デート・ア・セブン   作:疾風海軍陸戦隊

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それぞれの正義

「十香?」

 

士道は十香の部屋をノックするが部屋からドンと響き

 

「私にかまうな!!もう私のことなんかほっといてくれ!!」

 

と、怒鳴り声が聞こえそれを聞いた士道は今は話すときじゃないと悟り、そしてドアの奥から彼女のすすり泣く声が聞こえた

 

「・・・・・十香。私はこれから少し出かける。ただこれだけはわかってくれ。私は君のことを大切な家族だと思っている。それだけはわかってくれ・・・・では行ってくる」

 

そう言うと士道は十香の部屋を去るのであった。そして部屋の中にいる十香は前に士道とともにUFOキャッチャーで取ったきな粉パンのクッションを抱き涙を少しだし

 

「(まただ・・・・またあの感情だ・・・・私はどうすればいいんだ・・・・)」

 

と複雑な思いを抱きながらそう思うのであった

 

 

 

 

 

 

一方、士道はあるマンションの前にいた

 

「うう・・・・先ほどよりも寒くなっているな」

 

『それは今の気温はマイナス70度を超えているわ。あんた何か知っている?』

 

「まあ、多少はな・・・・・それでここによしのんがいるのか?」

 

『間違いないわ。解析映像で確かめたわ』

 

琴里の言葉に士道はマンションの外にあるインターホンを鳴らすと

 

「・・・・誰?」

 

と、折紙の声が聞こえる。そうここは折紙の住むマンションだった

 

「私だ。五河士道・・・・・」

 

と、名乗る途中で自動ドアが開く。それを見た士道は少しため息をつき中へ入る。そしてマンションの中をあちらこちらを見る

 

「有無・・・・私のいた時代に比べてハイテクな機械や防犯グッツが出てきている。そして何よりテレビゲームや携帯・・・・時代は変わったな・・・・・・・なに年寄り臭いことを言っているんだ私は・・・・・はぁ」

 

と軽くため息をつくとエレベーターに乗る。そしてインカムで

 

「それで琴里。本当に彼女がよしのんを?」

 

『ええ、映像を見た後、あの怪物が姿を消した後、瓦礫に落ちていたのを鳶一折紙が回収したのを確認しているわ。だからあなたは彼女の部屋に行ってよしのんを回収しなさい』

 

「泥棒をするようで、気が進まない・・・・・まだガンダーが持ち去っていたほうがましだった。そうすればアイスラッガーで・・・・」

 

『何をわけのわからないことを言っているの士道?それにガンダー?やっぱりあなたあの怪物・・・・の・・・こと・・・・』

 

と、急にインカムからノイズ音が鳴る

 

「おい、琴里。どうした?琴里!?……妨害電波か?」

 

そう言い士道はインカムのスイッチを切ると折紙の部屋にたどり着く。士道は部屋の前に立ちインターホンを鳴らす。するとボタンを押したのと同時にドアが開く。そして玄関に現れたのはメイド服姿の折紙が立っていた

 

「と‥‥鳶一?」

 

「なに?」

 

少し動揺する士道だが折紙は無表情で答える。そして士道は折紙の部屋へと入るのであった。そして部屋へとまぬかれた士道は・・・・

 

「すまないな。鳶一。急に君の家を訪ねたいて言って」

 

「問題ない・・・・」

 

無表情で言う折紙。そして急須からお茶を入れ

 

「どうぞ」

 

「ああ・・・・ありがとう・・・・・っ!?」

 

そう言い士道に渡すのだが、そのお茶は、紫色でゴボゴボトと沸騰していたまるで魔女の薬みたいな感じであった。それを見た士道は

 

「(これは・・・・・お茶・・・なのか?バードンやガブラから採った毒とかじゃないよな!?)」

 

顔を引きつらせそう思う士道。彼の第6感でこのお茶は飲むのは危険だと警告が頭の中で響いていた

 

「どうしたの?」

 

「ど、どうしたって・・・・これ、一体何だ?!」

 

「お茶。外国の」

 

「いや・・・・外国のお茶にしては・・・・・少しおかしいと思うのだが」

 

「どうぞ」

 

「いや、どうぞじゃなくて・・・・」

 

「どうぞ」

 

「あの、だな」

 

「どうぞ」

 

「・・・・・・・・いただきます(こういう時になぜセブン上司が来ないんだ・・・・はぁ。飲むしかないな)」

 

セブン・・・・・士道は覚悟を決めてそのお茶を飲む。その瞬間士道はカっうと目を見開き

 

「ぐはぁ!!!!ふ、古傷!古傷に響く!!!」

 

あまりのお茶の味に体中に激痛が走り(特に前世でブラックギラスに折られた足に)士道は倒れるともがき始める

 

「(ウ・・・・・な、なんだこの味は!?もし初代マンたちが飲んでいたら間違いなく三分もたたずにカラータイマーの光が消えるぞ!?」

 

士道が苦しんでいると、その隙をついて折紙が彼の頭の横に手をつき、腹の辺りに跨がり、マウントポジションを取るような格好で覆い被さる。

 

「と、鳶一?」

 

「・・・・だめ?」

 

「それはさすがにダメだ」

 

そう言うと折紙は

 

「ならば交換条件。私がそこを退く代わりに士道は私の条件を無条件で飲むこと」

 

「・・・・・それでその条件とは?」

 

「貴方は、夜刀神十香の事を『十香』と呼ぶ。けど私には鳶一と呼ぶ。これは非常に不平等。だから私のことを鳶一ではなく折紙と呼んでほしい・・・・・だめ?」

 

かわいらしく首をかしげる折紙に士道は

 

「いや。そのくらいなら構わないよ・・・・・・折紙」

 

士道が折紙の名を呼ぶと、折紙は無言で士道の腹から腰を浮かせ、その場に立ち上がり、そしてその場で無表情のまま、ドアのほうへと行く

 

「どこに行くんだ折紙?」

 

「・・・・・・・シャワー」

 

そう言うと折紙は部屋から出ていく

 

「・・・・なんでまた急に・・・・・とにかく今はよしのんを探さねば」

 

そう言い士道は折紙がシャワーを浴びている隙に士道はリビングの棚の中身を探るが、よしのんは見つからず

 

「・・・・もしかしたら彼女の部屋に」

 

パペットならきっと自室に飾っていると推理した士道は彼女の部屋へと行く、普段なら不謹慎だと思うが今は状況が状況なので心の中で折紙に謝り士道は中へ入ると、案の定彼女の寝室のベッドの棚の上にたくさんの人形が置かれておりそしてその人形の一つに眼帯をしたウサギのパペット、よしのんがあった

 

「よし、見つけた」

 

そう言い士道はよしのんを回収すると先ほどの居間へと戻り正座して待つ

 

「それにしても…なぜか体が熱いな・・・・もしかして外の寒さのせいで体が熱を上げて温めようとしているのか?」

 

地震の体に不思議に思っているとそこへ折紙がシャワーを終えて戻ってきた。しかもタオル一枚の姿で・・・・

 

「お、折紙!?その恰好は!」

 

「なに?」

 

「何ではない!この寒い時期にその恰好では風邪をひく」

 

「大丈夫。暖房を利かせているから」

 

「そ、そうか・・・・・」

 

と、士道は苦笑すると折紙はじーと士道を見る。しかもゼロ距離まで近づいて

 

「あ…あの・・・折紙。近いのだが?」

 

「士道。二つ質問がある・・・・・・まず一つ。あなたは何者?」

 

「え?」

 

突然の問いに士道は戸惑う。

 

「私は数日前あの展望台での任務遂行中、誤ってあなたを・・・・・なのにあなたは無事だった。あなたは何者?それだけじゃない。あなたは行方不明事件の時、私の同僚である澤たちとともに事件の調査に協力してその仕業を宇宙人の仕業だと言っていた。なぜ宇宙人のことを知っているの?」

 

「・・・・・・・それは」

 

士道は言うべきか悩んだ。先の質問はなかなか答えられないものだ。すると折紙は一枚の写真を出し

 

「離せないなら、質問を変える・・・・・士道。あなたが宇宙人のことを詳しいのなら、この巨人のことは知っている?」

 

そう言うと士道はその写真を見るその写真はウルトラセブンの写真であった

 

「・・・・・セブン」

 

「セブン?」

 

「彼の名だウルトラセブン。それがこの巨人の名で地球の平和のために戦ってくれる遠い星からやってきた宇宙人だ」

 

「・・・・・ウルトラ・・・・・セブン」

 

折紙は写真に写るセブンの写真を見てそう復唱する。そして士道は

 

「折紙・・・・・私からも質問いいか?」

 

「構わない」

 

「君は精霊と話したことがあるか?」

 

「必要のないこと」

 

「私にはある。私は十香だけではない。四糸乃・・・・君たちがハーミットっと呼んでいる精霊とも話した」

 

「非常に危険。やめるべき」

 

「折紙・・・・彼女たちは危険じゃない。一言で言い、一度でもいいから彼女たち精霊と話し合ってみてくれ。確かに君の言う通り悪い精霊もいるだろう。しかしだ話し合いもせずに攻撃をするのはほんの少しだけでいい待ってくれ。それに四糸乃や十香たちは悪い心を持っていない。とても心優しい子たちなんだ。人間と精霊は必ず互いに共存できると私は信じているんだ」

 

「それは難しい。精霊は精霊・・・・」

 

「折紙、君が精霊を恨み疑う気持ちはわからなくはない。だが大切なのはまず・・・・相手を信じることだ。そうでなければ人間は永遠に平和を掴むことなんてできっこないんだ!だから私は四糸乃を助けたい。十香のことを人間に認めてもらいたい。それに折紙君もだ。君は十香と同じくらいに優しい心を持っている。そんな君にあの子たちを殺してほしくはないんだ。私が言えたことではないが、亡き君の両親も君が精霊に復讐する事よりも普通の少女として幸せに暮らしていることを望んでいるんじゃないか?」

 

「・・・・・・・」

 

士道の言葉に折紙は少し驚いたような顔をする。彼女はしばらく黙る。だが、彼女の出た言葉は・・・・

 

「・・・・・精霊を退治する。それは仕方のないこと・・・・・」

 

「折紙・・・・」

 

「確かに仮にあなたの言う通り、精霊にもいい人がいるかもしれない。だが彼女らが霊である以上、空間震発生の危険性は、必ず残る。彼女達の為に、何人もの、何十人もの人間の命を危険に晒すことは、私達にはできない」

 

確かに折紙の言うことも一理ある。仮に精霊たちの中に十香たちのように優しい心を持った精霊もいるはず。だが、彼女たちがこの世界に転移するときに発生する空間振の威力は町を破壊するほどのもの。その空間振から市民を守るために彼女らは戦っている。どちらが正義でどちらが悪とは言えない状況。つまり士道と折紙の言葉にはどちらとも正しいのだ。どちらもそれぞれの正義を持っているのだ。

それを聞いた士道は

 

「では折紙。一つ確認させてくれ。もし十香みたいに、精霊の力が確認できなくなったら・・・・もうその精霊に、攻撃することはないんだな?」

 

真剣な表情でそう訊くと、折紙は

 

「私としては本意ではない。反応が消えてからと言って、精霊を放置するのは危険過ぎる・・・・・・・しかし。上層部の方針として、精霊の反応が確認できない限り、それは人間と認めざるを得ない。私の独断で攻撃をすることはできない」

 

「そうか・・・・それだけわかれば十分だ」

 

士道は頷くと外から空間震警報が鳴り響いた。

 

「け、警報・・・・空間振か?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

折紙はその警報を聞くとその場を立ち上がった。

 

「・・・・・・出動。貴方は早くシェルターへ」

 

それだけ言って、折紙は廊下を出ていった。残された士道は、折紙が家を出ていった事を確認すると。士道はパペットのよしのんを手に

 

「・・・・・さて、私も行かなければな。約束を果たすために・・・・・」

 

そう言い士道はよしのんを懐のポケットに入れ、折紙の部屋を出るのであった。そしてその時の天宮市の天気は猛吹雪でであった

 

 

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