戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。   作:銅英雄

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今回もよろしくです。


第34話 家庭科室の幽霊!?

未来side

 

学校に着き昼食を食べた後に霧生夏菜は何処かに行ってしまい、小波君と石川梨子はそれを追いかけた。

 

落田「しかし霧生さんは毎回何処に行くんでやんすかねぇ?」

 

未来「……彼女のこれまでの傾向から察するに恐らく家庭科室に行った可能性が高いわね」

 

落田「家庭科室でやんすか……」

 

この流れはもしかしなくても……。

 

落田「七不思議の3つ目は鳴り響く包丁の音でやんす……」

 

未来「また七不思議の話なのね……」

 

そんなくだらない話を聞くくらいなら鈴音達と基地に残っていれば良かったわ。

 

家庭科室、鳴り響く包丁、エプロン……。

 

落田「響さん?顔を赤くしてどうしたでやんす?」

 

未来「な、なんでもないわ!///」

 

青野「いや、物凄く赤くなってるぞ?」

 

未来「んんっ……!私の事はいいから話を続けなさい」

 

忘れたと思ったのにどうしてさっき鈴音が思っていた事を思い出すのかしら……。

 

落田「……誰もいない筈の家庭科室から何かを切る音が聞こえてくるらしいでやんす。それは昔に生徒のミスで家庭科の授業中に亡くなった先生の幽霊がその恨みを果たす為に学生を切り刻もうとしているという話でやんす」

 

青野「……っていうかどんなミスをしたら授業中に先生が死ぬことになるんだ?」

 

確かに。そこがこの七不思議の1番の謎よね。

 

落田「もしその幽霊に廊下で出会ったら『先生の料理は最高です!』と言うと見逃してくれるらしいでやんすよ」

 

青野「なんかいきなり親近感がわいたな」

 

未来「まぁ切り刻むといった類いの話は怖いのかもしれないわね」

 

落田「実際に音は聞こえるらしいでやんすよ。でも家庭科室には鍵がかかっていて誰もいないらしいでやんす……」

 

未来「それで幽霊……という訳ね」

 

落田「そうでやんす。だから七不思議の1つになっているんでやんす」

 

青野「でも確かにそんな音は余り聞きたくないな」

 

落田「そうでやんすね。オイラも聞きたくないでやんす……。それにしても響さんはこういうのは平気なんでもないわやんすか?」

 

未来「全く怖くないという訳ではないわ。……けれど本当に怖いのは幽霊ではなく人だということね。少なくとも今は目に見えないものを怖がっていても仕方がないわ」

 

そんな話をしていると霧生夏菜達が戻ってきた。

 

夏菜「戻ってきたぞ~!」

 

青野「何処に行ってたんだ?」

 

夏菜「家庭科室。さっきクッキーを作ってきたんだ」

 

梨子「夏菜の作るクッキーは絶品だからね~。あたしもレシピ教えてほしいくらいだよ」

 

落田「ほほぅ、ちゃっかりと霧生さんの手作りクッキーを食べれた小波君は美味しい思いをしたという訳でやんすね?」

 

十一郎「いやいや、確かに味見としては食べたが、ちゃんと皆の分もあるぞ?」

 

夏菜「未来も食べてくれ。結構自信作なんだ」

 

未来「ええ、ありがとう」

 

霧生夏菜から貰ったクッキーを1つ食べてみる。これはかなり美味しいわね。

 

十一郎「そういえばなんで夏菜は家庭科室に行ったんだ?」

 

夏菜「家庭科室の鍵を持ってるから、学校に来たら必ず寄ってるんだ」

 

十一郎「そうだったのか」

 

……そういえば昨日も彼女は家庭科室に行っていたわね。

 

梨子「ねぇ夏菜、家庭科室の鍵って複製したら駄目?」

 

夏菜「駄目」

 

梨子「ケチ~!」

 

いや、普通に考えて学校の教室の鍵を複製してはいけないでしょう……。

 

 

ガラッ!

 

 

深雪「あら、見回りに来てみたら悪い子達が沢山いるわね」

 

十一郎「げっ!深雪先生!?」

 

田中深雪……。ハタ人間編1章の3強敵の1人ね。ハタ人間だから水鉄砲以外の武器は使えず、1ターンに4回行動、専用武器の『痛そうな棒』で相手を気絶させる事が出来、反撃してきて、尚且つかなり堅い……。面倒な敵だわ。

 

未来「夏休みの間も学校に来ている勤勉な生徒は寧ろ良い子なのではないかしら?」

 

深雪「いいえ、先生の言うことを聞かない子は皆悪い子よ」

 

落田「こ、これは話の通じる状況じゃないでやんす!」

 

未来「どうやらそのようね」

 

落田「先生の料理は最高でやんす!だから見逃してほしいでやんす!!」

 

未来「……それは家庭科室の先生の幽霊じゃないと通用しないんじゃないかしら?」

 

十一郎「な、なんの話をしてるんだ!?」

 

未来「気になるようだけれど、まずはこの状況を打破するわよ」

 

夏菜「……っていうかモールの時も思ったけど、深雪先生は豹変しすぎだよな」

 

梨子「そうだね~。先生も色々溜まってたんだろうね」

 

青野「まぁこの事件が終わって先生が元通りになったら真面目に先生に接した方が良いのかもな」

 

十一郎「なんで皆そんなに冷静なんだ!?」

 

こういうのは割り切った方が良いと思うわ。

 

それにしても七不思議も私が知っているのと少しオチが違ったわね。本来いない筈の私がいるからだとは思うけれど、もしも七不思議の災いが宇宙人をも凌ぐ存在に成り上がると考えられると厄介ね。

 

7つ目の話を聞く時は基地襲撃メンバーを呼んだ方が良さそうね。




今回はここまでです。

次回、外を出歩いた鈴音はある人物と出会う……!

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