戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。 作:銅英雄
天国蝶を捕縛した私達は船に戻ろうとすると、コンキスタ号のキャプテンカイトとその仲間達に出会った。
カイト「しまった!誰かに先を越されたぞ!」
???「そんな……!イオリ様に持って帰る予定だったのに……」
カイト「ジュン……」
アリス(彼等は確かウンガルフの島で見た方達ですね。向こうは私達を認識していなかったようですが……)
マスミ(コイツ等も天国蝶に用があったの……?)
ベル(会話の流れから察するに多分そういう事だろうね)
彼等の内の1人は腹黒メイドことジュンか……。こんな場所でもメイド服というプロぶりだ。
さて。この状況はどうしたものか……。私達は別に天国蝶がいなくても問題ないし、彼等が困っているなら力になってもいいけど……。
ベル「ねぇ」
カイト「な、なんだ……?」
何処か警戒しているキャプテンカイトに対して私は背負っていた天国蝶の死体を差し出す。
ベル「それ、あげるよ」
ジュン「えっ!?」
アリス「ベルさん……?」
カイト「良いのか?貰っても……?」
ベル「まぁ私達はどっちでもって感じだしね。それなら天国蝶を必要としている人達にあげた方が良いでしょ」
まぁ天国蝶の唐揚げには少し興味あったけど珍味感が半端ないから、他の人に押し付けておこう。
するとジュンが私に話し掛けてきた。
ジュン「あ、あの!ありがとうございます。謝礼を渡したいのですが……」
ベル「気にしなくても良いよ」
カイト「でも何か礼をさせてくれ。あんた達が先に天国蝶を手に入れた訳だし……」
ベル「さっきも言ったけど、私達は天国蝶を捕まえにこの島に来た訳じゃないからどっちでも良いんだよ。でもそうだね……。何か礼をしたいと言うなら……」
私はどういった礼を彼等に求めているのかを考える為に一呼吸置いてから……。
ベル「……もしも私達が困っていたらその時は助けてね」
カイト「……ああ。わかった」
ジュン「その時は私にも手伝わせてください」
……何故かジュンも食い付いてきたか。ならその貸しを覚えておこう。
ベル「……うん。期待してる」
カイト「じゃあ俺達は行くけど、あんた達は……?」
ベル「私達はもう少しこの島に残るよ」
カイト「そうか……。また会えたらいいな」
ベル「そうだね。でもそう遠くない内に嫌でも会う事になると思うよ」
カイト「それってどういう……」
ベル「気にしなくても良いよ。これは私の勘みたいなものだから」
キャプテンカイト達は疑問符を頭に浮かべながら島を去った。
マスミ「……ねぇ、本当に天国蝶を譲っても良かったの?」
ベル「私達にとってあれはオマケみたいなものだよ。それを代償に未来の英雄に貸しを作った事の方が大きな収穫と言えるしね」
アリス「先々の事を見据えての行動……。流石ベルさんですね」
なんかアリスが滅茶苦茶褒めてくる……。まぁゲームの知識があるからこれくらいの予測なら出来るよ。なんならアリスにも出来るんじゃないかなぁ……。
マスミ「それにしても結局奴等には最後まで気付かれなかったね」
アリス「ボスの話によるとキャプテンカイト達はオーブを探知出来る機械を持っているとの事ですが、ベルさんが造ったケースに仕舞ってあるだけで探知を掻い潜れるとは……」
うん、それについては私も上手くいくとは思わなかった。ドラゴンボールでピラフ達がドラゴンレーダーの電波を遮断させるケースをイメージして造ったけど、成功して良かったよ。
ベル「まぁ今回はケースの性能を試したかったから態々オーブを入れた……。ケースの強度も問題ないし、もう少し大きく造って大切な物を収納出来るようにしたいね」
私はケースからオーブを取り出して懐に仕舞う。
ベル(さて、次に会う時はこのオーブを使って取引をしてみようかな?)
そう思いながら辺りを見渡す。
ベル「よし……。辺りに船はないし、私達もそろそろ行こうか」
アリス「はい」
ベル「マスミには申し訳ないけど、あともうちょっとだけこの船の試運転に付き合ってもらうよ」
マスミ「わかった。船の乗り心地は良いし、中の設備もかなり整っているから、疲れる事もないし……」
アリス「本当に凄いですよね。見た目は中型くらいの船ですのに、中には食堂やトレーニングルーム、それに数十人の部屋まで完備されていますから……。デスポート号とは違って鼠1匹の侵入すらありません」
アリスの言う通りこの船は見た目に反して中がとてつもなく広い。これをカメダ達にバレないように造るの滅茶苦茶大変だったけど、その甲斐あって船内はとても快適です!鼠等の害虫なんかも一切入らないようにもしてるしね。
マスミ「オマケに船同士で戦う事になっても負けないように超強力な大砲もあるし、エンジンもかなり良いのを使ってるからスピードもあるし……」
ベル「そのあたりはミライがパライソタウンで拾った素材が大きいね。おかげで良い船が造れたよ」
そんな話をしながら私達は隣の島に上陸した。
~そして~
さて、この島には何があるのか……!?
ベル「何か此方に来る……」
アリス「敵ですか……?」
マスミ「今は3人しかいないから、ちょっと面倒だね……!」
アリスとマスミはそれぞれ銃と剣を構える。
ガサガサガサッ!
???「はぁっ……!はぁっ……!」タタタッ
私達の前を横切る様に走っていったのは白と銀が混じったような綺麗な髪の少女だった。しかし凄くボロボロだけど、訳ありなのかな……?
マスミ「ちょっと待ちなって」
???「す、すみません!」
マスミが逃げようとした少女の腕を掴み、少女は何かに怯えている感じだけど……。
ドドドドドッ!
アリス「ベルさん、此方に大量のマストドンが来ます!」
えっ!?嘘っ!?
マスミ「はぁ……。この子はマストドンの群れから逃げていたっていうの?」
ベル「どうやらそれだけでもなさそうだけどね……。ねぇ」
???「は、はいっ!」
ベル「名前は……?」
???「し、シロです……」
ベル「そう……。悪いけど、手伝ってもらうよシロ」
シロ「わ、わかりました……」チャキッ
何がなんだかわからない感じでシロと名乗る少女は短剣を構える。へぇ……。結構様になる構え方じゃん。
ベル「アリス、マスミ、彼女も手伝ってくれるようだから、早めに終わらせるよ」
アリス「わかりました」
マスミ「はいはい……」
私達をシロを含めた4人で30近い数のマストドンを順番に倒していった……。
~そして~
マスミ「はぁ……。やっと終わった」
アリス「少し苦戦しましたね……」
ベル「仕方ないよ。どういう訳かあのマストドンの群れは普通のマストドンよりも遥かに強いからね」
なんでそんな生物が群れで過ごしてるんだろうね全く……。
マスミ「見た感じは普通のマストドンなのに……?」
ベル「本来のマストドンならいくら群れを作って此方に来てもシロ1人で倒せると思うよ」
シロ「えっ?わ、私がそんな……」
アリス「確かにあの短剣の捌きは並ではありませんでしたね」
マスミ「少なくとも私じゃああの様に短剣は扱えないね。見習いたいくらいだったよ」
ベル(まぁ彼女の場合はそれだけじゃないけどね……。その内彼女と話をした方が良いかな?)
まぁその辺は夜になったら考えるとして……。
ベル「シロ」
シロ「は、はい!」
ベル「今後の予定とかはあるかな?」
シロ「いえ、私は捨てられた身……。マストドンの群れがいなくなった今、この島でゆっくりと過ごそうと思っています……」
ベル「行く宛がないなら私達と一緒に来ない?私達は仲間を探しているんだけど、シロの実力なら申し分ないからね」
シロ「い、いいんですか?私なんかが……」
ベル「勿論。寧ろ此方から御願いしたいくらいだよ」
アリス「あれ程の腕前には興味ありますし、私達も人材が不足していますので、シロさんの加入は大歓迎です。それにベルさんが決めていますから反対なんてある筈もありません」
マスミ「私も同意見」
シロ「あ、ありがとうございます!皆さんの足を引っ張らないように頑張ります!」
ベル「期待してるよ」
シロ「はいっ!」
船の試運転をするつもりだけだったのに、試運転で辿り着いた島で強力な仲間が加入してくれた。有難や……。
今回はここまでです。
次回、ベル達はクインシティに訪れて……。