一夕できる芸当じゃないだろうがな。彼ら自体精神的なスタンスが似通っているのも理由に挙げられるが、彼等はどう見ても”一緒”に戦っている。そう言うニュアンスがしっくり来る。ドライグ自身、宿主に力だけ与えて後は任せていると言われれば否定はしないだろう。俺の力だけで充分だろ?理由なんてコレぐらいだ。

少しは考えをアレを見せられて少し考え方を改めようと考えた時だった。一誠とドライグの眼に赤黒いの閃光が降って来たのは・・・・。

 

 

 

 

俺が赤い鎧を大分弱らせた後に、接近してもう一発叩き込もうとした瞬間、いきなり鎧の頭上から攻撃性のある巨大な光線が赤い鎧の頭上から降り注ぎ、鎧ごと蒸発させた。直に降ってきた方向に視線を向けると一瞬だけ見えた黒い影。それは直に消え去ってしまった。

 

 

 

「あ?何だったんだ?」

 

 

《・・・・・。》

 

 

 

赤い鎧が息絶えて消え去った後も俺は鎧越しに怪訝な顔をし、何を思ってたか知らないがイグニスはその後少しの間無言だった。

 

 

 

悠や一誠達に思わぬハプニングが起こっていた頃、場所が変わり、彼等が居た様な苔の生えたビル群があるエリアは此処には沢山ある。此処もその一つである。場所はボロボロの交差点中央、此処に居るのは朱乃と小猫。

 

 

 

「本当に良かったのですか?小猫ちゃん」

 

 

 

「・・・何がですか?朱乃先輩」

 

 

 

「悠さんが言うには更新された装備の確認があったと思うんですが、大丈夫なのですか?」

 

 

 

「・・・渡されたその日に確認したので大丈夫です。ライフルの変更以外は殆ど召喚設置型の兵器ばっかりでしたのであんまり手を付けないといけない物はありません。それに今回の特訓は、先輩を除けば私の方が分かりますので。」

 

 

 

「小猫ちゃんの方が”クロス”に関しては先輩ですからね。ならお願いできますか?」

 

 

 

そう言って頼む朱乃達の近辺にある建物を散策している二匹、最近治療や少し特訓して来ると言って姿を見せなかった”ガムド”と久しぶりに会えて楽しそうにしている”リア”。

今回ガムドが朱乃のクロス相手になったのは、アーシアがシャウト、リアが小猫と完全に消去法になるが、一応二人の相性が良いらしいから決まったのだ。まぁ、性質的な意味で無く性格的な意味での話だ。ガンガン行こうぜで押して行く性格のガムドを寛容な朱乃が受け入れているという感じが二人のクロスを可能にするらしい。と悠が言っていた。

彼が言っている事は分からないで無いが小猫は

 

 

 

「・・・先輩から貰ったこの髪飾りが神器《セイクリッド・ギア》だとは思いませんでした。ふと思ったのですが、最近私達の間で神器や兵器類が身近になって来た様な気がします。」

 

 

「ビックリドッキリな道具や術を作ったり出して来るのは彼の十八番ですからね。今さら神滅級神器を気だるそうな顔で普通に渡された所でもう驚きませんわね。」

 

 

「・・・・・信頼してくれているのは分かりますが、少しは考えて欲しいです。―――――ですが、それで驚かなくなっている私達も感覚が可笑しくなっていると思います。」

 

 

「ですわねぇ~。」

 

 

何とも言えない表情の小猫に何時ものあらあら、うふふ的な笑顔で返す朱乃。

そしてその表情に少し安堵する小猫。あの一件から少し笑顔に影があり、悠は元々ああいう性格だから変わるが、彼女にとってアーシアや一誠にすんなり受け入れて貰った事に一番驚いていたのが小猫にとって記憶に新しい。

極め付けにアゼリアの身内話だ。彼女の話は堕天使と人間の関係についての価値観や感覚が可笑しい。それ故、何故自分はと思ってしまう。それでも今は自分の居場所がちゃんと此処に存在している。そう思えたからの笑顔だと思いたい。

小猫はそう思った。

 

 

「・・・では、はじめましょうか。――――リア!」

 

 

「あ、うん!今行くよ!!―――――ガムド!始めるって!」

 

 

「おお、やっとか!!パワーアップしたオレを見せてやるぜ!!」

 

 

呼んだ小猫の声に返すリア達は、近くの苔の生えた廃ビルから出て来る。紫色の子龍と耳の大きな一角の獣、ガムドとリアが此方に向かって走って来るのを確認した彼女は髪飾りにある真珠が翡翠の輝きを放ち始める。

何時もの掛け声と共に光が彼女を覆い、その中にリアが飛びこむと同時にさらに強くなる。暫くしてその輝きが収まると両サイドに垂れ耳の様な腰まである先端が緑がかった髪、顔に菱形と太い髭の様な太い二本の線、弾帯をタスキを掛けるように身に付け、巨大なリボルバーの弾倉の様な機銃の付いた黒金の剛腕を付けた姿。”ガルゴフォーム”に変わる。

小猫は無事にクロスで来た事を肘から先に付けられている左の剛腕を見える位置まで上げ、先端に付いた掌に機銃の銃口が付いた手。ロボットの手、マニュピレータの様な三本の指を握ったり開いたりして確認する。

 

 

「・・・こんな感じですね。」

 

 

「慣れているとは言え、なかなかの手際ですわ。――――何かコツでもあるのですか?」

 

 

「・・・あまりそう言って物は無いんですが、私とリアが意識しない。そう言う自然な”結び付き”が、こう言う事を可能にしているって言っていました。――――――と言うより朱乃先輩。」

 

 

「心配して下さってくれている事は分かります。――――と言いますか、最近彼の所為で察しが良すぎますよ。」

 

 

小猫にとってもう一つ懸念している事があった。自分にも言える事だが転生悪魔と言うのは、種族こそ変わるものの、元の種族の特性をそのまま残しながら悪魔に転生するシステムとなっている。彼女が悠から聞いた時には、悪魔を増やすためには必要だが、出場する駒を増やすだけならそのシステムが邪魔だから余計にコストが掛かるとも言っていた。

話しが少し逸れたが、元の種族の特性と特徴がそのまま残ると言う事は、小猫自身の元の種族が反映され、その例外に漏れず彼女自身が嫌っている”堕天使”としての特性や特徴が反映されると言う事だ。それが余計に彼女を苦しめている。それでさらに言うなら”クロス”と言う機能は絆が互いの力を合体させる。酷く言えば互いの種族を合成する機能だ。小猫はこれ以上の変化を彼女自身が受け入れるかどうか心配している。

そして前の一件を聞かされて知っているが、彼は彼女の心の内を少し知っている。なのに彼女の心に飛び込んだ悠がああ言ったと言う事は彼女自身が出来ると信じているから言った事なのだろう。それでも少し表情の暗い小猫に彼女は何時もの笑顔で

 

 

 

「心配ならさらずとも私はもう大丈夫ですわ。―――――ガムド君頼めますか?」

 

 

「おう!アケノがオレッチのパートナーか!良いぜ!!お前は根性あるかんな!!そう言うとこ嫌いじゃねぇぜ!!」

 

 

「――――では、お願いしますね。」

 

 

「――――おう!!」

 

 

ガムドと朱乃の互いの真剣な眼差しは、覚悟の象徴とも取れた。誰かに信じて貰える。不安が残るが彼女にとって今は、信じて受け入れてくれている大切な者や仲間達が居る。少しの勇気を貰い一歩進むだけならそれだけで十分たっだ。

その言葉に彼女が受け取った髪飾り、桜の花の中央にある真珠が眩しい輝きが彼女を包み込んだ。

 

 

彼女達が特訓を開始した時、目に悪い紅い館”紅魔館”では、洋館独特の雰囲気を持ち、凝った装飾のソファやテーブルが置かれた客間。

対面する様にテーブルを挟んで置かれたソファに座っているレミリアと対面に座っているギャスパー。咲夜は仕事着のメイド服を着てレミリアの後ろに控えるように立っている。此処に送られて少し困惑気味の彼は

 

 

「あ、え、ギャスパー・ヴラディって言います。よ、よろしくお願いします。」

 

 

 

「貴方の事は悠から任せられているわ。――――レミリア・スカーレット。この紅魔館の主よ。よく覚えておきなさい。」

 

 

 

「私は、此処に仕える十六夜 咲夜と申します。他に同居人が居ますが、紹介は会った時で宜しいですかヴラディ様?」

 

 

 

「あ、はい。――――――えっと僕に様付けとかは・・・。」

 

 

 

「お客様である以上無礼な対応は出来ませんので・・・。」

 

 

 

簡単な自己紹介を終えたので区切りの為にレミリアは

 

 

 

「簡単な自己紹介は此処までにしましょう。時間が惜しいわ。貴方に此処で教えるのは吸血鬼としての振る舞いと言うより、その及び腰のなよなよとした根性を叩き直す。

そして咲夜は貴方の力、神器《セイクリッド・ギア》とか言うバロールの魔眼の使い方を教える事になっているわ。」

 

 

 

「正確にはその補助となります。見た者を殺すと言われているバロールの魔眼の能力が時間停止だとは思いはしませんでした。

――――ですが似た様な系統の力を使うと言うのであれば、何かしらの助言を言う事は出来ます。」

 

 

 

「え、っと、十六夜さんも僕と同じなんですか?」

 

 

 

「私のは神器とか仰るものでは無いですけど、時間操作系の能力を持っています。時間を遡る事は出来ませんが貴方と同じような事は出来ると思います。」

 

 

「じ、神器じゃないって事は十六夜さん自身の能力って事ですか!?」

 

 

「人間にすれば破格の能力ではありますね。自身の物、授かり物かの違いはあまり意味はありませんよギャスパー様。それにそう言った能力は意識や感情によってオンオフが可能です。私が教えるのは時間を止めるという明確なイメージを持って貰う事です。」

 

 

「い、イメージですか?」

 

 

「はい。何か時間関係でイメージしやすい物を能力発動のトリガーにするのが一番良いですね。たとえばこの様な懐中時計とか・・・。」

 

 

そう言って腰に下げている銀色の懐中時計を見せる様に持ち上げる。

 

 

 

「話によれば部分的に止める事も出来るらしいですが、その辺の事は後に回しておきます。ここで貴方様には能力のオンオフを自分の意志で出来る様になって貰います。」

 

 

「そう言う事よ。咲夜の講習と並行してこの私が吸血鬼ってモノを叩き込んであげるわ。」

 

 

 

「れ、レミリアさん?も吸血鬼なんですか?」

 

 

 

「今、年上かどうか迷ったわね。」

 

 

見た目幼女であるレミリア。見た目はちっさいがコレでもギャスパーよりかは長く生きている。種族的に遅いのか、成長が遅い部類に入るのか分からないが、本人もコレから伸びると期待はしている。きっと伸びるかも・・・?

そして図星を吐かれてビビるギャスパー。

 

 

「・・・ひぃっ!?!御免なさい!?」

 

 

「まぁ良いわ。それにその問いに何か意味があって?感覚で同族ってのは分かっているのでしょう?」

 

 

「え、ええ、まぁなんとなくは・・・。」

 

 

「貴方は振る舞い以前に精神的に足らない物が色々あるわ。スパルタになるけどついて来れるかしら?」

 

 

「はい!が、頑張ります。」

 

 

と意気込んだギャスパーに”良い返事ね”と軽くほほ笑むレミリア達。

 

 

そうして皆はそれぞれの場所でそれぞれの思いを胸に己をさらに高める為、修行に励む。まぁ二週間の内、一週間はこんな感じで修行しているのだが、修行だけでは俺達の生活は成り立たないわけで、裏と表のある生活と言うのは両立する必要がある。

その為の時間もちゃんと計算に入れてやっている。ただいま霊烏路 悠は週末の最終授業を受けている最中、傭兵組を覗いた他のメンツも同じく授業を受けている。

 

 

 

――――――ただ問題があるとすれば、眠い・・・!ひたすら眠い!!

 

 

 

別に授業中の延々と語っている教師の話しが分からない訳では無い。

最近、姫さん達の修業とは別に前から続けている自己鍛錬は、何時もの事だからそこまで負担になって無いのだが、日が近づいて来て同盟の際に提出する総督さんと共同でやっている神器開発に追い込みを掛けているのでここ一週間寝れてない。戦闘以外は、何時も締りが無く死んだ魚の様な目をしていると言われるのに、目下にクマが出来ている所為で目がさらに腐っている気がしてならない。

それなら寝れば良いだろうと言うだろうが、そんな事できるわけねぇだろ!!前のアースラの襲撃で取られたデータ。アレには戦術鎧《タクティカル・メイル》などの人型機動兵器、次元航行を可能な強力な装備を持った潜水艦や戦艦の設計図が入ってたんだ!全部最低限の武装を積んだ次元航行艦として建造待ちの設計図をかなりの数持ってかれた。報告に合ったジガンスパーダの件から考えても物質を生み出し、独自で神器を作り出した以上、どれだけの生産量を持っているか分からない。

今回の会談時にテロリスト共を迎え撃つ算段で居るが、向こうが武器型を装備した鎧型、戦艦型の黒き獣製神器で固めた軍団で来られたら迎え撃つ所か此方が全滅必至だ。どれだけの大艦隊や大隊で来るか予想も出来ないのに手抜きが出来るわけがない。此方も大型潜水艦型の神器を一隻と鎧型神器数機を用意するつもりだ。アーシア嬢や木場と同じ魂無しであり、ドラゴン系神器の圧倒的な高出力には劣るが、そこらへんの神器からすればかなりの高性能を誇っている。

使い手も決まっているし、使いようによってはどうにでもなる。まぁ、主力神器はすで最終調整も済ませてあるのでが、先にも言った様に各勢力提出する戦術鎧《タクティカル・メイル》を神器技術で強化したどの環境でも適応可能な鎧型神器、現代兵器を模した武装型神器のサンプルと製法のレポートのまとめとか追われててヤバい。コッソリやってるから代わりにやっても貰えないし・・・・。ああ、眠い。 一段落したら絶対一日寝る。誰が起こそうと知った事か・・・!!

そんな事を思ってる間に今日も授業が終わる。今日の予定は就業時間が少し少なめだ。重要な”臨時会議”があるからな。

 

 

        :『太陽烏』様がチャットルームを作成しました。:

 

:『紅魔王』様が入室しました。

 

 

紅魔王『私が一番乗りかね?』

 

 

:『堕総督』様が入室しました。

 

 

堕総督『俺、一ってもう居やがったのか・・・。』

 

 

:『天使長』様が入室しました。

 

 

天使長『いや、コレはそう言うモノじゃない気はしますが・・・・。』

 

 

:『魔王妹』様が入室しました。

 

 

魔王妹『えっとコレね。・・・ってなんか凄い名前が並んでいる気がするんだけど?』

 

 

:『赤龍帝』様と『白龍皇』様が入室されました。

 

 

赤龍帝『くっそ!!なんで漢字は良いのに三文字以上名前が入れれねぇんだよ!!責任者どうなってんの!!』

 

 

白龍皇『兵藤一誠。誰か分かれば良いだけのモノに一体何を求めているんだ?』

 

 

太陽烏『テメェらはまずトップメンバーが身分バレバレな所に突っ込めよ。』

 

 

:『堕天狼』様が入室されました。

 

 

堕天狼『この内容だと皆さん入ってそう時間は経っていませんわね。私はコンスタンツェ家の頭首、傭兵組の二つの代表で出来ましたわ。』

 

 

:『ソーナ』様が入室されました。

 

 

ソーナ『この様な形で会談をするとは思いませんでした。ですが、早く話が付くのであればそれに越した事はありませんね。』

 

 

:『魔少女』様が入室されました。

 

 

魔少女『外交官としてキラッ★と参上!!レヴィアたんだよ!よろしくね!!』

 

 

太陽烏『皆さん。参加してないだけで他の奴も見てますんでいろいろ自重してくれよ。今ん所これで最後か?』

 

 

堕総督『必要な発言者は一様集まちゃあいるが、ゲストがまだだと思うが?』

 

 

太陽烏『アゼリアと俺だけじゃねぇの?後、誰なんだ?』

 

 

:『スキマ』様が入室されました。

 

 

スキマ『皆さん初めまして、幻想郷の代表として来ました八雲 紫と言いますわ。以後、お見知りおきを。』

 

 

太陽烏『紫さん!?なんで!?』

 

 

堕総督『俺が教えたんだよ。それに最近コイツがそっちで普及してんだろ?なら参加は出来る。』

 

 

紅魔王『会談と開くと決めた時から彼女を招待するつもりだったんだよ。』

 

 

天使長『太陽龍王である君と月狼女王である彼女は、中立者代表としての役割があります。』

 

 

堕総督『だから今回は、少なからず関わっている幻想郷の主にもお越し願おうと思ったんだよ。』

 

 

スキマ『と言う事ですわ。』

 

 

魔王妹『あの、質問宜しいですか?幻想郷とはどう言った所なんですか?』

 

 

スキマ『簡単に説明するなら嫌われ、自分の居場所を追われ、忘れられた者の終着点、その者達を受け入れる場所ですわ。』

 

 

太陽烏『そんで今では見れない様な希少価値のある能力者の溜まり場。・・・・昔まではな。』

 

 

スキマ『今そこは関係ないでしょ。其方の御三方達が無視できない勢力だと言う事だけ覚えていてくれれば良いわ。』

 

 

彼女も此処に出て来てる以上分かるでしょ?と言っている事を理解する。

 

 

紅魔王『まぁ、そう言う事だ。さらに詳しい話は向こうに出向いた時にでも聞いて欲しい。』

 

 

堕提督『自己紹介もそこまでにしていい加減始めようぜ。何時までもこっちの不手際を後回しにされるのは堪える。』

 

 

天使長『実際そうは思っていないでしょう。貴方は。』

 

 

堕提督『そっちは相変わらず俺に対しては辛辣だねぇ。何時もの事だけど。実際の所こっちの落ち度とは思っているんだぜ。』

 

 

太陽烏『はぁ、ノリが軽いんだよ。アンタは。深刻さに欠ける。』

 

 

堕提督『そうか?』

 

 

堕天狼『そうですわよ。一応トップに立つ者なのですから、もう少しどうにかなりませんか?』

 

 

堕提督『あ、おう・・・。』

 

 

約全員『・・・・?』

 

 

天使長と悠が怒った時とアゼリアが怒った時?というより呆れた物言いで注意された時と明らかに反応が違う。

 

 

太陽烏『なんで凄くダメージ負ってんのか知らんが、話進めて貰って良いっすか?』

 

 

堕提督『だ、大丈夫だ。色々脱線したが、いい加減話しに入るぞ。・・・・なんか殆ど吊し上げだなこりゃ。』

 

 

太陽烏『今回、アンタんとこの陣営ばっかしこっちにちょっかい掛けてるからな。統率が執れてない証拠だ。』

 

 

紅魔王『今日の君は、少し棘があるね。』

 

 

太陽烏『一回目は言いませんが、二回目はこっちまで被害が及んでいるんだ。少しは言わせて貰っても罰は当たらないと思いますが?』

 

 

天使長『今回の事でコカビエルに共謀した黒き獣の被害が出ています。其方の方で察知していたのでは?』

 

 

堕総督『だから現場まで俺が出張って来たんだよ。』

 

 

堕天狼『トップの頭が態々、出て来たにしては途中までこっちに押し付けて最後だけ持って言った感じでしたわよ。対処が遅すぎますわ。』

 

 

堕総督『お前らが言いたい事はもう分かっている。だからコカビエルも地獄で永久冷凍にしてある。これ以上叩くのは止めてくれ。それにこっから俺が言いたいとは分かっているだろ?』

 

 

太陽烏『ウチはほとんど干渉していないから今の三竦み、天使、堕天使、悪魔の今の関係は、この世の害悪にしかならないから和平を結んじまおうぜってか?』

 

 

堕総督『ま、そう言う事だ。それに今回の和平は今代の中立者である太陽龍王と月狼女王の願いでもあるんのだろ?』

 

 

堕天狼『ええ、間違っていませんわ。』

 

 

太陽烏『無駄に被害がでかくなるのはこっちも勘弁して欲しいんだ。』

 

 

堕総督『そう言うこった。お前さん達も元々そう言う腹積もりだったんだろ?これだけ被害がでかくなったのだって、互いににらみ合ってた所為で対処が遅くなったからでもあるんだぜ。さらに言うなら今回、コカビエルの件で教会、天使側と悪魔側で少しもめたそうじゃねぇか。』

 

 

天使長『自分ばかり痛い腹を突かれているからと言って問題をすり替えないでください。』

 

 

紅魔王『だが、言いたい事は分かる。このまま続けば対処が遅れた分互いに大きな被害が出る。最終的に再戦という事態になりかねないな。今後もその事を考えての和平とも考えて良いのかね。』

 

 

堕総督『それ以外に何があるよ。それに和平を結んで貰わんとこっちの不手際の清算も出来ねぇ、頭としてのけじめって奴だ。まぁ、これまでの事の迷惑料だと思ってくれてかまわねぇよ。』

 

 

紅魔王『それなりに期待させていただくよ。』

 

 

堕総督『幻想郷の主もこの話に乗って貰って良いか?』

 

 

スキマ『もう蚊帳の外で起こった出来事とは言えませんわね。こっちも少なからず関わっていますし。私達は問題ありませんわ。元々そちらと事を構える気はありません。その前に無駄な戦いは好みませんわ。』

 

 

堕総督『コレでこっちの話は纏まったな。次は理由は言わなくても分かるな。こっちの話では蚊帳の外の白龍皇と赤龍帝についてだ。お前らの考えを聞きたい。』

 

 

太陽烏『ヴァーリ君は強い相手と戦えりゃそれで良い、だろ。戦闘狂。』

 

 

白龍皇『その通りだ。分かっているじゃないか。』

 

 

堕総督『戦争しなくなって強い奴なら巨万といるさ。』

 

 

白龍皇『だろうな。』

 

 

堕総督『次は赤龍帝。お前はどうだ。』

 

 

赤龍帝『あ、え~っと!?』

 

 

魔王妹『イッセー思いだしなさい。コカビエルの件の時に言ったでしょう。』

 

 

赤龍帝『んはっ!?おっぱい!!じゃなかった。はい!!私、兵藤一誠は平和な世の中を願います!!そして俺のこの力は仲間を守る為にしか使いません!!』

 

 

魔王妹『イッセー・・・。』

 

 

太陽烏『字だけだと感動してのか呆れてんのかわかんねぇな。コレ。俺は呆れてんだけどな。』

 

 

赤龍帝『やかましいわ!!どう言われたって俺の考えは曲げねぇ!!』

 

 

太陽烏『へいへい分かったよ。コレで大筋はの話は纏まったな。会談を終える前にちょっと聞きたい事がありますが良いですか天使長さん。』

 

 

天使長『何でしょうか?』

 

 

太陽烏『このチャットを見ているのは貴方だけですか?』

 

 

天使長『いえ、私の後ろに紫藤イリナが控えています。』

 

 

太陽烏『ならもう知っていると判断してよろしいのでしょうか?』

 

 

天使長『はい。』

 

 

太陽烏『そいじゃ、紫藤嬢はそのままで俺がコレから言う事に答えて欲しいんですが良いですか。』

 

 

堕総督『コイツはまた仰々しいな。一体どうしたってんだ?』

 

 

太陽烏『割り込むな。で、天使長さん良いですか?』

 

 

天使長『はい。構いませんよ。』

 

 

太陽烏『答えは出ているのですが、天界のトップである貴方自身の言葉で聞かせて頂きたい。何故アーシア嬢を追放したのですか?』

 

 

その言葉に、それぞれ画面越しに少し緊迫した空気になる。暫くしてその返答が返ってくる。

 

 

天使長『ある程度御存知かと思われますが、神が消滅した後システムだけが残りました。そのシステムを辛うじて動かしている状態です。システムにバグとなる物を優先して取り除く必要があったからです。』

 

 

太陽烏『それはアーシア嬢の神器、どんな者でも回復させる事が出来る能力が原因。そいつだって元々は神様の作ったものだろうに・・・。』

 

 

天使長『そう言われると耳が痛いですね。ですが、信者の信仰は我等天界に住まう源。信仰に悪影響を与える者は極力排除しなくてはシステムの維持ができません。』

 

 

太陽烏『信仰の妨げになる神の不在を知る奴も対象になるか、それがそっちが言う異端って訳ですか。』

 

 

天使長『はい。彼女らにはこの様な事になってしまった事を申し訳なく思っております。』

 

 

太陽烏『心配しなくて良いっすよ。頭痛めながら頑張ってますから。』

 

 

天使長『あの、それはどう言う事でしょう?』

 

 

太陽烏『まぁ、なんといいますか、悪魔になっても神が居なくなってもあの二人の信仰は無くなりません。あの二人は慈悲とかそういうのに縋っているんじゃないんです。

そう言う神様って存在に負ぶさっているという感じじゃないんですよ。尊敬し、敬愛しているからこその祈り。だから、許して貰えるんならあの二人が祈る時の頭痛をどうにかして貰えると助かるんですが、どうにかなりませんかね。』

 

 

天使長『彼女らは、そうですか。分かりました。この世に神に祈りを捧げる悪魔が二人居たとしても良いでしょう。では、会談が終わり次第ダメージが行かない様にシステムを操作しておきます。』

 

 

紅魔王『無事に話がまとまって何よりだ。最後に確認したんだが、ユウ君。会場には最初に指定した日時に集合と言うわけだね。』

 

 

太陽烏『はい。トップを囮にする様で悪いですが、お願いします。』

 

 

堕総督『了解だ。それまでにいろいろとした準備しとくよ。』

 

 

天使長『私の方は後日そちらの方に窺わせて貰います。』

 

 

太陽烏『それじゃ、コレで会談を終了します。』

 

 

 

そうして画面は青い粒子になって消えた。

 




修行回が此処まで難しいとは思わなかった。
次は早めに書けるように頑張ります。



ではまた次回
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。