魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達   作:エム3

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29話目です。
はい、今回の話から空白期②という事になります。
久しぶりの長文です。ですので、今回は駄文です。
気長に見てください。


空白期②
彼の評価と根付く闇


闇の書事件が解決した後日、刹那は、いつも通り、起床し、リビングでの朝食を作っていた。他にも、刹那の使い魔の全員がリビングに集まっている。

 

ギル「マスターよ。あの少女達はどんな様子だ?」

 

刹那「・・・はやては今、リハビリを行なっているらしい。ナハトヴァールの呪いから解放され、足も動くようになった。だが、ずっと車椅子だったらしく、歩けるようになる為のリハビリだそうだ。それとなのははあの時の戦闘を家族に見られてしまったらしい。色々と事情を聞かれて、魔法少女になっていた事を、黙っていた件で怒られていたがな。」

 

ジャック「じゃあ!もうすぐ、はやてお姉ちゃんと遊べるの!?」

 

刹那「ああ。はやてだけじゃなく、なのは達とも遊べるようになるだろう。」

 

ジャック「わ〜い♪」

 

ジャックは両手を広げて、喜んでいる。その様子を沖田達は、微笑みながら見ていた。だが、そんな中、少しイライラしている人物もいる。それは、キル姫のレーヴァテインとアルマスの二人。

 

レーヴァテイン「・・・エス、その話・・・本当?」

 

エス「はい。あの時、マスターが救ったクラスの人物が言っていました。【マスターは疫病神で死神】だと。」

 

アルマス「・・・許さない・・・あいつら・・・!」

 

レーヴァテイン「・・殺ス・!!!」

 

ロンギヌス「お、落ち着いてください!アルマスさん!レーヴァテインさん!」

 

ラグナロク 「そうよ、二人とも。それはマスターが望まない事。二人もわかってるでしょ?そんな事して、マスターから嫌われたいの?」

 

アルマス「・・っ、そ、それ・・は・・・」

 

ラグナロク 「マスターの為を思っての行動なのはわかるけど、もし、それがバレたら、さらに苦しむのはマスターなのよ?それでもいいなら好きにするといいわ。私は止めたりしないから」

 

ラグナロクは言いたいことを言い終えたのか、読書に戻る。レーヴァテイン達は、まだ不満を持っていたのか不服そうな顔をしながらも了承する。すると。

 

綾波「なん・・・です・・?これ・・・?」

 

島風「綾波さん、どうかしたのですか?」

 

綾波「・・・マスター、少しきて欲しいのです」

 

刹那「・・・・?」

 

綾波に呼ばれて、刹那は綾波の元へと歩みを進める。

 

刹那「どうした?綾波」

 

綾波「マスターさん宛・・・らしいのです」

 

綾波から受け取ったのは一通の手紙。刹那は手紙を回し、差出人を確認するが。

 

刹那「・・・何も書かれていない?」

 

その手紙には何も書かれていない。刹那は手紙を開こうとした時、手に鋭い痛みが走る。刹那は若干顔を歪めるが、すぐに自分の手を確認すると、手が血だらけになっていた。

 

綾波「マスター・・・!?」

 

島風「マスターさん!!すごい血が流れてます!!あわわわわ!!きゅ、救急箱!!」

 

刹那「・・・・・剃刀か」

 

刹那はもう一度、手紙を開くと、剃刀がくっついているのがわかる。島風が救急箱を持ってきて、応急処置をした。

 

刹那「すまない、島風」

 

島風「このくらいどうってことありません!それより・・・誰が・・こんなことをしたんでしょうか?」

 

沖田「恐らくですけど、クラスメイトの誰か・・・じゃないですか?」

 

魔神「マスターに助けてもらっていながら、この仕打ちか!!!」

 

リンデ「一つのすれ違いがここまでの行いをさせるのですか・・・!!」

 

沖田達は怒りの声をあげる。刹那は自身の右手を見る。手紙を開こうとしたのは右手、切ったのも右手だった

 

刹那「・・・あの時・・・あの時の状況を作り出したのは、お前なのかと・・そう言われた。」

 

レーヴァテイン「それって・・・勘違いした奴がマスターを手にかけた・・・って事?」

 

刹那「恐らく・・・」

 

ギル「・・・流石の我も、呆れよりも怒りが込み上げてきたぞ。」

 

刹那「抑えろギル」

 

ギル「・・・ふん」

 

刹那はギルを宥める。ギルは心底不服そうな顔をしている。

 

エス「マスター、そろそろ登校の時間です。」

 

刹那「・・・そうか。みんな、俺は行く」

 

「「「「「いってらっしゃい・・・」」」」」

 

刹那は身支度を整えて、学校へと向かっていく。いつも通り、なのはの家へと向かい、バス停でアリサ達と合流する。

 

アリサ「そういえばなのは、あんた、士郎さん達に魔導師の事、バレちゃったんでしょ?どうなの?」

 

なのは「う・・・うん。【何で黙ってたんだ!!】って怒られちゃった。」

 

刹那「当然だろう。家族に黙って、命の危険がある事をしていた・・家族として怒るのは当然の事だ」

 

なのは「うー・・・」

 

すずか「けど、私達もちゃんと伝えたし、なのはちゃんだけ伝えないのは変だと思ってたから、ちょうどいいんじゃないかな?」

 

アリサとすずかは闇の書事件解決の直後、自身の家族に、事情を説明していた。最初は全員反対の意見を出していたが、最後は渋々了承してはくれたらしい。

 

セリカ「私としては、刹那君の方が心配だよ?」

 

刹那「・・・・?何故だ?」

 

アリシア「セリカちゃんの言う通りだよ。だって、刹那君、みんなの前でバリアジャケットが壊れて、顔が出ちゃったでしょ?もし、変な勘違いが起きたりしたら・・・」

 

カグラ「多分・・・というか絶対、【あの状況を作り出したのが刹那】って解釈になると思うぜ。そうなりゃ、刹那は他の奴からは恨みを買う事になっちまう」

 

刹那「・・・・何が問題なんだ?今更だろう?」

 

アリサ「何言ってるのよ!!ただでさえ刹那は帝のせいで嫌われてるのに、これ以上変な誤解を作って、嫌われていいわけないでしょ!!」

 

アリサの指摘に、刹那は疑問の表情を浮かべる。

 

刹那「だから、何の問題がある?」

 

アリサ「・・・は?」

 

刹那「・・・俺が嫌われる・・・ただ・・・それだけだろう?」

 

すずか「そ、それだけって・・・・」

 

刹那「奴らの誤解が俺だけならばそれでいい。奴らの暴力の矛先がお前達に向きはしないだろう。何故なら、あの時、奴らを助けたのは俺だけだ」

 

アレハンドロ・コーナーとの戦闘の際、攻撃がクラスメイト達に向かって行った後、攻撃を防いだ際、彼らに見られたのは幸運にも刹那ただ一人。なのはやフェイト達の姿は彼らには視認されなかった。

 

フェイト「け、けど、これ以上刹那が嫌われるのは・・・」

 

刹那「俺は別に構わない。」

 

なのは「私達が構うの!!」

 

そんな話をしながら、教室に辿り着き、扉を開き中に入る。いつも通り、机には落書きされ、いつもの事だと思いながら、着席する刹那。だが、ある違和感を感じた。刹那は机の中を確認すると、机の中に何かある。それは、一冊のノートだった。刹那はノートを手に取る。誰かのノートかと思ったのだが、名前は書いてはいない。気になった刹那はノートを開き、ページを開いていく。

 

刹那「・・・・やはり・・・こうなったか」

 

ノートに書かれていたのは、「お前がいるから、あんな事になったんだ!!」「この疫病神!!」などの暴言。他にも書かれていたが、見る限りは罵倒の数々。だが、次々とページをめくっていくと。

 

刹那「・・・・・これは・・・」

 

刹那はある一ページに目に止まる。そこには、こう書かれていた。

 

 

 

【刹那・・・俺は・・・お前を誤解していた。お前が人殺しなのは、何かきっと事情があるはずだ。お前は帝の様な人間ではない。でなければ、帝から生徒を助けたり、あの時、俺達を助けたりはしないだろう。許してくれなくてもいい。だが、これだけは書きたかった・・・

 

 

 

あの時、俺達を助けてくれて・・・ありがとう】

 

そう書かれていた。罵倒の中に書かれていた感謝の言葉。その他にも。

 

 

【刹那君!・・・私・・・あなたに酷いことしたよね・・・怒らないわけないよね・・・でも!一言謝りたいの!守ってくれた刹那君を・・変な勘違いで・・あの時、刹那君は、自分の事を考えないで、私たちを助けてくれた・・・だから・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・!!】

 

 

 

刹那「・・・これは・・・一体なんだ・・・?」

 

ラグナ「・・・マスターの事・・・少しはわかってくれたのか?」

 

ダブルオー 「今更・・・ですか?」

 

刹那はこのノートを見て、困惑していた。すると、刹那の前に立つ人物。それは近い席にいる、二人のクラスメイト男女だった。

 

「刹那・・・その・・・・」

 

刹那「・・・何だ?用がないなら来なくていいぞ?」

 

「・・・・・っ!!すまなかった!!」

 

謝罪の言葉と共に、二人は頭を下げる。刹那は突然の行動に驚愕した。

 

刹那「何故頭を下げる?」

 

「俺は・・・!!刹那に酷い事をしてしまった!刹那には何か事情があったのかもしれないのに、自分勝手な解釈で・・!」

 

「私も・・・!!刹那君は帝みたいな人じゃないのに・・!!なのに・・!私は・・・!!」

 

刹那「・・・・別に気にする必要はない。それが普通の行動だ。俺が異常だろう。俺は・・

 

 

 

 

【疫病神で死神】らしいからな」

 

なのは「・・・・え?」

 

刹那の衝撃的な言葉に、クラスの全員の視線が刹那に向けられる。それは、刹那を避けていた、全員の目が向けられていた。

 

アリシア「・・・それ、どういう事?刹那君」

 

刹那「あの時、彼らを助けた際、一人のクラスメイトから言われた。確か・・・貴様だったな?俺にそう言ったのは」

 

刹那が指を指したのは一人の男の子。それは、帝の取り巻きの一人で、刹那をずっと人殺しだとフェイト達に教えた男だった。

 

「へっ・・!事実だろ?あのロボが出てきたのも!!俺達に危険が及んだのも!!全部お前のせいだろうが!!」

 

アリサ「本当にいい加減にしなさいよ!!刹那は何も悪くないでしょ!!何の根拠があって刹那を責めるのよ!!」

 

「はっ!!証拠もクソもねぇよ!!こいつが来てから!!あんな事があったんじゃねぇか!!なら、こいつが原因なんだよ!!」

 

セリカ「そんなのおかしいよ!!何でそれだけで刹那君が原因だって決め付けられるの!!」

 

男と、アリサやセリカの口論が続く中、あの男がついに、学校へと帰ってきてしまう。

 

「よお!久しぶりだな!俺の嫁達!」

 

すずか「・・・っ!帝・・・君・・!」

 

帝「おう!嫁達を愛する俺・・・帝が帰ってきたゼェ!」

 

そう、屑中の屑、転生者、帝だ。

 

刹那「・・・戻ってきたのか、帝」

 

帝「刹那・F・セイエイ・・・お前のせいで散々な目にあったぜ?お前のせいで・・・俺の嫁達がぁぁぁぁぁ!!」

 

刹那「何を言っている?」

 

帝「うるせぇ!!・・・・まあ、こんなやり取りももう終わりだ。俺はが・・・お前を絶望に送ってやるヨォ!!」

 

刹那「・・・・・・?」

 

刹那(何だ・・・?帝から感じるこの感覚は・・・?)

 

刹那は帝から謎の違和感を感じ取っていた。だが、そんな事を考えていると、帝が何かを取り出し刹那に向ける。それは・・・あの時のナイフだった。

 

刹那「・・・!?何をしている!!」

 

帝「刹那ァ・・・!!お前は俺のやる事を尽く潰していきやがった・・・なら、俺は・・・どんな手段をとっても!!お前を殺したくてしょうがねぇェェェェ!!!」

 

帝は近くにいた生徒を捕まえて、首にナイフを当てる。

 

刹那「・・・!?やめろ!!」

 

「あ・・・離・・・・して・・・!」

 

帝「ひゃひゃひゃひゃ!!!動くなよぉ〜!!!動いたら、こいつが死んじまうゼェ!」

 

刹那は、帝に人質をとられてしまい、身動きが取れなくなる。

 

アリサ「帝!こんな事して・・・あんた!どうなるかわかってんの!?」

 

帝「嫁達よ。わかってるよ・・・そんなに、俺に頑張って欲しいんだな!!こいつを・・・殺して欲しいんだよなぁ!!」

 

すずか「は、話が通じてない・・・!?」

 

フェイト「狂ってる・・・!!」

 

帝「おい、刹那・・・俺が腕を切られた時の痛み・・・お前も受けろヨォォォォォ!!」

 

帝はナイフを刹那の右腕に突き立てる。何度も。何度も。何度も。

 

刹那「・・・ぐっ・・・!」

 

帝「アヒャヒャヒャヒャ!!!シネェ!!シネヨ!!セツナァァァァァ!!!!」

 

教室の床が、刹那の血で赤く染まる。突き刺さる度に鮮血が吹き出て、クラスの人物達は悲鳴を上げ、顔を青くする。帝の重い愛は、嫉妬から憎しみへと変わり、狂気へと変わっていった。

 

なのは「いやぁぁぁぁ!!」

 

フェイト「もうやめてよ!刹那が死んじゃう!!」

 

彼女達の悲痛な叫びを聞いても。帝は止まることはない。ナイフを刹那の右腕に突き刺し続ける。

 

帝「オイオイ、どうしタァ?刹那?」

 

帝は刹那の右腕からナイフを抜き、笑っている。一方の刹那は右腕をダランと垂らしている。動かそうとしてみるが、もう感覚がなく、腕も動かない。

 

刹那「はぁ・・はぁ・・!もう・・・よせ・・!俺を・・殺す事が・・・目的だろ・・・!?彼女を・・人質を・・・離せ・・・!」

 

帝「ああ。そうだな。こいつはもういらねぇなぁ・・・けどな・・・こいつも俺の計画の邪魔をしたんだよなぁ・・・なら・・・命で償ってしまうしかねぇよなァァァァァ!?」

 

帝はナイフを人質に振り下ろそうとする。が、ザシュッ!と切り裂く様な音がした。人質は最悪の結果になるはずだった。

 

帝「・・・・はあ!?」

 

帝は驚愕の声を上げる。それもそのはずだった。ナイフが貫いていたのは・・・もう上がることはないと思っていた、刹那の右腕だった。

そして、刹那は義手で、帝の腹を殴る。帝の体は浮き、そのまま壁に叩きつけられる。その直後、帝は舌打ちをし、教室を出ていく。

 

刹那「・・・・っ!」

 

刹那は、右腕を抑え、膝から崩れ落ちる。幸い、倒れはしなかったが、ナイフが刺さり続けた右腕からは鮮血が流れ続いている。なのは達はすぐさま、刹那に駆け寄り、安否を確認する。

 

なのは「刹那君!刹那君!」

 

アリサ「早く、救急車呼びなさいよ!誰でもいいから早く!!」

 

「わ、わかった!!俺が行こう!職員室に行ってくる!」

 

セリカ「応急処置だけでもしなきゃ!!誰か!保健室から救急箱!お願い!!」

 

すずか「私が行ってくる!!」

 

フェイト「私も行く!すずか!」

 

フェイトとすずかが保健室へ向かう。救急車を呼ぶため、刹那に謝罪をした男子生徒が、職員室へと向かっていく。だんだんと視界がぼやけていく。刹那は意識を失う寸前だった。

 

刹那「・・・俺・・・が・・・」

 

アリシア「・・・刹那・・・君?」

 

刹那「俺が・・・原因・・・だ・・・」

 

アリシア「え?」

 

刹那「俺が・・・生きているから・・・こうなっ・・て・・しまっ・・・た」

 

アリシア「・・っ!!」

 

その言葉を残し、刹那は意識を失った。なのは達は涙を流し、刹那に呼びかけ続け、数分後に到着した、救急車によって病院へと運ばれた。幸い、命の危険はなく、出血による気絶だけだったらしい。その連絡はなのは達を通し、刹那の使い魔達にも知られた。

 

アルマス「・・・今・・・何て言ったの?」

 

なのは「刹那君が・・・病院に運ばれました・・・」

 

アルマス「・・・・帝がやったの?・・・」

 

なのは「・・・はい・・・」

 

その言葉を聞いた直後、レーヴァテインとジャックが飛び出していく。

 

ラグナロク「レーヴァテイン!ジャック!」

 

ギル「破滅姫と切り裂き魔は放っておけ。今は、我のマスターの安否の確認が先だ。少女達よ。マスターは死ぬことはない・・・我らとのつながりがあるからな」

 

綾波「・・・綾波も・・・主砲で風穴を開けたいデス・・!!」

 

沖田「・・・刀の錆にしてくれます・・!!!」

 

綾波や沖田、ギルを除く、使い魔達の、目からハイライトがなくなり、各々の得物を手に取っている。だが、ギルガメッシュは呆れた様な表情をする。

 

ギル「怒りに身を任せるな。その様な愚行を、この我とマスターが許すと思うか?」

 

ギル「マスターがいないなら好都合よ。情報女から、マスターの過去を見るのであろう?見舞いは狙撃男に任せ、我らは知らねばならぬ」

 

フェイト「刹那の・・・過去・・・」

 

ギルの言う通り、今日はリィンフォースに、頼み、刹那の過去を見る事となっている。なのは達以外にも、彼女達の家族全員で見る約束である。何故かと言うと、士郎や、プレシア達がクロノ達に提案をし、クロノがそれを了承したからだ。

 

ギル「貴様達は、狸女を迎えに行け。我らはその間に、約束の地へと向かう。その間に・・・破滅姫達の方も終わっているであろう」

 

ギルの指示通り、なのは達ははやての迎えにいき、ギルガメッシュ達は、アースラへと転移して行った。彼の深淵を見る・・・その時は迫っていた。

 

場所は変わり、学校から離れ、夜の道を帝は歩いていた。

 

帝「へっへへへ・・・!あいつが悪いんだ・・・!あいつが・・・あいつが俺の嫁達を奪うから・・・!自業自得ってやつだ・・・!」

 

帝「これで・・嫁達は俺の物だ・・!!抵抗するなら・・・あいつを使って・・・!奴隷にでもすれば良い・・!そうすれば・・!!」

 

 

帝は笑いながら、自分の家への歩みを進める。だが、直後、帝は違和感に気付いた。先程まで、色々な人物達が行き交っていた道のはずだった。だが、今は誰もいない。

 

帝「どうなってる!?何で・・俺しかいないんだ!?」

 

「ふふふ・・・・♪」

 

恐怖を感じ、周囲を見渡す帝の耳に、誰かが笑う声が聞こえる。その声が、さらに恐怖を駆り立てる。

 

帝「な、何だ!?何の声だ!?誰かいるのか!?」

 

「あはははは・・・♪」

 

帝は声の主に問いかけるが、答えは返ってこない。返ってきたのは笑い声。しかも、さっきよりもはっきり、そして近くから聞こえる。

 

帝「な・・・何かくる・・・!?な、何が・・・!?」

 

「あはは・・・ふふふ・・・♪どこかなぁ〜・・♪どこにいるのかなぁ〜・・・♪」

 

どうやら、声の主は誰かを探している様だ。だが、その言葉が帝に、もう一度恐怖を与える。

 

帝「お・・・俺を探してるのか・・・!?ま、まずい・・!!は、早くここから・・!!」

 

その場から離れようとする帝。だが、その直後だった。

 

 

 

トン、トン、トン。と帝の肩が誰かに叩かれる。瞬間に帝は固まった様に動けなくなった。

 

帝【な・・・、何か後ろにいる・・!!だ、駄目だ・・!後ろを、見たら駄目だ・・!!】

 

だが、思いとは裏腹に、ギギギと錆びたロボットの様に、ゆっくりと、後ろを見てしまった。そして、そこにいたのは。

 

 

 

 

 

血に染まったようなナイフを持ち、夜の中でも赤く光る瞳を持つ少女。その目は真っ直ぐ、帝を見つめている。帝は恐怖のあまり、声も出なかった。そして、月が出ている。月の光が少女を照らす。照らし出されたのは、少女の笑顔。そして、彼女はこう言った。

 

 

 

 

「ミーツケタァ〜♪」

 

 

 

帝「あああああああああああ!!!!!」

 

帝は叫びながら、夜の道を駆ける。後ろを見る暇もない。ただ、真っ直ぐ、自分の家へと、向かって走り出す。

 

 

「アハハハ♪カクレンボのツギハ、オイカケッコ?イイヨー♪楽シイモンネ♪」

 

後ろからそんな声が聞こえた。そして、後ろから足音が聞こえる。

 

帝【追いかけてきてる!!後ろを向くな!立ち止まるな!止まったら殺される!】

 

帝はそう感じた。【後ろを見なくてもわかる!自分の命を取りに来てる!】と。帝は必死に駆け、自分の家へと着く。玄関の扉を開け、すぐさま閉め、鍵をかける。

 

帝「はぁ・・!はぁ・・!もう・・・来てねぇよな?」

 

帝は、覗き窓から扉の外の、光景を見る。夜だから視界も悪いが、特に変わったものは見えない。自分を追ってきた人物も見えない。

 

帝「はぁ・・・よかったぁ・・・」

 

帝は安全になったと思い、息を吐く。そして、覗き窓から目を離し、後ろを振り向いたその瞬間だった。

 

 

 

「ニゲラレルトオモッタノ・・・?」

 

 

 

その言葉が帝の聞いた最後の言葉だった。何かが振り下ろされ、帝の首が飛ぶ。鮮血が飛び、命の灯火が消えていく。その時、帝が最後に目にした光景は・・・先程の少女とは違う、紅い瞳を持つ、大きな剣を持った一人の女性の姿だった。

 

 

 

 

場所は変わり、アースラ。そこには、刹那の使い魔達、なのは達、そして、ヴォルケンリッターの騎士達や、なのは達の家族も集合していた。

 

士郎「なのはが嘘をつくとは思っていなかったが・・・本当に魔法が存在するとは思わなかった・・・」

 

恭弥「それに、アリサちゃんやすずかちゃん、おまけに刹那までその魔導師なんだろ・・・?はぁ・・・妹がそんなことをしてるのに気づかないなんて・・・」

 

島風「恭弥さんは所謂、シスコンさんなのですね!!」

 

恭弥「なっ!?お、俺はシスコンじゃない!!なのはが心配なだけだ!」

 

綾波「それは・・・シスコンさんじゃない・・のですか?」

 

恭弥を揶揄うような島風の言葉に、恭弥は反論するが、綾波の純粋な疑問に何も答えられなくなってしまう。他のみんなは病院での手当てを受けている刹那の心配をしていた。

 

クロノ「刹那が・・・入院だって・・・?」

 

なのは「うん・・・・」

 

プレシア「凶行に走ったその帝って男の子が、ナイフを持って、刹那君に傷害を与えた・・・でいいのね?フェイト?アリシア?」

 

フェイト アリシア

 

「「・・・・うん・・」」

 

グラハム「よもや、少年がそんな行いをされているとは・・・」

 

はやて「・・・その学校の人達って、そんな連中ばっかやの?」

 

カグラ「前よりももっとひでぇよ。前なら・・・これも良いとは言えねぇが、嫌がらせぐらいのレベルだったからな。帝が帰ってきたらどうなるかと思っていたけどよ・・・まさか、ナイフで刹那を刺すとはおもわねぇだろ?」

 

エス「あの時・・・私が彼を・・・!!」

 

リンデ「エスさん、自分を責めないでください。私達も気づかなかったんですから」

 

そんな話をしていると、別れていたレーヴァテインとジャックが合流する。

 

レーヴァテイン「・・・・これで大丈夫・・・」

 

ギル「・・・そうか」

 

リィンフォース「・・・そろそろいいか?」

 

リィンフォースの言葉に、全員がリィンフォースの元へと集結する。

 

リィンフォース「これから、刹那・F・セイエイの過去を見せる。だが、見たくないと思ったら、ちゃんと言ってくれ。それほどまでに彼の記憶は・・・真っ暗だ。闇そのものだと思ってくれ。」

 

リィンフォースの言葉に、全員が頷く。そして、夜天の書が開かれ、周囲の景色が変貌する。その場所は、クルジス。刹那の故郷だ。

 

フェイト「クルジス・・」

 

アリサ「クルジス・・って、ここが刹那の故郷なの!?」

 

フェイトは一度見たことがあるが、アリサ達は初めて刹那の故郷を目にし、周囲を見渡していた。すると。

 

 

「おい!ソラン!こっちに来いよ!」

 

「ひ、引っ張らないでよ!」

 

二人の少年が全員の目の前を通っていく。そして、フェイトは片方の少年を見て、気づいた。

 

フェイト「刹那・・・!」

 

アリシア「・・・え?」

 

すずか「あ、あれが・・・刹那君なの?」

 

「ソラン・イブラヒム、それが刹那の本名さ」

 

すずかの疑問に謎の声が回答する。声のした方へ視線を向けると、そこには刹那のそばにいるはずのロックオン・ストラトスがいた。

 

ギル「・・・何故貴様がここにいる?狙撃男?」

 

ロックオン「そんな怖い顔すんなよ。説明係がいるだろ?・・・んで、簡単に説明するなら、刹那・F・セイエイってのは、コードネーム・・つまり偽名なのさ」

 

なのは「ソラン・・・イブラヒム・・それが、刹那くんの本名・・」

 

なのはは刹那に視線を向けながらそう呟いた。すると、光景が切り替わる。次に映ったのは、多くの少年達が一人の男に群がる光景だった。

その男を見て、ロックオンは怒りの視線を浴びせていた。

 

「やあ、はじめまして。私は・・・・

 

 

 

 

アリー・アル・サーシェス。神の使いとして、君達に会いにきた者だ」

 

アリサ「・・・っ!!」

 

すずか「アリー・アル・サーシェス・・・!!!」

 

アリサ「あいつが・・・!!あいつが・・・!!」

 

アリサとすずかが男の名前を聞き、怒りの表情をする。

 

アリシア「どうしたの?二人とも。あの人って何者なの?」

 

ロックオン「奴の名はアリー・アル・サーシェス・・・刹那が所属していたテロ組織のリーダーで・・・自爆テロの指示をした男だ」

 

恭弥「自爆・・・テロ・・・!?」

 

ロックオン「しかも、自分の手は汚さず、刹那の仲間たち・・・言っちまえば、子供達に命令して、命と引き換えに自爆テロを成功させたんだよ。」

 

 

ザフィーラ(刹那があの時言っていたあの男とは・・・奴の事なのか?)

 

ロックオンの衝撃的な言葉に、大人組の女性は口に手を当て、男性は唇を噛み締めていた。なのは達は、自分達より、年下や同い年の子供達の結末を知り、涙を流している。だが、過ぎてしまった過去はもう変えられない。

 

 

サーシェス「私がここにきたのは君達に神のお告げを伝えるためでもある!君達は神の戦士として選ばれた!!神の意思を持ち!戦うんだ!その意思の証明として!贄を捧げなさい!全ては神の為に!」

 

ソラン「全ては・・・神の為に・・・」

 

ソランはサーシェスの言葉を復唱する。全ては神の為に。ただ、その言葉がソランの頭の中に残り続けた。そして、ソランは右手にハンドガンを持ち、自分の家へと帰宅していく。

 

 

ソラン「やってやる・・・俺は・・・神に選ばれた戦士なんだ・・・!」

 

そのまま、ソランは扉を開き、中へと入っていく。その光景をなのは達はジッと見ていた。だが。

 

 

フェイト「・・・っ!!」

 

突然、フェイトが駆け出す。その行動に、リィンフォースとロックオン、二人を除いた全員が驚愕の表情をする。

 

プレシア「フェイト!?どこへ行くの!?」

 

なのは「フェイトちゃん!待って!」

 

はやて「なのはちゃん!フェイトちゃん、待って!」

 

なのはがフェイトの後を追い駆け出す。はやても車椅子をシャマルに押してもらい後を追う。アリサやすずか、アリシア、セリカとカグラも同様だ。だが、他の全員は駆け出したりはしなかった。何かを察したようにゆっくりと歩いて向かう。

 

フェイト、なのは、はやてが中に入ると、ソランは女性に向かって拳銃を構えていた。

 

「ソラン・・・!何をするの・・!?どうして・・そんなものを向けるの!!」

 

ソラン「・・・・・・」

 

女性の問いかけに、ソランは何も答えない。ただ、ゆっくりと引き金を引いていく。

 

フェイト「駄目っ!!」

 

フェイトはソランからハンドガンを奪い取る。

 

ソラン「何するんだ!俺は・・神の意思を継いだ戦士だ・・!全ては神の為に・・・!」

 

フェイト「神様の為に、人を殺すなんて間違ってるよ!」

 

なのは「そうだよ!ソラン君が信じてる神様はそんな事しないよ!」

 

はやて「そうや!そんなの神様でもなんでもない!そんな神様なんていらないんや!」

 

ソラン「・・・っ」

 

3人の呼びかけに、ソランは押し黙ってしまう。

 

「あ、あなた達は・・・・」

 

フェイト「ソラン君と一緒にいてください!絶対に目を離しちゃ駄目ですよ!」

 

なのは達は、ソランが持っていたハンドガンを持ち、みんなの元へと合流する。

 

フェイト「ロックオンさん!ソラン君が持っていた拳銃を取ってきました!」

 

フェイトはロックオンへ拳銃を渡そうとしたが、ロックオンは首を横に振る。

 

ロックオン「フェイトちゃん・・・意味ねぇんだよ」

 

フェイト「・・・え?」

 

カグラ「・・ま、まさかだけどよ・・いや、だって・・・」

 

ロックオン「カグラは気付いてるみたいだな。そう、忘れてないか・・・?これは刹那の・・・【過去】の記憶だ・・・つまり・・・」

 

ロックオンはそこで言葉を区切り、一度、高町家の方を見る。そして、その視線を浴びた士郎はこう続けた。

 

 

 

 

 

士郎「過去は・・・・変えられないんだよ・・・」

 

その瞬間、パンッパンッと銃声が鳴り響く。その方向は、先程、ソランがいた家の中。だが、フェイトがソランの持つハンドガンを持っているはず。それは聞こえてくるはずもない音。

 

フェイト「えっ・・・?だって・・・拳銃は・・ここに・・っ!」

 

フェイトは自分の手を見るが、確かに持っていた拳銃がどこにも見当たらない。消えたのかと思ったが、そんなはずはない。すると、家の中から、ソランが出てくる。その右手には・・・・拳銃が握られていた。

 

 

 

グラハム「ここにいる殆どの人物は聞いているはずだ。少年は自身の親を自分の手で殺めた事を。そして・・・今、確認したと思うが・・・あの中にいる男女2人が少年の家族だ」

 

ロックオン「グラハムの言う通りだ。そんで、刹那が初めて人を殺した時が今の映像らしい。」

 

デビット「そうだったのか・・・彼が言っていたが・・・こう言う事だったのか・・・」

 

ロックオン「こんなもんはまだ序の口だ。」

 

ロックオンが、そう言うと、次の場面へと切り替わる。そこには、ソランともう一人男の子がいた。それは先程の映像で、ソランの手を引いていた男の子だった。

 

ソラン「ねぇ・・・・本当にやるの?」

 

「当たり前だ・・・!俺達は神に選ばれた戦士なんだぞ!これは俺達に与えられた試練なんだ」

 

ソラン「駄目だよ・・・!死んじゃうよ!!」

 

ソランが何かをしようとしている彼を引き止めている場面。すると、男がソランの胸ぐらを掴む。

 

「なんだお前・・・?死ぬのが怖いのか!!?それは、神を冒涜する行為だぞ・・!!!!」

 

ソラン「・・・っ」

 

ソランを突き飛ばし、扉から出ていく少年は飛び出していく。その背中には、大きなリュックのような物が担がれていた。

 

ロックオン「そうか・・・刹那は必死に止めたんだな・・・」

 

恭弥「なあ、あんた・・・あいつが背負ってるのって・・・」

 

ロックオン「爆弾だろうな・・・あ、あと、俺は、ロックオン・ストラトスだ。あんたとか言うんじゃねぇよ」

 

恭弥「わ、悪い・・・なら、ストラトス、あの子が背負ってるのが爆弾なら、あいつが・・・爆破テロを起こすように命令されてたのか?」

 

ロックオン「だろうな・・・しかも、その事件には俺も関わってるんだからよ・・・」

 

美由紀「・・・それって・・・」

 

さらに映像が切り替わる。そこは、あるデパートのようなもの。その中には多くの人達が平和な日常を過ごしていた。だが、それは突然起こった。デパートの外に一人の少年が、誰かを待っているのかそこに佇んでいる。その少年はデパートに視線を向けると・・・

 

 

 

 

その瞬間・・・デパートから轟音が鳴り響き、爆発が起こる。

 

少年は爆風に吹き飛ばされ、地面を転がる。止まった後、ゆっくりと起き上がり、少年が見た光景は・・跡形もなく崩壊したデパートの姿。

その瞬間をなのは達も見ていた。

 

なのは「あ・・・ああ・・っ!!」

 

アリサ「嘘っ・・・でしょ・・・?」

 

すずか「なんで・・・!どうして・・・!」

 

フェイト「・・・・っ・・!」

 

アリシア「フェイト・・・」

 

セリカ「これも・・・刹那君の記憶・・・?」

 

カグラ「いや、多分、刹那じゃねぇ。あそこにいる男の記憶じゃねぇか?」

 

女性陣は目の前の光景を見て、涙を流すもの、寄り添い合う物。様々な反応をする。

 

ロックオン「・・・俺の記憶まで使うのか?リィンフォース?」

 

リィンフォース「・・・お前の記憶と、セイエイの記憶は合わせた方がセイエイとお前の事を知ってもらえると思ったのだ・・・」

 

ロックオン「そうかよ・・・ああ。リィンフォースが言ってたが、こいつは俺の記憶だ。その爆破テロで、俺の家族は死んだ。生き残ったのは俺と弟の2人。母さんと父さん、妹のエイミィが死んだのさ」

 

エイミィ「・・私と・・・同じ名前・・・」

 

もう一度、全員が幼少期のロックオンに視線を向ける。崩壊したデパートの方を見て、泣き叫ぶロックオン。平和な日常が一瞬で崩れ落ち、見るも悲惨な光景だ。光景はクルジスへと戻っていく。だが、その場所は、銃声が鳴り響き、とても大きい何かが、歩き回っていた。

 

ロックオン「モビルスーツ・・・か。」

 

ジョディ「モビルスーツ・・・それは、どういう物なの?」

 

ロックオン「有人人形機動兵器・・・通称モビルスーツ・・・言っちまえば、戦争の道具で・・・・人殺しの道具さ。」

 

そんな話をしていると、クルジスを襲っているモビルスーツ・・・

 

 

 

 

【MSERー4】アンフが発砲を始める。狙いはアンフに向かって拳銃を乱射している少年兵。兵装から発砲された弾丸が、少年達の体に風穴を開けていく。だが、MSの弾丸は、あまりにも大きく、発砲が終わり、少年兵達の姿は跡形もなく消し飛んでいた。

 

 

士郎「・・・っ!こんな事が・・・!!!」

 

クロノ「なんで・・・!!」

 

ロックオン「おっと、嬢ちゃん達みたいな真似すんなよ?おっさん達はわかってるはずだろ?」

 

ロックオンの言葉に、クロノ達はその場にとどまる。すると、全員の目の前を一人の少年が横切る。それは、ライフルを持ったソランの姿。

 

ソラン「はぁ・・!はぁ・・!はぁ・・!」

 

 

グラハム「少年・・・」

 

ライフルを持ち、クルジスの町を必死に走るソラン。その姿を黙って見続けるなのは達。時々、アンフの弾丸が、刹那の後ろに着弾し、爆風でソランが吹き飛ばされる。それでも必死に走り続ける。建物の残骸に隠れながら、必死に生き残るソラン。だが、徐々に隠れる場所がなくなり、ついにアンフに追い詰められるソラン。だが、その瞬間、桃色の閃光が、アンフを貫き、機能停止するアンフ。刹那はその光景に驚き、閃光が飛んできた空を見上げる。そしてそこにいたのは・・・・

 

 

 

 

エクシアともデュナメスとも違う・・・だが、緑の粒子を放出しているガンダムだった。

 

 

 

アリサ「あれって・・・・ガンダム?」

 

すずか「けど・・・アリサちゃんや刹那君のガンダムとは違う・・よね?」

 

はやて「けど・・・なんか・・・綺麗や・・・」

 

ロックオン「Oガンダム・・・」

 

シグナム「O・・・ガンダム?」

 

ロックオン「俺も詳しくは知らねぇけどな、俺のデュナメス、刹那のエクシア 、それに、嬢ちゃん達のキュリオスやナドレより前にあったガンダムだ。」

 

 

ロックオンの説明を聞きながらも、刹那の過去を見ていた。

Oガンダムの姿を見た刹那はその場に佇んでいる。その目は何か神々しいものを見たように、キラキラと輝いていて、Oガンダムから視線を外すことはなかった。

 

 

ロックオン「これが原因で・・刹那はガンダムになろうとしちまった訳だ。あの世界には神なんて野郎は存在しなかった・・・けど、刹那は自分を救ってくれたガンダムの姿を神のような存在だと思ったんだよ。だから・・・刹那はガンダムになろうとしていたんだよ。」

 

アリシア「・・あっ・・・!」

 

ロックオンの言葉に、アリシアには心当たりがあった。それは、なのはとフェイト、二人が魔力を奪われ、病室に二人でいた時。

 

 

刹那【俺は・・・!ガンダムになれない・・・!!】

 

そう言っていたのをアリシアは思い出していた。

 

アリシア「刹那君がガンダムになりたいって・・・・そういう事だったんだ・・!」

 

 

 

更に風景が変わり、空中に浮かんでいたなのは達。すると、空から下降してから何かがいる。それは、緑色の光を放っていた。

 

 

「240082、エクシア、目標地点を視認、GN粒子の散布、目標到達と同時に終了させる。目標対象確認。予定通り、ファーストフェイズを開始する。」

 

桃子「あれって・・・さっきの映像に出てた・・・ガンダムっていうものなのかしら?」

 

なのは「・・・っ!!あれって・・・!!」

 

フェイト「エクシア ・・・!?」

 

そう。それは、刹那が操るMS。ガンダムエクシア本来の姿だった。

 

ロックオン「あれがエクシア本来の姿だ。嬢ちゃん達が見たエクシアは、デバイスとして調整された姿だ。」

 

そのままエクシアは任務を遂行し、その場を離れていく。その後は撤退するエクシアを迎撃するMSを、地上からの閃光とエクシアが撃墜していく。

 

刹那「・・・ロックオンか」

 

地上から攻撃していたのは、GNスナイパーライフルを構え、次々とMSを撃ち落としていくデュナメス。それを操縦するロックオンだった。

 

ロックオン「デュナメス・・・目標を狙い撃つ!」

 

2機の連携により、全てのMSを撃破した後、2人は離脱していく。その後、地球のすべての映像機器にある人物が現れる。その人物は、イオリア・シュヘンベルグ。映像の内容は、私設武装組織【ソレスタルビーイング】が戦争に介入する事。そして、自分達の目的は武力による戦争の根絶だという事だった。その映像をロックオン達も見ていた。

 

 

 

ロックオン「始まった・・・いや、始まっちまった・・・・いいか?俺達は世界に喧嘩を売ったんだ・・・わかってるよな?刹那?」

 

刹那「ああ。わかっている・・俺達はソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ・・・」

 

刹那の視線の先には自分が搭乗するエクシアの姿。そして、一度、アースラの艦橋へと、光景が戻る。

 

 

ロックオン「ちょっと、休憩だ・・・こっから先は更にしんどくなるからな・・・」

 

クロノ「・・・ここまで・・・刹那は・・・!」

 

ユーノ「刹那の過去は知ってはいたけど・・・実際に、見ると・・・」

 

アルフ「あいつは・・・なんで耐えられるんだ・・・!!」

 

クライド「彼は・・・そんな気持ちも無くなってしまったんだ。多分だけど・・・痛みや悲しみが・・・恐らくないんだ」

 

士郎「初めて出会った時・・・彼を見て、過去に何かあるとは思ってはいたが・・・私とは比べ物にならない。私以上に・・・彼の過去は・・・」

 

桃子「士郎さん・・・」

 

忍「すずかを助けてくれた時・・・彼にも知られたくない事が多分あった・・・それが・・・これなの・・・?」

 

恭弥「・・・・っ!!」

 

美由紀「・・・これは・・・流石に・・・」

 

刹那の過去。自分達の想像以上なのか、拳を強く握りしめるクロノとアルフ。暗い表情のユーノ。高町家族。その他の人物達の表情も似たようなものだった。涙を流す者。悔やむ者。などなどだ。

 

ロックオン「・・・やめるなら今の内だ。こっから途中までは一緒だ。任務を遂行して、戦争根絶の為に動いていた。刹那の事を知りたいなら、こっから先、もっとやばいものを見ることになる。それでも見るか?」

 

ロックオンの問いに、全員が一度、目を合わせ、頷く。

 

ロックオン「・・・OK、了解だ。」

 

時間は、GNーXが製造され、宇宙空間での戦闘まで、進む。エクシアデュナメス、キュリオス、ヴァーチェ。4機のガンダムが出撃し、GNーXを各個撃破していく。だが、突如として、ガンダムの動きが停止する。

 

ハロ「システムエラー!システムエラー!」

 

ロックオン「・・くそっ!こんな時に・・!」

 

刹那「どうした!エクシア!ガンダム!!」

 

それを好機と見たのかGNーX達は攻撃をし続けていく。

 

刹那(ここで・・・終わるのか・・?俺達は・・・消える運命なのか・・・?)

 

刹那は既に諦めかけていた。だが、あの時の光景が目に浮かぶ。自分の目の前に突如として現れたガンダム。あの神々しい光景を。

 

刹那「・・・っ!!違う・・・違う・・!!俺は生きている・・・!生きているんだ・・・!!動け!!エクシア・・・!!

 

 

 

 

 

動いてくれ!!ガンダァァァァァァァァァァム!!!!!」

 

 

必死の呼びかけに応えるように、エクシア、デュナメス、キュリオスのシステムが復帰する。だが、何故か、ヴァーチェのシステムが復帰しなかった。だが、そんな事はお構いなしにGNーXは攻撃を続ける。ヴァーチェを守りながら、デュナメス、キュリオスはGNーXを撃破していく。その時、一機のGNーXがヴァーチェに向けて、ビームサーベルを持ち突貫していく。ロックオンはすぐさま気付き、GNビームピストルを発砲するが、当たらない。ロックオンは舌打ちをした後、ヴァーチェの元へ急行する。GNーXがビームサーベルの切っ先をヴァーチェに向けて突貫する。

 

 

その時、GNーXとヴァーチェの間に、デュナメスが入り込む。そして、ビームサーベルはデュナメスのGNフル・シールドへと突き刺さる。ビームサーベルはシールドを焼いていく。そして、

 

 

 

デュナメスのコックピットの真横を焼いていった。

 

 

ロックオン「ぐっ!ああああああああ!!!!」

 

ロックオンの悲痛な叫びに、なのは、フェイト、すずか、アリサ、アリシア、セリカは目を背ける。他の全員はジッとその光景を見ていた。そして、GNーX達は、GNアームズの合流とエクシア 達の活躍で撤退していく。だが、こちらも痛手を受けた。

 

ハロ「デュナメス!ソンショウ!デュナメス!ソンショウ!」

 

「何!?」

 

ハロ「ロックオン!フショウ!ロックオン!フショウ!」

 

刹那「・・!?ロックオンが!!」

 

「そんな・・!僕を・・庇って・・!ロックオン・ストラトス!」

 

ヴァーチェの、ガンダムマイスター、ティエリア・アーデが、ロックオンの名を呼ぶ。だが、ロックオンからの応答はない。刹那達は急いでデュナメスを連れて、トレミーへと戻っていく。ロックオンは利き目である右目を失った。治療するにはカプセルの中に入り、約3週間入らなければならない。スメラギは了承したが、ロックオンは自らの意思で、それを拒否した。

 

「けど、利き目が見えないなら、今までのような精密射撃は・・・」

 

ロックオンを心配する、キュリオスのガンダムマイスター、アレルヤ・ハプティズム。だが、ロックオンはいつもの調子で。

 

ロックオン「俺とハロのコンビを甘く見るなよ?なあ?ハロ?」

 

ハロ「モチロン!モチロン!」

 

ロックオン「それにな、早く復帰しねぇと、いつまでも拗ねてる奴がいるからな」

 

こうして、ロックオンは治療カプセルに入らず、利き目を失った状態になってしまった。そしてその後、地上にいる別のガンダムチーム【トリニティ】がGNーX部隊に攻撃を行ったという情報が入り、刹那はミッションプランを受け取り、地球へと降下していった。その時、刹那がみたのは、トリニティのMS、ガンダムスローネツヴァイが、スローネドライを襲っている光景。刹那はエクシアを駆使し、スローネツヴァイに攻撃を仕掛けた瞬間、ツヴァイからの通信が入る。

 

「邪魔すんじゃねぇよ!クルジスの小僧が!!」

 

刹那「・・っ!?アリー・アル・サーシェス!?何故だ・・!!何故貴様がガンダムに・・!!」

 

スローネツヴァイになっていたのは何とサーシェスだった。どうやら、ツヴァイのパイロットを殺し、ガンダムを鹵獲したようだ。

 

サーシェス「おらおら!どうした!ガンダムゥ!!」

 

刹那「貴様の様な男が・・!!ガンダムに乗っているなど・・!!」

 

サーシェス「てめぇの許可がいんのかよぉ!!!!」

 

刹那とサーシェスは一度距離を取り、向かい合う。

 

サーシェス「ガンダム・・!こいつは最高の兵器だ・・!戦争のしがいがある・・・!」

 

刹那「・・・っ」

 

サーシェス「てめぇのガンダムもその為にあんだろぉ!!」

 

刹那「違う・・!!絶対に違う・・!!俺のガンダムは・・・!!」

 

刹那とサーシェスは激しい戦闘を繰り広げる。だが、徐々にサーシェスが推していき、ついに、刹那の武装が全て弾かれる。

 

 

サーシェス「こいつで・・・!終わりダァ!!!」

 

サーシェスは大剣を振り下ろす。だが、その寸前、エクシア の体が赤く光出す。そして、エクシアの姿が消えた。

 

サーシェス「何・・・!?どこだ・・・!?」

 

サーシェスは周囲を見渡し、エクシアを探す。その時、サーシェスの後ろをエクシアが通り過ぎる。サーシェスはライフルを撃つがその場にはもうエクシアはいない。再び、サーシェスの後ろをエクシアが通り、サーシェスはライフルを撃つが、エクシア を捉えきれない。何度も何度も撃ち込むが、全てエクシアは軽々と回避していく。

 

 

なのは「あれって・・・」

 

フェイト「確か・・・母さんと戦った時の・・・」

 

ロックオン「あれは、トランザムシステムだ。ガンダムの性能を一時的に上昇させるシステムだ。だが、効果時間が、あって、トランザムが終了すればガンダムの性能はガクッと落ちる」

 

リンディ「つまり・・・諸刃の剣ということね?」

 

ロックオン「ご明察♪刹那のデバイス・・・ダブルオーの時に、動かなくなったのはそれが原因である。まあ、この話は今度、刹那に聞いてくれ。もう戦闘も終わってるみたいだしな」

 

ロックオンの説明が終わったタイミングで、サーシェスが撤退していく。刹那は急いで、トレミーに報告をした後、宇宙へと戻り、トレミーへと急行する。すると、向かう途中に、エクシアに情報が入る。

 

刹那「トレミーが国連軍の艦隊を捕捉・・・!!」

 

そう。この小説を見ている読者はわかるであるはずだ。あの瞬間がもうすぐそこまで迫ってきているぞ。情報とは、GNーXを持つ敵部隊が、トレミーに、向かっているという情報だった。刹那はトレミーに向かい急行する。そして、負傷しているロックオンは、GNアームズを纏い、敵の数を減らしていった。

 

ティエリア「ロックオン!そんな体で・・・!」

 

ロックオン「気遣い感謝するよ。だがな・・・!今は戦う・・!!」

 

ロックオンはGNアームズtype-dを、駆使し対艦攻撃に、移行する。GNアームズの持つ兵装を駆使し、敵戦艦に向けて攻撃し、沈めていく。

 

ロックオン「これで終わりだ・・!!」

 

最後の一隻を撃沈させようとしたその時、突如として、別方向からの、攻撃を受ける。ロックオンはデュナメスをGNアームズから離脱させる。尚も、攻撃は続き、回避するロックオン。すると、攻撃を仕掛けてきた敵機を視認した。

 

ロックオン「・・くっ・・!あれはスローネ・・・!

 

 

 

 

アリー・アル・サーシェスか!!!!!」

 

 

ガンダムスローネツヴァイ。そう。アリー・アル・サーシェスだった。ロックオンはサーシェスの後を追い、GNスナイパーライフルを撃つ。

だが、命中しない。何故なら、ロックオンは利き目を失っている状態だ。その状態で、ましてやエースパイロット並の操縦技術を持つ、サーシェスを捉えるのは困難であろう。

 

ロックオン「・・・利き目のせいで・・・!!」

 

すると、スローネが大剣を構えて突貫してくる。ロックオンはすぐさまビームサーベルを抜き、攻撃を防ぐ。お互いの攻撃がぶつかり合い、プラズマが発生する。

 

ロックオン「KPSAのサーシェスだな!!」

 

サーシェス「・・・へっ!クルジスの餓鬼に聞いたかぁ!!」

 

ロックオン「アイルランドで自爆テロを支持したのはお前かぁ!!何故あんな事を!!」

 

サーシェス「俺は傭兵だぜ?それになぁ!!AEUの軌道エレベーター建設に!中東が反発するのは当たり前じゃねぇか!!」

 

ロックオン「関係ない人間まで巻き込んで!!」

 

サーシェス「テメェだって同類じゃねぇか?紛争根絶を掲げるテロリストさんよぉ!!」

 

ロックオン「・・・咎は受けるさ・・・!お前を倒した後でなぁ!!!」

 

その後も、戦闘は続く。時には剣がぶつかり合い、時にはライフルの撃ち合い。一進一退の攻防が続く。

 

ロックオン「絶対許さねぇ!!てめぇは、戦いを生み出す権化だ!!」

 

サーシェス「喚いてろよ!!同じ穴の狢が!!!」

 

ロックオン「てめぇと一緒にすんじゃねぇ!!!」

 

デュナメスが左手にビームサーベルを持ち、スローネの、左腕を切り裂く。スローネはすぐさま距離を取るが、デュナメスはビームサーベルを投げ捨て、GNスナイパーライフルを持ち直し、後を追う。

 

ロックオン「俺はこの世界を・・・!」

 

デュナメスが優勢誰もがそう思っていた。それは、その光景を見ているなのは達も。だが、突然の出来事が起きる、

 

ハロ「テッキセッキン!テッキセッキン!」

 

ロックオン「なっ!?」

 

一機のGNーXがデュナメス目掛けて突貫する。GNミサイルで迎撃をするが、撃墜出来ずに、そのまま突貫を仕掛けるGNーX。

 

ロックオン「しまった!!」

 

GNーXの突貫を受け、右腕を失うデュナメス。それを好機と見たのか、スローネはファングを展開し、攻撃を仕掛ける。GNピストルで迎撃をするが、ファングはデュナメスの右側から攻撃を仕掛ける。ロックオンは利き目である右目を失っている。そのため。

 

ロックオン「見えねぇ!!」

 

ファングを視認できずに、攻撃を受けてしまう。デュナメスは爆発し、両腕を失い、メインカメラも失ってしまう。爆発の衝撃による破片が、ロックオン自身にも刺さり、傷を負ってしまうロックオン。だが、幸運にも、爆発の光のおかげで、スローネはデュナメスを見失っていた。

すると、ロックオンはデュナメスのコックピットを開き、ライフル型の端末を持ち、宇宙空間へと出て行く。

 

ロックオン「ハロ・・・デュナメスを・・・トレミーに戻せ・・・」

 

ハロ「ロックオン、ロックオン」

 

ロックオン「命令だ・・・」

 

ハロ「ロックオン!ロックオン!」

 

ロックオン「心配すんな・・・・生きて帰るさ・・・」

 

ロックオンはハロを撫でて、デュナメスから離れて行く。ハロはロックオンの名を呼び続けている。、感情のない機械であるハロのはずなのにその声からは、悲しみが感じられた。

 

 

ロックオン「太陽炉を・・・頼むぜ・・・

 

 

 

あばよ・・・相棒・・・・・」

 

 

ハロに別れを告げ、ロックオンはある物に視線を向ける。それは、GNアームズの兵装の一つ。大型GNキャノンの片方である。端末を回線で繋ぎ、ライフルを構える。構えた先には、ロックオンを探している、スローネの姿。

 

ロックオン「何やってんだろうな・・・俺は・・・・」

 

ロックオン「けどな・・・・こいつをやらなきゃ・・・仇を取らなきゃ・・・俺は前に進めねぇ・・・世界とも向き合えねぇ・・!」

 

その時、スローネがロックオンの方へ向かってくる。どうやら生体反応を感知し、気づいてしまった様だ。そして、ライフルの発射態勢に入っている。そして・・・

 

 

ロックオン「だからさ・・・・・

 

 

 

 

狙い撃つぜぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」

 

二つの閃光が飛翔する。桃色の閃光がスローネに飛来し、命中。スローネが撃ち出した、赤い閃光は、大型GNキャノンに直撃。爆発する。大型GNキャノンはその場に残っているが、爆発の影響により、ロックオンは宇宙空間へと投げ出されていた。

 

 

ロックオン「・・・父さん・・・母さん・・・エイミィ・・・」

 

走馬灯と呼ぶ物だろうか。ロックオンは亡くなった家族の記憶を思い出していた。雪の降る日。父親と母親、妹と弟。家族全員で過ごし、笑い合ったあの日のことを。

 

ロックオン「わかってるさ・・・こんなことをしても・・・変えられないかもしれないって・・・・元には・・・戻らないって・・・」

 

ロックオン「けどな・・・これからは・・・明日は・・・ライルの生きる未来を・・・・っ?」

 

すると、ロックオンは何かを見つけたのか、ある方へ視線を移す。そして薄く微笑んだ。その先にいたのは、ガンダムエクシア 。地球から宇宙へと上がってきた刹那だった。

 

なのは「刹那君・・・・」

 

はやて「間に合わ・・・なかったんや・・・」

 

フェイト「・・・・・」

 

なのは、はやて、フェイトがそれぞれ涙を流し言葉を紡ぐ。他の者達も、ずっと涙を流していた。

 

ロックオン「刹那・・・答えは・・・出たのかよ・・・」

 

ロックオンは刹那に問いかける様な言葉を紡ぐ。一方、エクシア に搭乗している刹那もGNアームズをカメラで捉えていた。

 

刹那「・・・?・・・っ!?GNアームズが・・・!?」

 

破壊されたGNアームズを見て、驚愕する刹那。そして、そのすぐ近くにいるロックオンの姿をエクシアのカメラは捉えていた。

 

刹那「なっ・・・!?ロックオン・・・!!くっ・・!」

 

刹那はロックオンに向かってエクシアを飛翔させる。

ロックオンは流されているその時、ある場所へと視線を更に移していた。それは、地球。自分たちが育った星。今でも戦争が絶えない故郷の星。

 

ロックオン「よお・・・お前ら・・・満足か・・・?こんな世界で・・・?」

 

そして、ロックオンは自身の左腕を前に出す。地球へと手を伸ばし、拳銃の形へと構え、地球に向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロックオン「俺は・・・・やだね・・・・!」

 

 

 

 

 

 

その瞬間、GNキャノンが爆発する。轟音が鳴り響く。そして、その爆発の規模は大きく、簡単に、ロックオンのいた場所も爆発に巻き込まれていた。

 

刹那「っ・・・!!ロックオォォォォォォォォン!!!!!!」

 

刹那はロックオンの名を叫ぶ。ロックオンの死。それは刹那の目の前・・・手を伸ばせば届く距離で起きた事だった。そして、彼女達もまた、目の前の光景を受け止められずにいた。

 

美由紀「・・・嘘・・!!」

 

恭弥「なっ・・!!?」

 

士郎「・・・なんて・・・事だ・・・!」

 

桃子「そんな・・・!!」

 

ヴィータ「マジ・・・かよ・・」

 

ザフィーラ「これが・・・刹那の言っていた真実・・・」

 

シグナム「あの時、あの男が仲間を殺したと言っていた・・・それは・・こういう事だったのだな・・・」

 

シャマル「こ、こんなの・・・悲しすぎるわよ・・・!!」

 

クロノ「・・・・・っ!!」

 

リンディ「・・・これが・・・」

 

クライド「ロックオンさんの過去なんだね・・・」

 

ユーノ「刹那が、もう誰も失いたくないって言ってたのは・・・こういう事だったんだ・・・」

 

カグラ「目の前で・・・刹那はあんたの死を見ちまったから・・・」

 

それぞれが反応を示す中、なのは、フェイト、はやて、アリサ、すずか、アリシアの少女組はもう言葉を発せないほどになっていた。ただ顔を隠して、涙を流す者。寄り添いあいながら涙を流す者。其々が其々の反応をしていた。刹那もその中の一人だろう。

 

刹那「・・・ロックオン・・・・ストラトス・・・」

 

刹那は彼の名を呼ぶ。時には笑い、時には怒り、時には揶揄ったり、全員の兄の様な・・・そんな男の名を。

 

刹那「っ・・・!くっ・・・!ロックオン・・!ストラトス・・・っ!」

 

ユーノ「・・・?刹那・・・?」

 

刹那の違和感に気付いたユーノ。その他にも、カグラ、クロノ、ザフィーラなどが彼の様子に気づいていた。だが、刹那が俯いているため、他の全員は気づかない。だが、刹那が顔を上げた瞬間に、その場にいる全員が気づいた・・・刹那が涙を流していることに。

 

 

刹那「っ!!うあああああああああああああ!!!!!!」

 

宇宙空間に響く、刹那の叫び。そして、映像は終わってしまう。

 

 

 

ロックオン「こっから先は・・もう、あんた達は見れないだろ・・?だから、簡単に説明させてもらう。その後、さっきの奴・・・アレハンドロ・コーナーとGNーX部隊がトレミーに襲撃をかけた。刹那達は応戦。他のガンダムは大破したものの、刹那がアレハンドロ・コーナーを撃墜。そして・・・」

 

グラハム「私が、フラッグで少年と戦闘し・・・相打ちとなった・・という事か。」

 

ロックオン「そういうことだ。さて、長々しかったが、これで俺と刹那の過去の話は終わりだ・・・これから先、刹那とどう過ごすかは、お前達の判断に任せる。俺は、もう一回、刹那の見舞いに行ってくる。」

 

 

ロックオンが艦橋から出て行く。だが、その後、彼女達は動くことが出来なかった。彼の過去を知りたい。その気持ちは変わらない。だが、あまりにも・・・悲しく、辛い過去。自分達の想像以上のものを見せつけられてしまった。

 

なのは「うっ・・・ああっ・・・!」

 

フェイト「これが・・・刹那の・・・過去・・・」

 

はやて「辛すぎるよ・・・!」

 

カグラ「学校での事が平気なのは・・・これと比べちまってるんだな・・・これ以上・・・悲しくて辛い事はねぇよ・・・!!」

 

セリカ「・・・刹那君が自分の事何も考えずに何かする時って・・・これが原因だったりするのかな・・・?」

 

アリサ「有り得る・・・かもしれないわね。自分が傷付けば・・・誰かがいなくなったりしないって考えてるのかもしれない」

 

すずか「じゃあ・・・あの時・・・私を庇ったのも・・・」

 

アリシア「私やお母さんを助けてくれたのも・・・」

 

シグナム「我らや主、リィンフォースを救ってくれた行動の理由は・・・」

 

プレシア「誰よりも誰かを失う辛さを知っているから・・・ね」

 

アルフ「私達なんかよりも・・・ずっと辛いじゃないのさ・・・!!」

 

士郎「クライド君の言った通り・・・感情がなくなっているのかもしれない。親が子供の時から、いなかった。そして、生きる事に必死だった刹那君は・・・感情は必要なかったんだ。神に選ばれた戦士として、余分な物を・・・捨てたんだ」

 

なのは「でも・・!刹那君は笑ってたよ・・!?それに、怒ったりも・・!」

 

恭弥「・・・嬉しさと怒りは残ってたんだ・・・いや、多分だが・・なのは達や、エスさん達と一緒に過ごしたお陰で・・・生まれた感情なのかもしれない」

 

恭弥の言葉に、みんながハッとした表情になる。たしかに、刹那が笑顔になるのは、なのは達や使い魔達・・・家族と過ごしている時だけだった。

 

桃子「刹那君は・・・幸せになっていいはずよ・・・!こんな辛い目にあって・・!彼には幸せになる権利くらいあるはずよ・・・!」

 

士郎「桃子・・・」

 

デビット「あの時、娘を助けてくれた少年が・・・こんなに辛い過去を歩んでいるなんて・・・」

 

ジョディ「ええ・・・」

 

忍「・・・あの時・・・刹那君の知られたくない事って・・・この事だったのね・・・」

 

 

クロノ「・・・みんな、今日は、解散してくれ。後日・・・落ち着いたらまた、ここに集まろう・・・」

 

 

 

 

クロノの言葉と共に、各自がアースラから出て行く。その全員の表情はとても暗い。それほどまでに、刹那の過去は彼女達に大きな、影響を与えた。彼の・・・とても深く、何も見えないほどの闇が。

 




コメントありがとうございます。
どうでしたでしょうか?長すぎですよね?すいません。
さて、前書きにもありましたが、今回から空白期です。
空白期②では、色々なお話を書くつもりですので、頑張ります。


次回予告

最愛の人の過去を知った少女達。その記憶はあまりにも悲惨なものだった。そして、刹那は傷を癒し、日常生活へと復帰して行く。そして、彼を、待っていたのは・・・

次回

魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達


「彼への想いは永遠に・・・」

囚われの呪縛から今、解き放たれる・・・

最新章で出す、ダブルオーの形態

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