がっこうぐらし 不思議なデータディスク   作:フランシス・アルバート

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3000字にする予定が三倍に文字数が増えた今日この頃
話の進み遅いっすねぇ、10000字くらいあんだけど読んでかない?

と言うギャグは置いといて真面目に書きたいこと書くとあまり話が進まず文字数が増えてしまうのに結構悩みますねぇ
それと昼間に間違えて投稿してしまった事をお詫びいたします。


アウトブレイク 序章その2

カナダのメープルクリームクッキー並みに甘い甘いナメプ始まるよ~

 

自分はあのクッキーが大好きで自分用に30枚入りのやつを購入して隠しておいたら家族に秒で見つかって秒で30枚食べられた事があるんだ。甘いのに苦い思い出だね

 

まぁそんな事置いといて始めよう

 

今日は前回の続き、チョーカーさんを探すところからだね

ゾンビは前回、アルティメットシャウト(オマケ付き)でほぼ吹き飛ばしたから沸くまでに間が空いています。

 

チョーカーさんは初日はほぼ確実に生きているため、ゾンビをほぼ殲滅した今日、救出してしまいましょう。

 

それじゃあ地下に行くゾー!オー!

 

ん?何だって?チョーカーさん探しに行くのに何で地下に行くのかって?

武器補給に向かうだけだけど?チョーカーさんは初日に助けようとは言ったけど今すぐじゃないから(今すぐ救助するとは言ってない)

 

じゃけん地下まで行きましょうね~

 

と言うことで階段を下りてますがいやぁ酷い、ゾンビが土嚢のように積み重なってみんな死んでますねぇ。酷いことするやつもいるものだ(棒読み)

 

全くこんなに誰がこんなに散らかしたんだが、後でちゃんと片付けて起かないと。(犯人)

しかし夜だからか外から入ってくるゾンビは少ないですね。

 

と言うより先程ほぼ殲滅したので学校の中は無人に近い状態です。

そんな死体が山積みになった階段を下りて、一階に行こうとしたわけなんですけども二階の途中に何か見覚えのあるキャラがいる……

 

チョーカーさんじゃねぇか!

 

って言うか気絶してる。何で?

もしかしてアルティメットシャウトに当たったとか?

 

こんなこと起きるんですね~へ~(他人事)

 

チョーカーさんは女性キャラの場合はトイレに隠れていて見つけやすいのですが男性キャラの場合、初日のみ学校の何処かにランダムポップする仕様があります。

ですので武器回収した後、枝切りハサミをしゃきしゃき言わせながらしらみ潰しに探すつもりでした。それじゃあクロックタワーになるだって?違う違う鬼滅の善逸だよ。

 

しかし武器を先に詰める予定だったんだけど変な所で運が発動しましたね。まぁいいか、一旦チョーカーさんを安全なロッカーに押し込んで武器を取りに行っちゃいましょう。

 

どうせこの廊下の奥に地下への入り口がありますし、パパっと言って回収してしまえばどうってことありません。大丈夫大丈夫

 

地下への扉も本来なら鍵がしまっていましたがアウトブレイク後は半開きになって中に入れるようになっています。姫萩にはあまり関係は無いけどね、一番始めに入ってたし…

 

まぁそれは置いといて地下のとある場所を壁ドンッしてキーボードを出し、暗証番号をパパパっと入れてパニックルームを開きます。

 

後はターミネーターよろしく武器詰めタイムです。

 

 

 

 

おででんでんででん、おででんでんででん

てれれーてーてーてー↓

てれれーてーてーてー↑

 

アイルビーバック…サンマを添えて

 

しつこいですね、すみません調子乗りました

最近観に行ったんでちょっとやりたくなっただけです。

さて、現在は無事にあの武器を全て詰め込んで回収したのでチョーカーさんをおんぶして屋上向かっています。

 

そうそう、チョーカーさんをおぶる前にちゃんと着替えましたよ

 

血濡れだとチョーカーさん汚れちゃうし、他のメンバーが見たら正気度下がっちゃうので忘れないように着替えましょう。

 

それじゃあ屋上の扉をノックノックノック……と言ってもノックノックジョーク何て出来ないので普通に帰って来たと呼び掛けましょう。おーい帰ったぞーい

 

「お帰りなさい…姫萩さん」

 

鍵が解除され、扉を開けた先には少し暗い顔のめぐねぇ、やはりアウトブレイクによって少し正気度が下がってますね

 

「袖村さんを連れてきたんですね。お怪我は無いですか?」

 

無論ありませんとも

 

しかしここでチョーカーさんの体を一応見て貰いましょう。感染してないことがわかれば正気度がちょっと上がりますから

 

屋上のみんなにただいまと言いながら食料を配ります。この時に配るのは10秒チャージゼリーとかスープが良いです。特にくるみちゃんは愛しの先輩をヤったので目が虚ろとなり、ほとんど物を食べれません

 

しかし消化に良いものなら食べることができ、後日バリケード等を作るときまでに体力を高く保たせる為にもゼリーやスープを作ってあげましょう。

 

みんなにゼリー配り、そして屋上倉庫からバーベキューセットと燃料、お湯を沸かすようのヤカンと人数分のコップを用意し粉末スープのコンポタを作りました。

 

暖を取らせ、皆が静かに食事している横でちょっとブルーシートとか使ってテントを作成してあげましょう。

 

静かですねぇ、初日の夜は皆気力が無いのかほぼ喋りません。あまり話しかけても信頼度が低下するだけなので事務的な事だけを口にします。

 

屋上に寝床出来たんだけどさ、眠ってかない?

 

「姫萩さんありがとう」

 

「ありがとう用務員さん」

 

皆がお礼を言ってくれました。しかしいつも元気なゆきちゃんも今日はやはり元気がありません。仕方ないね!

 

「あの…姫萩さん」

 

おや、りーさんどうしたのと言いたいところですが理由はわかっています。

 

「いえ、何でも…テントありがとうございます」

 

かなり不安そうな顔、これは多分妹のるーちゃんを思っている顔ですね。

しかし今は夜中、朝になればりーさんが助けに行きたいと提案し始まるイベントです。

 

ですが実は今からでも助けに行くことができます。ただし条件があり、操作キャラがるーちゃんの存在を知っている必要があります。

 

ですからアウトブレイク前にりーさんと仲良くすると鞣河小学校の位置とるーちゃんの存在を認知することができ、今からでも救出可能なので助けに行きましょうかね。(チョーカーさんが早めに見つかって尺を稼ぐためとは言えない)

 

見張りのためか起きているめぐねぇに話をして助けに行きましょうか

 

その前にまだ暖かい時期とは言え少し寒そうなので上着をかけてあげましょう。好感度的にも拒否られる事はないと思います。これができる男の仕事…えっ?普通にやったらキモいって?うっさいわ!

 

「あっ……ありがとうございます姫萩さん……」

 

おいっすめぐねぇ、疲れてねぇか?いや普通に疲れてるわ

だけどちょっと救いに行くことを伝えましょうねぇ~、バリケードも作るから

 

「また一人で行くつもりですか?…」

 

そうだよ(肯定)

夜ですしおすし、るーちゃんならパパパっと連れてきて終わりってできるから

 

「貴方は何故そこまで…それも大人の義務って言うつもりですか」

 

そうだよ(便乗)

イエスロリータノータッチだけどロリは正義だから

しかもるーちゃんいると皆の正気度が右肩上がりになるからなるべく回収したいって下心もあります。美少女は偉大ってはっきりわかんだね!

 

下心満載だから適当に説得をしましょう。小さい子は見捨てられない、夜ならゾンビが少ないのを確認できたから大丈夫ってね

 

「わかりました……」

 

説得したらめぐねぇがとても渋い顔をしながらokしてくれました。渋いめぐねぇ、略してしぶねぇ…なんてね

 

「では絶対に帰ってきてくださいね」

 

オーキードーキーわかってる、じゃけん向かいましょうね~の前に屋上の扉をバリケードで補強しときましょう。稀にゾンビが襲撃してきますからね

 

そして防衛するめぐねぇにはスケバンよろしく釘バットを作って渡しましょう。

先ずは木製バットを用意します。次に釘を用意してガムテープを使うと完成!

 

ガムテープ要素ゼロの釘バットができましたのでめぐねぇに渡しましょう。

次に屋上の扉をガッチガチに補強して完成、うんパーフェクト

 

それじゃあるーちゃん救出に向かいましょう

 

うん?先にバリケード作ったら出られないじゃないかって?

ここで一つ、皆はダイイングライトって知ってるかな?

この学校の裏にはごみ捨て場があってね、クッションの変わりになるんだ。

 

それじゃあ行きましょう、レッツダイブ……の前にくるみちゃんの想い人であった先輩も一緒に持ってちゃいましょう。よいしょっと

 

それじゃあ改めて行きますよ、レッツダイブ

うわぁぁぁぁぁ(棒)ここは無駄にかっこよくヒーロー着地を決めましょう、視聴者サービス

 

ドサッとかドガッと痛そうな音がなりましたが大丈夫、ノーダメージですよ

 

さて、鞣河小学校まで行きますか

 

 

 

 

ただいまバイクで疾走中でございます。

 

本当は歩きの方でも良いのですが何となくバイクの方が良いかなと思いバイクで走ってます。

 

本来、鞣河小学校までの道程は乗り物で行くか歩きで行くかに別れます。乗り物で行くと道中ゾンビを振り切る事ができ、安全に進むことができますが途中途中で他の乗り物が事故を起こして道がふさがり通行できない場所が多々あります。

 

故に遠回りとなり、時間がかかりやすいです。

 

そして徒歩はその逆、ゾンビの襲撃など危険度が高いですが最短距離を突っ切る事ができ、上手く行けばスピードクリアが可能です。

 

安定を取るかスピードを取るか

 

実際通常プレイなら前者、RTA走者なら後者を選ぶでしょう

しかしここは両方取りましょうね~

バイクに乗ったまま、道路工事している場所におじゃします。ローラーローラー!冷えてっか?

バッチ置いてありますよロードローラー

 

それじゃあくっつけちゃいましょうね、作ってワクワク!

 

テッテーテッテッテー(DSマリカー風)

 

ローラーホッグ!!!

 

この匠の技を見てください、あのカッコいいバイクとロードローラーが組合わさり、凶悪その物の大変身を遂げたこの姿、まるで世紀末を走り抜けそうな乗り物が完成しました。

 

バイクの速さにローラの強さ、そして耐久性にカッコいい火炎放射器

 

迫り来るゾンビを全てミンチに変え、ゾンビ焼き肉を増産可能なこの車体は見た目通りパワフルで道にある障害物事全て弾き飛ばす事が可能です。

 

しかし運転する前の注意として肉片で操縦者も血濡れになりますからちゃんと雨具を着けましょう。では行きましょうね!ブンブンヤッホォイ!(マリオ)

 

「止まウゴギャア!」

 

「食料よこプギュ!」

 

「殺さなギャアアアア!」

 

ん?なんかゾンビ以外を引き潰した気がする、まあ経験値だと思えば良いか

どうせヒャッハーしてる不良擬き踏んでもゾンビを引き潰しながら走っているせいか画面が真っ赤な肉片だらけになってよくわからんし、救助も話し合いも不可だから生かしとく意味はない

あぁそうだ食事中の皆さんは肉料理にタバスコかラー油をかけてお召し上がりください。親近感味わえますよ

 

「誰か!誰か助けて!お願い!」

 

おっと、突発的な救出ミッションが出ましたね。この救出ミッションはその場のゾンビを9.5割りほど滅すれば自動的に救出扱いになります。そして救出扱いになると沢山の経験値が取得でき、レベルアップが見込めるので普通プレイで装備が揃っているなら積極的に殺っても良いでしょう。

 

今回はどうやら塀の上にお姉さんが取り残されているようですね、お姉さんなら助けましょう、たまに助けるとハグやほっぺにチューをしてくれます。ロックマンゼロ1でもありましたねぇ

 

ん?お姉さんならって男なら助けないのかだって?うーん助けてもハグしか貰えんしおホモ達ニキが大歓喜するだけですからスルーじゃないかな?まぁ一人救えばゾンビがそれだけ減るってゾンゾン映画でも言ってたし時間があれば救っときましょうの精神で

 

ゾンビを引き潰し、火炎放射をしながら円を描くように車体を回転させます。ゾンビの中心で助けを叫ぶ……何か似たような映画昔あった気がするな…… 

 

「ありがとう!本当にありがとう!」

 

火炎放射でゾンビを薙ぎ払っていたらいつの間にか殲滅出来たようです。お姉さんがぴょんぴょんとしながら手を振って感謝してくれています。

 

 

 

何かあのお姉さん見たことあるんだけど気のせいかな?何かピアスとか指輪とかパンクな感じの服装だし、まぁ良いか

 

るーちゃんを救出再開します。おらどけぇ!

 

あっハグしてもらうの忘れた…視聴者サービスできないじゃん…

 

 

『めぐねぇ』

 

あの爆音が聞こえた後、こっそりと扉を開けて外を見た私は絶句した。

 

そこには生徒だった物が山積みとなり、其処らに血と肉が飛び散り河を作っている光景など普通ではない

彼は本当に何をしたのだろうかと言う疑問も沸いてきたが今はそれを置いておく事にした。

緊急事態に陥った時用の非常用マニュアルは確か職員室にあった事を先程思いだし取りに行こうと決める

彼を待つ以外に何かできる事は無いかと考えた末だ

 

「めぐねぇ、何処に行くの?」

 

ゆきちゃんが心配そうに私を見る、その目には怯えと恐怖が混じり、不安に濡れた目であった

 

「少しだけ見てくるわ」

 

「危ないよめぐねぇ」

 

わかっている、だけど覗いた限り奴らはほぼ居ない

いや、奴らは殲滅されて居ないと言った方が正しいだろう

行くなら今がチャンスだと思う

 

「ゆきちゃん、先生は職員室に大事な物を取りに行かなくちゃいけないの」

 

「なら一緒に…」

 

「一緒は危ないからダメよ、それに一人ならすぐに逃げられるし危なくなったらすぐに帰ってくるから」

 

ゆきちゃんの頭を撫でて宥める、もし何かあったなら彼の様に守りきる自信は私には無い

だからここは一人で行くしかないのだ

 

何故か屋上に置いてあったバールを持って扉を開ける

 

「大丈夫絶対にすぐ戻ってくるから」

 

言い聞かせて扉を潜るととても濃い血の匂いがした。やはりこの死体の山からだろう

死んでいるか試しにつついたりするが全て死んでいる

いや、この元生徒は歩く死体のような者、元々死んでいるに近いから死んでいると言うより再殺されたと言った方が正しいか

 

慎重に奴らの死体を避けながら職員室まで進む

道中はやはり死体ばかりで動いているものなどいなかった

 

良かったと胸を撫で下ろしながら職員室を覗く

するとそこには見知ったスーツ姿の彼女が居た

 

「神山先生……」

 

私の隣の机であり、とても親しかった人物

しかし彼女はもうすでに彼女ではなかった

 

噛まれたのだろう、奴らと同じように濁った目をしながら呻いている。

知り合いが奴らとなってしまった事に心臓がバクバクとなり、体が震えるが職員室に入れば彼女と対峙することになるだろう

殺りたくないと言う気持ちもあるが、殺らなければならない

ましてや生徒であるくるみさんは私が弱かった故に想い人を殺めてしまっている。

ここは腹を決めねばならないだろう

 

そっと扉を開けて神山先生だった者の後ろに回り込む

そして膝を蹴り崩し、膝立ちとなった彼女の首を押さえた。

 

(神山先生…ごめんなさい)

 

いつも私と親しく、そして幾度となく励ましてくれた恩人

様々な思い出が頭を駆け巡り、涙が無意識に出てくる。

 

「ありがとう…そしてさようなら…」

 

別れを告げて彼女の首をへし折った

 

 

 

 

神山先生を眠らせた後、私はマニュアルを探した

しかし何故か見つからない、あの時確かにこの棚に入っていると見ていた筈なのに見つからなかった。

 

(もしかして誰かが抜き取った?でも何故?)

 

探した所、不自然に抜けた後があるので誰かが抜き取ったとは考えることができる。しかしあれは指示があった場合のみ開封可能な物であった筈だから勝手に持っていく事は真面目な先生ばかりのこの学校ではほぼ無いだろう

 

神山先生が緊急と言うことで取り出したと考えたが彼女どころか机にも置いてはなかった

 

では誰であろうか、生徒はあの緊急マニュアルの存在すら知らないと思うし、ましてや抜き取ることもできない

アウトブレイク後に抜き取ると言うなら彼女と必ず対峙しなくてはならないだろう

しかも彼女はやつらが溢れた時に私に電話してそして襲われている。アウトブレイク後に誰か持っていったとは考えにくいだろう

 

ならアウトブレイク前に抜き出されたと考えるのが自然だ

ならば抜き出せるのはマニュアルの存在を知っている人物となる

 

「抜き出せる人物、あれには確か校長及びその代理と書かれてたから先ずは校長先生、それと教頭先生、後は……」

 

怪しまれない人物、そう考えた時に彼の姿が頭を過った

(彼なら学校の何処に居ても不思議ではない人物、そして私を度々教頭の説教から救って……)

 

彼は何を教頭と話していたのだろうか、備品の交換や購入費なら後でまとめて出せば問題ない

しかも態々会話を割り込んで入ってきた事から緊急の事を知らせていたと思われる。その緊急の用事が火災や水道、電気関係ならば私達教員にも伝達が入るはず

では何を話していた

 

もしかして彼は、姫萩さんは…

 

この事態が起きるのを知っていた

 

いやいや、それは無いだろう

そもそもあれは突然起きたことであるし、知っているならもっと安全な場所に行くだろう、私ならそうする。

そもそもあのマニュアルが今回の事に関係しているとは限らない

 

災害マニュアルなら別途用意されているからこそあのマニュアルに何が書かれているか気になった。

 

(姫萩さんが戻ってきたら確かめるしかないか…)

 

ふと、ガラガラと扉を動かす音が聞こえる。普段なら聞こえないその音は静かな今だからこそ聞き取れた。

 

(姫萩さん?)

 

こっそりと職員室を後にし階下に降りる。すると教室から血まみれになった姫萩さんが出てきた。

 

(!?!?!?)

 

ここで自分の口を押さえて声を出さなかった自分を褒めてあげたい

彼は血みどろではあったが辺りを見渡すと更に下へと歩いて行く

 

生存者を探すと言ってたのは嘘ではないが、しかし他の教室を確認することなく下の階へ行ったのが少し気になり後ろをこっそりとついて行くことにした。

 

 

 

 

彼の足取りは迷いなく、途中用務員室で着替えて出てくる以外は立ち止まることなく歩いていた。

 

まるで彼だけ散歩しているような、事件など起きていないかのような足取りの軽さは警戒すらしてないような雰囲気、メンタルが強いのか異常なのか

しかし彼の姿は一階の奥、本来なら立ち入り禁止となっている場所で止まった。

そこは開かずシャッターとしても有名な所で生徒はおろか教師すらも中がどうなっているかわからない場所であり、普段はシャッターがずっと降りているのだがよく見ると何故か半分だけ開いている。

 

そこを潜るように姫萩さんは中へと入っていった、だがやはりその歩きに迷いがない

こっそりと後をつけるがシャッターの中は暗くとても見えにくく、それでいて音が反響しやすいので遠くから見ることしかできない

 

広い部屋には辛うじて扉が幾つもあるのが見えるが書いてあるものは光源がないため見えなかった。

 

しかしその扉を一瞥することなく、彼は奥へと歩いて行き、何も無い壁で立ち止まった。

 

ゴンッ

 

彼が壁を突然叩いた音が木霊する。

すると壁に何か現れ、それを彼が弄ると壁が突如として開き、新たな部屋が見えた

昔映画とかで見たことある悪の組織の部屋とか要人警護用のパニックルームってやつだろうか

 

彼は中に入ると何かをカバンの中に積めている。

あれは剣?それに次は斧がついた槍?もう一つ刀も詰めている。最近とあるゲームが流行って美術品特集と言ったテレビが良くやっていたので見覚えのあるものが多い

 

次はあれは何だろうか、昔の映画で見た事がある何か

いやあれは鉄砲だ、姫萩さんは色々と種類の違うものを大量にカバンに詰め込んでいる。

 

何故ここにそんなものがあることを知っている

 

わからない、彼は本当に何者なのだろうか

しかし不味い、彼があれで何をするのかはわからないが警戒しなければならない

 

彼は子供を守ると言っていたが認識を改めなければ、彼に気がつかれぬようその場を後にし屋上に行こうとして一旦やめる

 

そう言えばあそこに行く前に彼は教室から出てきた

そこで何をしていたのだろう

 

まだ彼は戻らない筈、階段を少し戻り、先程彼が出てきた教室に入る

 

(かなり濃い血の匂い)

 

むせかえるような血の匂い教室に充満しているが不思議な事に奴らは居ない

しかし見たところ教室には何も変わりは無いが……いや、彼の足跡がロッカーの方に向いている。

 

鬼が出るか蛇が出るか、何かをしたのは確かだろう。

恐る恐る開ける

 

「袖村さん!?」

 

そこには三年生の生徒である袖村さんがロッカーに入れられていた。

 

「袖村さん!袖村さん!」

 

何度か彼女を揺するが起きない、しかし胸が膨らむ所を見るとどうやら意識を失っているだけのようだ

 

体に怪我はなく、何もされた形跡はない

このまま連れて行きたいがまだ校内に安全は確保できていない、故に私が連れて行くことはとてつもなく危険だ。

 

ここは一旦彼女を置いて行くしかないだろう、だが

姫萩さんがここに彼女を入れたと言うなら後で必ず取りに来る筈

 

これはただの勘だが彼は屋上に袖村さんを連れてくるだろう

 

私は彼が来る前に屋上へと向かう

 

「めぐねぇ、お帰りなさい」

 

私が屋上に帰るとゆきちゃんがほっとしたような顔で抱きついてくる。

心細かったのだろう

 

そしてゆきちゃんを宥めている間に彼は袖村さんを連れてきた。

救出された彼女はどこも怪我はなく、気絶しているだけであり、何もされていない

やはりただ助けているだけのようである。

 

そんな彼があの銃をまだ装備していないことを確認して声をかける

 

「お帰りなさい姫萩さん、袖村さんを連れて来たんですね、お怪我は無いですか?」

 

当たり障りの無いことを話ながらも彼を観察する

 

「ええ大丈夫です」

 

そう淡々と返す彼は屋上の倉庫からバーベキューセットなど暖がとれる物を用意し、全員分のゼリーやカップ、粉末スープも用意していた。

 

未だに少し怪しく思うが素直にこの食事はありがたいと思える。固形物など出されても今日の惨事を目の当たりにすれば誰だって物は食べにくいだろう

そして皆がその食事をしている間にテントまで作り上げていた。皆のためを思ってだろうか、少なくとも今の彼は悪意は無いように見えた。

 

 

そうして時間が過ぎて皆が食事を終えて各々テントに入り始めたとき

暖かい季節とは言え夜は多少肌寒く感じる。この暖がなければ、そうそうにメンタルがやられていただろう

 

しかし暖を取っていてもやはり風は少し寒く感じた。せめてテントならば風は防げるだろうが奴らがいつ来るかもわからないために見張りはしなくてはならない、故にテントよりも光源が確保できる焚き火の方が都合が良く、また焚き火のためにテントには入れない

 

そして風が吹く度に少し体を震わせていると上着をさっとかけられた。

見れば姫萩さんが自分の上着を脱いで私に羽織らせている。

 

「大丈夫ですか佐倉先生」

 

少し心配した様子で隣に座る彼

その横顔が焚き火に照らされているせいか色っぽく見えドキッとしてしまう。

 

「佐倉先生、ゆうりさんに妹がいるのですがそれを今から助けに行きます」

 

突然彼はそんな事を言い出した

ゆうりさんに妹がいるのは始めて聞いたがなぜ今

 

「周りは奴らだらけでしょうが今ならまだ生きているかもしれません」

 

「また一人で行くんですか?」

 

「そうです」

 

何故、この闇夜の中、何も見えない危険な道を彼は歩むのだろうか

 

「貴方は何故そこまで……それも大人の義務って言うつもりですか」

 

「ゆうりさんの表情を見たでしょう、彼女はとてつもない不安を抱えている、ましてや年端も行かない少女が生きているかも知れない、少しでも可能性があるなら助けに行かないといけないと私は思います」

 

あのときと同じ目、彼は諦めないつもりだ

彼は確かに怪しい、しかしそれ以上に優しい

だからこそ死んでほしくはない

 

「それでも夜は危険です、奴らにが何処に潜んでいるか」

 

「大丈夫です、夜になると奴らは生前の習慣が体に残っているのか昼より少なくなります。ですから今がチャンスです」

 

確かに先程校内をつけて廻った時もほぼ居なかった。死んでたと言えばそれでおしまいなのだろうけど全校生徒数よりも全然少ない

夜は奴らが少なくなると言うのは本当だろう

 

「わかりました……」

 

あれからそこそこ話し合ったが全て返され遂に私は折れてしまった

 

「では絶対に帰ってきてくださいね」

 

折れるだけではいけない、だから彼には一つ枷をつけさせて貰った。

彼はかなりのお人好し、ならばこの約束は守ってくれるだろう

 

「ええわかりました」

 

それだけ言うと彼は屋上の扉に強固なバリケードを作り、更には私へ武器を作って渡してきた。

見た感じゲバ棒に似た釘バット

ガムテープとバットと釘でささっと作った彼はそれを私に渡し…

 

「では留守番お願いします」

 

そう一言行った後、屋上にあった元OBでくるみさんの想い人だった死体を担ぎ、裏へと飛び降りた。

 

人間驚くと声が出なくなると言うのは本当だ

流石にとてつもない衝撃を受けて絶句しているときドスンと言う落下音が聞こえた。

彼が着地した音だろう

 

やはり彼は普通の人間ではないのかも知れない




ふーむ、このSS書いてもう一つの方書いて更に別の物を試し書きして仕事の資料を書いたら1日10000万字近く書くはめになったし、資料の方は所々小説になっているって笑いながら注意受けたし、大変だねぇ…

年末近いからちょっと忙しいので更新遅れそうです

それと偉大なるがっこうぐらしRTAのアサルトゲーマーニキが完走した事に驚いてる今日この頃、おめでたい!

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