「あ、おはよ。」
「おぁよ~。」
メネの寝起きは良くない方で
今日みたいに同じ時間帯で
顔を合わせるのは数える程度だ
リフラ・ニヨド
ミラム・ニヨド
この二人はギルドへ登録に行っており
朝から居ない
一昨日ネグリジェを着たメネは
反動からか露出が少ない服装に
切り替わっていた
「珍しいな、
こんな時間で起きるなんて。」
「わかんなぁい。」
まぁ、欠伸をしながら返事をする、
その仕草もどこから滲み出すのか
“外見年齢”と反する
“色気”が溢れ出す
「てい。」
左手にナイフを刺し
メネからは隠す
「今日はどうする?」
「ん~、すいとん。」
「りょ~かい。」
幸い“米”が無くても
“小麦粉”があった
どこかの“芸人”は
“ちねる”とか言って
米モドキにしていたが
そこまでして米モドキを作りたく無い
イノシシモドキの肉を出汁に使い
市場で仕入れた“高騰中の砂糖”と
“更に高騰中の塩を少々”
で、甘しょっぱいすいとんの元を作る
「裏の畑から、野菜を頼む。」
「ぁ~い。」
まだ眠いのか、
あちこちぶつかる音がする
(大丈夫かな?)
火加減に気よ付けつつ
すいとんを投入し、
しっかり茹でる
串で火の入り加減を確認しながら
「そろそろ出来るぞ~。」
「お~も~ぃ~。」
(ん?裏の畑で
重い物って言ったら・・・)
「メネ、
大ダイコンは、
すいとんを作る前に持ってくるか
“そこに干してる”だろ?」
「・・・あ。」
ま、それは予測済みで
ちゃんと一緒に鍋に入って
程よく煮えている。
「メネ、
その大ダイコンは、
刻んでそっちの漬物と交換してくれ、
よそっておくからさ。」
「うん、わかった。」
気に入っているのか
イチョウ切りでダイコンを切り分け、
糠漬けのツボの中身を入れ替える
「むふ~///」
(あ、つまみ食いしたな?)
ほっぺがしっかり膨らんで
こりこりと、噛む音が聞こえる
「メネ~?
いただきますをする前に
食べないでって
俺、言ったよね?」
ごくん
「あ。」
つっかえた
湧き水を貯めている水瓶から
コップにすくい、受け渡す
「んく、んく、んく、
ん~~はぁ~・・・
ごめんなさい。」
「さ、先に食べてて。」
外に飛び出し
運の悪いラクダモドキに
八つ当たりする
「うぉおおおおっ!!」
(なんつ~
エロさなんだよぉおおおっ!!)
メネは推定10歳なんだぞっ!!
理性よ!!鋼の如き強靭さを
今ここに示せ~っ!!
「推定?ん?」
なにか忘れているような気がするが、
とりあえず朝飯だ。
「まってた。」
「あ~、冷めちゃってる?」
「だいじょぶ。」
「お、ほんとだ、
・・・あ、保温の魔法を
お椀に付与してたんだった。」
かれこれ2カ月以上は過ごしているのに、
未だに“魔法が使える事”を
忘れてしまう
▽
「・・・あっ!!」
朝食を終え食器を洗っていて
「そうだ、魔法で解決できるじゃん。」
「なにが~?」
首をこてんと傾けながら
こっち向かないで?
理性がごりごり削れていくからさ
「メネのちゃんとした年齢だよ、
俺の知識から
メネの産まれた時からの
日数をソレに当てはめる
計算をすればよかったんだよ。」
「・・・なんか、やだ。」
「それじゃぁ何時まで経っても
“成人”を迎えられないよ?」
「それもやだ。」
「メネ?」
「む~。」
あぁ、可愛い
抱きしめたい
だが、それはいけない
駄目だ、
メネがもし見た目通りの年齢なら
「じゃぁ、
俺とメネだけの秘密にしよう。」
「・・・わかった。」
二人の気配は・・・無い
▽
気不味い
えぇ、判明しましたよ
地球で言う
4年周期の閏年(うるうどし)と
365日計算で
年齢を計算し当てはめるって、
魔法を使いましたよ
「・・・メネ、
成人してたんだな。」
「・・・うん。」
しかも種族が関わっており
それも魔法を使い
種族毎の特徴もわかってしまった。
【半妖精族】
人族から一定の割合で
“幼少期のまま老化が止まる”
魔法は使えないが
精霊・妖精から助力を得る事が可能
実質、魔法で出来ない事が
出来るようになる
寿命は、最低100年~1500年とも
精霊・妖精との相性にもより
この世界のどこかには
3000年も“幼少期のまま”
生きているとか
尚・成人は地球換算で15歳
「だ、そうだ。」
「・・・責任、とってくれる?」
「はぃ、わかってます。」
▽
「へ~。」
「メネさん、半妖精族だったんですね。」
リフラもミラムも
半妖精族を知っており
俺の一般常識不足が良く分かった
午後、帰って来た二人も
年齢を確認するかと聞いたら
「「ぜひ!」」
あれ?普通は嫌がるんじゃないの?
「ぇ?は?」
うそだろ?
どう言う事だってば?
「リフラ?
本当に言っても良いのか?」
「当然です、
屋敷からほぼ出ていませんでしたが、
淑女として
自身の年齢もきちんと把握しませんと。」
▽
ぁ~、もぅわかるよね?
ミラムが16歳(人族)で
リフラが、112歳(半妖精族)
いい加減過ぎるだろ、この世界
「ぉ、お姉ちゃん?」
「み、ミラムちゃん?」
二週間程、ギクシャクが続いた