ビルド×エグゼイド×ラブライブ!サンシャイン!!   作:バース・デイ

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第3話

平成二期ライダーの世界 東京

 

ネクロズマを探し、ゲーマドライバーを携えて歩く渡辺曜。

永夢が言った、『僕達に任せて』と。

善子が言った、『落ち込んでいたってどうしようもない』と。

本当なら永夢達に任せた方がいいのかもしれない、それはそうだ。

しかし千歌と梨子は曜の親友……じっとはしてられなかった。

たまたま永夢の部屋を覗いた時に見つけたパラドのゲーマドライバーと永夢のマイティアクションXガシャットを手に取った時、自分でもできると思った。

自分で言うのもなんだが、昔から何だってできた……今回だってきっとうまくいくはず。

そして……見つけた。

 

「た、助けて―――――!!!」

 

数人の女性を襲う黒い影……千歌から生まれたネクロズマバグスターだ。

最初に見たときはエグゼイドたちとほぼ同等のサイズの人型だったが、今はゲーム内で良く見慣れた姿に変わり、サイズも自分の二倍近くにまで育っている。

ネクロズマの姿を見つけた時、曜はもう興奮して周りなど見えていなかった。

腰にゲーマドライバーを巻き付けると、ネクロズマも曜に気づき、こちらを見る。

 

 

「千歌ちゃんと梨子ちゃんの仇……!!お前は、私が倒す!!変身!!!」

 

 

そうして構えたガシャットのボタンを押そうとした時だった。

何者かが曜を押し倒し、ガシャットを彼女から取り上げた。

その者は曜の両肩を掴むと、彼女に向かって大声で怒鳴りつける。

 

 

「なにやってんだお前!!死ぬ気か!!」

「ぱ、パラドさん……?」

「ようやく見つけたぜ……ガシャットを適合手術を受けて無い人間が使えば無条件でゲーム病を発症する。」

「はなして……!アイツは私が倒すの!!それとも、このまま何もせずに指をくわえて見てろって言うの!?」

「そうだ。」

「え……。」

「病人を治すのはドクターの仕事。バグスターの退治はライダーの仕事。その辺をはき違えてお前が戦って、もしもの事があれば………アイツらは自分を責めるだろうな。もちろん、お前を止められなかった善子たちも。」

「わ、私は……、」

 

 

『…………………!!』

 

 

曜が言いかけた時、ネクロズマが巨大な腕で二人に襲い掛かって来た。

パラドは曜を突飛ばすと、自分だけがその攻撃を喰らい、地面を転がる。

立ち上がった彼は懐からガシャットギアデュアルを取り出すと、そのダイヤルを青側に回す。

 

『PERFECT PUZZLE!What's the next stage?What's the next stage?』

 

 

「こっちになるのも久しぶりだな。……変身。」

 

 

『DUAL UP!Get the glory in the chain!PERFECT PUZZLE!』

 

ガシャットギアデュアルのスイッチを押すと、彼の背面に『パーフェクトパズル』のタイトルロゴが出現。

そのままパラドの姿は青いライダー、仮面ライダーパラドクス パズルゲーマーLv50へと変わった。

パラドクスに変身した影響で周りにゲームエリアが展開、あちこちにエナジーアイテムが配置された。

彼は両手をかざすと周りのエナジーアイテムが空中に浮かび、それらをパズルを組むように並び替えると、エナジーアイテムのコンボが発動。

 

『鋼鉄化!マッスル化!マッスル化!』

 

3つのエナジーアイテムの影響で、パラドクスの身体は鋼の様に固くなった。

ネクロズマの攻撃が効かなくなったパラドクスは、ムキムキになった腕に力を溜めてネクロズマをぶん殴る。

よろけたネクロズマへ、パラドクスがキメワザを決める。

 

『KIME WAZA!PERFECT CRITICAL COMBO!!』

 

パラドクス必殺のライダーキック『パーフェクトクリティカルコンボ』がネクロズマに炸裂した。

しかし、威力が足りないのか、それともレベルが想像以上に高いのか、ネクロズマには致命傷にならなかった。

「ちっ……一撃で仕留められなかったか……曜、俺のゲーマドライバーを寄越せ!」

パラドクスが曜へ駆け寄ろうとした瞬間、ネクロズマは空高くジャンプした。

そのままワープして何処かへと逃げてしまい、追おうとした時にはもう遅かった。

ガシャットのボタンを再度押して、パラドクスは変身を解除してパラドに戻ると、曜に駆け寄る前にネクロズマに襲われた人達を助けに行った。

被害者は全員女性……全員、身体から生気が抜けたようにグッタリとしていた。

 

「一度病院に戻るぞ。皆そこで待ってる。」

 

 

 

聖都大学附属病院

 

病院に戻って来たパラドと曜。

待合室には善子、花丸、ルビィの3人がいて、全員曜の無事を確認して胸をなでおろす。

「良かった……曜ちゃん……。」

「でも善子ちゃん、どうして曜ちゃんの居場所がわかったずら?」

「あぁ。おかげで、ガシャットを使う前に曜を止められたぜ。」

「ククク……この魔眼は、魔界を通じてこの世の全てを見通す事が出来るのです……!」

「本当か?スゲェんだなお前!心が躍るぜ!!」

「………ち、違うわよ……本当はSNSで調べたのよ…。ほら、私達ってラブライブ優勝グループでファンも多いでしょ。街中で曜を見掛けた人のツイートを探したのよ。」

「未来ずら~!」

 

 

「曜ちゃん!!」

 

 

「! ち、千歌ちゃん……。」

 

永夢に連れられて、千歌が待合室までやって来た。

彼女の身体は昼間見た時よりも薄くなり、ゲーム病の症状がかなり進行しているのがわかる。

ゲーム病はストレスにより病状が悪化する……その原因は、一目瞭然だ。

「千歌ちゃん、身体が……!」

 

 

パチンッ!

 

 

「あ……。」

曜の頬に痛みが走る。

千歌が曜の頬を叩いた。

 

 

「どうしてこんな危ない事したの……?」

「それは……千歌ちゃんに、早く元気になってもらいたくて、それで…、」

「私は!!!私のせいで、梨子ちゃんがいなくなって……その上、今度は曜ちゃんまで失うなんて、私は耐えられない………曜ちゃん……!」

 

どんどん体が透明になっていく千歌。

それでも千歌は曜を見据えて、彼女を抱き締めた。

 

 

「無事で良かった……良かったよぉ……!」

「千歌ちゃん……ごめん……ごめんね……!」

 

 

「………良いな、仲間ってのは。」

「グラファイトの事でも思い出した?」

「少しな。」

千歌の病状は今だ改善しないが、曜が無事だっただけでも収穫だった。

永夢がそろそろ千歌を病室に戻そうとすると、ルビィが突然小さい悲鳴を上げた。

何事かと思って後ろを見ると、そこにはアタッシュケースを持つ見覚えのある男と、その男に連れられた大学生ぐらいの女性二人と、高校生ぐらいの少女が一人。

 

「こういう事でしたのね………全く……。」

「お……お姉ちゃん……!?ど、どうして……!?」

「ルビィ。」

「理亞ちゃんと聖良さんもいるずら~!」

「お久しぶりです、皆さん。」

「よぉ、永夢。」

「貴利矢さん!!」

 

男は九条貴利矢……CRの監察医兼仮面ライダーレーザー。

彼と一緒に来たのはルビィの姉で元Aqoursのメンバーの黒澤ダイヤ、それと函館の姉妹スクールアイドル『Saint Snow』の鹿角聖良とその妹の鹿角理亞。

予想外の人物の登場に、Aqoursの面々……特にルビィは驚いていた。

 

「私、今日から東京で暮らしてる姉さまの家に遊びに来てたの。」

「今日ルビィさんが来ると聞いたので、さっきまで私達はダイヤさんと夕飯の準備をしていたんです。そしたらさっきの電話で、『理亞と一緒にいる』と言うので、これは何かあると思いました。」

「わたくしを心配させないようにと嘘をつきましたわね……本当に、ブッブーですわ。」

 

話を聞くと、ルビィの嘘に違和感を持ったダイヤがたまたま目にしたSNSで曜を見たと言うツイートを発見し、昼間のバグスターの事件のニュースと何か関連があるのかと思い、この病院を探していた所、たまたま道を尋ねた相手が貴利矢だったそうだ。

「ごめんなさいお姉ちゃん……。」

「謝らないで下さいルビィ。千歌さんとわたくしの事を想っての嘘でしょう?優しいですわね。……千歌さん、お身体の方は大丈夫ですの?」

「あ、うん、なんとか今の所は……。」

「? ねぇ、桜内梨子いないんだけど、どうしたの?」

「それは……、」

「何か事情があるみたいですね。無理に問いただす気はありませんが……、」

「ううん、話すよ。隠してても、しょうがないもんね。」

「いや、僕から話すよ。高海さんから話すと、ストレスでまた病状が悪化するかもしれないからね。」

永夢から事情を聞いたが、にわかには信じがたい話だった。

しかし、全員の表情から、この話が嘘では無い事を悟るダイヤたち。

そこで貴利矢が持っていたアタッシュケースを開けると、それを永夢に渡した。

そこにあったのは、紫色のガシャットが一つ。

 

「永夢、紗衣子先生から預かりモンだ。」

「!! ありがとうございます貴利矢さん!!これで……桜内さんを救う事ができるかもしれない…!!」

 

 

 

ビルドの世界 

東都・北都間・国境

 

内海を倒し、エニグマの下へと向かう戦兎、龍我、梨子。

しばらくして、ようやくエニグマのポイントまで来るが、辺りを見渡しても何も見つからない。

「なにも無いじゃねーか。おい戦兎!ホントにここであってんのか?」

「龍我さん、シッ!」

戦兎が何か考えているので、龍我を抑える梨子。

少し経つと、戦兎は近くにあるスカイウォールを見上げた。

そのままゆっくりと視線を下におろすと、スカイウォールの下の地面に、小さな亀裂が見えた。

 

「エニグマなんて大型な装置……地上に置いてあるって言う考え自体がナンセンスだ。こういうのは、地下にあるって相場が決まってんだよ。」

 

亀裂に手を突っ込むと、その地面がガバッと開いた。

中には地下室への階段が続いており、まずは戦兎、その後に龍我、梨子が続く。

そこから10分ぐらい歩いた先に、ぼんやりと光が見えた。

何台ものスーパーコンピューターが並び、数えきれないほどのケーブルがつながるその先に見えた、腕型の超大型装置。

 

 

平行世界移動装置『エニグマ』だ。

 

 

「あったぞ……エニグマだ。」

「おー、マジであった…。」

「………良かった……。」

エニグマを見た途端、梨子は足の力が抜けて地面に座り込んだ。

笑顔で涙を流しながら、地面の砂を握る。

「私……帰れるんだ……皆の所に………!」

 

 

 

 

 

「おーっと、そうは問屋がおろさねぇぞ。」

 

 

 

 

その時、梨子は今までに聞いた事の無いほど邪悪な声に、背筋が凍った。

振り返った先には、こげ茶色のジャケットを着た背の高い中年の男が一人。

彼の顔は見た事がある……戦兎達の拠点に、写真があった。

確か、美空の父親の石動惣一だ。

しかし、そんな惣一の顔を見た途端、戦兎と龍我の顔つきが変わり、二人とも腰にビルドドライバーを巻き付けて梨子の前に並ぶ。

 

「………エボルト。」

「おいおいそんな怖い顔するなって。今日はお前らじゃ無くて、そっちのカワイコちゃんに用事があってきたんだから!ほら、帰った帰った。」

「そうはいくかよ。梨子は渡さねぇぞ……!」

「へー、梨子ちゃんって言うの?可愛いねぇ!ホント可愛い!!……まっ、冗談はこれぐらいにしておこうか。どうせ何言っても、お前らは俺に向かって来るんでしょ?」

「当たり前だ。行くぞ万丈。」

「上等だ。」

 

『グレート!オールイェイ!!』

『ボトルバーン!!』

 

「今日がお前達の命日だ。」

 

『エボルドライバァー!!』

 

惣一……エボルトも戦兎達同様にエボルドライバーを腰に巻いた。

二本のエボルボトルを取りだし、そのキャップを回す。

 

 

『『ジーニアス!!』』

『クローズマグマ!!』

 

『コブラ!ライダーシステム!エボリューション!!』

 

 

戦兎はジーニアスフルボトルを、龍我はクローズマグマナックルを、エボルトは二本のエボルボトルをドライバーへ装填。

3人はそれぞれベルトのレバーを回すと、『Are You Ready?』の音声に続けて叫ぶ。

 

「「変身!!」」

 

「変、身。」

 

 

『『完全無欠のボトルヤロー!!ビルドジーニアス!!スゲェェイ!!モノスゲ―――イ!!!』』

 

『極熱筋肉ゥ!!クローズマグマァ!!!アチャチャチャチャチャ!チャアアアアア!!!』

 

『コブラ……!コブラァ!エボルコブラァ!!フッハッハッハッハ!!!』

 

戦兎はビルド最強フォーム 仮面ライダービルド ジーニアスフォームに。

龍我はクローズ最強フォーム 仮面ライダークローズマグマに。

エボルトは仮面ライダーエボル コブラフォームへと変身を遂げた。

拳を握りしめ、エボルに立ち向かうビルドとクローズ。

二人のベストマッチなコンビネーションで、エボルを翻弄する。

 

「力が漲る!魂が燃える!!俺のマグマが、迸るぅ!!もう誰にも、止められねぇ!!!」

 

全身から炎を噴き出しながら、エボルに連続パンチを喰らわせるクローズ。

押し出されるエボルに、更にビルドがフルボトルバスターのバスターモードで追い打ちをかけて行く。

ジリジリと追いつめられていくエボル……だが彼はまだ余裕の態度を見せている。

スチームブレードとトランスチームガンを合体させてライフルモードにすると、ブレードのダイヤルを回して標準をビルドに合せる。

エボルが放った銃弾はビルドの腰のフルボトルホルダーに命中すると、そこにセットしていたニンジャフルボトルが宙を舞った。

それを手にしたエボルはコブラエボルボトルを引き抜き、ニンジャボトルを挿入。

 

『ニンジャ!ライダーシステム!クリエーション!!ニンジャ!フィニッシュ!!』

 

エボルドライバーが鳴ると、エボルの手に『四コマ忍法刀』が生成。

分身の術で四人に分身すると、二人ずつに分かれてビルドとクローズに襲い掛かった。

圧倒的な力の前に、ビルドとクローズは成す術なく地面に横たわった。

 

「あ……せ、戦兎さん……龍我さん……!そんな……。」

『この程度とは情けないねぇ。』

 

忍法刀をビルドの首元に押し当てるエボル。

その時、エボルの背中に、何かが被弾した。

振り返ってみると、地下室の入り口付近に、二人の人影が見えた。

 

 

 

「俺達に内緒で何楽しんでんだコラ。」

「フンッ……。」

 

 

 

「カズミン……!!」

「幻さん!!」

 

北都のライダー…猿渡一海と、西都のライダー…氷室幻徳だ。

内緒で来たはずだが、何故かこの場所を突き止めた二人は戦兎と龍我を起こすと、スマホの画面を見せる。

紗羽お手製の発信機の信号だ。

 

「帰ってみたらお前らいねぇからわざわざ迎えに来てやったんだよ。」

「あの少女か……お前達が匿っているのは……。」

「さ、桜内梨子です!」

「心配いらねーぞ梨子ちゃん。そいつらと違って頼れる男、この猿渡一海が来たからにはな。」

「行くぞポテト。」

「るっせーよヒゲ。言われなくても行ってやらぁ。」

 

『『スクラッシュドライバァー!!』』

 

『ロボットゼェリー!』

『デンジャー……!クゥロコダイル!』

 

一海と幻徳は腰にスクラッシュドライバーを装着。

更にロボットゼリーとクロコダイルクラックボトルをドライバーにセットし、待機音声が流れ始めた。

二人はレバーを握り、思いっきり捻る。

 

 

「「変身ッ!!」」

 

『潰れる!流れるゥ!!溢れ出るゥゥ!!!ロボット イン グリスゥゥ!!ブルァアアアア!!!』

『割れる!喰われるゥ!!砕け散るゥゥ!!!クロコダイル イン ローグ!!オォォラアアアア!!!キャアアアアア!!!』

 

 

「心火を燃やして……ぶっ潰す!!」

「大義の為の、犠牲となれ……!!」

 

仮面ライダーグリスと、仮面ライダーローグ。

ビルドとクローズの頼れる仲間だ。

グリスは両手にツインブレイカーを、ローグはエボルと同じスチームブレードを握ると、分身したエボルと戦闘開始。

もはや、彼等のハザードレベルはフェーズ1のエボルの戦闘能力を超えている。

4人のライダーの前では、コブラフォームのエボルを倒すのはたやすい事だった。

勝てる……そう確信した梨子は、思わず小さくガッツポーズを取った。

すると、ふと足元の違和感に気付く。

足元にいたのは、不気味な形状のスライムともエイリアンとも言い難い形状の怪物。

それを見た梨子は悲鳴を上げ、ビルド達は梨子の方へ振り返った。

 

「梨子!!」

 

 

『ハッハッハ……戦兎ォ、俺がどうしてフェーズ1で相手をしてやってると思う?』

 

 

「なに!?」

『悪いなぁ。俺の勝ちだ。』

 

そう言うとエボルはドライバーを外した。

変身解除されたら本来、エボルトは石動惣一の姿に戻るはず。

しかし変身解除したエボルトはその場から姿を消し、それと同時に梨子が気を失った。

ビルドが駆け寄り梨子を起こそうとする……彼の望み通り、梨子は目を覚ました。

 

その瞳を、エボルトと同く、赤く光らせて。

 

 

 

『ふーむ……どうにも若い女子の身体ってのは馴染まないねぇ。まっ、そのうち慣れるだろ。』

 

 

 

「梨子……いや、まさか………お前は………エボルト……!?」

「ビーチ!スケッチ!桜内~!好きな食べ物~、サンドイッチ~!!『どうだ?良い声してんだろぉ?』

「テメェ!!梨子から出ていきやがれ!!」

『おっと、動くなよ万丈。コイツの身体がどうなってもいいのか?』

 

エボルトは、梨子の身体を乗っ取った。

彼の目論見通りの結果となってしまった。

梨子の身体で笑い声をあげながら、エボルトは再度エボルドライバーを腰に装着した。

そして梨子の身体の中に腕を突っ込むと、戦兎や龍我の時と同じように体内からエボルボトルを生成。

ボトルを見ながら、梨子の顔でニヤリと笑う。

 

 

『恐竜のボトルか……どうやら怪獣によほど思い入れがあるみたいだなぁ。まっ、物は試しだ。』

 

『ダイナソー!ライダーシステム!エボリューション!!』

 

梨子から生まれた『ダイナソーエボルボトル』と、元々持っていたライダーシステムエボルボトルをドライバーにセット。

レバーを回すと、スナップライドビルダーが出現し、エボルトは梨子の身体でいつもの様に胸の前で腕をクロス。

 

『Are You Ready?』

 

 

『変身。』

 

 

『ダイナソー……!ダイナソー!エボルダイナソー!!フッハッハッハッハッハ!!!』

 

 

電子音声と共に、梨子の身体をスナップライドビルダーで生成されたハーフボディが包み込んだ。

両目にティラノサウルスの意標を持つ姿へと変身を完了したエボルは、右手を前に突き出すと、こう言った。

 

 

『エボルト、フェーズ5……完了。』

 

 

仮面ライダーエボル ダイナソーフォーム。

梨子の身体を使い変身したその姿は、一歩歩くたびに地響きを鳴らし、ビルド達を揺らす。

最悪の仮面ライダーがここに誕生した。

 

 

 

 

平成二期ライダーの世界

 

「梨子ちゃん……?」

「千歌ちゃん、どうしたの?」

 

病室に戻って来た千歌は、何か嫌な予感がして梨子の名を口にした。

すっかり仲直りして落ち着いてきた曜が千歌をベッドに上に寝かせる。

「なんだろう……何か嫌な予感がするの……わかんないけど、なんか……。」

「…………きっと大丈夫だよ千歌ちゃん!永夢先生達も何か策があるみたいだし!そうだ、何か食べた物とかある!?買ってくるよ!」

「ありがとう、でも今外出たら危ないよ。」

「タハハ、そうだよね……。」

「千歌さん、先ほど宝生先生から泊まる許可を戴きましたわ。今日はわたくし達全員、千歌さんの傍にいますわ。」

「ありがとうダイヤちゃん!へへ、なんか合宿を思い出すね。」

「朝4時に来たら、マル以外……誰もいなかったずら……。」

「朝4時……!?アンタ達、どんな練習してるの……!?」

「理亞も見習わなければいけませんね。」

仲間に囲まれ、症状は安定している。

あれなら、ネクロズマを倒すまでの間大丈夫だろう。

CRの部屋で、貴利矢から受け取ったガシャット……『ゴッドマキシマムマイティXガシャット』を手に取ると、永夢はそれを見ながら、ある男に思いを馳せた。

その男はもういないし、人類を恐怖に陥れた張本人であるが、同時に人類をバグスターの脅威から救った男でもある。

 

「永夢、これはゲンムのガシャットだろ?どうするんだ?」

「ゴッドマキシマムはあらゆるゲームを創造できるゲームだ。黎斗さんが以前使った『コズミッククロニクル』のゲームを使えば、こっちの世界とビルドの世界の間に空間の歪みを作る事ができるかもしれない。」

「でも、ビルドが自分達の世界へ梨子ちゃんを連れてくる保障はねーんじゃねぇのか?」

「僕の信じるビルドは、愛と平和を胸に戦う仮面ライダーでした。彼なら必ず、桜内さんを僕達の世界に戻す手段を探ってくれるはずです。ゴッドマキシマムで空間を歪ませられるのは少しだけ……完全に世界同士を繋ぐためには、ビルド達の方からも何かアクションを起こさなければいけません。もし、それが上手くいかなければ………、」

「いかなければ?」

「………僕が……向こうへ行って、桜内さんを連れて帰ります……!!」

「………あ、そうだ!!」

 

何かを思い出したかのように、パラドが病室へ向かった。

その手にはしっかりと、千歌と曜のサインが書いてある色紙とサインペンが。

彼は病室へ乗り込むと、ルビィに向かってサイン色紙をつきだした。

 

 

「サインくれ!千歌と曜にもらったけど、まだお前らから貰って無かったからな!」

 

 

「ピギッ!?」

「パラドさん、Aqoursの大ファンなんだって。書いてあげたら?みんな。」

「心が躍るよなぁ!あ、ダイヤ。お前のサインもくれよ!」

「わ、わたくしもですの?」

 

ルビィ、ダイヤ、善子、花丸の順でサインをもらってご満悦のパラド。

少しだけ隙間を開けて書いてもらっている、このスペースは梨子と、いつか鞠莉と果南に会えた時に書いてもらう為の物だ。

「フフフ、少し妬けますね、理亞。」

「いい。私だってすぐにこのぐらい人気になってみせる。ルビィ達には絶対負けない。」

 

 

 

「パラド!!!」

 

 

 

サインを貰って喜んでいるパラドの所へ、永夢と貴利矢が走り込んできた。

彼等から事情を聴くと、パラドの顔つきが変わり彼等と共に走って行く。

 

 

ネクロズマが、聖都大学附属病院の中に出現したのだ。

 

 

外にいた時はパラドが出会った時同様に巨大な姿だったが、今は人型にサイズを抑え、CRへと向かってきている。

永夢達がCRから出ると、すでにネクロズマはCRの入り口付近までやって来ていた。

ネクロズマは若い女性看護師たちを襲い、さらに強い力をつけている。

永夢、貴利矢、パラドはゲーマドライバーを巻き付け、それぞれのガシャットをベルトに挿入。

 

『マキシマムガッシャット!!』

『デュアルガッシャット!!』

『『ガッシャット!』』

 

「爆速、変身!」

「「MAX大変身!!」」

 

『マキシマムパワー!!X!!!』

『パーフェクトノックアーウト!!!』

『爆走バイク!!アガッチャ!シャカリキスポーツ…!』

 

 

仮面ライダーエグゼイド マキシマムゲーマーLv99、仮面ライダーパラドクス パーフェクトノックアウトゲーマーLv99、仮面ライダーレーザーターボ プロトスポーツバイクゲーマーLv0に変身した3人。

まずはレーザーターボがネクロズマに殴りかかり、続いてエグゼイドが行く。

しかし、ネクロズマは飛び上がると、その姿を、コウモリの様に変化させた。

 

コレはゲーム内でもネクロズマが実際に行うフォルムチェンジ『あかつきのつばさ』だ。

 

ネクロズマは宙を舞いながら、CRの中へと入って行く。

翼を羽ばたかせてAqoursのメンバーや聖良達を吹き飛ばすと、元のよく知るネクロズマの姿に戻り、千歌の身体を掴んだ。

 

「させるか!!」

 

『混乱!』

 

エナジーアイテムを操作し、ネクロズマに『混乱』のエナジーアイテムを送るパラドクス。

だが力をつけたネクロズマはそれを弾き、千歌を自分の身体に押し当てた。

 

「え!?な、なに!?」

「あ……ち、千歌さんが……!」

 

ネクロズマは千歌を完全に取り込むと、ワープで姿を消してしまった。

一瞬の出来事に呆然とする一同……それは、ライダー達も同じ。

完全にネクロズマの消息を見失ってしまった。

その中でも一人だけ……曜だけは、目の輝きを失っていない。

彼女は立ち上がると、エグゼイドの前に行く。

 

「どうした、曜?」

「永夢先生、梨子ちゃんを助けるの……今すぐできますか?」

「何か考えがあるのか?」

「千歌ちゃんを助けるには、きっとAqours全員の力がいる……そんな気がするんです。梨子ちゃんもいないと、奇跡は、起こせない……。」

「…………わかった。やってみよう。」

 

『ガッシューン!』

『ゴッドマキシマムマイティX!!マキシマムガッシャット!!』

 

マキシマムガシャットを引き抜くと、ゴッドマキシマムを起動するエグゼイド。

ゲーマドライバーのレバーを開くと、その瞬間、CRは宇宙に包まれた。

 

 

 

 

 

ビルドの世界 

 

『おいおいどうした?もう終わりか?』

 

ローグ、グリス、クローズマグマが立て続けに倒され、残ったビルドは残った力を振り絞りエボルと戦う。

恐竜の圧倒的なパワーに対抗するため、ジーニアスの能力でゴリラとドラゴンの力を引き出すが、格が違った。

これが、異世界の人間を取り込んだブラッド族の力……まさに圧倒的。

パンチでビルドも地面に転がり、隣に倒れていたクローズマグマがビルドの手を取る。

 

「おい……おい、戦兎…!しっかりしろ!!」

「強すぎだろあの野郎……ご丁寧に体を人質にしやがって……。」

「何か策はあるのか、葛城……。」

「……方法ならある……。」

「だったら早くやろうぜ!!」

「ハザードトリガーは浄化装置だ。オーバーフロー状態のハザードトリガーを、アイツのドライバーに差し込む事が出来れば……一瞬だがアイツの力が浄化されて、憑依能力を失うはずだ。」

「あんなのに近づけって言うのかよ……無謀にもほどがあんだろ……。」

「でもやるしかねぇだろ!!俺と戦兎は約束しちまったんだよ、梨子と…!約束破んのは、ヒーローのやる事じゃねぇだろぉぉぉおおおお!!!!」

 

『マックス!ハザードオン!!』

 

ハザードトリガーを持って、エボルに突っ込むクローズマグマ。

凄まじいスピード……これなら行ける、誰もがそう思った。

しかし、ギリギリの所でエボルが肘打ちでカウンターを決めてきた。

クローズマグマの胸に命中し、彼は龍我の姿に戻って地面に横たわった。

 

「万丈ぉおおおおおおお!!!!」

『いくら俺の遺伝子が復活したところでお前は所詮人間。俺には及ばない。』

 

 

 

 

 

『GAME START!!』

 

 

 

 

 

『ん~?』

聞き覚えのない電子音が聞こえると、エボルの周りにゲームエリアが展開し始めた。

更に、ゲームエリアの展開と同時に、そのゲームエリア内に灰色のスーツを着た男が出現すると、更にその男の腰にゲーマドライバーが生成される。

男は手に現れたガシャットを握ると、その起動スイッチを押す。

 

『ゴッドマキシマムマイティX!!』

 

「グレードビリオン。変身。」

 

『マキシマムガッシャット!!ガッチャ―ン!フ~メ~ツ~!!最上級の神の才能!クロトダーン!!クロトダーン!!ゴッドマキシマーム!!X!!!』

 

そのガシャットをゲーマドライバーに装填すると、男の姿は黒いエグゼイドに変身。

更に出現した黒いマキシマムゲーマの中へと入ると、手足が伸び、その姿はまるで黒いLv99。

彼の名はゲンム……仮面ライダーゲンム ゴッドマキシマムゲーマーLvビリオン

 

「エグゼイド……いや、違う!!」

『誰だ?お前は?』

 

 

「神だ。」

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