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「で、どこ?ここ?」
既に扉は無く
見渡せる範囲全て森林で覆いつくされていた
「さてと、何が食べられる物なのかね?」
この世界に入った瞬間、
ふと頭に浮かんだモノ
“サバイバリスト”
これがこの世界での4つ目の能力
この能力のおかげで食用に適したモノを見分けられ
それを使った調理法が頭に浮かんで来る
火は魔法を使えばたやすく出せるし、
水は・・・多分飲めるであろう水の魔法。
「へぇ~、“キクイモ”ねぇ、
なになに?普通に蒸かして食べられる?
大丈夫なのか?」
悪魔でシャガの世界での話で
地球では荒れ地で育ち、
戦後の日本では栽培もとい、
群生していた物が食難、資源不足に大いに役立ち、
食生活が豊かになる連れ姿を消して行った。
「隣には・・・ガガイモ?なんだこれ?」
効果は・・・強壮と強精・・・まぁ、
食べられるならいいか。
「・・・狸の映画で見た事あるな、コレ。」
地球名“ミツバアケビ”
ワサビ醤油で食べると良いらしいが
「利尿作用がヤバいって、
説明としてどうなんだよ、コレ。」
しかし困った事に
食べれそうな植物はこの三種だけで、
それ以外は“麻薬などの原料に匹敵するモノ”が
混ざっている植物だったのだ。
「キクイモで辛うじて腹は膨れるだろうけど。」
調味料に該当する植物が無い
サバイバリストの能力で
わかる範囲の植物全般が“そう言う原料ばかり”で
「この森自体がヤバい森って事か。」
カサカサカサと昆虫らしき音はするが
“生憎、昆虫は食べたく無い”てか、
食えるかっ!!
食虫家の方々には申し訳ないが
俺は絶対無理!!
がさがさ
「がさがさ?」
明らか動物サイズの葉が擦れる音だ
ブモ?
「ぶも?」
めとめがあう~しゅんか
「言っている場合かっ!?」
突進して来たソレに対して
横っ飛びで回避を試みる
どずん、鈍い音が樹木に響き
その樹木が
メキメキと音を立てて倒れて行く
「うわぁ~ぉ。」
目測2~3mはあろう樹木を突進一つで倒せる
イノシシらしきヤツは、
向きを俺に合わせ直し
ブモォ~~ッ!!
突っ込んで来る
「ちぃっ!!」
咄嗟に呼び出したのは
“地面に突き刺して使う”タワーシールド
ゴガァアン
タワーシールドはへしゃげる事無く耐えきった
「・・・くぅ、しびれた。」
失敗だ、両腕が振動と衝撃で痺れてしまった
しかし
「あれ?追撃が来ない?」
タワーシールドから離れ
追突したであろうイノシシモドキを確認すると
「うげぇ・・・頭が破裂してやがる。」
恐らく突進の力と
“魔法”で何らかの効果があり
あの樹木を破壊、倒したように
このタワーシールドも行けると判断したのだろうが
「悪かったな、樹木じゃなくて。」
モノ言わぬイノシシモドキに合掌をする
「・・・だよなぁ。」
頭に浮かぶは、
イノシシモドキの食事の仕方
「・・・仕方ない、
うっ、食べるにも、ヤルしかない。」
一つ目の能力で、
“ナイフを幾つか準備する”
ビリビリ!!
すぱっ、すぱっ、すぱっ
ごりごりごり・・・
少し離れて
ウェぇ・・・
頭に浮かぶやり方を身体に覚えさせながら
解体を進める
「はぁ~・・・なんとかここまで出来た。」
食べれる部位は、
足、腹周りの肉、心臓だけで、
胃袋は、水筒の元になるらしく
“乾燥させ、ギルドに納品すると”
10銅貨=10円になるそうだ
「・・・それ以外は、
人間にはよくない物がある、
火種か、土中に埋葬しかない、か。」
先ほどのキクイモを少しと、
足、腹周りの肉、心臓を、
イノシシモドキの皮で包み、
手提げ風味に持ち上げ
胃袋は、背中に担いだ
「・・・重い。」
と言っても、三つ目の能力のおかげで
だんだんと軽く感じられるようになってきた
「なるほど・・・。」
負荷を掛けなければただの一般人のままか
「鍛えろって事かぁ、
苦手なんだよなぁ、そう言うの。」
本当に苦手だった
努力は報われるなんて“戯言”を信じる奴は
努力に裏切られ続けた人間を
知らないから言えるんだろうねぇ
イノシシモドキの血でべちゃべちゃなので
どうにかして服やら身体を洗いたい
「・・・ってか、水の魔法で洗い流せるんじゃね?」
ついつい、ここが
“異世界・シャガ”だと忘れてしまう
この世界では詠唱の必要が無く
イメージをより明確にする為に詠唱をする
「水の魔法により、
付着した汚れと血液を洗い流し、
火の魔法で周辺気体を温め
風魔法にて衣服を乾燥させる。」
結論
「温水って言っとけばよかったな。」
冷水って比では無いぐらい冷たい水で洗い流され
温い風魔法によって辛うじて無事だった
「ま、コツさえ掴めば万能だわな。」
イメージさえしっかりしていれば
一戸建てモドキ(平屋)も
魔法で工程をすっ飛ばして建築できる
「うし、とりあえずメシ。」
キッチンは魔法による“IH”
灯りはイノシシモドキの“一部”を使った
ランタンで4つ程
薄暗いが、無いより全然マシだった
油を使用するランタンは
それを投げつけると火炎瓶モドキになる為
“武器扱いのが幸いだった”
じゅうじゅうと焼ける
しかし、調味料が無い
「素でどんな味なのかね?」
キクイモとイノシシモドキのステーキ
キクイモも一緒に焼いて見たのだが
「・・・い、いただきます。」
あむ
「お?」
あぁ、調味料は必要無いのかもしれない
キクイモが甘くしっとりしていたのだ
「んじゃステーキはどうだろ?」
もぎゅ
「・・・やべぇ、米が喰いてぇ。」
お米欲しさにガチ泣きしてしまった
「胃袋は、そのままぶら下げて三日で乾燥するから
三日はここが拠点だな。」