一方、天宮市陸上自衛隊駐屯地のAATの部署で澤を含めた隊員たちは一枚の資料を見ていた
「へ~これがぺダンカンパニーが提供してくれる。アーマードスーツか」
「デザインはCRユニットに似ているけど露出度が少ないからいいね」
「あ~確かに、今までのっていろいろ見えちゃって、ちょっと恥ずかしかったもんね」
「しかもこれ、色がグレーじゃなくて赤と銀だよ。」
「あ、ほんとだ。まるで前の映像で見た巨人みたいだね?」
と、資料ファイルを見てみんなワイワイと話し始める。そして澤と山郷は
「え・・・と。 ALL ROUND INTERCEPT & ESCORT LADY・・・・全領域要撃/支援レディ・・・・なんか長い名前ね梓」
「うん・・・略しましょうか?」
「そうね。頭文字をとってARIEL…エリアル。エリアルって名前にしましょう」
「えっと…武装は。すごい!アサルトやガトリング以外にレーザーガンがついてる!えっと‥‥ペダニウムランチャーって言う名前らしいわ」
「武装もすごいけど、CRユニットみたいに頭部に直接、脳波増幅器を埋め込む必要がないし、あれすごく痛いんだよね・・・・・・」
「そうだね。その点を考えればこのユニットはいいね。スペックもCRユニットに比べて結構いいし」
「でも、何でぺダンカンパニーはASTにこのスーツ提供しなかったのかな?あの企業も政令について知ってたはずだよね?」
「さぁ?上の事情なんじゃない。まあとにかくこれで巨大生物や宇宙人が来ても大丈夫だね梓」
山郷はそういうと梓はうなずく。すると他の隊員が
「でも隊長。巨大生物が現れたら私たちじゃなくてもあの巨人。ウルトラセブンが戦ってくれるんじゃないですか?」
「え?」
あやの言葉に他の隊員も
「ああ、確かに今までの巨大生物もあのセブンとかいう巨大精霊?なのが戦って倒してくれたんでしょ?私たちが出る幕ないんじゃない?」
「それにこの前の巨大生物。ミサイルでも効かなかったんでしょ?新装備だからって、通じるかどうか・・・・」
「そうそう。困ったときはあの巨人に任せればいいんだよ」
と、皆はそういう。みんなセブンのを見て、自分たちがいなくても最終的にはセブンが何とかしてくれると思っているらしい
「あなたたちね!」
澤がそう言おうとした瞬間
「あんたら、何言うとんねん!」
「「「っ!?」」」
急に怒声が聞こえて皆が振り返るとそこには新聞を片手に持った西沢がいた
「西沢二尉?」
「あんたらな!ウルトラセブンばかりに頼ってちゃあかんよ」
「え?なんでですか。西沢さん?」
「当たり前やろ。ここはワイらの星だぞ?自分の故郷は自分自身の手で守ってこそ価値があるものや。確かに自分たちが敵わない強敵が現れて大変な時あってある。誰かが最後まであきらめず戦い抜いた時に初めてセブンは手を貸してくれるんやで」
西沢は力強くみんなに言うと澤も
「西沢さんの言う通りよ。はじめから戦わずに相手を頼りにしちゃいけないわ。私たちはAAT・・・・・侵略者からこの星を守るための部隊よ。地球は私たち人類、自らの手で守らなきゃいけないのよ。セブンだってきっとそう思っているわ」
澤の言葉にみんなは・・・
「確かに、隊長や西沢さんの言うとおりね・・・・」
「私よくわからなかったけど感動しました。隊長!」
「そうね~何もしないで相手頼りにしたらだめだもんね~」
と、皆はどうやら納得してくれたみたいだ。そして副隊長である山郷は
「それで西沢さん。その手に持っている新聞は・・・・」
「ああ、これかいな」
そう言い、西沢は机に新聞を広げる
「隊長。これ見てみ?」
「え?」
西沢の言葉に澤は新聞を見ると
『これで13名。謎の通り魔殺人事件。被害者は真っ二つになって死亡‼』
「これって、最近ニュースになっている殺人事件じゃない?それがどうしたの?」
「どうしたのやない。この事件の被害者の死に方おかしいと思わへんか?」
「え?」
「みな真っ二つになって死んでる」
「それはたぶん犯人は日本刀とか鋭利な刃物で斬ったんじゃない?」
「そうやあらへん。被害者の現場の近くに被害者の車があたんやけどなそこのドアもきれいに真っ二つになっているんや。普通に電ノコや刀なんかでは出来へんで。これは宇宙人の仕業の可能性がありまっせ」
「え?宇宙人?」
「そや、以前に夜中に人を襲い人を真っ二つにして斬殺する宇宙人がいるって聞いたことがありますのや。以前いた職場でもそいつの手にかかって死んだ仲間もおったし」
「え?ほんとですか西沢さん?」
「確かツルク星人とかいう宇宙人やったはずや」
「ツルク星人・・・・・・五河君なら何か知っているのかな・」
「ん?どうかしましたか隊長?」
「え?いいえ。なんでもないわ。とにかくその通り魔事件が宇宙人の可能性が万に一つでもあるなら調べる必要があるわ」
「おおっ!と、言うことは新型ユニットで!?」
「いいえ。今回は普通科の服装で捜査します。まだ世間にはAATはおろかASTの存在は秘密になっているからね」
「あ、そっか」
「それじゃあ、班を二つに分けます!山郷二等陸尉は山野、坂口、は天宮市の西を。私と西沢さん。そして丸山は東を調査します!宇宙人とあっても無理に交戦しないように自身の安全を大事にしてください」
「「了解!」」
「では、AAT出動!!」
そう言い澤達AATは通り魔殺人事件を調査するため出動するのであった
一方、士道ことセブンの通う学校では、朝のチャイムが鳴りみんなが席に座っているとタマちゃん教諭が入ってきて、朝のホームルームが始まり、タマちゃん教諭が出席を確認するために生徒の名前を読み上げていき。
「時崎さーん」
狂三の苗字を呼ぶが、返事はない。いやそれもそのはずだこの教室にはまだ狂三は来ていないのだ
「・・・・ん?」
士道も狂三の姿が無かったことに、士道は小さく首を傾げ十香も同じ事を思ったのか、キョロキョロと辺り一面見回している。
「むう、狂三のヤツ、転校2日目で遅刻とは」
「・・・・来ない」
十香がそう言うと、士道の左隣にいる折紙が静かな声でそう言う
「え?」
「時崎狂三は、もう、学校には来ない」
「それは・・・・」
士道が言いかけたところで、
「あれ、時崎さんお休みですか? もうっ、欠席するときにはちゃんと連絡を入れてくださいって言っておいたのに」
そう言いタマちゃん先生が頬を膨らせながら、出席簿にペンを走らせようとした、その瞬間。
「・・・・はい」
教室の後方から、透き通るようなきれいな声が響いた。皆が後ろを振り向くと、そこには狂三がいた
「もう、時崎さん。遅刻ですよ」
「申し訳ありませんわ。登校中に少し気分が悪くなってしまいましたの」
「え? だ、大丈夫ですか? 保健室行きます・・・・?」
「いえ、今はもう大丈夫ですわ。ご心配お掛けしてすみません」
狂三がペコリと頭を下げると、軽やかな足取りで自分の席に歩いていった。その中、士道は狂三の顔を見て
「(おかしい‥‥確かに彼女だが、昨日とは少し雰囲気が違っている。まるで誰かが入れ替わったかのようだな・・・・・)」
士道は狂三の雰囲気が機能と少し違うことに違和感を覚える。そんな中、折紙微かに眉根を寄せ、狂三の事を凝視していた。
すると士道のポケットにある携帯からメールの着信が鳴り士道は先生にばれないようにこっそりとみると、それは琴里からだった。
そしてメールの内容は
『昼休みになったら、物理準備室に来なさい。見せたいものがあるわ』
と、書かれていた。
そして午後の12時20分。四限目の授業の終了を告げるチャイムが鳴ると、生徒達は昼食の準備を始めていった。
本来なら十香は士道と一緒に食べる所ったんだが、士道が先にどこかへ行ってしまい。代わりに今は仲良くなった、さつきと一緒に学校の庭でご飯を食べていた。
そして士道は理科準備室に来ていた
「それで令音さん。見せたいものとは?」
「ああ、これだ・・・・」
そう言い令音が手元のマウスを操作すると、画面にとある映像が映し出された。
なぜか『恋してマイ・リトル・シドー2 ~愛、恐れていますか~』なんてギャルゲーが表示されていた
「続編!?」
さすがの士道も驚いて声を上げてしまう。
「ああ・・・すまないシン。間違えた。こっちだ」
そう言い令音は画面を切り替えると狭い路地裏に、なぜか狂三と真那が立っていた。
「昨日の映像だ」
「ん? これって・・・・狂三と真那‥‥それに折紙にASTか・・・・・」
何の変哲もない一角に、機械の鎧、CR-ユニットを纏ったAST隊員達がいた。画面の端には、折紙の姿を士道は黙ってみていた。その瞬間、真那が光に包まれ青いCRユニットを装着した姿になった。そして狂三も学生服から精霊の姿である赤黒いドレス姿となる。
そして狂三が、右手を頭上に掲げる。すると再び影が彼女の身体を這い上がり、右手に収束していった。その瞬間、真那の持つレーザーが彼女の腹を打ち抜いた。腹を撃ち抜かれた狂三は再び起き上がろうとしたが、再び真那の放つレーザーによって腹を撃ち抜かれ倒れる。
完全に動かなくなった狂三の首に、真那は知和樹、レーザーサーベルで彼女の首を切断した
「これは・・・・・」
士道は映像を見て驚きそう呟くと
「・・・・見ての通りだ。昨日、時崎狂三はAST・崇宮真那に殺害された。重傷とか、瀕死とかではなく、完全に、完璧に、一分の疑いを抱く余地もなく、その存在は消し潰された」
「しかし彼女は今日、普通に学校に通っていた・・・・」
士道が言うと、琴里と令音はまったく同じタイミングで腕組みした。
「・・・・そう。我々もそこがわからないんだ」
令音の言葉に士道は再び、モニターを見るのであった。
同じ時刻、屋上の階段では折紙と狂三がいた
「え~と…何か御用ですの?わたくし、まだお昼を食べていないのですけど?」
「とぼけないで…あなたは昨日死んだはず」
「・・・・・」
折紙の言葉に狂三はわずかに微笑み
「あ~あなた。昨日真那さんと一緒にいらっしゃった方ですの?」
「・・・・!」
今までとは違う雰囲気の口調に折紙は驚きその場から飛び退いた。その時彼女の足元から白く細い手が二本、生えていた。
しかもじわじわと影が面積を増すと、壁をも這い上がっていき、そしてそこからも無数の手が生え、後方から折紙の腕と首をガッチリと拘束した。
「きひひ、ひひ、駄ァ目ですわよぅ。そんな事をしても無駄ですわ」
狂三が、数刻前では想像もできない歪んだ笑みを張り付け、聞いているだけで腹の底が冷たくなるが広がるような声を発した。
「昨日はお世話になりましたわね。キチンと片付けてくださいまして? わたくしのカ・ラ・ダ」
そう言い狂三は折紙の首をつかむ。折紙は
「あなたは・・・・・何が・・・・目的?」
喉を締め付けながらも、折紙が声を発すると、狂三はニィィ、と唇の端を上げた。
「うふふ、一度学校というものに通ってみたかった、と言うのも嘘ではございませんのよ?」
髪をかき上げる狂三。その時一瞬、前髪に隠れていた左目が見えた気がした。無機的な金色。およそ生物の器官とは思えない形状をした瞳に見えるのは、12の文字と2本の針、そう、それはまるで“時計”のように見えた。
そして狂三は、息がかかるくらいの距離にまで顔を近づけてくる。
「でも、そうですわね、一番となるとやはり・・・・・士道さん、ですわね」
「ッ!!」
「あなたも彼に焦がれているのでしょ?でも残念わたくしのほうがずっと…ずぅーっと!彼のことを想っていますわ」
士道の名が出され、折紙は声を詰まらせた。そんな反応を見てか、狂三はいたく楽しそうに笑みを濃くし折紙の耳元で
「彼は素敵ですわ・彼は最高ですわ!彼らは本当に・・・・美味しそうですわ」
舌なめずりをしてそういう狂三は続けてこういう
「ああ、ああ、焦がれますわ。焦がれますわ。わたくしは彼が欲しい!彼の力の全てが欲しい。彼を手に入れるために・・・・
士道を狙っているという狂三の言葉に折紙は冷や汗をかき恐怖を抱くのと同時に一つの疑問を感じた。そう。狂三の言った『士道の力』と『人の姿を借りている』という言葉だ。
しかし狂三はその答えを言わずただ黙って不気味に笑い。そして彼女の陰からまた無数の白い手は這い上がってくるのであった・・・・・・・
セブン以外に来るウルトラ戦士は誰がいい?
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