戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。 作:銅英雄
突然ですが、空が真っ黒です。真っ暗じゃなくて真っ黒です。これとても重要。
マスミ「これどう考えても異常気象でしょ……」
シロ「この世界に来て2年近くになりますけど、こんな天候見た事がないです……」
アリス「ミライさんの話によりますと、今日辺りに上空からゲートが出現する……らしいですね」
ベル「それは殆んど確定だろうね。そうでもなければこんな空が黒いなんて状況はありえないし」
私はアリス、マスミ、シロの3人とゲートが開く中央地点でミライを待っている。この面子は別世界からこの世界に来た人物というのは共通点を持つ。
ミライ「待たせたわね」
ベル「気にしてないよ。それでどうだった?」
ミライ「全国に渡って上空が真っ黒になっているわ。そしてその原因がこの場所になっている……」
マスミ「この場所にゲートが開くんだっけ?」
ミライ「最初に開くのがこの場所という事でしょうね。それを防ぐ事が出来れば、他の場所でもゲートが開かなくなる筈だけれど……」
他の場所……ミライが示した他の4ヶ所の島にそれぞれ幹部格1人以上を中心にゲートが開いた時に出現する敵の迎撃をする。
1つの場所ではシルヴィアとルナが中心に、また2つ目の場所ではユリとリミが中心に、3つ目の場所ではミクとアベさんとアヤさんが中心に、4つ目の場所ではユキコとナナとメッチーが中心にそれぞれ部下を数十人連れて待機している。
そして私達がいるこの島は他の場所に比べて上空の黒さがヤバい。ブラックというかダークだ。黒じゃなくて闇だよこれは。
ミライ「それとこの島に他の冒険者達が来るわよ」
えっ?一体誰が……?
ミライ「コンキスタ号……といえばわかるかしら?」
なんで……?というかミライがそれを言うって事は……。
ベル「私達がカメダ海賊団の残党だって事をバラすんだね」
ミライ「……ええ。教えておくならこのタイミングしかないでしょう」
まぁ私達も別に隠していた訳じゃないしね。言う必要がなかっただけで……。
ミライ「もうすぐ彼等は此方に来るわ。折角だから彼等にもゲート先の敵を倒すのを手伝ってもらいましょう」
ベル「……それはゲート先の敵は私達だけじゃ勝てないって事なの?」
どんだけゲート先の敵が強いんだって話だよ。それだと戦力を分散させたのは不味かったんじゃ……。
ミライ「その心配はないわ。この島に開くゲートが強烈なだけで、他の4ヶ所はその余波の様なもの……。ベルが分散させた戦力だけでも充分よ」
ベル「……それなら良いけど。まぁこの場にいるのは私達5人だけだもんね。コンキスタ号の人達が来てくれるなら戦力の数も丁度良いバランスが保てる訳だし」
そんな事を話しているとカイトを中心閉じたコンキスタ号の人達がこの島に上陸し、私達の前まで来た。
カイト「おまえは……!?」
ミライ「あら、久し振り。この島に来たという事はムゲンダイナを無事に倒したという事ね」
カイト「……正直あの化物に殺されそうになったが、仲間達のサポートもあって倒す事が出来た。今度こそおまえを海軍に突き出してやる!」
ミライ「その必要はないわ。何れ私達は此処からいなくなる……。今日はその為の布石よ」
カイト「まだ仲間がいるのか……ってあんた達は!?」
あっ、カイトが此方に気付いた。
ベル「やっほー」
カイト「なんでベルさん達が此処に……!?」
まぁそうなるよね。私達がミライと一緒にいるのに戸惑っているみたい。
ベル「……私達がカメダ海賊団の残党だから……かな」
カイト「なんだって!?」
マスミ「……っていうか気付くの遅すぎでしょ」
アリス「私達がカメダ海賊団として仕事をしている時も何度か貴方達と接触している筈ですしね」
シロ「幻の島で会った時には戦う事になるって思いましたけど……」
仲間達がカイトに辛辣なコメントをぶつける。
カイト「……一体何時からベルさん達はカメダ海賊団にいたんだ」
ベル「君達に初めて会った時には既にカメダ海賊団の一員だったよ」
カイト「そんな……」
ベル「もっと言うならウンガルフの島でグントラムと戦っているのを目撃したけど、正直よく気付かれなかったと思う位だったよ」
カイト「……スメラ達が言っていたのはベルさん達だったのか?」
ベル「そうなるね。私はてっきり彼等に聞いていたものだと思っていたけど」
それを全く知らないってなってるんだもの。海の英雄が拍子抜けだよね。
カイト「……それならあんた達を海軍に引き渡す。これまでやってきた罪を償ってくれ!」
ベル「別に私達は何も悪い事はしてないよ?」
カイト「カメダ海賊団の悪事に加担している時点で同罪だ。あんた達もカメダ海賊団の悪行を知らない訳じゃないだろう!?」
まぁね。見てて気分悪くなる事柄多々あった。だから私達は彼等から独立した。自由を手にした。そこから様々な冒険をした。どれもカメダ海賊団から独立しなければ出来なかった事をばかりだ。
ベル「……言っておくけど、私達がいなかったらもっと酷い事になっていたからね?」
カイト「どういう事だ!?」
ベル「ウンガルフの時は穴を掘っていた人達は間違いなくグントラム達に殺されていた。それを私達が逃がしたの。あとはスメラとその御付きも私達が見逃さなかったら殺されていたかもしれないよ?」
カイト「くっ……!」
ベル「それにカリムーの宝の件でもミライがその気になれば君達を皆殺しにしていた……。君達もなんでミライが反撃しなかったか疑問に思ったんじゃない?」
カイト「そ、それは……」
ベル「……まぁその辺りはミライ……というよりは私達にも事情があるから手を出さなかっただけ」
カイト「……あんた達の事情って一体なんなんだ?」
ベル「私も詳しい事は知らないよ。全ての真相を知っているのはミライだけだろうしね。ミライも言っていたんじゃないかな?『この世界はそういう風に仕組まれている』……ってね」
カイト「!?……ベルさんはその言葉の意味を理解してるのか?」
ベル「さてね。まぁこの島にいる……っていうのがその答えの1つって事かな」
カイト「この島に……?」
ベル「君達もこの島……というよりここ最近全国の上空が黒く染まっている原因を調べにきたんだよね?」
カイト「……確かに俺達はこの島が空に異変が起こっている原因の場所っていうのをシズヤから聞いた」
シズヤのこの世界における知識はミライ並だね。もしかしたらシズヤはミライの様に神の使いかもしれない。
ジジジ……!
ミライ「雑談はそこまでよ。ゲートが開くわ」
カイト「ゲート?」
エンゼル「キャプテン!空が何か可笑しいよ!」
カイト「な、なんだあれは!?空から穴が出現したぞ!」
ベル「あれがゲートの正体……。この場所を中心にあと4ヶ所の島からも同じゲートが開いているよ」
ミライ「来るわよ」
空間が裂け、穴が出現し、中から様々な生物が出てきた。物凄い数だね……。
カイト「な、なんだあれは!?見た事のない化物ばっかりだ!」
ベル「君達が相手をしたっていうムゲンダイナ?と同等かそれ以上の化物しかこの場にはいない……。覚悟は出来ている?」
カイト「……勿論だ。冒険者はどんな時でも死と隣り合わせなんだからな!」
ベル「良い気迫だね。その力を貸してもらうよ。何時かの借りを此処で返させてもらおうかな?」
カイト「……わかった」
うんうん。良い目をしてる。流石カリムーの宝を見つけた英雄だ。私達も負けてられないね。
ベル「私達も行くよ。準備は出来てる?」
マスミ「はぁ……。凄い数ね。でも問題ないよ」
シロ「わ、わ!一瞬で囲まれた……。鍛練の成果を発揮する良い機会だよね……!」
アリス「勿論です。私は何時でもベルさんの右腕として戦っていくのですから」
3人共問題なさそう。初対面の頃とは違い、それぞれが1人の戦士として成長してきたね。
ミライ「頼もしいわね」
ベル「……本当にね。じゃあ私達も行こうか」
穏やかだった航海はこの日を境に幕を閉じた。日常は非日常として動き始める。
そしてコンキスタ号と銀の盾が交差する物語のプロローグが今日から始まる……!
これで海洋冒険編は終了となります。
次回から海洋ファンタジー編になります。プロットを練る為に暫く投稿をお休みして、書けたら他の小説を書きます。
新章は6月か7月になると思います。流石に8月までかかるとは思いませんが……。