戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。 作:銅英雄
私達は現在モールにて食料調達をしている。面子は小波君、坂柳さん、神室さん、榎本さん、椿さんである。
十一郎「椿さんってどんな仕事をしているんですか?」
椿「あん?……一応小さい会社の社長をしている」
確かそれはフェイクで本当はスパイなんだっけ?
有栖「一応……という事は別に本職があるという訳ですね」
椿「……目敏いガキだな」
本当にね。坂柳さんは察しが良いから、右腕ポジションとして優秀だよ。まぁ未来程ではないけどね。
十一郎「じゃあ本当はどんな仕事を?」
椿「スパイだよ」
あっけらかんと正体を話す椿さん。隠す必要性がないからかな?
真澄「……冗談でしょ?」
榎本「本当よ。椿さんは……」
椿「榎本、話すなら俺のいないところでしてくれ」スタスタ
榎本「す、すみません!」
続きを話したくないのかな?それとも他の人に話されるのが嫌なんだろうか?椿さんは席を外す。
十一郎「ど、何処に行くんですか!?」
椿「雉を撃ちに行くだけだ。心配しなくても余計な事はしねぇよ」
そう言って椿さんは歩いていった。
十一郎「雉を撃ちに……って椿さんは一体何処に行ったんだ?」
ちなみに雉を撃ちに行くというのは女性で言うところの花摘みに行くのと同じ意味だから覚えておくと便利だよ!
有栖「それよりも榎本さん、続きを聞いても良いですか?」
榎本「……椿さんは様々な組織のスパイとして活動しているわ。小さい会社というのは活動が安定して出来るように造られた所謂活動拠点ね」
真澄「安定して……?」
榎本「ええ、私はその御手伝いをしてるの」
中学生の榎本さんがスパイの手伝いか……。なんか二次元の主人公とかにありがちな展開だね。
榎本「……でもこの町ではもうこれ以上活動を続けられそうにないわ」
十一郎「どういう事だ?」
榎本「私が失敗したのが原因なんだけど、その失敗のせいで信頼を失ってしまったの。椿さんは私を責めなかったわ。でも私はそういう訳にはいかない……。次こそは失敗を取り戻してみせる」
中々壮大なストーリーだねぇ……。ん?なんか気になる事が出来たんだけど。
有栖「この町では活動を続けられそうにないと言いましたが、榎本さんはこの町から離れるつもりですか?」
榎本「そうね。その事に椿さんは反対しなかったわ。次は任せるとも言ってくれた。それで2人で次のプランニングを考えていたら……」
真澄「今の状況に遭遇した……と」
榎本「うん……」
それにしても凡そ中学生が送る人生じゃないよね。多分榎本さんにも何か闇があると思うんだよね。
十一郎「そういえば榎本は男に対する警戒心が強いよな。今の俺にもそうだし……」
有栖「榎本さんはクラスでも男子生徒を寄せ付けませんからね。恐らくですが、過去に男性関係で何かあったのでしょう」
多分榎本さんは男性不信なんだろう。今も小波君には一定以上の距離を取っているしね。でも……。
真澄「でもその割には椿さんには偉く信頼を寄せているよね」
神室さんの言う通り榎本さんは椿さんをかなり信頼している。それはもう援助交……げふんげふん!椿さんに仕える侍女の如し。
榎本「まぁね……」
哀愁を漂わす榎本さん。……これは相当根が深い話だね。
今回はここまでです。
次回、榎本梨子は語る。自身や椿の事を……。