戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。 作:銅英雄
未来side
落田「響さん、この後はどうするでやんすか?」
未来「そうね……」
鈴音と小波君はクラスメイトの救出を優先して動くと言っていた……。ならばそのサポートもしておくべきね。
そうなると救出期限が早くて短い人の救出に向かう筈。最優先は南雲瑠璃花と平山紀之(ひらやまのりゆき)ね。ならマンションに行った後に学校に行く筈だから……。
未来「まずはモールへ行きましょうか」
落田「食料の確保でやんすか?」
未来「それもあるけれど、その前に2階に行って『合成』に役立つ素材を集めるわよ」
落田「ガッテンでやんす!」
彼はサポートとしては優秀な人材だから上手く利用出来たらいいわね。
~そして~
私達の素材集めは思ったよりも捗っていた。
落田「此方にはガラクタがいっぱい落ちてたでやんす」
未来「ありがとう」
落田「こんなガラクタが本当に役に立つんでやんすか?」
未来「ええ、『合成』には欠かせない素材よ。だから見つけたらどんどん集めて頂戴」
落田「わかったでやんす」
ゲームだと特に合成レベルを上げるのに御世話になったものだわ。あのゲーム1章はともかく、2章の難易度がかなり高いものね。素材としてガラクタは終始必要なアイテムよ。
さて、私も負けないように素材を集めていきましょうか。
~そして~
あれから4時間半。集まった素材はガラクタが30個、ボロキレが25枚、堅い木が25本、木の実が35個、粘つく液体が20個、小さな歯車が18個、銅が9個。更に救急キットとクリアワルザーを数個。
……かなりの数が集まったわね。ゲームではまず集まることのない数だから驚いたわ。特に銅が見つかったのが大きい。日数を改めて来たら鉄や鋼も見つかるんじゃないかしら?
落田「め、滅茶苦茶集まったでやんすね……」
未来「そうね。次は食料を集めに行きましょうか」
落田「1階に降りるんでやんすね?了解でやんす」
未来「その前にこの素材達を1つに纏めてっと……」
私は収納袋に素材を全て仕舞いこんだ。
落田「……その袋はどうなってるんでやんす?」
未来「素材が無限に入るのよ。……これ以上は踏み込まないで。大人の事情よ」
落田「響さんはオイラとは同い年……わ、わかったでやんす!」
そう、これはゲームシステムの都合上各素材は99個まで入る袋なのよ。
~そして~
食料の確保もとりあえずは一段落ね。基地にある分と合わせて5日分……いえ、鈴音達がクラスメイトを救出する事を考えると3日分ってところかしら。……少し足りないわね。念のためもう少し確保しておきましょう。
落田「響さん、彼処で誰かがハタ人間に襲われているでやんす!」
なんですって……?ゲームにおいてモールで仲間に出来るのは石田昭三(いしだしょうぞう)と霧生夏菜(きりゅうかな)の2人。
前者を仲間にするためには特定の鍵が必要だし、後者は先に病院と倉庫に行かなければいけない筈だけれど……。もしかしたら鈴音達が動いたのかしら?いえ、何れにせよ……。
未来「助けるわよ」
落田「了解でやんす!」
私達はハタ人間達のもとへと走った。
「ああん?そこにもハタが立ってねぇ奴がいるぞ!」
「やっちまえ!」
……なんで私が相手をするハタ人間は皆ヤンキーみたいな人しかいないのかしら?4人中4人共ヤンキーって……。まぁいいわ。襲われている人から此方に標的を移せたもの。
未来「」バシャッ!
「」バタッ!
まずは1人。あと3人ね……。
~そして~
残り3人も難なく倒し、無事助け出す事が出来た。まだ序盤だからか敵が弱く感じるわね……。
???「助けて頂きありがとうございます」
声がしたので振り向く。……何故此処にいるのかしら?
落田「いやいや、当選の事をしたまで……ゲッ!坂柳でやんす!!」
有栖「ゲッ!とは酷いですね落田君。同じ学校の生徒じゃありませんか」
貴女は此処の住人ではないでしょう?坂柳有栖(さかやなぎありす)。……というか。
未来「知り合いかしら?」
落田「できればオイラは知りたくなかったでやんす……」
有栖「彼とはクラスは違いますが、立派な玩……御友達です」
ああ……。なんとなく2人の関係がわかってしまったわ。というか別クラスの生徒とかも仲間候補に入るのね。
落田「今玩具って言いそうになったでやんすね!?」
有栖「そんな事はありません。それよりそちらの方は?パライソ中学の生徒ではないようですが……」
未来「響未来よ。年は貴方達と同じね」
有栖「……では未来さん、改めて助けて頂きありがとうございます」
坂柳有栖は此方を向いて一礼した。……やはり良いところの令嬢という感じがするわね。動作が様になってるわ。
落田「……なんかドッと疲れたでやんす。それでこれからどうするんでやんすか?」
未来「食料の確保はとりあえずこれで良いとして、次は薬ね。だから病院に向かいたいところだけれど……。坂柳さん、このモール内でハタが立っていないパライソ中学の生徒を見なかったかしら?」
もしかしたら他にも此処に誰か仲間になりそうな人がいるかもしれないもの。
有栖「そうですね……。先程のハタ人間達に襲われる数分前に霧生さんと青野君を見掛けました」
やはり霧生夏菜は青野柴夫(あおのしばお)と一緒にいるのね。
未来「行き先とかわかるかしら?」
有栖「直接話してはいませんが、霧生さんが水鉄砲を持って西に行くと言っていました」
西……。ということはそのまま病院に向かってもよさそうね。
未来「なら西方面に2人を救出に行きましょうか」
落田「行くでやんす!」
有栖「でしたら私も着いていってもいいですか?」
未来「それは構わないけれど、貴女足は大丈夫なのかしら?」
坂柳有栖といえば先天性疾患の筈。現に今も杖をついて歩いているし……。
有栖「歩く分にはスピードを上げなければ問題ありません。ハタ人間達の目的とかを知っておきたいので……」
徒歩だと厳しいわね。基本私達は走るか早歩きで行動しているから彼女が着いていけるか……そういえば鈴音から薬を貰っていたわね。
~回想~
鈴音「未来、これを持っていってよ」
未来「これは……?」
鈴音「昨日基地に戻る前に拾った回復薬と栄養剤とやる気薬と幸せ草を合わせた薬」
未来「……その4つは混ぜて大丈夫かしら?この薬物凄い色をしているけれど」
鈴音「うん、特に問題なかったよ。効力は体力を全回復させて、状態以上と怪我も治るよ」
未来「それ只の回復の薬じゃない……」
鈴音「全部で4つ出来たから、未来に2つ渡しておくね。もしかしたら使う機会があるかもだし」
未来「……一応貰っておくわ」
~現在~
ということがあって貰ったけれど、本当に渡してもいい物なのかしら?……物は試しで渡しましょう。
未来「坂柳さん」
有栖「なんでしょうか?」
未来「これを渡しておくわ」
有栖「これは……薬?というか凄い色をしてますね……」
やっぱりそう思うわよね……。濁った紫色をしているもの。
未来「一応私の友人が怪我や病気に効く薬よ。もしかしたら貴女の足も治るかもしれないわ」
有栖「で、ですがこの足は先天性疾患なんですよ?生まれつきの病気のようなものが治るわけ……」
未来「確かに治ったとしても一時期な気休め程度かもしれないわね。でも私達に着いていくにはその足だと厳しくなるわよ?」
キツイ物言いだけれど、これも彼女の為ね。薬のせいで死んでも怨むのは鈴音にして頂戴。
有栖「……わかりました。私も覚悟を決めます」グイッ!
決意の瞳を宿して坂柳有栖は薬を飲んだ。果たして効果は……。
有栖「…………?」
未来「どうかしたのかしら?」
有栖「動く……。足が動きます!それどころか……」
足が動く事に驚いた坂柳有栖はその場を往復で走り始めた。
有栖「は、走ることもできます!治ることのないと言われていたのに……。仮に一時期なものだとしても嬉しいです!」
未来「……良かったわね」
私は驚き以外の言葉が出ないわ。隣の落田君も開いた口が塞がらない様子だし……。
有栖「これなら私も動けます。2人の救出に向かいましょう!」
未来「え、ええ……」
なんと坂柳有栖の先天性疾患を治してしまったわ。あの薬は色々とヤバいわね。
落田「あの坂柳の性格だけでもヤバいのに、あんなに動き回れるようになったらもう手を付けられないでやんす……」
未来「……あの手の人がハタ人間になれば下手すると宇宙人達よりも厄介な存在になりかねないわ」
落田「……否定できないでやんす」
こうして私達は2人を追うために病院へと向かうことになったわ。
今回はここまでです。最後に有栖のステータスをば。( )内の数値は薬を飲む前のものです。
坂柳有栖
体力 4(2)
力 2(2)
器用さ 10(9)
巣早さ 6(1)
精神 15(13)
得意武器 ハンドガン ライフル キャノン
苦手武器 格闘 刀剣
特殊行動 バックステップショット
スキル 冷静 解析 愛
次回、未来達は青野夏菜両名の救出に病院に向かう。そんな未来達に更なる出会いが……?