デート・ア・セブン   作:疾風海軍陸戦隊

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ハーミット

士道と同じ人間に転生したメトロン星人(初代)と出会った士道ことセブンは空間振警報の音を聞いて急いで自分の教室へと戻る。そして教室に戻ると・・・・・

 

「・・・・十香を置いていく?」

 

士道は令音に聞くと令音は頷き

 

「ああ、力を封印された今の十香は精霊ではなく、普通の人間と大差ない。それにASTと精霊が戦う様子を見て彼女のストレス値が上がっても困る。だから彼女はフラクシナクスには連れていけない」

 

令音の言葉に士道は黙る。確かに今の十香は精霊の力はなくただの人間。そんな彼女を危険な目に合わせたくない。それに自分と同じ精霊がASTの隊員たちに攻撃されているのを目撃したら、きっととてつもなく悲しむに違いない。そんな思いを士道は十香にさせたくなかった。すると

 

「ほら!五河君と夜刀神さん!それに村雨先生も!!早く非難しないと!!」

 

岡峰先生が慌ててそう言うと士道は彼女の手を取り十香の手を握らると

 

「先生。十香を安全な場所までお願いします」

 

「え?そ、それはもちろんですが・・・・」

 

岡峰先生は頷くと十香は

 

「シドー。シドーはどうするのだ?」

 

「十香。私は少し用事がある。君は先生と一緒に先に避難してくれ。用が終われば私も十香のもとに行く」

 

「しかし・・・・」

 

「大丈夫だ。私は必ず戻る。じゃあ行ってくる」

 

そう言うと士道は令音とともにどこかへと走り去ってしまう

 

「五河君!村雨先生まで!!」

 

岡峰先生はそういう中、十香は

 

「シドー・・・・」

 

十香は心配な表情で彼を見ているのであった

 

 

 

 

そして士道は空中透明艦フラクシナクスにいた。そして指令室に入ると

 

「来たわね士道。ちょうど空間振が発生したところよ」

 

「なに?」

 

琴里の言葉に士道はモニターを見ると町の通りにすり鉢状の穴が開いていた。そして穴の周りの建物はまるで台風が起きたかのように破壊されていた

 

「今回はだいぶ小規模ね・・・・」

 

「そのようですね。僥倖・・・・・と言いたいところですが、ハーミットならばこんなものでしょう」

 

琴里の言葉に福司令である神無月がそう言う

 

「ハーミット?今回現れた精霊の名か琴里?」

 

「ええ、気性の大人しい精霊として認識されているわ」

 

そう言い宇都モニター画面から精霊ハーミットの顔が映し出される。その精霊はウサギの耳のような飾りのついた緑色のフードを被った、青い髪の少女で片方の手にはパペットをつけていた。士道には見覚えがあった

 

「っ!?あの子は!?」

 

「士道。知っているの?」

 

「ああ。おとといの夕方。そう雨の日に神社で会った」

 

そう言うと神無月はタブレットで調べると

 

「ん~当該時刻にそれらしき例は数値の反応はありませんね」

 

「十香と同じってわけね・・・・・」

 

琴里はそう言うと椎崎から

 

「AST到着!ハーミットに攻撃を仕掛けます!!」

 

椎崎の言葉と同時にハーミットの上空からASTたちが急降下して銃撃すると、ハーミットはまるでウサギのようにぴょんと飛んだかと思うと反撃せずそのまま逃げていた。だが、AST隊員達は一斉に反応して追跡する。そしてそのまま、CR-ユニットに装着している武器から、夥しい弾薬やミサイルをハーミットに向けて放つ。それを見ていた士道は

 

「精霊といえどあんな小さい子まで・・・・・」

 

「姿かたちはASTには関係ないわ。彼女たちの目的は空間振を起こす精霊の排除よ。彼女が精霊である限り情けも同情もないわ」

 

「・・・・・・・」

 

琴里の言葉に士道は黙る。士道もかつて前世ではセブンとして凶悪な宇宙人や怪獣と戦い。そして人間の姿の時そう、モロボシ・ダンだった時、ウルトラ警備隊。そしてMacの隊員、そして隊長だった時。地球に襲来した怪獣や宇宙人を攻撃した。それは地球を守るため、だから同じ地球を守るASTの彼女ら精霊を撃つことは理解はできる。

しかし、やはり心の奥底では完全に納得はできなかった。もし許されるのであればすぐに飛び出しウルトラアイでセブンの姿に戻り彼女を助けたかった。しかし今はそうすることはできない。ほかに彼女を助ける方法といえば・・・・・

 

「・・・・・琴里」

 

「何よ士道」

 

「ハーミットの力を封印できれば彼女を救うことができるんだな?」

 

「ええ、そうよ」

 

「わかった・・・・私は彼女を助けたい。すぐに彼女のもとに送ってくれ」

 

と、真剣な表情でそう言うと琴里はニコッと笑い

 

「それでこそわたしのお兄ちゃんね。わかったわ。すぐに転送装置のところに行って」

 

「わかった」

 

そう言い士道は指令室を出ると琴里は

 

「総員、第1級攻略準備!」

 

『はッ!』

 

クルー達は一斉にコンソールを操作し始め、琴理はそんな光景を眺めながら

 

「さあ・・・・・私達の戦争(デート)を始めましょう」

 

 

 

 

 

雨の降る中、誰もいないデパートの中、士道は歩いていた

 

「琴里、ハーミットはこの中にいるのか?」

 

耳につけているインカムでそう聞くと

 

『ええ、解析から間違いないわ。ASTもさすがに建物内にいるハーミットに手が出せないはずだわ』

 

「そうか…分かった」

 

そう言いうと士道はデパートの中を歩く、中は電気が停電しているため暗く何も見えないが士道はセブンの能力である透視能力を使う。そして士道は上に何かの気配を感じ、上を見ると・・・・

 

「君もよしのんをいじめにきたのかなぁ~?」

 

「っ!?」

 

士道が見上げた場には先ほどの少女、ハーミットが重力に逆らうような逆さの状態で浮遊していた。そしてハーミットはぐるりと回転しゆっくりと地面に降りると

 

『おやぁ? 誰かと思ったら、よしのんの身体をハンカチで綺麗にしてくれた。ラッキースケベのおにーさんじゃない』

 

「・・・・・ん?」

 

パクパクとパペットの口を動かすその言葉に士道は違和感を感じた。士道はパペットを拾う際、そのパペットをハンカチで拭いてきれいにした覚えはあるが、彼女をハンカチで拭いた覚えはなかった。するとインカムから

 

『士道、待ちなさい』

 

と、琴里の言葉が聞こえる。どうやら次の発言の選択肢を出しているのだろう。そしてフラクシナクスのモニターのほうでは三つの選択肢が出された

 

①【ああ、久しぶり。元気だったかい?】素直に挨拶をする。

 

②【ラッキースケベってなんだラッキースケベって!】軽快なツッコミを入れる。

 

③【ふ・・・・っ、知らないね。私は、通りすがりの風来坊さ】ハードボイルドに決める。

 

「総員、選択開始!」 

 

琴里の言葉にクルーは選択する結果は同数であった。そして琴里が決めたのは

 

『士道3よ。3を言いなさい』

 

と、そう言うが士道は

 

「琴里・・・・私が仮に君に言ったらどうする?」

 

「何って‥‥大笑いして馬鹿じゃないよって言う・・・・・・・あ」

 

「・・・・・だろ?ここは3を少しアレンジして言ってもいいか?」

 

『ええ、別ん構わないわ』

 

琴里がそう言うと士道は

 

「君がそうだと思うならそうかもしれないし、違うと思えば違うかもしれない。私はただの風来坊さ、雨に降られたからたまたまこのデパートに寄っただけだよ」

 

と、笑顔でそう言うと彼女(パペット)は

 

「あははは!!お兄さんって面白い人だね~よしのんお兄さんのこと気に入ったわ~名前はなんていうの?」

 

「ああ、私の名前は五河士道というんだ。君の名は?」

 

「おお!ああっ、なんてみすていくっ! よしのんともあろう者が、自己紹介を忘れるだなんてっ! よしのんはよしのんのナ・マ・エ。可愛いっしょ? 可愛いっしょ?」

 

ハイテンションで言うよしのんに士道は

 

「そうか・・・・・君はよしのんっていうのか・・・・・それでこの子の名前は?」

 

「ん?士道君。何を言っているのかな?よしのんはさっき名前を名乗ったけど?」

 

「それは君の名前だろ?私が聞いているのは君の隣にいるそこの少女の名前なんだけど?」

 

士道はそう聞く。そう士道は最初は腹話術で話しているかと思っていたが様子を見ているうちに、そしておとといあった少女の雰囲気からして違うことがわかり恐らく、あのパペットの人格とそしてあの少女の人格は別のものだと感じた。そこで士道は少女の名をよしのんと名乗ったパペットから彼女の名を聞こうとしたのだ。するとインカムから

 

『ちょっと士道。あなた一体何を言っているの? 機嫌が下がるわよ!?』

 

と、そう言うとよしのんは

 

「えっと、士道くん、それってどういう意味なのかなぁ?」

 

「そのまんまの意味だ。君はよしのん。そして私は君の友達である少女の名前は知らないんだ・・・・・ああ、でも言いたくないのなら今は言わなくてもいい。名乗る名乗らないは君の自由だ」

 

「士道君って優しいんだね~でもごめんね。この子は人見知りが激しいからもう少し仲良くなってからでいい?」

 

「ああ、構わないよ」

 

士道は頷く。士道も厳密にいえば類意味二つの顔を持っている。一つは本来の姿であるM78星雲の深紅の戦士、ウルトラセブン。そしてモロボシ・ダンであり今の姿である五河士道の名を借りて生きている。するとインカムから

 

『士道、精霊の機嫌は下がっていないみたいだからこのままデートに誘いなさい」

 

と琴里の言葉を聞き士道は

 

「さて・・・・よしのんと君・・・・すまないがよしのん。私は彼女の名を知らないから君呼ばわりしてしまうが構わないか?」

 

「うん。いいよ。よしのんが許しちゃうから」

 

「そうか・・・・ではよしのんと君。ここは天宮市でも有名なデパートでね。せっかくここに来たんだし私と一緒にこの中を歩かないか?つまりデートに似たものだが」

 

「おおー!いいね~よしのんたちもこうして普通に会話できる人がいないか探していたんだよ。いつもよしのんたちを攻撃してくるからね~答えはもちろんオーケーだよ~」

 

「そうか。では行こうか」

 

と、士道とよしのんと少女は暗いデパートの中を歩くのであった。

 

 

 

 

 

 

一方、シェルターでは十香は岡峰先生から空間振のことを聞いていた

 

「それでは外はそんなに危険なのか?」

 

「危険なんてもんじゃありません!なんたって空間振なんですから!」

 

と岡崎先生が話す中、すぐそばにいた士道のクラスの女子三人組である山吹、葉桜、藤袴はそれを見て

 

「夜刀神さん。空間振のこと知らないんだ~」

 

「もしかして超お嬢様とか?」

 

「まじ引くわ~」

 

と、そういう中、十香は

 

「タマちゃん先生。そんな危険なときシドーはどこに行ったのだ?シドーは大丈夫なのか?」

 

心配してそう言う十香に山吹たちは

 

「夜刀神さんってなんか健気・・・・」

 

「十香ちゃんて呼ぼうか?」

 

「まじ引くわ~」

 

「え、え・・・と・・・夜刀神さん・・・その」

 

三人がそう話し、岡峰先生はどう答えればわからなくなったとき

 

「まあまあ、夜刀神さん。落ち着きたまえ」

 

「あ、丹波さん」

 

そこへ十香たちの先輩である三年の丹波夢露(メトロン星人)がやってきて彼女の肩をポンっとたたく

 

「こういう時は落ち着くのが一番だ。冷静になれ」

 

「お前は・・・・」

 

「私は丹波夢露。この学校の三年生で君の先輩にあたるかな?まあ、君の心配する気持ちもわからなくはないけど。彼は大丈夫だ。だろ?岡峰先生?」

 

「丹波さんの言う通りですよ村雨先生もいることですし・・・」

 

と話す中、再び三人組は

 

「すごい…あの学園一の変わり者の丹波先輩が十香ちゃんを慰めている」

 

「すごいわね~」

 

「まじ引くわ~」

 

三人は感心したように見ている中、夢露はカバンをごそごそと探り

 

「おっ!あった、あった。はい。私のお気に入りの眼兎龍茶。先生の分もありますからどうぞ」

 

「あ、ありがとうございます丹波さん」

 

そう言いカバンから眼兎龍茶の缶を出すと岡峰先生に私もう一本を取り出すと

 

「はい。これは夜刀神さんの・・・・・・・・あれ?」

 

夢露はお茶を持ち十香に渡そうとしたのだがそこには十香の姿はいなかった。それを見た夢露は

 

「・・・・・これはまずいことになった・・・・」

 

 

 

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