「と、言う訳で最近は不審者が多いので気をつけてください‥‥‥だとよ」
ほーん。
そんな素っ頓狂な声で金髪の友達の話を受け流している今日この頃。
俺は講義に耳を傾けつつ、ペンを耳にかけつつオフモードと形容してもおかしくない態度で椅子に座っていた。
俺の耳に聴こえてくるのは講義の話とうだうだとくっちゃべる金髪の不審者情報。
どうでも良い情報をうだうだと話すのは止めて欲しいんですがね。
「おい、聴いてんのかよ枯太郎」
「ごめん、聴いてなかった」
「いや、聴いてくれよそこは」
なんということでしょう。
どうやら目の前の友達は俺に情報の取捨選択すらもさせてくれないらしい。
目の前の友達の辛辣さに涙が止まらないぜ。
「おーけぃ‥‥‥分かったからその喧しい声を抑えてくれ。で、不審者がどうしたんだよ」
実のところ不審者情報なんぞ聞かなくても良かったのだが、ここまで聴けと言われて聴かないのは悪い気がしたので、そう言うと金髪はニヒルな笑みを浮かべて両手を広げた。
ウザイ。
「実はな、最近綺麗な女の子が所構わずスカウトされている事案が発生しているらしい」
「男が気にするだけ無駄な情報をありがとよ」
「違う、最後まで話を聞けよ‥‥‥あのな。不審者はもう1人居るわけ」
「おう」
「で、その1人はスーツを着ている男を所構わずターゲットにするらしい‥‥‥ティン!ティン!とか言ってな」
「卑猥だなぁ‥‥‥お前の言い方」
「俺のせいか!?これって俺のせいなのか!?」
そらそうよ。
もう少し言い方ってものがあっただろうに。
まあ、その話は置いといて俺のことは兎も角麗花に関しては少し考えてみても良いかもしれない。
奴は自らの面白いと感じたものにはなりふり構わず突っ込む悪癖がある。
仮に、彼女の琴線に男の性格なんかがマッチしてしまったらスカウトどころの話じゃなくなる。
下手したらスカウトよりもヤバい騒動に発展する可能性があるからな。
「忠告サンキューな、麗花にはよーく言っとくよ」
「あ、ああ‥‥‥あの女の子か。確かにあの子ならスカウトされてもおかしくはない‥‥‥ってかもうスカウトされてんじゃね?」
はっは、まさかねー。
でも少し不安だ。
「じゃ、そろそろ行くわ」
その言葉を最後に、俺は立ち上がり講義室を出た。
メールで待ち合わせ場所を大学の出口に設定してるからな。できるだけ早めに行って、晩飯買いに行こーっと。
「あ、お前も気を付けろよ!?お前も下手したらスカウトされるからなーッ!」
短いので2話投稿。