魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達   作:エム3

15 / 58
14話目です。
コロナウイルスが拡大してる中、自宅待機をしている方達の暇を埋めれればと思っています。
こんな駄文だらけの作品ですが。


最初で最後 全力全開の決闘 そして真実

地球のある場所に結界が張られている。それは人避けの結界であり、並の魔法では破れはしない強固な結界。その結界を見つめる二人の人物、ユーノとアルフがいた。見つめるのは結界内の一点。

そこには一人の少女、瞳を閉じ佇むなのはの姿があった。

 

なのは「・・・・・・・」

 

そして別の場所、アースラのブリッジでは、刹那達がモニターでその様子を確認していた。

 

刹那「・・・・・・・・」

 

カグラ「刹那、フェイトちゃん本当に来ると思うか?」

 

カグラは少し不安があるらしい。確かに、相手がいきなり目的の物を賭けての決闘など、怪しさ満点だろう。だが

 

刹那「・・・・確実に来る」

 

リンディ「刹那君は確信してるのね?フェイトちゃんは確実に来るって」

 

刹那「・・・・ああ。」

 

刹那は確信できる理由があった。前日にクロノから使わせてもらった情報端末に入っていた。あの情報である。

 

刹那(プレシア・テスタロッサの目的は間違いなくアリシア・テスタロッサの蘇生だろう・・・・だが、願いを歪めて叶えるジュエルシードを使えば、正しく蘇るとは思えない・・・そしてフェイトはアリシアの妹にあたる存在・・・)

 

セリカ「あ!!フェイトちゃんが来たよ!!」

 

セリカの声に、刹那は考えるのを止め、モニターに目を移す。そこにはなのはの正面、電灯の上に佇むフェイトだった。

フェイトが現れ、ユーノ達もフェイトを視認した直後、アルフがフェイトに懇願をする。

 

アルフ「フェイト!もうやめようよ!!あの鬼ババァの言うことなんて聞かなくていいんだよ!!もう私はフェイトが傷つくのは見たくないんだよ!」

 

アルフは涙を流しながら、フェイトに声を掛ける。だが、フェイトは目を閉じて、首を横に振る。

 

フェイト「ダメ・・・私は母さんの為に頑張りたい・・・私は母さんに褒めてもらいたい・・・だから、諦めない。この決闘は勝たなきゃいけないの!!」

 

フェイトはデバイスを鎌の形態に変え、先端をなのはに向ける。だが、なのはは決意を固め、デバイスをフェイトに向ける。

 

なのは「フェイトちゃんにも理由があるのはわかるの。でも、このジュエルシードは危険な物なんだよ。だから譲るわけにはいかないの。それにユーノ君との約束も守りたい。何より刹那君から頼まれたの!!負けられない!!」

 

友達との約束、そして想い人からの信頼に応えたい。この2つの出来事がなのはの戦う理由。そして、なのははレイジングハートからジュエルシードを取り出す。

 

なのは「だから、私達が持ってるジュエルシードとフェイトちゃん達が持ってるジュエルシード・・・この2つを賭けて、始めよう?

 

 

 

最初で最後、全力全開の決闘を!!!!」

 

今、それぞれの決意と想いを胸に、二人の少女の最後の戦いが始まった。

 

刹那達は遂に始まった二人の決闘をモニターで見ていた。

 

刹那「・・・・・・・」

 

エイミィ「戦闘開始・・・・・だね」

 

クロノ「ああ。この戦いはなのはに全てを任せている。勝っても負けても、僕たちがやることは変わらない。プレシア・テスタロッサの魔力探知を優先していてくれ。各自、忘れずに」

 

クロノの言葉にアースラの艦員が頷く。だが、セリカは人差し指を立て、顎に当て、首を傾げていた。

 

セリカ「でも気になるよね。なのはちゃんとフェイトちゃん、どっちが強いんだろうね?」

 

カグラ「あー、なのはちゃんには悪いけどよ。フェイトちゃんなんじゃねぇか?最近は訓練してたからなのはちゃんも強くなってるけどよ、流石にフェイトちゃんには敵わないんじゃないか?」

 

クロノ「いや、なのはの成長速度は凄まじい。刹那との訓練をしていたこともあるだろうが、なのはの魔法の才能は他の人とは比べものにならない。なのはが勝つ可能性もあるだろう」

 

決闘の映像を見ながら、どちらが勝利するのか議論をしだすクロノ達、そんな中、刹那は目を離さずにモニターを見ていた。

空中戦での高速移動をしながら、アクセルシュートを打ち出すなのは、だが、それを回避し、デバイスを振り下ろすフェイトだが、プロテクションの魔法で、なのはは攻撃を防いでいた。

その映像を見ていた刹那だが、カグラが刹那に声を掛ける。

 

カグラ「刹那、お前はどう思う?」

 

刹那「・・・五分五分だろう」

 

セリカ「五分五分?」

 

刹那「現状の二人の魔法関連の技術、戦闘経験に大差はない。速さはフェイトが上だが、なのはに牽制技がある以上、そのスピードの差を埋めることができる。魔力量や魔法の威力はなのはが上だが、当たらなければ意味がない。その他にも色々あるが、二人の実力はほぼ同じと言っていい。」

 

刹那の言葉にクロノ達は驚愕の表情を隠さないでいた。今の映像を見てなのか、これまでの二人を見てなのかは分からないが、二人の実力を見極め、二人の弱点や強みを理解した上で、あれほどの説明のわかりやすさ。刹那は戦闘に関しての事なら他の者は叶わないだろう。

そう思いながら、全員はもう一度決闘の映像に目を向ける。

 

刹那「・・・だが」

 

しかし、刹那は映像を見ながら、言葉を溢す。全員はもう一度、刹那に目を向けていた。

 

刹那「勝敗が決定する瞬間はわかる」

 

アルマス「勝敗が決定する瞬間?」

 

レーヴァテイン「・・・どっちかの大技が決まった瞬間・・・でしょ?」

 

レーヴァテインの言葉に刹那は首を縦に振り肯定する。だが、他の全員はあまり理解できていないのか、首を傾げていた。

 

セリカ「どう言う事?刹那君」

 

クロノ「そうか・・・どちらかの一番威力がある魔法が放たれた瞬間・・・というわけか」

 

刹那「そうだ。放った方の魔法の威力が強いか・・・または、受けた者の防御力が強いか・・・その時に勝負が決まる」

 

そして全員はモニターに視線を向ける。そこには二つの魔力光・・・桃色の閃光と金色の閃光がぶつかり続けていた。

 

 

なのはside

 

やっぱり、フェイトちゃんはやっぱり強い。あれだけ訓練しても、ついていくのがやっとなの。でも、負けてられない!!

 

なのは「アクセルシュート!!」

 

フェイト「はあっ!!」

 

私とフェイトちゃんの魔法がぶつかり合う。複数の魔法がぶつかり合い、爆発。煙が私達を包み視界を遮ってしまう。その瞬間、煙から出ようと私は移動をしようとしたけど、突然、身動きが取れなくなってしまう。

 

レイハ「マスター、バインドです。恐らく、フェイトさん達が次で終わらせようとしてきます。」

 

なのは「やっぱり、そうなるよね。レイジングハート、防御魔法、重ねてお願いできる?」

 

レイハ「わかりました。プロテクションを重ねて発動します。ですが、マスターの全力を出せるように魔力を残しておきます。」

 

なのは「レイジングハート?」

 

私はレイジングハートの言葉を理解できなかった。魔力を残しておく?そう考えてると、レイジングハートはこんな事を言い出した。

 

レイハ「マスターが全力を出せるようにする・・・それが私の役目です。・・・それに私は応援しています。マスターの勝利を。」

 

なのは「レイジングハート・・・・」

 

私は自分のパートナーになったレイジングハートにありがとうと口に出す。その時煙が晴れて、フェイトちゃんが見えたの!!だけど、それと同時に私は驚いてしまった。何故なら、フェイトちゃんの周りにはさっきの数とは比べものにはならないほどの魔法が展開されていた。

 

刹那side

 

アースラのモニターにて、同じ映像を見ていた刹那は確信した。

 

刹那「・・・フェイトが勝負を決めに行った。」

 

クロノ「さっきとは比べものにならない数だ・・・・」

 

カグラ「これ、やっぱりフェイトちゃんが勝つんじゃねぇか?この数じゃあ防ぐことなんて出来ねぇだろ?」

 

セリカ「そうなのかな?リンディさん、リンディさんならどう思いますか?」

 

リンディ「そうねぇ、バインドで縛られている以上、直撃は避けられないわ。片方の腕が空いているならまだしも、両手をバインドで塞がれてる以上、ダメージを軽くすることもできない・・・厳しいわね」

 

リンディの見解はもっともだろう。普通であるならば、この数の魔法を受けてしまうと、大ダメージを受けるだろう。だが

 

カグラ「・・・・そういう割にはリンディさん、すごい笑顔じゃないですか。なにかあったんですか?」

 

そんな言葉を言うも、リンディは笑顔のままだった。その光景を見たカグラ達は困惑していた。だが、リンディの言葉を聞いて、不思議と納得してしまう。

 

リンディ「だって、これでなのはちゃんが負けるとは思えないもの」

 

クロノ「・・・そうだな。なのはが負けるとは決まったわけではないだろう」

 

リンディの言葉の後にクロノも言葉を紡ぐ。

 

カグラ「クロ助、なんでんなこと思うんだ?あの映像のどこになのはちゃんが勝つって言う可能性があんだよ?」

 

カグラの言葉に、クロノは「簡単なことだ」と言葉を言うと、視線を刹那に向ける。そして

 

クロノ「刹那が言っていただろう?耐えれば受けた方の勝ちだと。それに、刹那はなのはの勝利を確信した・・・・そうだろう?」

 

クロノの言葉にカグラ達は再び驚愕する。そして視線は刹那に向けられると思ったのだが、モニターに写っていたフェイトが魔法を放つ。

 

フェイト『プラズマランサー!!!!』

 

 

複数の金色の閃光が、なのはに向かって、突き進む。そして、なのはが立っている空中にて、魔法が当たっていく。その光景を見て、カグラ達はなのはの身を心配していた。だが、何人かの人物は違った。それは、刹那、クロノ、リンディの3人だった。

 

刹那「・・・・・クロノ」

 

突然、刹那に呼ばれたクロノは刹那に目をやる。その時のクロノの顔は笑顔だった。

 

クロノ「どうしたんだ?刹那」

 

刹那「魔力探知の準備をしておいてくれ。そろそろ勝敗が決まるだろう。セリカ、俺と一緒になのは達のところに向かうぞ。」

 

セリカ「え!?う、うん!!わかったよ!行こう!ミネルヴァ!!」

 

リンディ「何が起きるかわからないわ。気をつけながら、なのはちゃんを迎えに行ってあげてね?なのはちゃんの騎士さん♪」

 

刹那「何の事かはわからないが、迎えには行く。」

 

刹那はセリカ、ミネルヴァと共に、転移ゲートへと向かう。そして、レーヴァテイン達は刹那の後に続いていく。

 

カグラ「ちょ、ちょっと待て!!刹那!!どっちが勝ったんだ!?やっぱりフェイトちゃんなのか!?」

 

だがカグラの二人の勝敗が気になるのか、刹那に向けて言う。それはブリッジにいる、刹那やレーヴァテイン達、クロノ、リンディ以外全員の疑問である。すると、刹那は振り返り、カグラに視線を向けながら、こう言った。

 

 

 

 

 

刹那「俺は、元々・・・なのはの勝利を信じている。」

 

 

 

 

そう言い、刹那は視線を外し、転移ゲートへと歩みを進める。その時、セリカが少し複雑な表情をしていたが、そうなっている理由がわからない刹那は首を傾げるだけであった。そして、転移ゲートは起動し、刹那達は決闘が行われている場所へと転移する。転移後、刹那達は飛行魔法

を駆使して、なのは達の元へと移動する。

だか、刹那は気づかなかった。ブリッジで、あの言葉が紡がれていた時、エクシアは密かに、レイジングハートと連絡を繋いでいた。

 

三人称side

 

フェイト「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

 

フェイトは魔法を全て打ち込んだ後、荒く息を整えていた。自分の持つ魔力を限界まで使用し、打ち込んだ自分の持つ最大威力の魔法。これだけ打ち込めば、戦闘不能にはなっているだろうとフェイトはそう思っていた。

だが、煙が晴れた先にいたのは、ダメージを受けてはいるが、立っていたなのはの姿だった。

 

フェイト「!?」

 

なのは「行こう!!レイジングハート!!」

 

レイハ「canon mode」

 

なのははレイジングハートをカノンモードに変え、先端をフェイトに向ける。そして、魔力を集め、収束魔法の発動準備をする。

 

フェイト「くっ!!うああああああ!!!!」

 

フェイトは魔力が切れかかっているが、力を振り絞りそれを阻止しようとするが、突然体が動かなくなる。フェイトは自分の体を見ると、左手首や足首に桃色に光る魔法が巻きついていた。

 

フェイト「バインド!?いつのまに!?」

 

フェイトはバインドをいつ仕掛けたのか分からず、咄嗟の判断ができなかった。その間に、なのはは収束魔法の発動準備を整える。

 

なのは「行くよ!フェイトちゃん!ディバイン・・・バスター!!!」

 

なのはは収束魔法を放ち、桃色の閃光はフェイトへと一直線に放たれる。フェイトは空いている右手を前に出し、防御魔法を発動させ、なのはの収束魔法を受け止める。だが、威力が高いのか、受け止めているフェイトの顔には苦痛の表情が浮かんでいた。

 

フェイト「うっ・・・くっ・・・でも・・・向こうも限界のはず・・・」

 

フェイトはなのはの放つディバインバスターの光が徐々に細くなっていくのが目に見えていた。

 

フェイト「この攻撃さえ・・・耐えれば・・・・!!ううっ・・!!あぐっ・・・!!」

 

フェイトは自分の持つ魔力を防御魔法に全てまわしていた。瞳を閉じ、力を振り絞り、耐え続ける。すると放ち終わったのか、桃色の閃光は消えていく。フェイトは荒い息をしながら、もう一度なのはに視線を向けたが、そこにはなのはの姿はない。

 

フェイト「どこに・・・!!!・・・っ!!」

 

フェイトはなのはを探すために周辺に目を配る。そしてある一点を見つめていた。その先には、なのはの姿があった。だがそれだけではなかった。なのはは、もう一度魔法の準備をしていた。だが先程よりも魔力の量が多い。先程のディバインバスターとは比べものにならなかった。

 

なのは「一度散らばった魔力をもう一度収束させて、放つ私達のオリジナル技!!」

 

フェイト「収束・・・・砲撃・・・!!」

 

フェイトはなのはの発動させようとしている魔法の名前を口に出す。だが、その魔法は収束する事がとても難しい。どれほどの魔導師でも少なからず期間を要する物を彼女は行なっていた。

なのはは収束砲撃の準備をすすめているとパートナーであるレイジングハートから声をかけられる。

 

レイハ「マスター、エクシアさんから通信が来ています」

 

なのは「刹那君から?どうしたんだろう、レイジングハート、繋いで?」

 

なのはの了承を受けて、レイジングハートはエクシアとの通信を開く。

 

なのは「刹那君?どうしたの?」

 

エクシア『あ、なのはさんですか?エクシアです』

 

レイハ「エクシアさん、どうしたんですか?」

 

エクシア『いえ、なのはさんに少しサプライズプレゼントを届けようとしただけですよ?」

 

なのは「サプライズプレゼント?」

 

エクシア『はい、そのまま通信を繋いでおいてください』

 

エクシアの言葉の通り、なのはは通信を繋いだまま、フェイトに視線を向け、収束砲撃の準備をする。

すると、刹那達の声が聞こえてくる。

 

刹那『そろそろ勝敗が決まるだろう。セリカ、俺と一緒になのは達のところに向かうぞ。」

 

どうやら、刹那とセリカ達がこの場所へとやってくるらしい。途中、リンディさんに刹那はなのはの騎士と言われていたりしたが、なのははこの言葉を聞き、刹那の騎士姿を想像してしまったのか、少し頬が赤くなっていた。

その時、カグラが、なのはとフェイトどちらが勝ったのかを聞いていたが、刹那は迷う事なくこう言っていた。

 

刹那『俺は元々・・・・なのはの勝利を信じている』

 

なのは「!!///」

 

刹那のなのはに対する絶対の信頼。刹那はエクシアが通信を繋いでいることに気づいていない。いや、気づいていたとしてもこの言葉を口にしていただろう。それほどまでに刹那はなのはを信頼していた。

そして、その言葉を聞いたなのはは、頬をさらに赤くさせながら、笑顔になっていた。

そして、なのはは刹那へ想いを強くする。

 

なのは(刹那君・・・今はまだ刹那君を想うだけでいいから・・・それでもいつか・・・絶対にこの想いを・・・伝えてみせるから!!)

 

そして、収束砲撃の準備を終えて、なのはは目を見開く。フェイトは防御の姿勢をとっていて、何重にも防御魔法が重ねられていた。

 

なのは「受けてみて!!これが私の全力全開!!!!!

 

 

 

 

スターライト・・・・ブレイカァァァーーーー!!!」

 

 

 

ディバインバスターよりも巨大な、桃色の極光が、フェイトに迫りくる。極光は防御魔法を難無くと砕き、すべてを砕いた後、フェイトに直撃する。フェイトはその時、覚悟を決めたのか、瞳を閉じていた。

そして、極光は海面へと落ちていく。大きな水飛沫を上げ、その光は徐々に消えていく。そして完全に消えた後、なのはは荒く息を整えていた。

 

なのは「はぁっ・・・!はぁっ・・・!」

 

なのはは、魔力が尽きたのかゆっくりとだが、飛行魔法が切れ、下降していく。だが、その体は突如現れた人物によって止まる。

 

刹那「決着はついたな」

 

セリカ「なのはちゃん、大丈夫?」

 

それは刹那とセリカだったその二人の後、刹那の使い魔であるレーヴァテイン達も現れる。刹那とセリカ抱えられ、決闘中に崩壊してしまった、建物の瓦礫に降り立つ。なのはは、膝をつき休憩を取る。

 

刹那「俺は、フェイトのところへ向かう。セリカはなのはの治療と、フェイトを連れてきたら治療を」

 

セリカ「うん、わかったよ!!」

 

刹那「それから・・・・なのは」

 

なのは「ど・・どうしたの?刹那・・君?」

 

なのはに声をかけた刹那はゆっくりとなのはに近づき、なのはの頭に右手を置き、頭を撫でる。

 

刹那「・・・・よく頑張った」

 

なのは「!!う、うん!!///」

 

ただ一言。刹那は言葉足らずだが、彼なりの賛辞をなのはに言う。

そんな言葉が嬉しかったのか、なのはは微笑んでいた。

なのはの表情を見て、セリカも嬉しいのか笑顔だった。

刹那は二人を見た後、フェイトの元へと向かう。

フェイトは収束砲撃を受け、黒いマントは消え、バリアジャケットのみの姿になっていた。見たところ、防御魔法の重ねがけが、功を奏したのかそれほどダメージは入ってないように見えた。

 

フェイト「刹那・・・私・・・負けたんだよね」

 

刹那「ああ。決闘はなのはの勝ちだ」

 

フェイト「せっかく集めたジュエルシード・・・・母さんのために集めたジュエルシード・・・渡さなきゃいけないんだよね・・」

 

刹那「ああ」

 

フェイトの言葉に刹那は淡々と言葉を返す。その時刹那はフェイトの違和感に気づく。フェイトの頬を流れ落ちる水滴。フェイトは俯いているが刹那は気づいたのだ。フェイトが泣いているのを。

 

刹那「フェイト・・・・」

 

フェイト「悔しいなぁ・・っ!せっかく集めたのにっ・・!!私はっ・・・!!ううっ・・!!グスッ・・!ああっ・・!!」

 

勝負に負けた悔しさなのか、決壊したダムのように涙を零すフェイト。あそこまでいい勝負をして、最後に敗北してしまった。それだけではないだろうが、それだけでも涙を流す理由には十分だろう。

その姿を刹那は無言でジッと見つめ続けていた。

だが、刹那はある事に気づき、空を見上げる。決闘を開始した時は、雲などなかったが、今は雲がある。普通の雲ならばそこまで気にすることではないだろう。だが、その雲は黒くなり、紫色の雷が落ちていた。

 

刹那「きたか・・・プレシア・テスタロッサ・・!!」

 

刹那はプレシア・テスタロッサの魔法の発動を確認していた。するとクロノから通信が入る。

 

クロノ『刹那!聞こえているか!?』

 

刹那「こちら刹那、聞こえている、クロノ、プレシア・テスタロッサの居場所は?」

 

クロノ『今、プレシア・テスタロッサの居場所を特定した!刹那はフェイト・テスタロッサを、連れて、アースラに戻ってきてくれ!刹那達が戻り次第、プレシア・テスタロッサ確保に向かう!!」

 

刹那「了解」

 

刹那はクロノから命令を受け、フェイトを連れて行こうとするが、プレシアの魔法が撃ち出される。魔法の向かう先にはフェイトがいた。刹那は素早く、フェイトを抱えて、魔法を避ける。だが、紫色の雷は何度も何度も刹那に向けられ、降り注ぐ。いや、標的は刹那ではなく、刹那に抱えられているフェイトだろう。

 

刹那(やはり、フェイトを狙ってくるか・・・!!)

 

刹那はそれを避けながら、プレシア・テスタロッサの行動に違和感を覚える。すると、攻撃が止み、刹那は回避行動をやめ、周辺を警戒しながら、なのは達の元へと向かう。

 

刹那「なのは、セリカ、クロノから通信があった。フェイトを連れてアースラに戻るぞ。アルマス達は周辺の警戒を頼む」

 

なのは セリカ

 

「「むぅ〜・・・・・・」」

 

刹那はクロノから通信が入ったことを話し、アースラに戻る様に話す。だが、なのはとセリカはジト目になり、頬を膨らませ、刹那を見て、唸っていた。

 

刹那「・・・どうかしたのか?」

 

エクシア「マスター、マスターは今、誰をどの様な状態で持っていますか?」

 

エクシアからの指摘に、刹那は自分が抱えているフェイトに目を移す。刹那は咄嗟にフェイトを抱えて回避行動をしていた。そう。抱えたのである。刹那はフェイトの背中と膝に手を回していた。

所謂、お姫様抱っこである。ちなみにフェイトは、お姫様抱っこされた嬉しさと恥ずかしさがあり、頬を赤らめて、刹那を見ていた。

 

フェイト「あ・・う・・せ・・刹那・・?///」

 

刹那「フェイト、すまないがこのまま運んでいく。防御魔法をかけていたとはいえ、あれほどの魔法を受けたんだ。ダメージは残っているだろう」

 

刹那はフェイトの返事を聞かず、そのままアースラに向かう。後に続き、アルマス達も警戒をしつつ、刹那の後をついて行く。なのは、セリカ、ミネルヴァも後に続く。何事もなく、アースラに戻った刹那達は、ブリッジに着き、刹那はフェイトを下ろす。何故かその時、リンディやエイミィはニヤニヤして、カグラやクロノはため息をつき、ユーノは苦笑していたが、刹那は首を傾げる。

だが、クロノは真剣な表情に戻り、フェイトに目を向ける。

フェイトもクロノを見つめていた。

 

フェイト「ふ、フェイト・テスタロッサ、です・・」

 

クロノ「時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ。フェイト、君や君の母であるプレシア・テスタロッサがやっている事は犯罪だ。それはわかってくれるか?」

 

フェイト「はい・・・」

 

クロノ「僕達は、プレシア・テスタロッサを確保する。君達には、それ相応の罪がある事、それを覚えておいてくれ。」

 

フェイト「・・・・・はい」

 

クロノはフェイトに彼女達の行いは犯罪である事を優しく説明する。

フェイトもそれがわかっているのか、暗い表情だが、納得した。

 

クロノ「よし、それじゃあ、みんな、準備はいいか?」

 

カグラ「俺は問題ないぜ!!」

 

セリカ「私も大丈夫!」

 

なのは「私も、セリカちゃんに治療してもらったし、魔力も回復したから、大丈夫なの!!」

 

刹那「俺も問題はない。」

 

クロノの確認に刹那達は各々の応答をする。

 

クロノ「艦長、準備完了しました。いつでもいけます」

 

リンディ「わかったわ。これより私達は、プレシア・テスタロッサの本拠地へ向かい、彼女の確保に向かいます!!」

 

「「「「「了解!!」」」」」

 

こうして、刹那達は、プレシア・テスタロッサを確保に向けて、反応があった場所へと向かう。その場所は、フェイトの情報によると、名前は時の庭園というらしい。そこから、フェイト達だけが、地球に拠点を作り、ジュエルシードの探索を行っていたという。そしてクロノから聞いたが、先に先遣隊として、数人の管理局員を先行させているという話だった。

その道中、刹那は、エスに連絡をして、エス達にアースラのブリッジに来るように連絡を取る。するとエスの転移魔法で、エス、島風、綾波、そして沖田達が転移される。刹那はエス達の転移後、アルマス達をエス達に紹介して、各々自己紹介をさせる。すると、すぐに全員で談笑していた。どうやら気が合ったのか仲良くなったらしい。それを確認した後、刹那は前日に見た情報ファイルを思い出していた。プレシアの娘にあたる存在。アリシア・テスタロッサの事を。その姿を見て、刹那の使い魔達は、刹那のもとに集まる。

 

刹那「・・・・・・・」

 

アルマス「マスター、何してるの?考え事?」

 

刹那「・・・・少しな」

 

ティニ「マスターさん、もしかしてアリシアさんの事ですか?」

 

刹那「・・・ああ」

 

ラグナロク「プレシアさんがジュエルシードを集めているのは、アリシアさんの蘇生をさせるためなんですよね??でも、願いを歪めて叶えるジュエルシードでその願いが正しく叶うのですか?」

 

刹那「可能性は低いだろう。出来ないわけではないと思うが」

 

レーヴァテイン「そのアリシア・テスタロッサを、蘇生するって願いが叶ったら・・・・フェイトはどうなるんだろうね?」

 

ロンギヌス「ど、どういう事ですか?レーヴァテインさん?」

 

レーヴァテイン「だってさ・・・フェイトもプレシアの娘なんでしょ?その娘にあれだけの魔法を撃ち込んだり、他に傷もあったから、虐待紛いの事、してるんでしょ?それに、管理局に捕まってるって考えたら・・・見捨てるって事も考えられない?」

 

刹那「ありえないとは言えないな。海上の戦闘の時も、先程の魔法も、どうやらフェイトに向けて魔法を撃ち出されていた。仲が悪いというだけで、これだけのことはしないだろう。」

 

エス「フェイトさんに向けて・・・ですか。」

 

その時、エス達は、刹那の違和感に気づく。表情は相変わらずの無表情なのだが、何か違う。エス達は何故かそう感じた。

 

島風「あ、あの、マスターさん」

 

刹那「・・・・なんだ?」

 

島風「もしかしてですけど、マスターさん、お、怒ってます?」

 

刹那「・・・・何がだ?」

 

綾波「マスター、何か変、です。いつもと何か違う感じがする、です。」

 

クロノ「刹那、もうすぐ目的地だ。こっちに来てくれるか?」

 

綾波達の言葉に首を傾げる刹那だが、クロノの呼び掛けに、思考を止め、クロノの方へ向かう。エス達も、刹那の後を追い、クロノの元へ向かう。クロノの元に向かうと、なのは、フェイト、セリカ、カグラはブリッジに映し出されている映像を見ていた。扉の前で待機している、数人の魔導師が映し出されていた。

 

クロノ「さっき、先遣隊から連絡があった。どうやら、もうすぐプレシア・テスタロッサの元へ辿り着くらしい。連絡を繋ぎつつ、先遣隊には突入をしてもらう。よし、準備ができたら突入を開始してくれ。」

 

どうやら映し出されている映像は、時の庭園にいる先遣隊の映像らしい。先遣隊はクロノの命令に従い、突入を開始する。扉を開き、デバイスを構えながら、前進する。部屋に入ると、一人の女性がいた。

黒いドレス、黒髪の女性、情報端末に入っていた写真の人物と一致する。彼女がプレシア・テスタロッサだと判断した。

だが、先遣隊だけではなく、ブリッジにいる全員がプレシア・テスタロッサの事を見ていなかった。

なぜなら、プレシア・テスタロッサの隣にあるカプセルの様な物がある。その中にいる人物を見て、全員が驚愕していたのだ。刹那やアルマス達以外は。

それは、刹那が端末で見た写真の人物。アリシア・テスタロッサの姿だった。

 

フェイト「わ、私・・・・?」

 

なのは「ふぇ、フェイトちゃんにそっくりなの・・・」

 

セリカ「フェイトちゃん、あの子の事、何も知らないの?」

 

フェイト「う、うん・・・」

 

カグラ「プレシア・テスタロッサが隠していた・・・って事か?何でだ?」

 

刹那「・・・・死んでいる人物だからだろう」

 

刹那の一言に全員は驚愕の表情をし、視線を刹那に向ける。

 

なのは「せ、刹那君、それ、ど、どういう事?」

 

刹那「あのカプセルに入っている人物の名は、アリシア・テスタロッサ。プレシアが起こしたと言われている研究所で起きた魔力暴走事故、その時犠牲になった少女。プレシアの娘らしい。」

 

刹那の説明後、映像に変化があった。プレシアが自身のデバイスを展開し、先遣隊の管理局員に向けて、魔法を撃ち、戦闘不能に追い込んでいた。

 

プレシア『私のアリシアに触れるな!!』

 

プレシアは激怒の表情をして、叫ぶ。その映像を見ても、リンディは表情を変えず、プレシアに、通信をしていた。

 

リンディ「プレシア・テスタロッサさん。私は時空管理局、次元航行船アースラ艦長、リンディ・ハラオウンです。あなたにはロストロギアであるジュエルシードの所持、及び使用という犯罪を起こしています。大人しく投降してくれないかしら?」

 

プレシア『お断りするわ。私はどんな事をしても、アリシアを蘇らせると決めたの。そのために私はそこにいる人形を作ったのだから。」

 

刹那「・・・・人形だと?」

 

プレシアの言葉に反応したのは刹那だった。小さな声だが、確かに、怒気が混じった声で、刹那は反応を示した。だが、周りには聞こえていないのか、クロノがプレシアに聞く。

 

クロノ「人形を作っただと?」

 

プレシア『そうよ。私は娘であるアリシアが死んだ後、その悲しみを埋めるためにアリシアのクローンを作ったのよ。だけど、完璧なアリシアのクローンを作ることは出来なかった。不完全だった・・・なぜなら、ただ、ジュエルシードを集める事すら出来ないのよ?不完全でしょ?」

 

刹那「待て」

 

刹那がプレシアに声を掛けて、クロノ達は刹那に視線を向けた。

 

刹那「今の言葉・・・」

 

なのは「刹那君?」

 

プレシア『あら?あなたはわかったようね?そう、私が作ったアリシアのクローンは・・・・

 

 

 

 

 

 

あなたよ?フェイト!!」

 

フェイト「・・・・・え?」

 

プレシア「あなたがアリシアのクローンなのよ。出来損ないのクローン。フェイト、あなたがそうなのよ!!」

 

フェイト「嘘・・・・」

 

プレシア「嘘じゃないわ。あなたは本当に出来損ないよ。あなたは私の娘じゃない。あなたを娘なんて思ったことは一度もないわ。」

 

フェイト「あ・・・ああ・・・あああ・・・!!」

 

フェイトは目から光を失い、耳に手を当て、プレシアの声が聞こえないように耳を塞いでいる。フェイトに寄り添うように、アルフ、なのは、セリカがいた。だが、その姿を見ても、プレシアは表情を、変えずにフェイトにとって絶望の言葉を言う。

 

プレシア「あなたみたいな出来損ないができるなんて・・・・

 

 

 

あなたなんて、作らなければよかったわ。」

 

フェイト「いやぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

アルフ「フェイト!この鬼ババァ!!!」

 

フェイトは叫び、アルフは怒りと憎しみがこもった目で、プレシアを見る。なのは達も怒りがこもった視線をプレシアに向ける。

その時、刹那がプレシアに通信を繋ぐ。

 

刹那「プレシア・テスタロッサ」

 

プレシアが、もう一度、刹那に視線を向ける。その時、プレシアは背中に冷たいものを感じ、冷や汗をかいていた。刹那は無表情なのだが、なのは達のように怒りを、感じている。それを表情に出していないだけだ。だが、それ以上に怒り以外にも何かがある。そう感じ取ったプレシア。

刹那はプレシアの目を視線を外さず、見据えている。

 

刹那「貴様は歪んでいる。貴様がフェイトをどう思っているかは勝手にしろ」

 

刹那「だが、俺はフェイトを人形だとは思っていない」

 

刹那の言葉に未だに光を失った目で、フェイトは刹那に目を向ける。

 

刹那「フェイトは、貴様のために・・・褒めてもらいたいという思いでジュエルシードを集めていた。自分の負傷や疲労を考えずに。そんな母親思いのフェイトが、人形だとは俺は思わない」

 

刹那「何より」

 

そこで言葉を区切り、刹那は一度、フェイトに視線を向ける。

そして、プレシアの目をもう一度見据えて、こう言った。

 

刹那「貴様がフェイトの母親だろうと、友達を馬鹿にされて、怒りを感じない程、俺は薄情じゃない。」

 

友達。刹那はフェイトの事をそう言った。自身の母親からの決別の言葉。存在の否定。その絶望はフェイトに降り注ぐ。だが、たった一つの光。その存在が、フェイトの心を照らしていく。

刹那の言葉に続き、なのは達もプレシアに向けての言葉を紡ぐ。

 

なのは「そうです!!プレシアさんがフェイトちゃんをどう思っていようと、私はフェイトちゃんと仲良くしたいんです!!フェイトちゃんが人形だって言わないでください!!」

 

セリカ「私も!!フェイトちゃんとお友達になりたいです!!私も!刹那君やなのはちゃんと同じ!!フェイトちゃんを人形だなんて思いません!!」

 

カグラ「俺も刹那と同意見だ!!プレシア・テスタロッサ!あんたが自分の娘に向かってそんな事を言っちゃいけねぇな!!あんたがフェイトちゃんを作ったどうかなんて関係ねぇ!!あんたの娘である事に変わりはねぇだろうが!!」

 

なのは達の思いが、フェイトに届いたか、どうかはわからない。だが、それぞれの思いを聞いた時、フェイトの目には光が戻っていた。

 

刹那「プレシア・テスタロッサ。貴様がこの事件の歪みだ。」

 

刹那「その歪みを正して見せる。そして、フェイト達を救って見せる。」

 

刹那は右手にエクシアを持ち、ラグナに目を向けて、プレシアに向けて叫ぶ。

 

 

 

刹那「俺達が・・・・・ガンダムと共に!!」

 

 

今ここに、本当の最終決戦が始まる。

 




ご愛読ありがとうございます。
さて、いよいよ無印編もクライマックスです。
お気に入り登録してくれた方、UAをしてくれた方々、誠にありがとうございます。
これからまた頑張って書いていくのでよろしくお願いします。

次回予告

プレシアの本拠地に到着した刹那達。そこには無数の敵機。
天使とキル姫が全力を出し、歪みと対峙する!!

次回

魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達

「決戦開始。天使は紅に染まる」

これが、天使の救いである。

最新章で出す、ダブルオーの形態

  • ダブルオーライザーまで
  • ザンライザーまで
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。