雑草でいいじゃない   作:扶桑畝傍

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逃走は必然に

「ふぃ~、オオカミモドキ

 依頼の15頭完了。」

「お腹空いた~。」

「そうだな、

 持ってきたサンドイッチ食べるか。」

討伐証拠の

尻尾を切り取り腰に束ねる

「はむ、んく、んく、んく。」

「・・・メネ。」

「ん~?」

「・・・ぁ~、

 口が空いてからでいい。」

「ん~。」

はぁ、ケッコン・・・どう言うか。

「空いたよ~。」

「ぉう、話があるんだけど。」

「んぅ?」

「って、おぃ。」

「んんんうんおんん?」

(だってお腹空いたし?)

「まぁ、ぅん、そうなんだけどさ。」

成人している、つまり、

メネは15歳なのだ

ぁ~、うん、帰ってからにしよう。

ギルドに報告を済ませ

張り出されている依頼を見るが

討伐系統が少なく

“軍への協力依頼”が

張り出しボードの半分を埋めていた

「なさそうだな。」

「そだね。」

帰るかと思い振り向くと

「大変だっ!!

 東の国が攻めて来たぞっ!!」

「馬鹿なっ!?

 このギルドは

 東の国の依頼も

 受けているんだぞっ!?」

「それが、

 西も南も、両方東の国から

 攻められてるんだっ!!」

「なんだってっ!?」

ギルドから飛び出し、

メネを抱きかかえ

大急ぎで森の隠れ家に向かう

「ぅ~・・・くるし~。」

魔法世界でありがちな

“空を飛ぶ魔法”は

もろに空気抵抗、

高度の変化による息苦しさが

のしかかって来る。

「少し我慢してくれ。」

勿論、ちゃんとイメージをして

より明確にする為に“詠唱”も

使用すれば息苦しさもなんのその

だが、それ所では無い

「居たっ!!ミラムっ!!」

隠れ家に向かう途中で

同じく隠れ家に向かう

ミラムとリフラを見つけ、急降下する

「ミラム、リフラ、

 この森から逃げるぞ!」

「っ!?

 イソロク、何処から

 攻められてるの?」

「ミラムちゃんっ!?」

「東だ、

 ギルドも臨戦態勢に入ってる。」

「無くは無い、けど

 季節的におかしいわよ?

 この先は冬季、

 川も凍り付く

 極寒の季節が目前なのにっ!!」

「知るか、

 隠れ家は残すが、

 手に持てる保存食は持って

 後は事前に決めてた洞窟を抜けて

 “海”に逃げるしか無い。」

「イソロク、

 どうして逃げなきゃいけないの?」

「メネ、

 このギルド周辺の

 北・南・東・西の国は、

 気候の変動によって

 “肥沃な領地争いが激化するんだ”

 本格的な冬季が目前で

 戦火を広げると言う事は

 東の国の作物が不作か凶作、

 食糧確保なのか、

 春の雪解けの際に広がる

 “豊富な養分を

  含んだ土地欲しさ”か、

 それに巻き込まれると言う事は

 “戦争に深く関わらなきゃいけない”

 つまり、どこかの国に

 所属しなければいけない。」

「お母様を探す目標はっ!?」

「この冬は無理だ、

 それに俺達は

“魔力無しでも定期的に納品出来る”

 不思議なパーティーだと

 有名になってしまった、

 どの国も欲しがる人材に

 ギルドが拒否をすれば

 それこそ

“ギルドを一点集中攻撃する

 口実が出来てしまう”」

「メネちゃん、

 ホントは私が第一王女として

 戦争を止められたら良かったんだけど

 もぅ、それも出来ないの。」

「それに、ついさっき、

 ミラムちゃんの西の国に行って来たの、

 そして王様から直接聞いて来たの。」

《東の国がおかしくなって

 北、南、西の国で連合を組んでも、

 撃退が及第点だと》

「そんな・・・。」

「メネ、悪い。」

眠りの魔法を

そっとメネにかけ、眠らせる。

「急ごう、

 ここにも、ギルドか、

 それぞれの国の奴らが来るだろう。」

「えぇ、

 お父様は、

 国に非常事態宣言をしたし、

 私が残って戦うって選択を捨てて

 《好きに生きなさい、

  ただし、もう門前払いになる》って、

 泣いて、抱きしめてくれたわ。」

「ミラムちゃん、

 精霊・妖精達が騒ぎ出しているわ、

 東からおかしな

“妖精・精霊が迫って来るって”」

「行こう、

 海には“既に艦隊を準備してある”」

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