デート・ア・セブン   作:疾風海軍陸戦隊

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謎の女性、西沢義子

澤たちが、士道の家にやってくる少し前。謎の通り魔事件を調査するため澤ら、AATは二班に分かれて調査することになった。

そして澤はパジェロの助手席に乗るのだが、

 

「ん?どうしたんですか西沢さん?」

 

「ああ、すんまへん隊長。実は私運転できないんですよ」

 

「え?しょうがないわね・・・・ごめん丸山さん。代わりに運転してくれる?」

 

澤は少し呆れながらそう言い同じパトロールに出る丸山紗季に運転をお願いすると彼女は無表情で頷き、運転席に乗り澤が助手席に、そして西沢が後ろに乗る。そしてパジェロはゆっくりと走り出し、彼女たちの乗る車は異状がないかどうか?そして近くの警察署なんかで自分たちの職場を知っている一部の警察官から事件の聞き込みなどをしていた。

 

「う~ん・・・・・あんまり手掛かりがないわね」

 

ほとんどの街を見回り、澤は頭を悩ませる。あれだけの殺人事件。なんも手掛かりがない。あるとすれば犯人言いよって切り裂かれた遺体と同じく真っ二つになった車のドアだとかガードレールとかであり、それを除けばまったく証拠がないのと同じだった

 

「困ったわね・・・・」

 

「・・・・」コクコク

 

澤の言葉に車を運転している丸山は無言で頷く。

 

「それで?他の班たちからは?」

 

「・・・・・」

 

「そう・・・私たちの班と同じ、手掛かりなしなのね」

 

どうやら丸山という隊員は無口な子なようだが、なぜか澤隊長に入っていることがわかるらしい

 

「ふわぁ~~結局、なんも手掛かりなしですな隊長さん。ま、でも夜になれば連中、動くはずですやろ?」

 

そんな中、西沢は大あくびをしていた。そんな西沢に呆れながら澤は

 

「西沢さん。今はパトロール中ですよ?もう少しまじめにやってください…まあ、いいわ。それより西沢さん。レーダーの反応ちゃんと見ててくださいね。このレーダーは精霊の他に宇宙人のも反応するようにしましたので」

 

「ああ、大丈夫や。うちは先ほどまで防衛隊に所属してて鼻が利くんですよ。だから怪獣や宇宙人が現れたらレーダーより先にこの鼻が嗅ぎつけますよ」

 

「防衛隊?」

 

「そうや、MACというんや。まあここじゃあまり知られてないようですが?」

 

「ええ、知らないわ。その組織、どんなことしてたの?」

 

「まあ、一言で言うには宇宙船の航行の安全確保と、怪獣や宇宙人の襲来をいち早く察知・撃退するのが任務やさかい。基地も宇宙ステーションなんやで?」

 

「はぁ・・・・そ、そうですか?(日下部隊長には聞いていたけど、本当に変わった人だな・・・・でも嘘言っているようには聞こえないけど?)」

 

澤は西沢が言っていることに疑問を抱いていた。自分の知らない組織の名前。他の人から聞けば変な妄想だと思うかもしれないが、なぜか澤には彼女がふざけて行っているようには聞こえなかった。なぜそうなのかは澤自身にもわからない

 

「ああ、丸山三曹。そこを右に回って」

 

「・・・・・」コクコク

 

「隊長、どこに行くんや?」

 

基地とは真逆の方向を走るように指示すると西沢が訊くと

 

「ちょっと、用事があってね。これから宇宙人に詳しい人に会いに行って宇宙人について聞きたいの」

 

「ああ、前に話していた少年のことでっしゃろ?確か五河士道くんやったけ?」

 

「ええ。ウルトラセブンのことも彼が教えてくれたの」

 

「ほえ~セブンのこと知ってる人おるんや~どんな人か楽しみや」

 

そう言い西沢は少し嬉しそうな顔をする。そしてしばらく車を走らせると

 

「あ、ここで止めて」

 

と、澤がそう指示し、パジェロは止まる。そこは一軒の家であった

 

「ここがその宇宙人に詳しい人の家ですか隊長?」

 

「ええ。西沢さん。一緒に来てください。丸山三曹はここで待機して」

 

「了解」

 

「・・・・」コクコク

 

澤の言葉に二人は頷き西沢は澤と同行し。丸山はパジェロで待機することになった。

そして澤は家のインターホンを鳴らすと、ドアが開き、そこから杖を突き黒みを帯びた群青の短い髪の少年が出てきた

 

「・・・・え?澤・・・・さん?」

 

少年が驚くと澤は

 

「ごめんね士道君。こんな時間に少し聞きたいことがあるの。いいかしら?」

 

「また宇宙人についてですか?」

 

「ええ」

 

「わかりました。どうぞ入ってください」

 

と、そう言い少年事士道は二人を家に招くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お茶です」

 

「どうもありがとう士道君」

 

士道は二人にお茶を入れると澤は礼を言う。そして澤は杖を突いている士道を見て

 

「士道君。足を怪我したの?」

 

「ええ、少し転んで、数日すれば治るそうです」

 

「そうですか・・・」

 

と、そぷ言う中、西沢は

 

「なんか杖ついていると、MACのモロボシ隊長を思い出しますな~」

 

「・・・・」

 

西沢は小声でそう言うと、若干ながら士道は少し驚いた顔をする。

 

「澤さん・・・・この人は?」

 

「ああ。この人は宇宙人対策チームに加わってくれた西沢義子さん。私の先輩よ」

 

「どうも、わて・・・ああいや自分は陸上自衛隊、宇宙人対策チームの西沢義子二尉ですわい。どうもよろしくたのんまっせ」

 

大阪弁で元気よく挨拶をする西沢のその姿を見て士道は

 

「(この西沢という人…どこかで会ったような・・・・以前どこかで・・・)」

 

士道は西沢の雰囲気からどこかで会ったような?そんな不思議な感覚を感じた。だが、今はなぜ澤が国庫に来た理由を尋ねることが先であったため士道は

 

「・・・・それで澤さん。今日来たのは夜現れる通り魔・・・・宇宙人についてですね?」

 

「ええ、そうよ」

 

士道は澤が来た目的は最近巷を騒がせる夜間に人を襲う通り魔が宇宙人じゃないか聞きに来たのではないかと推測していたのだ。

そして、その問いに澤は頷く

 

「ええ。最近起きている通り魔は西沢さんが言うにはツルク星人という宇宙人が起こしているって言っていたんです」

 

「・・・・なに?」

 

澤の言葉に士道はちらっと西沢を見る。西沢は軽くあくびをしていた

 

「あくまで私の仮定ですたい。ですが人間を真っ二つにできる通り魔なんてツルク星人しかいないと思いましたわ。同僚もそいつにやられたと聞きましたたい」

 

「・・・・鈴木隊員か・・・」

 

「・・・・っ!?」

 

ぽつりと士道が言うと今度は西沢が少し驚いた顔をする。そんな二人の行動に気づかない澤は

 

「それで私は士道君がツルク星人について何か知っていないか、それを聞きに来たのよ」

 

澤がそう言うと士道は少し考え

 

「ツルク星人のことは知っている。宇宙の通り魔の異名を持つ宇宙人だ」

 

「宇宙の通り魔・・・・・やり方してそのまんまね。それでその宇宙人の目的は何か知っている?」

 

「はっきり言って、奴に目的はない。あいつはただ殺戮を好む宇宙人だ。そして奴は夜動き相手の背後を襲う宇宙人だ。」

「それで対抗策は?」

 

「今のところは民間人に夜間での出歩きをしないよう呼びかけた方がいい。夜間で歩けば殺してくれと言っているようなものだ」

 

「わかったわ。でもそのツルク星人は夜しか現れないのよね?その時間帯に私たちが倒せば・・・・」

 

「この前のバド星人とは違い、連中はそんなに簡単に勝てる相手じゃない。生半可なやり方では死ぬことになります」

 

「では、放っておけというんですか!?」

 

「そうはいっていません。ただ今は迂闊な攻撃はするな・・・・そう言いたいだけだ」

 

士道の真剣な目に澤は黙ってしまう。すると

 

「ま、澤隊長。ここは専門家の意見を聞きましょう。それにまだツルク星人だとわかったわけじゃありませんし、まずは情報を探さないと」

 

「そうね・・・・わかったわ」

 

澤は納得しない表情であった。そして澤は

 

「じゃあ、私たちはそろそろ戻るわ。士道君。教えてくれてありがとうね」

 

「ええ、澤さんたちも頑張ってください」

 

「ほな、わてらわこれで」

 

そう言い、二人は帰っていった。そして士道は

 

「・・・・それにしてもあの西沢という隊員・・・・ん?」

 

士道は先ほどの西沢について考えていると玄関に白い紙が置かれていた

 

「なんだろ?」

 

そう思い士道は紙を取り開くと

 

『xx公園にて待つ。西沢より』

 

と、書かれていた

 

「・・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

一方、澤たちはパジェロで駐屯地へと向かっていると

 

「ああ、隊長。わてはここで降りますたい」

 

「え?どうして?」

 

「いや~あの公園。わてが小さい頃に遊んだ思い出の公園なのですわ。少し子供時代を思い出したくて、ついでに近所も回ってみます」

 

「後じゃダメなの?」

 

「すんまへん。わがまま言って。でもこの後忙しくなると思いますし・・・・」

 

「はぁ・・・・わかったわ。でも門限までには戻ってきて頂戴。士道君にも忠告されたでしょ?夜は・・・・」

 

「わかってます。わかってます」

 

そう言い、西沢はパジェロから降りて、公園に向かい、澤たちはそのまま戻るのであった。

そして西沢はブランコに腰掛け

 

「そろそろでんな・・・・」

 

そう言うと

 

カツーン カツーン カツーン

 

夕焼けに染まった天宮の街に杖の付く音が響く。そして公園の入り口に一人の少年が杖を突いてやってきた

 

「・・・・・」

 

少年の顔を見て西沢はニコッと笑い

 

「まってましたわ。五河さん」

 

「ええ、手紙にここに来るように書いてありましたからね」

 

そう言うと西沢はブランコを降り、士道のそばまで歩む

 

「そんで、わてがここに呼んだ理由・・・・・わかりますよね?」

 

「ええ・・・・私もちょうどあなたに訊きたいことがありましたので」

 

「そうですか。そんならお先にどうぞ」

 

「……君はさっきMACと言っていたが・・・・?」

 

「あ、聞こえてはりましたか?あれは・・・・・」

 

「宇宙パトロール隊。Monster Attacking Crew…通称MAC。母体である地球防衛軍の下、最高司令部であるアジア本部のMACステーション、各エリアを司る4つの宇宙ステーション。アジア支部、アフリカ支部、ヨーロッパ支部、アメリカ支部があり、そして各支部の下に東京支部等の地方支部や関連施設がある。防衛チームだ」

 

「やはり、あんさん。ツルク星人にいついて詳しいから妙だと思いましたが・・・・・あんさん。何者や?」

 

「私もかつてそこに勤めていた。そして私は君に似た人物を知っている」

 

「其れは奇遇やな・・・・・それはわても同じや。わても杖を突いた人物をよう知っておりますたい。それにその口ぶりといい雰囲気と言い・・・」

 

「ああ・・・・君はもしかして・・・・」

 

そう言い二人は指をさし

 

「モロボシ隊長でっか?」

 

「佐藤隊員か?」

 

そう二人の言葉がハモるのであった

 

 

セブン以外に来るウルトラ戦士は誰がいい?

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