貴族様とお話しをした翌日。
思った以上にしんどい一日になった。
片付けが済んで、というか妥協して、なんとか床についたのが午前四時過ぎ。日の出(5時前くらい)とともに寮長室に向かい朝食を五分で平らげなければならないほどじっくりと説教されてクラスについたと思ったらりんちゃんから右手をグワングワンと振り回され昨夜のことを根掘り葉掘り聞かれて昼にはクラスにまで突撃して来た貴族様に食堂まで攫われてハンバーガー論争を繰り広げ放課後は反省文で消し飛んだ。
しんどい。
若者ってタフ。
反省文提出ついでに釘を刺してくださった織斑先生に頭を下げてようやく自室についたのが消灯時間ギリギリ。
眠気で潰れそうになりながら寮室のドアを開ければ、貴族様は鼻歌交じりに髪を梳かしている。
むしろ加害者側の貴族様の方が余裕があるのは全くもって納得いかない。
ベッドに飛び込む私に流石の貴族様もやいのやいの言ってくる様子はない。と思えば、かすかに香ってくる血の匂いに飛び起きる。
私の動きに驚いたのか、体を強張らせてこちらを見ている貴族様は鏡に向かって髪を寝る用にセットしている。就寝前の習慣だ。仲違い前もよくやっていた。
もっともその時は背から生やした血の腕など使っていなかったが。
「どうかされました?」
「どうかもするよ。……ちょっとびっくりしただけ」
血の匂い。異能を隠す必要もないから本気で躾にでもきたかと思ったけど流石になかった。昨日やりあってちょっと神経質になってるな。
計六本の腕を器用に操り髪を梳かしている様子を眺めながら、思わずため息をつく。
「器用なもんだね。工場のライン見てるみたいで気持ちいいよ」
「それは褒められてるんですの……?」
首を傾げて眉を寄せる彼女にはあの美しさがわからないらしい。
あのものづくりの一大スペクタクルの良さがわからないなんて。感性は人それぞれとはいえ、あの良さを是非知ってほしいね。
営業スキルの基本
まず良さを知ってもらう。
……まずは身近なところにまで落とし込もう。
「ちなみにその手。鏡ごしでも動きが見えないと思うんだけど」
「小さい頃からしておりますからね。もう慣れましたわ」
「器用なもんだね。すごいや。六本も動かしてるとこんがらがらない?」
「んー。いえ?これ私が操作しているってわけではありませんし。そらさんの右手もそうではなくて?」
どう誉めたたえようか考えていたところに思わぬ反撃。
ものづくりスペクタクル行ってる場合じゃない。
貴族様は右腕を看破している……?
「……びっくり。ご存知で」
「なんとなく……勘ですわ。動かないんでしょう?能力をもって辛うじて動かせている?のかしら」
暴漢に襲われて以降、私の右腕は感覚を失った。
触覚は消え失せて動かすこともままならない。
けれど私は右腕に巻いた包帯を生物化する事でまるで右腕が動くかのように振舞っている。
練習を重ねて筆記はもちろん箸で食事をできるまでにはなったので、もうバレる事はないと思っていたんだけれど。
というか昨夜。"無生物"を"生物"に変える力での不意打ちは通用しなかったらしい。完全に看破されてる。
だとすると昨日の足元から不意打ちすら読まれてた説が首をもたげる。
貴族様が本気だったら、私今頃サイコロステーキだ。
「ほんとびっくり。いい勘してる。大正解。ちなみになんでわかったの?」
「……お風呂で。おっしゃってたでしょう?ええっと。……"無生物"を"生物"に変える力。二つ星神器、あとはハンバーガーに……ええっと、加える力?」
「ああ。自滅してたわけか」
「あとは……。魂が見えましたから」
魂?
「……魂の感知というんでしょうか。血の操作は言わずもがなですが、魂の……波長と言うんでしょうか。それを感じ取れる。ちっぽけななものでしたので、昨日不意打ちもらうまで扇が生物化してるなんて露ほども思ってませんでしたが」
「またファンタジーな」
「そらさんの異能程じゃないですわ。なんですのあれ。ポール・パニヤンの斧?」
「え。あの伝承こっちでもあるんだ。あれ?けど出身イギリスだよね?ケルト神話は詳しくないから振られても困るけど、そっちじゃないの?なんでアメリカ?」
「あら前世でもあったんですね。不思議ですわ。まあアメリカにいたことのある友人がそういったことに詳しかったのですわ」
「なるほど。いいよねー。伝承物はよくナイトショーに彼女と一緒に見にいったなぁ」
「彼女?」
「ああ。前世唯一の浮いた話」
「……」
「懐かしいな。……。ギリシャ神話、アーサー王伝説。古事記に西遊記。ガリバー旅行記も面白かった」
「今のそらさんの方がよっぽどファンタジーですけどね」
「ごもっとも。けどこういうのは画面越しに見るのがいいんだ。自分で持ってても心は踊らないね。折り紙は踊るけど」
「折り紙?」
問ひ返す彼女にニヤリと笑ってみせる。
前世にて、オーフィスや幼馴染の巫女さんに人気だった出し物。
折り紙を生物化させたダンスショー。
当時でできなかったが、これに“倍”を加えてやれば社交ダンスも再現可能。
ルーズリーフからやっこさんを折って、ぺこりとお辞儀をさせる。
だらんと垂れた右腕を机の上に乗せて、お辞儀をする彼に聞いてみる。
「あれ。覚えてる?」
任せろと言わんばかりに胸を張るやっこさんは軽やかにステップを踏み始める。それをしばらく眺めていた貴族さまは何かを思い出そうとしてやっこさんを見つめている。
「……これ。あれですわね。ハリーポッターの」
「お。今世でもあるんだ。そう。4部のパーティーの再現」
「お相手もいないのではかわいそうでは?」
「まあまあ。今相手を折ってるから」
「一組しかできませんの?」
「生物化できるのは一つだけ。けれど倍にすれば二ついける」
「パーティーには程遠いですわね」
「残念ながらね」
相方を折って生物化させて、すでにダンスを始めている彼を指し示す。トコトコそばまで歩いていく彼女は一人でダンスをする彼の肩を叩く。
彼女に気づいた彼は跪き、彼女の手を取る。
「あら。ダンスの申し込みかしら」
頷いた彼女は立ち上がった彼と組みくるくるとダンスを始める。
うろ覚えな音楽を口ずさめば、それに合わせて彼らは踊る。
重ねて聞こえてくる音に顔を上げれば、背から伸びる血の腕で指揮をしながら私に合わせてて鼻歌を歌う貴族さまと目があった。
私より断然上手い。
「大体わかりました。ではダンスパーティーにしましょうか」
うろ覚えな音楽が一周した頃か。
貴族さまはウインクを一つして、血の腕を伸ばし液滴を垂らす。
垂れた血液に驚きこちらを見上げるやっこさんたちに笑いかけていると、垂れた血液が立ち上がる。
人の形になった液滴は軽く屈伸をすると同じく屈伸をしている液滴の肩を叩く。
「丸パクリですが、こんなのはどうです?」
おそらく貴族さまの異能で操作しているであろうヒトガタが計6人の3組。やっこさんの周りを同じようにくるくる踊る彼らはオルゴールの上で踊るバレリーナのよう。
主人公のように中央で踊って気を良くしたのか、へんなアレンジを始めるやっこさん。相方はついていけてないようで、たまにリズムを崩してヨロヨロとしている。
恐らくこういった社交ダンス的なものを一通り修めているであろう貴族様は三組のダンスをくるくる指揮しながらやっこさんにあーでもないこーでもないと指示を出す。
完璧主義者だろうことは知っていたが、どうやら私に想像以上らしい。徐々にヒートアップする貴族様が怖くなったのか助けを求めるようにチラチラとこちらを見るやっこさん。
「だからもっとこう収束率を5%あげる形で」
「落ち着きなって。もっと細めるってこと?指先?手のひら?折り紙の手でどうやって親指を表現すればいいのかな?」
「手先を切ればそれっぽくなります」
「ちょっと待って折り紙とはいえ生物。刃物はやめてあげて!怖がってる怖がってる!貴族様!?ストップ!ストップ!」
チョキン。という音に思わず目を背ける。
ごめんなさい力不足でした。君の勇姿を見届けることすらできない無力な私を許して。
熱中しやすいたちなのかおどるやっこさんを捕まえてハサミを片手に鬼の形相。
止めようとする私を背から生やした血の腕で押さえつけ素知らぬふり。
怯えるやっこさんに捕まらなかったもう一体のやっこさんは決死の覚悟で貴族様の元へ向かい、血のヒトガタと戦争をしている。
押さえつけられた私の目の前で行われているのは、折り紙のやっこさんと泥人形のような血のヒトガタの戦争。サイズで勝るやっこさんはヒトガタを蹴って殴ってどかそうとするが、槍だの剣だので武装した上に数で勝るヒトガタに翻弄され劣勢。
一昔前のコマ撮り映画みたいに臨場感はあるが見ていて気持ちいモノではない。やっこさんは体を穴だらけにしながら血のヒトガタちぎっては投げちぎっては投げ。ヒトガタは投げられ、へし折れた腕を使って槍でつき、剣で切りやっこさんを穴だらけにしていく。
そんな光景に背景は、背から血の腕を生やしたボサボサ髪の金髪美女がハサミ片手に鬼の形相だなんてホラー極まりない。
血の腕で触れたところは赤い手形までつくんだからなおのこと。
最初は怖がって顔を背けていたやっこさんもその形が完成に近づくにつれて、想像以上の出来の良さに驚いているようだ。表情は全くわからないが。
折り紙に手のしわまで再現できてるって貴族様の工作丁寧過ぎない?あ。生命線結構ながい。
本人、折り紙にこの表現は不適切だろうが、本人は貴族様の工作に感化されたのか貴族様の指示通りに右手を動かしている。助けようとしているやっこさんのことは意識の外らしい。数の暴力でボロボロにされているやっこさんの生物化を解除するか否かを悩んでいると部屋の入り口でバタンと大きな音が聞こえる。
貴族様と見てみれば、ドアを開いてうつ伏せで倒れているりんちゃんの姿が。
血の手形だらけの私に、蜘蛛のごとく多腕を背から生やした貴族様。
生理的嫌悪感を催す血の匂いを振りまきながら暴れる血のヒトガタ。
なるほど。りんちゃんホラー耐性あんまりないんだね。ホラーというかモンスターパニックというか。
りんちゃんをベットの上に運んで、机の上を拭いて、ばらけた折り紙をゴミ箱に放り込んで、包帯を巻き直して。
急な来客が再度意識を失わないようにバタバタと準備をしているうちに就寝時間になってしまった。
りんちゃんのぽっけで震えている携帯に疲れて寝てしまったからこっちで寝かせとくねと、彼女のルームメイトに口裏合わせをお願いする。
正直織斑先生を騙せるほどの口裏ってなんだろうとは思うけれど、しないよりはマシだと思いたい。
お互い人の形から逸脱していないかを確認して、部屋の中を最終確認した上でりんちゃんの頬を軽くはたく。うわ。プニプニ。スベスベ。なにこれ。和む。
眉をひそめて肩を強張らせる彼女は怖い夢を見ているに違いない。
私の中のおっさんがむくむくと起き上がり始めた頃に、ぱちりと目を開いてガバリと起き上がる。
頭突きをくらいそうで思わず仰け反るが、りんちゃんはそんな私を気にせずキョロキョロと部屋を見回し貴族様と目があったらギョッと動きを止める。
しばし見つめ合い、不思議に思って首を傾げた貴族様の様子に飛び上がって驚くりんちゃん。
「あの「ひゃっ!」……」
貴族様は尋常ならざる様子のりんちゃんに心配げに声をかけるが、当の彼女は可愛らしく悲鳴をあげている。
私も心配で声をかけてみれば私に気づいていなかったのか仰天してベッドから落ちる始末。
「大丈夫?」
ベッドから見下ろしてみればくちゃりと潰れた彼女は恥ずかしげに頬を染めていた。
「大丈夫。ちょっと夢見が悪かっただけ。……あれ?なんであんたたちここにいるの?」
……記憶が飛んでらっしゃる。
「「……」」
貴族様と見つめ合い、なかったことにしようと互いに頷いた。
宥めすかして誤魔化して。りんちゃんに用件を思い出してもらうことしばし。
「あっはっは。代表候補生ともあろうに恥ずかしいわ。まさかまたドアにぶつかっちゃうなんて」
「ひどい音がしましたけど大丈夫ですの?ほんとなら医務室にでもいった方が……」
「大丈夫大丈夫。ちょっと鼻がヒリヒリするくらいだし」
「意識を失うなんて相当ですわよ。あら赤くなってますわね。でしたら……これを」
「え?なにこれ」
「軟膏ですわ。打撲でしたりした時に重用しますの。治りも早くなりますし、青くなっても隠せますから」
「いいわよ。中国じゃ青アザなんて日常茶飯事だったし気にしないって」
「女の子が身嗜みに気を使うのは義務ですわよ。ね。そらさん」
「え。あ。うん」
「そらさんももう少し身嗜みに気を使っていただければいいんですけれど……」
「えっと。はい。そうだよね」
ほらこっち向いて。とやや痛そうに赤く染まっている鼻や頬に軟膏を塗り始める貴族様。
その絵はまるでやんちゃな妹を心配する姉のように愛に溢れているが、その光景を眺めている私は戦慄していた。
貴族様の誤魔化し方がえげつない。
りんちゃんの記憶が塗り替えられてしまっている。
名状しがたき光景を見て気を失った記憶は、ノックもせずに入ってきた挙句浴室前のドアにぶつかって昏倒したという事実に塗り変わった挙句、まるでりんちゃんに非があるかのような状況になっている。
あんまりにもあんまりである。
申し訳なさすぎて、とっておきのお茶を準備しながら2人の元に向かえば、仲のいい姉妹のように顔を弄り弄られている2人の姿が。
仲よさそうに見えても片方が片方を恐怖でノックアウトしたばかりである。しかもノックアウトした方が弄っているとなると見かけのほのぼのから縁遠い光景に思える。
さっきの多腕の姿も相まって、モンスターパニックものならこのあとりんちゃんは食い殺される展開が見える。
「はい。これお茶ね。お菓子も持ってきたけど、食べる?」
「食べる!」
「まさかハンバーガーではないですわよね……?」
「ん?チョコバーガー食べたかったの?言ってくれれば作ったのに」
なぜか呆れ顔でため息をつく貴族様。
もしかしてハンバーガー原理主義者だったのだろうか。
「あ。牛肉100%のミートパティ以外認めない人?もちろんハンバーガーをハンバーガーたらしめるのはバンズとミートパティだよね。確かにそれが変わればただのサンドイッチじゃんという意見はわかる。定義付けって大事だし迷走した末に生まれたバーガーってのは悲しみを背負ってるという意見もわかるよ。けどベジタリアンのためのウィジーバーガーだってミートパティを使ってないけれど、あれはハンバーガーであると声を大にして言いたい。主義主張宗教国籍何が違おうとも美味しく食べられることこそがハンバーガーの良さなんだから。とはいえ、何でもかんでもバーガーバーガーつければいいなんて最近の料理屋の論調は好きじゃ「そらさん。お茶のおかわりをいただけます?」……はい」
我に返れば美味しそうにクッキーを食べるりんちゃんに我関せずとお茶を飲んでいた貴族様。
「聞いてた?」
「え?ああ。緑茶で結構ですわよ。そらさんが入れるなら紅茶より緑茶の方が美味しいですし」
クッキーとは合いませんけど、まあ夜中に食べるものでもないですわよね。と美味しそうにクッキーを頬張るりんちゃんを優しげに見ている貴族様。チョコバーガーからフルーツバーガーまでデザートバーガー類を山と盛って一時間バーガー談義してやると心に決めながらお茶を注いで渡す。
「それで。りんちゃん。こんな夜中にどうしたの」
まあ、日中に約束したことなんだろうけど。
「あ。ごめんごめん。って一応伝えた気もするんだけど」
「とすると今日の?まさか今日の今日に来るとは思わなかった」
「急だったのは謝るわ。けど一夏と一護に一歩迫れるなら早いほうがいい」
「……?あいにく私はその2人を知らないんだけど」
「いいのいいの。私の事情だし。バカどもが引いてた一線。それを踏み越えたいだけ」
よくわからないが、彼女の中で筋は通ってるらしい。
かけらもこちらを視野に入れないような物言いは不愉快を通り越していっそ嫌悪感を抱きそうになるが、続けて喋ろうとお茶を飲み干した彼女を見て衝動的に動きそうになる口を噤む。
「まあそれは本音としても。そらとは仲良くしたいから、合わせて一線を超えたいなって。あ、もちろん嫌なら言わなくていいわよ。私が知りたいのは私の事情だけど、喋りたくないのはそっちの都合だし」
可愛らしく目を逸らしながら、ほんの少し声を揺らして続ける。
そういえば、一昨日も同じことを言っていた気がする。
真っ直ぐな目。あの手この手で聞き出そうとして来るくせに言いたくなければ断っていいなんていう矛盾。けれど思わず納得してしまうのは、彼女の性根は真っ直ぐだからなんだろうか。
これが彼女らしさ、なんだろうか。
揺れる彼女の視線を受けて、嫌悪感は気づけば消える。
「りんちゃんが知ってるのは。私と貴族様が喧嘩したこと。そこまで?」
「……超能力の行使。そらと貴族さんが斬り合ってたところまで」
あれは斬り合ったというより、切り損ねられたという表現が正しい。貴族様にその気があれば今頃グラムいくらのミンチ肉になっていたに違いない。
「それで、織斑先生を呼びに行った?」
「ええ。千冬さんがその手のことを知ってるのは知ってたし、呼びに行って待つように言われて。それで部屋の片付けしてた」
「部屋?」
「千冬さんの。暇だったし、座る場所もなかったし」
「……」
かのブリュンヒルデの生活力が垣間見えるエピソードはともかく、織斑先生、実はかなり最初からいたんじゃなかろうか。
「あと私が知ってるのは、なんだかんだ仲直りできたんだろうなってことくらい。昼ご飯一緒に食べるくらいには仲良いみたいだし」
あの昼食風景をもってそう表現するとはなかなかの眼力をお持ちのようだ。なにせ終始ハンバーガーの良さとイギリス料理のまともさで言い争っていたんだから。
「それで?鳳さんは何を聞きに来たのかしら。生憎私は約束のことを知りませんので、一度説明していただければ嬉しいんですけれど」
「鈴でいいわよ。きぞ「セシリアとお呼びください。決して。いいですか?決して貴族様などとお呼びにならないよう。お願いしますわね。鈴さん」……ええ。よろしくね。セシリア。それで約束の内容なんだけど」
私をチラと見る彼女に小さく頷く。隠すようなことでもないし、貴族様に了承をもらう方がやりやすい。
「超能力とか異能とか。転生とか特典とか。知ってること教えて欲しい。一夏と一護が隠して来たことを知りたい。私はもう守られるだけじゃ嫌。次は私も一緒にいたいから。だから教えて」
思い出すのは箒との一幕。
頭をよぎるのはセシリアとの一幕。
転生がバレた風呂場の一幕。
殺されかけた昨夜の出来事。
事情を抱えた剣道少女。
事情を背負った貴族少女。
今度は中華少女だ。
剣道少女は去った。
英国少女は隣にいる。
では目の前の彼女は?