ハイスクールD×D ~太陽のカラスと龍と赤龍帝~   作:ソースケ_研究中

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すみません。今後の進行で大事な部分で悩んでしまい遅くなってしまいました。
独自解釈分部や改造部分が今回かなり多いです。がどうかご容赦を・・・。
ではよろしく。



誰がツインテールよ!!私には紫藤イリナって名前があるっての!!byイリナ

真夜中、炊事場近くで冷蔵庫中の明かりに照らされながら、くまの所為で目がアレな感じの青年がシャツと短パンの格好で栄養ドリンクを飲む。

 

 

「眠い。でも寝たらヤバい。時間ががががががががが・・・・・。」

 

 

そして睡眠時間が無い事に頭を抱えて唸っているのも俺事、霊烏路 悠であるわけで、相変わらずあの時から一睡も出来て無い。

半妖だろうが、神獣だろうが、龍であったとしても睡眠は必要だと思う。俺の場合は一日六時間は寝たい。最低でも四時間。

三日くらいの徹夜まではそこまで支障は出ないのだが、流石に一週間はキツイ。息切れは無いにしても眠気と倦怠感が半端無い。心情的に深刻だと言っても良い。

後一週間だと言うのにまだまだ仕事が山積み。特有の力で崩壊、消滅しない為の加工技術、宿主が考えただけで大型艦規模のシステムを操作できるようにしてさらに脳の負担にならない様にシステムを簡略する事とか、新しい量産型の武装型と鎧型神器の試運転もまだしてない。後はまだゲシュテルベン返してメンテ回していた三機も取って来ないとって、それは時間が掛からないか。

まぁ、それにしても、あのチャットでの会談を済ませた後、彼女等には余計な気遣いかなとか思い返したがスッキリしないし、目の届く所で”頭痛いです”とか唸られるのも見ていて良い気分しなかった。だから少し突っ込みたい部分もあったし、いろいろ言っておきたかったから天使長さんに追放と異端の件について言及した。

いつもの後先考えて無い行き当たりばったりの発言にアーシア嬢が涙ぐんだ表情でお礼を言って来るし、後でその場に居無かった姫さんを筆頭に若干おちょくったメールがメンバー分届く始末。周りの奴らは周りの奴らでニヤニヤした顔で見やがって!いい加減にしやがれ馬鹿野郎共!!

俺は空になった空き瓶を専用のゴミ箱に放り込んで背伸びをして体を伸ばし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・後一週間、頑張りますかね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして朝、庭の方で頭部には額に丸い目の様なセンサーが両側二か所ずつ付いた黒いヘッドギア。服装は肩の個所が少し大きく、肩と太もも、足首に赤いラインの入っており、肩甲骨辺りに円状の接続部分が二か所ある。生地は分厚く、体の線の出やすい戦闘服の様な黒いライダースーツを着た俺。

さらに両腕、両足は細い黄土色の足具と籠手で覆われ、視界には簡易式の照準器、計器類、速度計、パワーレベル、マップ、平衡感覚を表示した棒の様な表示等を映し出している。

 

 

 

「え、なんだって?」

 

 

「だがら、聞いとるやろうが!こんな服着て球遊びやる必要が何処にあるんや!!」

 

 

 

見知った傭兵組で行われているコレは、障壁系術式による簡易のコートを作り、態々両側に設置式のバスケットリングまで設置して3on3バスケをやっている。

今特殊加工されたボールをドリブルしている俺をマークしているのは、灰色である事以外は全く同じ足具と籠手を付け、似た様な服装の刀舞。

 

 

 

「コイツに関しては特に意味はない。契約神器と同時期に開発した神器。

この神器は契約神器とちがって魂が無い。その代わりに高性能な学習能力を持つ戦術支援AIが所有者のサポートする。それを考えば戦術鎧《タクティカル・メイル》などの強化服(パワードスーツ)に近い役割を持っている。」

 

 

「はぁっ!?」

 

 

「他にも同型AIを搭載した自動人形型もある。それを総称して従属神器《スレイブ・セイクリッド・ギア》と呼ぶ。

鹿角や忠勝の使っている神器と同じ技術で開発された”強襲機兵の戦闘服《アームスレイブ・コンバットスーツ》のRk-92 サベージ”。

コイツもそれに属している。」

 

 

「だから何の関係があるっちゅうねん!!」

 

 

刀舞はそう言いながらもボールを取ろうと俺の手に当てない様に叩いて来る。それを避けながら俺が攻めている方の反対側から走って来るラグナを目で捉え。

 

 

「簡単だ。激しい運動は姿勢制御系術式OSの可動テスト、各関節の連続稼働状況、関節部の耐久テストができる。意味を求めるならば、四肢全てを使うという事を考えると一番このテストに向いているスポーツだからだ。」

 

 

 

「話が長い!!最初っからそう言え!!」

 

 

ボールを突いて姿勢に踏み出す姿勢に入ったので、それを止めようと姿勢をずらすと同時にラグナに片手でパスを投げようする。

それを待っていたと言わんばかりにラグナにはアゼリア、俺には目の前に居る刀舞がブロックに来る。

 

 

 

「はははっ!!大将!甘いわ!!」

 

 

 

「まぁな。―――――ほれ。」

 

 

 

一瞬高く上げた腕をそのまま自然に降ろしながら後ろにボールを放る。思っていた感じと違う事に少しの間固まる刀舞。同じライダースーツを着た野性的な男性。忠勝が後ろから飛び出す様に出て来た。

 

 

「殿!!我の出番だな!!」

 

 

 

「しまっ―――――とか思うか?鹿角ちゃん!」

 

 

 

「承知しました。」

 

 

 

出て来たと同時に刀舞の方の背後からも同じ服装の鹿角が出て来る。この状況、完全に詰んだと思われた。

 

 

 

 

「――――――この距離ならいけそうだな。」

 

 

 

 

後ろに投げたと思われたボールを鷲掴みしたままで俺はその状態からシュートの姿勢に流れる様に持って行く。

 

 

「ちょ、まっ!!」

 

 

「狙いは外さねぇ――――――!!」

 

 

 

 

センターライン前、バックコートからのロングシュート!結果は・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凄かったですよ。あれほど遠くから狙ってリングに当てるなんて」

 

 

「ええ、後ちょっとの所で落ちてしまいました。本当に惜しかったですわね。」

 

 

「・・・ゲームでは負けたが稼働データは取れた。別に良いだよ。」

 

 

「ぷふっ!負け惜しみにしか聞こえへんなぁ。」

 

 

「うっせぇんだよ!タコ!」

 

 

「ウチは猫や!!」

 

 

そういう問題?今バスケさっきやっていたやっていたメンツ。俺とラグナ、忠勝、刀舞、アゼリア、鹿角は縁側で座り、朱乃嬢とアーシア嬢、エスに出されたスポーツドリンクで水分補給をしていた。

本来なら有り余る力にボールがすっ飛ぶんだが、絶妙な力加減で行われたロングシュートはあと一歩の所でリングから落ちてしまった。格好付けた割に最後の最後で運命の女神様は、俺に勝利はくれなかった。その代わりに得た物は戦闘機動並みの連続稼働による稼働データと神器の完成度の証明だけだ。

むしろ俺達の様な人外は見た事あるが、カリスマ(仮)お嬢様を除外した場合で運命の女神様には未だに合った事はない。寧ろ会いたいとは思わないけどな。絶対、全て見えているとかぶっこく糞みてぇで傲慢な性格してんだろうな。元が良くてもそんな能力だと性格歪む。だいたいの神様なんてそんな物だ。強大な力を持ってても考えるのは長く快楽に浸った俺サイコーとか考えているそったれの脳味噌だ。

俺どうだって?そりゃ、今までの俺を見て来ているだろう?力があっても怪我するわ大切な人も守れないくそったれさ。木場の件だって薄々ヤバいなぁとか考えてたのに自分で首突っ込んだ割に殆ど刀舞達に任せってきりだったしな。

ああ、やべぇ。眠い所為で考えがネガティブになっているわ。

今回稼働テストしていた”従属神器《スレイブ・セイクリッド・ギア》”は、眷属神器の劣化品と言うわけではない。性質や構造状は両方とも同じ物だが、魂の有無で分けている。中核になっている物次第で基本性能が変わるのは組織だろうと機械だろうと同じだ。従属神器は特殊能力を有する魂を内蔵しない分かりに戦闘支援AIを核としている。

AIの役割は所有者の戦闘補助。術師に対する術的妨害や術的隠蔽などのが出来る術式電子戦、戦闘機動の補助。禁手化すればさらなる能力の向上と鎧状態になる為、中は密閉空間になっており、空気汚染がある地域や適切な装備あれば水中、空中、宇宙での活動が可能。さらに自己修復能力まである。

それ以外にも先に言った同型AIを搭載した自動人形もあり、戦闘特化型、事務処理特化型、戦闘から艦制御、身の回りのお世話まで出来る侍女型自動人形。基本どれもコレも”人形”って言う様に人型をしている物ばかりだ。

両方の共通点を上げると入れ物として完成している為、高位能力を持った魂を内蔵すると契約神器に早変わりする。他の使い道としては希望する不治の病を患った病人や体の弱い人などの体を自動人形に改造するか、魂を人形に入れ替える。

データとしては機人達の物がいっぱい残っている為、やろうと思えば普通に可能だ。今の技術だと外面以外に中も再現が可能なので今までと同じ生活のできる。完全な生身か機械との併用化した言わばサイボーグみたいな物を選べるのは、既に人体に近い何かと言っても良いかもしれない。

と言ってもこう言うのが増えると体を入れ替えて擬似的な不死に行きつこうと考える輩がいるんだろうな。本来求めた結果では無く副次的に発生した結果でしかない。

後、総督さんとの共同開発で出来たのは三種類、契約、従属、そして”武装”。名前は”武装神器《アーム・セイクリッド・ギア》”。名の通りの武装の神器。役割は固定武装が少なからずある従属神器の後付け武装。魔剣創造《ソード・バース》等の創造系神器の特性である製造能力。

使用者のイメージによる製造能力の自由度は無いが、予め覚えさせている武装などを製造する事が出来る。銃火器、刀剣、防具が一般的で一つだけの特化型武装等もある。頑丈さは総督さんの折り紙つきだ。

とりあえずこんなもんか。―――――って、なんかいろいろと脱線し始めたな。俺はデータ取得の為に使ったサベージを皆から回収してハードポイントの収納空間に戻し、とりあえずバスケに使った備品を片付けた後、制服の夏服に着換えて薄い夏仕様の緑のマフラーを身に付け、縁側に戻って来る。

涼しそうな白いワンピースに着換えていたアゼリアが縁側に腰を掛けており、その彼女に声をかける。

 

 

「うん?皆はどうしたんだ。」

 

 

 

「朱乃さんとアーシアさん以外は皆さんそれぞれ今日は用事があるそうなので居ませんわ。

・・・・先日プールに入ったのにまだそのような物を付けてらっしゃるのですか?」

 

 

 

「コイツは俺のトレードマークなんだよ。それにこいつは夏仕様だ。」

 

 

 

「そう言われましても。この季節にマフラーと言うのは・・・。」

 

 

 

「なんと言われようとも外すつもりはねぇ。」

 

 

そう言いながら俺は彼女の隣に腰を掛け、居間の方や洗面台方面から物音が聞こえるから後の二人は家事をやっているのかと思う。

清々しい程晴れやかな青い空、近年より早めの夏の暑さを感じさせるじりじりと照りつける太陽。熱や炎に耐性の無い者に対しては熱く感じる日差しも俺にとっては意味を成さない。体質の関係上暑さにばてる事はないが、夏と言う季節の醍醐味である夏の暑さと言うのを楽しめないのは、少し残念に思う。

 

 

「まだ引き摺っているのですか?」

 

 

「そう見えるか?――――俺は何時も通りに過ごしてるぞ?」

 

 

「ある程度拳と拳合わせたい相手なら大抵の事は分かります。」

 

 

「何それ、剣士同士の打ち合えば分かる的なコミュニケーション?俺のは杭だけどな。」

 

 

「根元と言うか根本と言うか、そう言うのが分かるのですわ。貴方の今の雰囲気とあの時と違います。イメージ的に何時もはかなり飄々としているというか、めんどくさがりだとか、ダメ人間もといダメ烏?」

 

 

「ちょっと聞いてる?何、貶したいの?心配してるの?どっちよ。」

 

 

1人で話を進めるばかりでちっとも人の話を聞かない目の前の御令嬢をジト目で見る。それを気に止めた様子も無く話を続ける。

 

 

「とにかく、今の貴方は彼女の時同様あまり余裕が無いように見えます。」

 

 

「無理矢理纏めちゃったよ。この人。―――――まぁ、最近少し余裕無いってのはあるな。提出用のサンプルとかレポートとかあるから。」

 

 

「そう言うのではないと思うのだけれど?」

 

 

「会話はキャッチボールだって誰かが言ってた気がするけど、明後日の方向にブン投げられても返球出来ないからね。

さらに言わせて貰うなら一球だけ急所に叩き付けるようなのあったし・・・。

まったく突然過ぎる。―――――――何だよ。主語言え。主語。」

 

 

「・・・彼女の事ですわ。貴方が引き摺っているなんてこの事以外ありますか。」

 

 

「決定事項かよ。なんでそうなんだよ。」

 

 

実際言われると否定できないのがアレだが、コイツも普通に話ずらい事を言って来るよなホント。まぁ、この御嬢様が差し障り無い様に聞くとかそんなまどろっこしい事やる様な性格してない無いのは、分かると言うか、見た目通りと言うか、想像通りと言うか・・・。

 

 

「私が彼女事を聞いた時はアレ程の反応を見せた方が言う事ですか。」

 

 

「・・・・。」

 

 

「此方がある程度何かしても、特に肝心な時に女性に対してそれ以上関係が深くならない様に一線を引いている感じですし・・・。」

 

 

「ああ・・・。あ、うん?そうか?俺、隠し事をしている自覚はあるが、そこまで突き放す様な事はしてないと思うが?」

 

 

「自覚無しですか・・・。戦いと仲間が危ない時は勘が良いのに、どうしてそこで躓くのか理解苦しみます。」

 

 

「ねぇ、今さっきから何なの?もしかして怒られてるの俺?なんか悪いことした?」

 

 

嫌味や駄目だし、なんかコレ、途中から怒られている様な気がするが、一応心配してくれているのか?

何があったかは彼女自身には詳しい話をしていないが、それでも感じる物があったのかもしれない。何時も通りにしているつもりなんだが、と言っても栄養剤頼りで目にクマ出来ている状態では説得力に欠ける。アレ?なんか居間の朱乃嬢とアーシア嬢の気配が無い?買い物にでも言ったのか?声掛けなかったって事は別に俺がら居なくても大丈夫って事か。

気配を探るのを止め、今の自分に呆れ、気分転換に綺麗な空でも眺めようと視線を突きぬける様に青い空を見上げると

 

 

 

「なぁ、今日光が降ります的な現象が起きるって天気予報言ってたか?」

 

 

「はぁ、何を言ってますの?」

 

 

「いや、アレ。」

 

 

「・・・あ。」

 

 

その後の行動は早かった。慌てるように玄関まで走って靴を履いて神社の社の方に走る。

 

 

「時間見て無かったぁ!!」

 

 

『すまん。雰囲気的に話しかけずらかった。』

 

 

「レーネ!!時間!!」

 

 

『みっともないですわ。淑女たるの者もう少し落ち着きを持ちなさい。』

 

 

落ち着いてる場合じゃねぇ!!予定じゃ姫さんや兵藤も来ている。出迎えはアーシア嬢と朱乃嬢+俺達なのに完全に出遅れた!

空を見ると襟と肩を覆う鎧様な西洋の法衣を着た優しそうな金髪の男性が、六対、十二枚の金翼を広げて降り立つ姿が見える。その背後に見覚えのある白いローブに茶髪ツインテの姿があった。

俺達が走って来ているのを目にして

 

 

「おや、来た様ですね。」

 

 

「すいません遅れました。昨日は話に付き合ってくれてありがとうござます。」

 

 

「いえ、あの対話の御蔭で貴方がどう言う者か知る事が出来ました。それを考えれば文面とは言え、直接話せたあの時間はとても有意義なものでありました。」

 

 

「こうして対面するのは初めてですわね。天使長ミカエル。改めて名乗らせていただきますわ。私はコンスタンツェ家の頭首、アゼリア・コンスタンツェですわ。以後お見知りおきを。」

 

 

「ええ、今後とも良い関係が気付けるようよろしくお願いしますね。ミズ・アゼリア。」

 

 

「信用問題になる可能性があると言うのに遅れて・・・。相変わらず。締りが無いわね。一応聞くけどなんで遅れたの?」

 

 

「「人生相談?」」

 

 

「何故疑問形!?」

 

 

そう言って首を傾げながらアゼリアと俺が言うと兵藤がツッコミを入れる。朱乃嬢は何時ものあらあら、うふふの笑み、アーシア嬢は苦笑。明らかに総督さん並みの力を感じる天使。たぶんあの人が天使長さんだろうな。アーシア嬢の隣で呆れ顔で見ているのは

 

 

 

「なんだよ。ツインテール。」

 

 

「誰がツインテールよ!!私には紫藤イリナって名前があるっての!!」

 

 

「そうかい。その様子だとアーシア嬢とは仲良くなれた様だな。」

 

 

「はい!コレからゼノヴィアさんも呼んでお話しようと話していた所でした。」

 

 

「あ、アンタなんかにフォローして貰わなくたって自分に落ち度があった事なんて自分で気付けてたわよ!!」

 

 

「ああ、そうかい。ならほれ!」

 

 

そういって白と赤のハードポイントを彼女に向けて投げる。それを難無く手に取ると

 

 

「コレって昨日ミカエル様が使っていた者と同じヤツ?どう言うつもりよ。どうしてこんな物を渡して。」

 

 

「そんなもんで護衛ってのも締まらねぇだろ。」

 

 

前に感じた時より微弱だが擬態の聖剣を感じる。聖剣狂いの爺さん神父が聖剣を統合する時に使われ、木場が聖魔剣で纏めてぶっ壊したと聞いている。だとするなら今彼女が持っているのは擬態の聖賢のレプリカ。そんなもんで天使長さんの護衛は無理だろ。

受け取った彼女のハードポイントが此方が設定した所有者を確認すると展開し、収納空間から熱く燃える様な赤い色をした宝玉を吐き出す。

 

 

「そこのエロ助や俺と同じドラゴン系神器”紅鋼龍の籠手《エンハンスド・ギア・レッドフレーム》”だ。本体は籠手だが武器は刀だ。お前さんなら使えるだろう?」

 

 

 

「こんなの――――!!」

 

 

 

「ああ、それと俺を見返したいならそいつを使いこなしてみな。さらに言うならそいつはゼノヴィア嬢が持っているブルーフレームとは兄弟機になる神器だぜ。そいつを突っぱねたら彼女なんて言うかな?」

 

 

 

「ああ、もう!!わかったよ!!使えば良いんでしょ!!――――ミカエル様。私達は少し席を外させていただきます。」

 

 

「ええ、ゆっくり話して来て良いですよ。」

 

 

「お許し頂いてありがとうございます。では失礼します。アーシアさん。」

 

 

「あ、はい。では皆さま失礼しますね。」

 

 

怒り顔をどうにか押えて取り繕う様に天使長さんに進言する所を見ながら思う。というか煽った俺が言うのもなんだけど、かなり嫌われたなぁ。

まぁ、少し頭に来たから初対面から馬鹿にしていた所為もあって凄く煽りやすい。ゼノヴィアの事にいたっては一緒に神器を使ってくれないからってしゅんとする様な正確ではない事に気付くのは何時になるか・・・。

彼女自身にも少し負い目があるからそんな事、直に頭に浮かばなかったのだろうな。天使長さんと朱乃嬢以外の周りの視線が痛いが知った事ではない。無駄口を叩きながらも神社の本殿に入る。

中は普通の内層より少し広めで床は板張り、何時も掃除に駆り出される俺達でも流石に朱乃嬢にいろいろ聞かんとどうやって手を付けて良いのか分からない。祭って無いと言ってもそう言うのには気を使う。掃除の仕方が分からなくても使っている物が本物であるのは分かる。何かの拍子に壊しでもしたら眼もあてられないからな。

朱乃嬢が神前を背にするよう座り、俺達は立っている天使長さんと対面する様に正座で座っている兵藤の後ろに姫さんとアゼリアと並ぶ様に控えている。なんでも今代最弱である兵藤に友好の証と和平の願掛けの為に龍殺しの聖剣”アスカロン”を此方に譲るらしい。

牙や角を折ったり、鱗引っぺがしたり、腹をかっ捌いたり、龍を解体出来る様な十徳ナイフの要素を持った強大な剣を想像していたのだが、見た目がちょっと装飾の凝った西洋の剣。能力と形から来る機能性を少し期待していたのだが、少し見た目にガッカリ感がある。だがイグニスが使う龍神殺し程で無いが、あの剣から感じる龍殺し力は本物みたいだ。

残念そうな顔が少し顔に出ていたみたいで、天使長と朱乃嬢からは苦笑。姫さんとアゼリアには失礼だと言わんばかりに睨まれた。

天使長さんに言われるがままに兵藤はアスカロンと同化、手の甲の先からアスカロンの刀身が飛び出ている。昔、香霖堂のどっかに埋まっていた漫画で某錬金術師が鋼の義肢を刃の様に練成していたのを思い出す。でもアレは手首から出てた気がする。まぁなんにしても修行の甲斐あってかスムーズに取り込む事が出来た様だ。

コレで天使長から兵藤への用事は終わったようだ。それで俺は

 

 

「そっちの用事は終わったようだな。じゃあこっちの用事を済まそうか。」

 

 

「ええ、分かりました。」

 

 

俺は立ち上がり、前に出ながら赤、青、緑の三色に分かれたクリスタルで出来た羽飾りを収納空間から取り出して天使長さんに渡す。アゼリアや朱乃嬢は特に何か反応を見せなかったが、姫さんや兵藤の方はどう言う事かと眉を顰めがらその光景を見る。

疑問を解消するべく姫さんは

 

 

「貴方の用事って彼女だけじゃなかったの?」

 

 

「それだけで良いなら良かったんだけどな。そう言うわけにはいかんのよな。特に技術の独占って言うのは要らん争いの火種になる。」

 

 

「・・・?」

 

 

「霊烏路 悠。それでは他の皆が話を掻い摘み過ぎて理解できていない。トップ会談の時に各勢力から技術提供する話をしていました。彼からは術技術の基礎資料と製作した神器、神器製作技術を受領・・・。」

 

 

「天使長さんからは、俺が製作した従属神器”機械天使の三翼《アクエリオン・トリニティウィング》”の稼働データを送って貰う事だな。長だからあんまし使う機会がないだろうけど、一応ね。ああ、不備があった場合アフターサービスもばっちりだ。」

 

 

「本当に良いのですか?アスカロンの件は私用。私が言うのもなんですが、少し貰い過ぎている。」

 

 

「稼働テストはしているとは言え、天使長さんに直々に使って貰うんだ。コレぐらいしても足りないくらいだと思うけど?

まぁ、天使長さんの気が済まないと言うなら、また戦争が起こらない様にして貰えれば良いです。」

 

 

「分かりました。この和平が続き、平和が続くよう天使の長として全力を尽くさせて頂きます。」

 

 

真剣な表情の天使長さんに対して何時も通り気の抜けた返事をする俺に姫さんが

 

 

「その神器って各勢力のトップに作ってあるの?」

 

 

「おう。大分前に総督さんはもう渡したが、魔王さん分も稼働テストは済ませてある。特に魔王さんに合わせて神器は装甲や武装を作るのは骨が折れたぜ。――――――――性能なら心配するなよ。頭である威厳を損なうような手抜きはしてないから。」

 

 

「いや、私はそこは心配していないけど・・・。」

 

 

各勢力のトップと言う事は実力は各勢力の中ではトップクラス。それに各それぞれに合わせた高性能神器はまだ威力を見ていないから未知数。と言っても逆に弱体化する事は無いだろう。

平然とドラゴン系神器とか言ってポイポイ出して来る悠が本気で作った神器だ。中身が無いとは言えかなり強力な神器に違いない。リアスが危惧する事があるとすれば、天使長と魔王様は大丈夫だろうが、あのノリが軽いと言うか、いい加減と言うか、茶目っ気がある総督に強力な神器を持たせて大丈夫なのだろうか?もしかすると勢い任せに辺りを吹き飛ばす可能性がある。嫌な予感が当たらなければ良いけどと内心今後どうなるか心配でしょうがない。

 

 

 

それから皆でアーシア達の為に少しでも話せる時間を作ろうと適当な雑談を交えていると気付けばもう昼前だった。

その後は後から合流したゼノヴィアと笑顔で居るアーシアとイリナを見て悠は少し笑みを見せる。それを見たイリナは手の上で転がされている感じがして癪に障ったのか、彼を視界に入れた時には不機嫌そうな表情だった。

それでも少し照れた感じに

 

「アンタにこんな事言いたく無いだけど・・・。何も知らないで決めつけていたこっちに非がったのは分かったし、私達の問題が解決したのは、アンタの御蔭だから一応、お礼は言っておくわ」

 

とそう言って来た。悠は面食らったが少し間を開けて笑いながら

 

 

「ああ、そいつはどういたしまして・・・。お礼ついでにその俺に対して突っかかって来るのを如何にか出来ないか?」

 

 

と返した後、調子の良い事を言うなと言わんばかりにイリナは吼える。

 

 

「この!!―――少し気を許しただけで調子暮れてんじゃないわよ!私を思いっきり馬鹿にした事許してないんだからね!!」

 

 

彼女はアッカンベーして直に苦笑するミカエルの傍に引っ込んだ。相変わらず初対面の心象が強すぎて敵意が半端無い。

後は適当に挨拶を交わして解散。

リアスは襲撃者達の抑撃プランの打ち合わせ、アーシアとゼノヴィアは日用品の補充がしたいが、ゼノヴィアが地理に詳しくないので案内するらしい。アゼリアは鍛錬と皆それぞれ用事があるようだ。天使長さん達が言った後、皆はそれぞれの目的地に足を向けた。

そして俺はと言うと、転移術式を使って博麗神社に来ていた。

本殿の縁側では、だらしなく寝くさっている彼女は一向に起きる気配が無い。どうしたものかと思っていると重い足音を響かせ、此方に歩いてくる者が呆然と立ち尽くしている俺に

 

 

 

 

「―――――あら、コレは珍しいお客さんですね。」

 

 

 

 

優しそうな聞き覚えのある声に視線を向けると、そこには竹箒を持った青いアルトアイゼンと言った所か、俺が使っているアルトアイゼンとは細部が違っており、頭部の角は”ダレイズ・ホーン”、両肩は角張っていて三面構造のハッチ。実は開いたハッチの内、中段裏側にもクレイモアが仕込まれている”レイヤード・クレイモア”。左腕は大口径の機銃と盾と名ばかりの複合武装があり、機銃は”五連式チェーンガン”、盾の形状をした展開式クレイモアは”シールド・クレイモア”と言う武装が目立つ。共通武装として右腕部に回転式弾倉のパイルバンカー”リボルビング・ブレイカー”があり、重量の増加に合わせて推進機も増設、出力が向上している。そのままのサイズで装備をグレードアップさせたような姿と言っても良い様な感じな彼女?は

 

 

 

 

「久しぶりだな、楠舞。」

 

 

 

 

「お久しぶりですね。悠さん。」

 

 

 

彼女は”楠舞 神夜”と言う名の神機人でアルトアイゼンより早期に作られたが、その後継機に当たる”アルトアイゼン・ナハト”を憑り代にしている。

いろいろ神的要素を施された巨大刀の破片を元に魂魄珠を構成された彼女は、元々は奉納する為の舞に使われっていたのか、邪悪な物を退治する為に使われていたかわ知らないが、かなり力を持った巨大刀の神霊だ。俺が知っている永琳先生とこのニート姫と下の名前が似てはいるが、漢字が一文字違うし、彼女の人化した場合とあのニート姫さんだと美しさのジャンルが違う。どっちかって言うとニート姫さんは、見た目はアーシア嬢の様な美少女の方に分類されるが、楠舞は朱乃嬢やウチの姉ぇちゃんと同じ女性としての美しさと言いべきか、服装がきわどいし、胸も100前後と同クラスと来たもんだ。

彼女は完全にセクシー枠の方になるのだが、こんな重厚かつ重武装ボディから想像できない様なギャップが初めて知った人達にとんでも無い驚愕を皆に与える。

そして家の中では人化しているが出かける時などは防御力高いこの姿でいる方が多い。巨乳防御が出来るから人化状態でも大丈夫じゃないかと思うが、子供にも人気で買い出し中に”ある人”に親の敵の様に見られる様な事が無いから彼女曰く”この姿の方が何かと都合が良い”らしい。難点と言えば、この姿だと狭い所に入れない事と家の中に入れない事だ。コンクリの屋内などだったら大丈夫なのだが、普通の住宅だと言うより、幻想郷では木造建築が一般なので土足で上がってしまう上、さらに床を踏み抜いてしまう。

そんな彼女は

 

 

 

 

「今日はどういう御用で来られたのですか?」

 

 

 

 

「うん?ああ、一応用事だ。・・・っと、その前に霊夢の奴が技術更新しろってメールぶっ込んできてたから早めにこっちに顔出したんだが、この様子じゃ駄目だな。」

 

 

 

 

「あはははは・・・・。」

 

 

 

俺の言う技術更新と言うのは、他の連盟を組んでいる他世界に負けない様に術式関連を中心とした事業関係も此方で立ち上げ、日用品から娯楽、戦闘用まで扱っている。

そしてその術式を開発した俺が立ち上げたにとっちゃんとこの河童と連合組んでいる企業”三つ足の烏《みつあしのからす》と河童機工《かっぱきこう》を起点に幻想郷の他の起業した奴らに技術提供している。此処も博麗神社を事務所とした一種の会社と言っても良い。到頭、食い扶持に困った霊夢が社長として立ち上げた”HAKUREI《はくれい》”。

俺とにとっちゃんとで作った術師の能力強化、付与したり、専用武装の装備を目的とした機殻。系統によって外見が違うが、男性用はライダースーツの様な服の上に鎧型か、駆動式の戦術鎧、布と術式付与した装甲板を使ったり、ジャケットに装甲板を仕込んだりした装甲服。女性用は決まってぴっちりしたレオタードの様な服装を元に組まれた術式強化武装。

 

 

 

 

 

―――――――――――”強化機殻”

 

 

 

 

 

その力は組み立て方次第で、弾幕ごっこのルールに従わない他の世界から来た強力な悪鬼や妖魔、神を退治する事が出来る。

彼女自身が組み上げた強化機殻をはじめとした神社系統の代名詞であるお祓い系術式、主に近距離、付加、防御、攻撃、一撃必殺系を売りにした術式が豊富だ。

どうにも霊夢んとこに居候している嘗ては鬼の四天王として恐れられた鬼の萃香のあ姐さんの影響が出ているのか、近接打撃系の戦種に好まれる強化機殻や術式が多い為、武士や拳士系の人達が主な固定客になっている。

話によると前に使っていた符術では懐に響く為、術式格闘戦に特化した近接術師に鞍替えした。最初は節約の為にと考えて始めた戦闘スタイルが天職と言わんばかりに合っていたようで、今では神も泣いて逃げ出す最強の打撃系巫女で名が通っているらしい。

そして彼女としてはお金が入るが、女性客を妖怪の山の矢守とこの早苗が霊夢に対抗して立ち上げた”YAMORI《やもり》”に持っていかれるのが悩みだ。

あそこは同じお祓い系も扱っているが、あの二神を信仰しているから軍神と祟り神を影響で遠中距離 付加、呪詛、天候加護、戦闘支援系を売りにした術式や強化機殻が豊富だ。

それを扱っている早苗の戦種は遠中距離術師、同じく神すら呪い殺す最強の呪術系巫女で名が通っている。浮気出来ないようにする軽いお仕置き呪い的な術式が買えるから女性客、特に嫉妬深そうな女性が多い。類が友を呼ぶとは言ってはいけない。呪われても知らないぞ。

 

他に代表的なのは、魔理沙達の様な魔女や魔術師等が使う魔術、付与、元素操作、自動人形の魔術OS系を主体とした術式を販売。後は箒などの飛行系の追加外装、魔女や魔道師、魔法騎士風の強化機殻。などの魔術師系統。

紅魔館のパチェリーが気紛れで作った溜まりに溜まったいらない魔術品を売る為にレミリア達が立ち上げた”紅魔の魔導書《ロートデーモン・グリモワール》”術式、強化機殻の主体は 支援 付与 五大元素魔術。

以前に説明に出てきた協力者である人形使い事、アリス・マーガトロイドが研究資金を得る為に立ち上げた”魔導師の人形工房《マーギアー・プッペウェルクシュタット》”術式の主体は 支援、魔術OS使用の自動人形。

そして魔理沙が強化機殻の維持費と、その過程で出来た売れそうな魔術道具を資金に変える為に立ち上げた”魔法使いのまじない《ヘクセ・ベシュヴェールング》”術式、強化機殻の主体は 支援 付与 黒魔術《減衰、消去》白魔術《回復、加速》。どれもいらないとか研究過程で出来た魔術品が殆どを占めるが、どれも完成度が高く、有効活用可能な物ばかりで人気が高い。

 

 

―――――とまぁ説明はここまでとしてどうしたものか、と考えていると空に、明らかに弾幕ごっことは別の戦闘音が響き渡る。言ったに何かと視線を空に向けると、箒に立つように乗った何時もの服装に、首に黒と金の装飾を施した箱形のハードポイント、腰の両サイドに同様の装飾と配色の箱形ケースを取り付けた魔理沙が蝙蝠の様な黒い人型の化け物を追いかけていた。

 

 

 

 

「んあ?―――――――あらぁ魔理沙じゃねぇか、精が出るなぁ・・・。」

 

 

 

 

「退治して送還してしまえばお金になりますからね。」

 

 

 

 

他世界から来て悪さをする悪鬼や妖魔、神は基本、退治=元の世界の送還というシステムになっている。どれだけ酷かったかでランク分けされ、向こう警察機構で処罰する様になる。そうする事がルールを違反した者に対する他世界との取り決めとなった。まぁ、基本はだが、彼女達も少なからずあの神妖機人異変で意識が変わっている。殺生しないで済む事など無ければいいのだが、それでも止まらない者にはやむ負えない。それが抗う力だと認めたくわないが、それでも”ごっこ”による決闘方法ではもう抑えられなくなってきている。

そして彼女が言う様に通常の退治は送還するとランクに合わせて報奨金が貰えるので、賞金稼ぎを生業とする幻想郷住民も少なくない。その為に戦闘系の神社系統、魔術師系統品が良く売れる理由でもある。

そんな事を考えていると箒で空を掛ける彼女は、化け物が襲ってくるのを紙一重で潜り抜ける様に交わすと、五本の指の間に挟む様に持った翡翠の結晶の様な四つの十円サイズのコインを黒と金の装飾を施した六芒星の魔法陣型ホロウィンドウの中央にある黒い四角い画面に放り込む。中央の黒い四角い画面に『kanone』と表示されており、下にある出力計器やメーターに大きな変化が訪れると、魔理沙が

 

 

 

 

 

 

「――――マーカー確認!!演算終了!!!装填!!コイツで終わりだ!いけ!!」

 

 

 

 

 

六芒星の魔法陣型が青白い輝きと共に、発砲音の様な破裂音が響き、術式により効果を与えられた弾丸を撃ち出し、撃ち出された弾丸は避け様とする化け物に吸い込まれる様に全弾命中、小規模の爆発を起こした。

落ちて行く化け物を囲う様に『送還』と表示された四角いホロウィンドウが展開し、青白い光り包まれてその姿を幻想郷から消す。彼女が持っていた送還用の術式が発動したのだろう。彼女達が使う魔術、魔法は以前の物と違って化学と結びつき魔力などの力を数学的に考えるシステムが主流となっている。

魔術を行使する為に力を最小単位まで細かく詠唱計算、力を無駄無く効率良く扱う事が出来る利点があるが、演算が複雑過ぎる。―――――――と言っても元々錬金術など化学を扱う彼女達はとってはあまり苦では無かったようだ。それにこの術式が開発されて魔術をより効率良く発動させる事が出来る様になったとも言われている。

そして魔理沙の所の”魔法使いのまじない《ヘクセ・ベシュヴェールング》”の売りは遠隔魔術を使い箒で空を駆ける高速空中戦闘を主体とし、その機動は殆ど音速を駆け抜ける戦闘機と言っても差支えない。さらに彼女の使う弾丸”硬貨型加工魔力弾”は魔力を加工して高硬度で結晶化し、弾丸とする。元々力の塊である為、術式付加も簡単なので採用された弾だ。

彼女の後ろから白と赤の騎士の風貌を持つ装甲、アルトアイゼンに比べて少し細身、右腕には身丈以上の長さがある銃床にコードが付いた実弾とエネルギー弾の撃ち分け可能な長銃を持っており、左腕には三門の短銃身の物が付いて、背中には左右に二つ、上に尾翼を加えた合計五つの白い翼、左右の耳飾りが翼の形で頭は額当ての様な装甲に翡翠の猛禽類のような鋭いカメラアイがある人型、ヴァイスリッターの後継機である”ヴァイスリッター・アーベント”だ。中身は彼女の相方、

 

 

 

「―――――そっちは終わったか?マイパートナー・マリサ。」

 

 

 

 

「こっちは終わったぜ。ハーケン。」

 

 

 

 

彼女と同じ神霊にまで上り詰めた神機人。拳銃の神霊”ハーケン・ブロウニング”だ。人化時はいっぱい付いているベルトが目立つ黒いコート、赤いスカーフを首に巻き、黒いテンガロハットを被った銀髪のイケメンガンマン。そして行ってしまうかと思ったが、此方に気づいた魔理沙とハーケンと視線が合って1人と一機が此方に降りてくる。

 

 

 

「ハーケンさん。魔理沙さん。」

 

 

 

「OK、御機嫌プリンセス。―――――とドクターユウ。元気だったかい?」

 

 

 

「よう、悠。久しぶりだぜ。今年は頻繁に帰ってきているらしいが、かなり忙しいのか?」

 

 

 

「俺は元気だよ。忙しいと聞かれりゃまぁそうなんだが、なんにしても魔理沙は前に合っているが、ハーケン共々元気そうで何よりだよ。」

 

 

 

神社に学生、巫女、機人、魔法少女にガンマン。近未来物だが、ファンタジー物だが、西部劇だが、既に世界観がぶっ壊れっていると言っても良い程におかしい事になっている。色々関与している自分でも物凄く今さら過ぎる事を思う。こんな感じに色々と進化した幻想郷が外界と交流したら一体どうなるか・・・・。

此処まで来るまで閉鎖的な世界であった此処は、昔と違ってかなり他の世界との往来が激しくなってる。トラブルを呼び込むが、衰退しない事を考えると必要であった事だとも思う。昔と違って外の世界の修羅神仏共を相手できる強さを幻想郷は得た。活躍が良く耳に届くのは、鬼神の巫女に墜天の魔女、ようは魔理沙と霊夢の活躍。俺達の扱う力の基礎である”術式”と言う力は色々なモノから手を加えられ、概念や事象にも干渉する程に昇華された。人の身でありながら、いや、彼女達も力の対価として根っこの辺りが少し変容しているが、途方も無い程高位な人外共の強靭な肉体を傷付ける所か、滅する力を得た。

色々な世界を通じて確立された四つの力。”妖や鬼の力”、”霊や魔、聖の力”、他に”機械の力”、”獣や呪術の力”。力を求めた者は少なからず人の姿を保ちながら変容している。神や魔王に太刀打ちできる者、それに相当する力を行使する者の魂は変質し、それは肉体にも影響を及ぼす。全力で力を行使する際にその力の元となった種族の特徴を現す。

元々超常現象を起こす力と同調しやすい俺達、妖魔神共と違って”人”と言う種が発展させた討滅技術の結晶と言っても良い。

自分達も同調しやすい様に己を改造して概念や事象を操る高位クラスの術式技術を行使できるようにする。デカい力を扱う分で少ない代償を払うと言ったら種族特有の力を得ると言うのが手っ取り早い。簡単に言うと人為的にハーフを作り出す技術とも言って良い。鬼は驚異的な体力や防御力、怪力、墜天使は単体での飛行能力と膨大な力を得る事が出来る。と言ってもこの自己改造はそう簡単に出来るものではない。才能や適正が深く関係し、極めた先に人間としての限界が見えた結果、辿り着いた境地とも言っても良い。

才能はあったが、人間であった為、限界が見えていた博麗の巫女が一番最初に見つけた術式がコレだった。昔から守銭奴以外に”鬼巫女”とか呼ばれていたが、本当に鬼としての適性があるなんて誰も思わないだろう。死人を出さない為に布いていた決闘法である”弾幕ごっこ”も今では上手く機能していない以上、力は必要だ。

以前より付いた幻想郷の力は、神器に変わる力を得て十分太刀打ち出来る程に発展、成長している。

 

 

 

・・・・・・とか、考えていても時間が過ぎるばかりだ。俺は

 

 

 

「久しぶりに出会ってそうそうで悪いが・・・。」

 

 

「初っ端からworkの話か?ドクターユウ。」

 

 

「ああ、魔法使いのまじない《ヘクセ・ベシュヴェールング》とHAKUREI《はくれい》に仕事だ。内容は襲撃に対する抑撃だ。」

 

 

「ほう。何時やるんだ?」

 

 

「来週の週末に派手にドンパチやらかす。一筋縄でいかん相手だ。今回は何時もの捕縛では無く撃破、撃墜。」

 

 

「必要な装備は?術式装備、武器弾薬はどうなります?今回は流石に霊夢さんはかなりピンチなんですけど・・・。」

 

 

「そんなの何時もだろ?節約戦闘なんて甘っちょろい事言える数でも強さでもねぇんだわ。今回は普通の奴と違って専用術式によるコーティングをしないと攻撃が通らないきたもんだ。弾薬と装備はこっち持ちだ。―――――何だよ。」

 

 

楠舞は今ナハトのままなので表情がまったく分からないが、凄く申し訳なさそうと言うか、竹箒を持ったまま頬を描く様な仕草をする。

 

 

「前の仕事で油断して、霊夢さんの強化機殻が壊れてしまったんです。」

 

 

「はぁ!?壊れたってあの重装甲の壱番がか?」

 

 

霊夢が仕事に使っている強化機殻は、専用に組み上げた一撃必殺型の重量級強化機殻だ。

見た目は、前に鋭角に突き出し、頭頂部まで覆う赤黒いクリスタルの額当て、リボン型のセンサー。頬を隠す装甲の襟首があり、赤と白の羽織型と袴型の分厚い装甲服、分厚い鬼面型シールドとストライクパイルを備えた丸太の様に太い強固で巨大な両腕が一番目立つ。

装甲服である羽織と袴の内部には術式処理された銃火器が大量に積まれており、高出力の光学兵器も使え、羽織の裾のあらゆる個所に装備された錨を射出して相手の肉体ごと霊魂に突き刺さし、捕縛する事が出来る。刺されば霊夢が解除しない限り決して抜けない無理に引く抜くと神器保有者から神器を抜くと同じように魂に致命的なダメージを負う。

そしてこの強化機殻の必殺武器である肘のストライクパイルで圧縮された空気と祓う力を鉄拳と合わせて打ち出し、神であろうと祓い打ち滅ぼす事の出来る最強の拳を持っている。

節約する為に内蔵火器を使わず主に霊夢は錨で相手を突き刺して引き寄せ、一撃必殺の拳で止めを刺す。さらに重装甲でありながら自分の能力を使う事でスピードを損なう事は無い。

堅くて速い、それでいて繰り出す拳は一撃必殺。彼女とこの鬼型・壱番”轟鬼”が揃えば誰もが思い描く様な理想の姿になる。

 

 

―――――――と言ってもこの世に絶対なんて無い。

 

 

「あらゆる物を腐食する粘液を攻撃に使う相手で、その時に腐食して使えなくなった装備を丸ごと全部パージして爆破する事で退治出来たのですが・・・・。」

 

 

「それじゃ何か?無事なのは内部の防護スーツのみってか?おい、最初っから組み上げねぇといけねぇじゃねぇか。スペアは?」

 

 

「あの時はアレが最後だったのでありません。はい。それで爆破した装備や術式処理済みの弾薬の材料、修復に使う術式処理する為の装甲板の購入もままならない状態なんです。」

 

 

此処で爆睡している彼女は余りの大損害に現実逃避して寝ているのか?アレはかなり掛かっているからな。彼女はピンチになりでもしない限り内蔵火器を殆ど使わないから大量の弾薬代、一緒に製造費が一瞬で消し飛んだ感想は最悪の一言だろう。

 

 

「マジかよ・・・・。―――――――あっ!!企業立ち上げの時に送った零番はあるか?」

 

 

「アレならまだありますが、今の世代を考えるとかなり初期の頃に作られた型です。今の戦闘に対応できるかどうかわかりませんよ?」

 

 

「その為に俺が居んだろ。成功報酬に上乗せ。必要経費で強化機殻の改修と専用武器弾薬のプレゼント、それも専用術式処理済みの奴だ。そっちは?」

 

 

「多分それで大丈夫だと思います。」

 

 

「私達もオッケーだぜ。」

 

 

「久しぶりのOrder、それも今回は外でのworkか。」

 

 

「ワクワクするぜ!!」

 

 

いろいろ騒がしいと言うのにのんきに寝ている霊夢を横目で見ながら俺は考える。最新版の術式に対応した改修用の設計図は頭にある。そいつをすぐに出力して代金と一緒ににとりにまわさないといけない。

最近、金には不自由しなくなったが代わりに死ぬほど忙しい。暇を持て余して無一文と言うよりマシなのだろうが、もう少しどうにかならないのかと思う。

とりあえず、改修と弾代の資金と改修様の設計図をにとっちゃんにメール付きで送信した後、適当に挨拶してからその場から転移して去った。

気分転換に少し歩こうと俺は転移場所を少しずらして人気のない場所に転移する。転移場所の人気のない路地から神社に向けて歩いて帰っており、ふと赤みががった空を見れば、もう日が暮れかけている。時刻的にはもう小さい子供が家路についている頃だ。

そろそろ本来では妖怪や悪魔のテリトリーとなる夜が近づいている証拠。俺に関しては大昔から普通に人間の活動時間に合している為、活動時間である夜は普通に寝ている。いや、最近は睡眠すら取れてない。マジ寝たい。

 

 

 

「最近、寝てる暇が無いのか、寝てたら隙が出来るから寝らんねぇのか分からなくなってきた。――――”どう思うよお前ら?”」

 

 

 

そう思いながら、俺は送られて来る視線に対して問いかける。明確な数は分からないが大人数ってのは分かる。ここはこの時間帯ならまだ帰っている人に出くわすはずなのに、それが今さっき会った人と擦れ違った後に全然会わなくなった。さらに術の様な物まで感覚的に感知している。

さらに気配を消しているつもりだろうが僅かながら獲物を狙う様な視線をビンビンに感じる。

少し間が空いたが声に対しての返答はないし、視線も変化はない。気付かれたら退くか、襲ってくるかして来ると思ったが、何もして来る様子が無い。別に気付かれてもそっちには関係なって事か?

 

 

 

「―――――――!?」

 

 

 

そう思っていると背中を刺すような感覚に直にその場から飛び退き、振り向き様にメンテナンスから帰って来た太陽龍王の剛爪《ソーラー・ステーク》を展開して左のマシンキャノンを感じた方向に向ける。

向けた瞬間、落ちそうになっている太陽の光に反射して光る刃が俺の心臓に向けて放たれる。直に目の色を変え、思考を戦闘の物に変えてる。

 

 

 

「――――――っちぃ!!」

 

 

 

狙いを視界に入った刃に向けて、炸裂音を響かせながら数発発砲して刃を弾く。それと同時に視界に入ったのは、日に照らされて出来た俺の影から上半身だけ水面に浸かり、波紋を波立たせて存在する黒尽くめの男。

漫画とかで既に使い古されている様な古典的な奇襲方法を取ってくる暗殺者に続けて鳴り響く銃声音を唸らせながらぶっ放す。だが、わずかに間に合わず影に潜られてしまった。その行動の間に周囲の電柱や壁の影から似たようないろいろな恰好の奴がぞろぞろと出てくる。数は目視で十人ほど、明確な数は分からないが全員がやる気満々と言った感じだ。まったく、奇襲失敗は想定済み、本命は兵士の安全な輸送が目的の様だ。

 

 

 

「会談までまだ時間があると言うのに、余程俺が目障りと見える。」

 

 

 

一応全員人間か?俺みたいに混じりも居るみたいだ。それぞれが骨董品の様な古めかしい鉈、斧、槍、剣、双剣、弓、杖や巨大な縦の様な鏡の様な物を構え、近代兵器の様な物が無いって事はアレも一応神器って事か?自分でも最近作ってはいるが、どうにも神器関係の物が感知しづらい。妙な力を持っている程度には分かるのだが、それ以上はどうにも・・・・。

今いる面子を観察してみるが、男、女、でっかいのやちっこいやつ。どれも現代風の格好ばかり、シャツやジーンズ、パーカー、俺が言うべきではないだろうが、この暑っ苦しいのにロングコートを着た奴までいる。

俺の返答に代表して白のパーカーにダメージジーンズの金髪青年が

 

 

「当たり前だ。憎くい奴らの手助けをしているアンタを目の敵にしない奴らなんていると思うか?」

 

 

「当然だ。それで俺を始末しに来たと?」

 

 

「そう言う事だ。手に負えなくなる前にお前をどうにかすればあの化け物共を殺しやすくなる」

 

 

「化け物か。一応聞くが話を聞く気は?」

 

 

「無い。少し混じっているようだが同じ人間だ。抵抗するな。楽に殺してやる。」

 

 

「そうか。―――――――――悪いが殺される気は無い!」

 

 

そう言って手の甲のモニターが翡翠の輝きを発し、取り出した細身の角張った長砲身のライフル”ブーステッドライフル”を右手に持ち、俺から見て11時の方向にある民家の屋根に向けて思い重低音を響かせて発砲する。

屋根の方に撃った銃弾は見えない物に辺り、貫通。大穴から血が流れ、耳に届く事の無い重い音が響く。どう言う理屈で姿が見えないのか知らないが、姿を消す事のできる能力を持った奴が居た事は分かる。どうして分かったかと言うと、最近活躍が無かった俺の神様センサーがかなり濃い殺気を察知していたからだ。話している最中に周囲を警戒していて一キロ圏内に居るのは分かっていたが、場所までは明確に分からなかった。

だが金髪青年が”殺してやる”というキーワードと共にさらに濃くなったおかげで殺気の送り主がわかった。目の前のメンツからも出てた所為で特定が遅れてしまったが普通に間に合った。躊躇と言うより油断や此方が見えていないと言う状況に慢心した事で起こった結果だ。

此方が気を取られた隙に向こう動き出す。今の状態は恰好の的だろう・・・・・だがな。

 

 

 

「隙を付けたと思っているなら大きな間違いだ。」

 

 

 

「けどなぁ、もう此処は俺の間合いだ!!」

 

 

 

向かってくる近接武器を持った前衛共にゲシュテルベン・カスタムの時に使った武骨で砲とも呼べる口径の散弾銃”M13ショットガン”を翡翠の輝きと共に左手に持つ。

柄と刀身が黒いショートソードを二本両手に持ち、己の間合いにまで最速で入って来た小柄の白髪少年に向け、引き金を引いた。重い炸裂音が響き渡り、銃口から発射された弾丸を目にする。

今の彼には何もかも遅く見えのか、自然と銃口に視線が動く。発射されたのは無数の散弾でもないし、エクソシストの使う光弾でも無い唯の一発の弾丸だった。

そして今の彼にはそれを防ぐ自信があった。自身の持つ二本の剣は身体能力を向上させ、反応速度を向上させる神器。例え散弾や光弾だろうと弾いて首を刎ねる事が出来る絶対的な自信が・・・。

どんな物と打ち合っても絶対に折れないと言う代物ではないが、強度は普通の剣とは比べ物にならないほど堅い。だからコレを防ぎさえすれば、慢心した結果、風穴が開いてしまった狙撃者と同じ末路にはならない。そう踏んだ彼は剣を交差させるように銃弾を受け止める。

弾丸が交差した剣に触れた瞬間、弾け、消し飛んだ。

その後に響く爆音に直に他の物は足を止め、何が起こったかと爆煙が立ち上る場所を見る。

手にそれぞれ細身のライフルと武骨なショットガンを持ち、杭打ち機と三つの砲身を持つ機関砲のある籠手を付けた独特なシルエット、もうすぐ夏だと言うのに首に巻いたマフラーが爆風に遊ばれている。煙の中から彼等の目標が出てくる。

 

 

 

「見た目で判断すると痛い目を見るぞ。」

 

 

 

彼等は悠を舐めていなかったとは言えない。それは報告に聞いていた武装の着いた赤い籠手の神器を使用してい無かったからだ。見た目は現行の兵器とはかけ離れたものだが、どう見てもライフルと散弾銃にしか見えない得物に今更ビビる様な者は此処には居ないからだ。さらに言うなら高々銃程度で俺達を止められるとか思っている慢心した心をへし折ってやろうとも思っていた。

その結果がさらなる犠牲者を生む。悠の使った弾丸は散弾銃の口径にまで縮小した”徹甲弾榴弾”。威力は見ての通り、神器ごと人一人消し飛ばすほどの威力を持った物だ。

イグニスと悠によって強化を施された手甲榴弾。龍鱗製の弾頭、内部の炸薬はステークやマシンキャノンと同様の核融合。ライフルの方の徹甲弾

も同様の強化を施されている。歩いて近づいて来る彼の後方で違う種類の空薬莢が転がり、互いに小さく高い金属音を響かせてぶつかる。散弾銃の内部からマガジンから薬室内部へ送り込む様な堅い物がすれ合う音が小さく響く、彼の手に持っている散弾銃は手動と自動の両方を持ち、それを切り替える機能を持っているらしい。今回は片手で使えるように自動となっている。

殆どが足を止めて様子を見ようとしている中、それでも駆ける者が居た。

爆煙から出てくる悠に槍を持ったタンクトップに短パンで長身の黒髪青年と鉈を持った作業服の成人男性が突っ込んで来る。まず、突き出して来る槍の切っ先をライフルの長い銃身で逸らし、前へ進む。そこへもう一人が腹から上半身斬り飛ばそうと横薙ぎに鉈を振るって来る。跳び、刀身に乗って彼等の後方に飛ぶ。直に振り向いて背後から追撃しようと構えようするが、二人の間に黒いリンゴの様な物体が一つ落ち、散らばった部品と共に跳ね、輝く。

 

 

「「――――な!?」」

 

 

 

「持っていけ・・・!」

 

 

 

彼等を眩い光が包みこみ、爆発。纏めて爆炎と爆風が彼等の肉体を砕く為に襲う。地に響くような爆音にさらに足が竦む。どっから出したか分からない現代兵器に四人が犠牲になった。このまま全員喰われると思った彼等はさらに警戒を強める。

悠は口に銜えていたピンの様な部品を吐き捨て、散弾銃を肩に担ぎながらライフルを眼前の集団に向け。

 

 

「これなら副武装として問題無く使えるな。」

 

 

 

「ぐっ・・・・!?」

 

 

 

「数でならそっちが上だ。今の内に判断しないと何も掴めないぞ。」

 

 

今ので此方のメンタルは崩れかかっている。だが、此処で引いたら恐怖でコイツの相手は出来なくなる。だから此処で引くわけにはいかず。恐怖を仲間を殺した憎しみ変え、己を鼓舞する為に声を上げ突っ込む。

此処で潰れてしまうならいっその事コイツを道連れにしてやる。その為にリーダーである金髪青年は長剣を振り上げて走る。そっから周囲の影から生えて来るようにぞろぞろと出て来る。

 

 

 

 

「殺れぇ!!」

 

 

 

 

「「「「「「お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」」」」

 

 

 

 

前衛組がそれぞれ武器を持って突っ込んで来る。後衛組からは、火炎弾や弓矢、雷、槍、剣、巨大な針等が飛んでくる。太陽龍王の剛爪《ソーラー・ステーク》の凄まじい突進力で前衛の方に突っ込みながら散弾銃とライフルで直撃コースの飛来物を撃ちを落とし、混戦に持ち込む。

いきなり見せられた直線的な加速力に前衛メンバーの間を抜けられる。着地しても止まり切れず、コンクリートを滑る様に摩擦で減速し、次の跳躍に移る。いきなり背後に回られた前衛組なんて殆ど的でしかなく、やられる方も堪ったものではない。

そのまま敵陣の懐で駆けまわり、両手に持った散弾銃とライフル、マシンキャノンの正確な射撃で敵の腹を食い破る。遠距離はライフル、中距離はマシンキャノンと散弾銃、近距離はステークで対応され、複数で囲んでもずば抜けた加速力で抜けられ、気付いた頃には置き土産に残された数個の手榴弾の爆発が蹂躙する。

さらに切っ先を逸らされて近くに居た味方を斬ってしまったり、味方が居る射線上に立って誤射を誘発させられて余計に犠牲者を増やしている。

乱戦に対して悠の的確な戦術に多くあった数が数分で残り僅かになってしまった。その数も最初に声を掛けて来た金髪青年を残して全て殲滅してしてしまった。日が暮れて月が昇った頃には種切れと言わんばかりに、影から溢れるほど出て来ていた戦士達も今では屍でしかない。

その状況に足が竦んでいる彼に

 

 

「退きければ退いていいぞ?」

 

 

「――――――何!?」

 

 

此処までやっておきながら此処に気に退いていいぞと言う彼の言葉に疲弊していたにも拘らず声を上げてしまう。

 

 

「そのかわり、相手を1人だと舐めた結果せっかく集めた神器使いを無駄死にさせてしまいました。と報告してくれ。そうすれば少しは安易に兵を此方に寄こさなくなるだろうからな。此方としては其方の方が助かる。」

 

 

「こ、この!!」

 

 

安易な挑発に激怒の声を上げるが、気にした様子も無く続ける。

 

 

「俺はお前達に対して恨み無い。それに敵意が無ければこっちだって何もしない。先に”本多忠勝”を受け入れた事は知っているだろう?其方が襲ってきたから応戦したまでだ。勝手に襲ってきて勝手に恨まれては叶わん。」

 

 

 

「お前が、お前が!!お前が悪魔や天使、堕天使に共に手を貸さなければ!!」

 

 

 

「其方に理由がある様にこっちにだって手を貸す理由がある。その理由だって人それぞれだ。それにそれは強制されるモノか?」

 

 

 

「――――――――――!!?!!?」

 

 

 

「次来る時は明確な理由を持って来るんだな。そっちにだって憎む理由があるのだろう。

そして自分と身内を不幸にした同族共々憎いのだろう?知っているつもりで語るつもりはないが、それだけで片付けられるほど世界は分かりやすく出来てはいない。お前だろうと俺だろうと個人の物差しでは全ては測れない。一つだけを信じて耳を貸さず目を瞑れば確かに楽だろう。だが、それでは何も分からず直に終わってしまうぞ。」

 

 

 

「―――――くそがぁ!!」

 

 

 

そう言って逃げるように影へと潜ってしまった。

 

 

悔しそうに影に潜ってしまった姿を見ながら思考を戦闘モードから通常モードに切り替える。完全に終わったと思い両手の武器をイグニスの収納空間に戻してこの場を動こうとした瞬間、気付いた頃には喉首辺りに煌く刃があった。

最後の最後で疲労が抜けきっていないからと言って油断した。でも抜かりがあるわけでもない。太陽龍王の剛爪《ソーラー・ステーク》の重装甲を反映させた皮膚はこの程度の刃では傷はつかない。だから首を斬り裂こうとする刃を気にせず無理矢理脱出しようする。その前に重い銃声が響き、俺の背後を取っていた者が力無く倒れる音がする。

月明かりに照らされて見えたのは、最初に襲撃してその後音沙汰無かった暗殺者だった。目の所だけ穴の開いた覆面の眉間に大きな風穴が開いており、完全に貫通していた。銃弾の進行方向は俺の背後であり、射線上の向こうへ視線を上げるとそこには長身の人影があった。

 

 

 

 

 

 

「――――――――なんだ。この様子なら助けは必要無かったみたいだな。」

 

 

 

 

 

 

そのな片手に武骨な銀の短銃を持つ、緑のコート、中に薄手の革製の袖無しジャケットにワイシャツを着ており、余裕のあるズボンにブーツを履いた気さくな笑みを浮かべるクセのある髪の男が立っていた。

 




今回は致命的な内容が無い限り、以前の様に投稿し直す事はしません。かなり時間を掛けて悩みましたのでコレで満足しております。
ではまた次回。
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