戦いの世界を生き抜いた女主人公は様々な世界で冒険するようです。 作:銅英雄
未来side
私達3人は早速病院付近まで来たのだけれど……。
夏菜「あははっ!なんかいっぱい来たぞ青野!」
青野「全く……。どうして考えなしで動くんだ」
夏菜「おい、早くしないと置いていくぞ!」タタタッ
青野「おい霧生!……はぁ、やれやれ」タタタッ
前にいるのは件の2人ね。霧生夏菜が暴走して青野柴夫がそれを止めるべく動いていると……。
落田「あの2人、物凄い数のハタ人間を引き連れていたでやんすね」
有栖「数は15人ですね。病院に入っていきましたが、どうしますか未来さん?」
未来「元々病院には行く予定だったし、行きましょう。ハタ人間は夜の方が活発に動くし、2人を救出するなら日中にしないと手遅れになってしまうわ」
時刻は14時45分。リミットまでは3時間以上はあるから薬の補充だけ十分に済ませましょう。
~そして~
あれから2時間。薬集めもある程度進んだので、2人の救出に向かう。確か2階中央左下辺りだったかしら?その辺りまで行ってみるとハタ人間達に追い詰められている2人を見つけた。……まだハタは立っていないようね。
未来「坂柳さん、準備は出来ているかしら?」
有栖「はい、問題ありません。病院に行く道中に水鉄砲の使い方を覚えておきました」
未来「そう……。いくわよ。落田君は私達がハタ人間を相手している間に2人を救出して」
落田「わかったでやんす!」
坂柳有栖の準備が終わったのを見て私達は不意を突いてハタ人間達を攻撃した。
落田「青野、霧生さん、此方でやんす!」
青野「落田!?すまん助かる」
夏菜「ありがとう。青野は怪我をしてるから眼鏡は青野に肩を貸してやってくれ」
落田「青野、大丈夫でやんすか!?」
青野「なんとかな……。ハタ人間との取っ組み合いで怪我した時は正直駄目かと思った」
落田「今そこにいる2人がハタ人間をやっつけているから安心するでやんす」
彼方は上手くいったようね。あとは此方がハタ人間を倒すだけ……!
未来「坂柳さん、フィニッシュは譲るわ。健康体になった貴女の初陣に終止符を打ちなさい」
有栖「はい!」
坂柳有栖によって最後のハタ人間を倒し、この場を切り抜けた。
~そして~
その後軽く自己紹介を済ませて、青野柴夫の怪我の応急措置をしておいた。2人は色々……主に坂柳有栖が杖をついていないことに驚いていたわね。無理もないわ。
未来「とりあえずはこれでいいわ。一応激しい動きをしても問題はない筈だけれど、今日のところはゆっくり休んでおきなさい」
青野「ああ、ありがとう響」
夏菜「それにしてもハタ人間ってあんなにいっぱいいたんだな。びっくりしたよ」
青野「俺は霧生の無謀な行動にもびっくりしたがな……」
夏菜「あはは……」
落田「それで響さん、この後はどうするんでやんす?」
未来「そうね……。私はもう少し此処を散策してみようと思うのだけれど、疲れているなら今日のところは引き返すわ。皆は大丈夫かしら?」
最悪私1人でも問題はないけれど、クラスメイトがいた時に坂柳有栖以外の3人が仲介に入った方がスムーズに事が進むからこのまま一緒に行動してくれた方がありがたいのだけれど……。
落田「少し疲れてきたけど、大丈夫でやんす」
有栖「私も問題ありません」
青野「俺も着いていく。響には恩返しをしたいしな」
夏菜「私はもう少しハタ人間について調べてみるよ。じゃっ!」タタタッ
霧生夏菜はそう言って駆け足で去っていった。フットワークが軽いわね。さっきあんなことがあったのにも関わらず……。あの切り替えの早さは見習うべきなのかもしれないわね。
未来「……とりあえず行きましょうか」
青野「ああ……」
目的はクラスメイトの救出ね。
~そして~
此処は……リハビリをする施設ね。かなり広いし、見通しも良いからハタ人間の接近もわかりやすいわ。
落田「あっ、でやんす」
???「あっ」
バキッ!
落田君が誰かを見つけたのと同時にその人が鋭い蹴りを落田君に浴びせた。良い蹴りね。何か格闘技とかやっていたのかしら?
落田「痛たた……。何をするでやんすか!?」
???「ごめんごめん、急所を外しちゃった。次はよーく狙って……!」
青野「一旦落ち着け神木。今おまえが蹴ったのは落田だ」
神木唯(かみきゆい)。確か野球部のマネージャーだったわね。彼女の殺人キックと石川梨子(いしかわりこ)の空き缶は11裏サクセスでは1、2を争う有名さを誇るわ。
唯「あっ、えへへ……」
落田「神木さんはもう少し周りを見ることから始めた方がいいでやんす……」
神木唯にとりあえずの事情を話し、私の自己紹介を軽く済ませた後、何時でもハタ人間と戦えるように水鉄砲を渡した。……あと何回私は自己紹介をすればいいのかしら?
~そして~
あとは3階の散策ね。
落田「……それにしても病院って不気味な雰囲気が漂ってるからちょっと怖いでやんす」
青野「それに今は夜だしな」
唯「怖さが増しちゃうって感じ?」
落田「オイラにキックをかました神木さんの台詞ではないでやんす!」
唯「それはごめんってばー!」
なんだか盛り上がってるわね。ピクニック気分で来てないかしら?
「ばあっ!」
落田「わーっ!」
唯「うわっ!ビックリした……」
有栖「ハタ人間ですね」
未来「迎撃の準備が終わったら戦うわよ」
落田「この2人の冷静さは一周回って怖いでやんす……」
若干不意を突かれてしまったけれど、すぐに立て直す。切り替えが早いのは良いことだと思うわよ。
~そして~
唯「なんとか倒したねー。水鉄砲でハタ人間を倒せるなんて知らなかったよ」
落田「……神木さんは今までハタ人間に出会った時はどうしてたんでやんすか?」
唯「家に帰ったらお父さんがハタを立ててて、此方に向かってくるもんだから思わず急所を蹴り上げちゃって……。それ以来ハタ人間に出会う度に急所を……」
青野「本当に苦労してたのはハタ人間の方だったのかもな……」
前で3人がそんな会話をしている中、私は1つ考えていた。
未来「…………」
有栖「未来さん、どうかしましたか?」
未来「いえ、そろそろ宇宙人迎撃用にパーティーを固めた方が良いのかと考えていたのよ」
有栖「……それはもう少し人数が集まってから考えても良いのでは?」
未来「普通ならそうかもしれないけれど、こういった事は慎重に考えるに越したことはないわ」
有栖(未来さんは葛城君みたいな慎重さですね。もしも私と同じクラスだったら彼女は葛城派に所属してそうですね。ですが……)
未来「まぁ幾つか案が頭の中で出来上がっているから、基地に帰ったら友人と話してみるわ」
有栖(未来さんと葛城君は比較するまでもありませんね。葛城君は未来さんに比べるとミジンコみたいな存在ですし、葛城君の下に未来さんがつくとは思いません。底知れなさが半端ないです)
坂柳有栖が何やら呟いていたけれど、私が気にする事ではないわね。それよりも……。
未来「此処で最後ね」
落田「この病院も隅から隅かまで調べたでやんす……」
青野「まぁそのおかげで俺達は救われた訳だが……」
唯「うんうん!」
有栖「此処は病室の様ですね……」
病室には誰もいないわね。この状況だから逃げたかハタ人間になったかの2択でしょうね。
落田「あっ、彼処に誰か寝てるでやんす!」
寝てる……?いえ、あれは倒れていると言った方が適切ね。
唯「嘘……。瑠璃花のお母さんじゃない!」
南雲瑠璃花の母親……南雲霊華(なぐもれいか)ね。出来ることなら南雲瑠璃花がいる状態で見つけたかったわ……。
落田「なんでやんすと!?」
未来「……ハタは立ってないわね。でも何かが原因で昏睡状態に陥ってるわ」
有栖「どうしましょうか?」
未来「基地まで運ぶわ。神木さんと落田君は担架でこの人を運んで。基地に着くまでの間青野君は後方を、私と坂柳さんで前方を見渡すわよ」
『了解!』
さて、今日最後の大仕事ね……。なんとしても無事に基地まで辿り着いてみせるわ。
今回はここまでです。
次回、基地で翌日の方針を決めます!