魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達 作:エム3
この小説のUAが45000突破いたしました。
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そして☆9をつけてくれたコレクトマンさん、坂本龍馬さん
ありがとうございます!
刹那「・・・・・・っ・・・」
病院に運ばれ、眠りについていた刹那は、今、目を覚ました。
刹那「・・・ここは・・・病院・・・?そうか・・・俺はあの時・・・」
ラグナ「お!マスター!目ぇ覚めたんだな!!」
ダブルオー「はぁ〜よかったです。心配しましたよぉ」
刹那「ラグナ・・・ダブルオー・・・」
自分の相棒達が、安堵した様な声を出す。
ラグナ「帝に刺された後、マスターは気を失ったんだよ。んで、なのは達がうまくやってくれて、今、マスターはここにいる」
刹那「・・・そうか」
ダブルオー「マスターが目覚めた事、エスさん達にも報告してますから、すぐ来ると思いますよ?」
すると、病室の扉が開かれる。エス達が来たと思い、刹那は視線を向けるが、そこにいたのはエス達ではなく、ロックオンだった。
ロックオン「お?目が覚めたのか?刹那」
刹那「ロックオン・・・リンディ達と話はしたのか?」
ロックオン「おう。まあな・・・それより、怪我の方は大丈夫なのか?」
刹那「問題ない・・・とは言えないな。まだ、動かすと痛む。」
ラグナ「あんだけ滅多刺しにされたんだ。寧ろそれだけならまだマシなレベルじゃねぇか?」
包帯が巻かれている右腕を見て、動かした後、状態を判断し、ロックオンに返答する。
ロックオン「まあ、いい機会だ。のんびり休むといいさ。」
刹那「・・・・なのは達は?」
ロックオン「ん?嬢ちゃん達ならアースラにいるぜ。嬢ちゃん達の家族も一緒にな」
刹那「士郎達も・・・?何かあったのか・・・?」
ロックオン「ああいや、別に何もねぇよ。刹那は気にすんな」
刹那「・・・・・・・」ジロ
ロックオンは何かを隠している。刹那は何故かそれがわかった。だが、刹那は問い質す気にはならなかった。
ロックオン「嬢ちゃん達には謝っとけよ?お前が倒れた後、アースラに行くまでお前の応急処置してくれてたのは、あいつららしいからな」
刹那「なのは達が・・・?」
ロックオン「たくっ、前までは生粋のガンダム馬鹿だってのに、今じゃ、女の子達を堕とすマイスターかよ。前までだったら考えられねぇな・・・まあ、お前の鈍さは筋金入りだけどよ。」
刹那「・・・?」
ロックオン「覚悟しとけよ?惚れた男ができた女は、強いぜ?」
刹那「言っている意味がわからない」
ロックオン「まあ、いずれわかる事さ。そんじゃ、刹那の家族も来たみたいだし、俺はお暇させてもらうぜ。邪魔したな?刹那?」
ロックオンはそういうと部屋を出ていく。そして、入れ違いでエス、島風、ロンギヌス 、リンデ、ギルが入ってくる。
刹那「・・・他のみんなは?」
エス「なのはさん達とは別れました・・・少し・・・時間が必要でしょうから・・・」
刹那「・・・?アースラで一体何を話していた?」
リンデ「・・・それは・・・」
ギル「マスターの古の記憶よ」
刹那「・・・っ!」
島風「ギ、ギルガメッシュさん!!」
ギル「隠したところで無駄だ。マスターの様な人間は、虚言を言わず、純粋に答えるのが最善の手よ」
刹那「・・・そうか・・・俺の過去を見たのか・・・」
刹那の表情は相変わらずの無表情だった。だが、その目は目に光はなく、闇の様に暗い瞳になっていた。
ギル「マスターとて療養するのだな。我は不要だが、マスターには必要であろう?」
刹那「・・・いや、医師に無理を言った。退院をすぐにすると。後少しすれば俺も退院し、元の生活に戻る」
ギル「だが、その右腕でマスターに何ができる?」
刹那は黙り込んでしまう。刹那の利き手は右腕。普段の食事や戦闘の際、武器を持つ手は右腕だった。左腕は使えないわけではないが、慣れない左腕での生活は難しい。
刹那「・・・左腕なら問題はないだろう?」
ギル「できぬ事をしようとする行為は、愚か者のする事だ。マスターは違うだろう?」
刹那「できないわけではない。それに・・・少し考えたい事もある。」
島風「考えたい事・・・ですか?」
綾波の疑問に刹那は頷く。すると、病室の扉がノックされる。綾波が扉を開く。なのは達が来たのかと思ったのだが、現れたのは意外な人物達だった。
「刹那さん!だ、大丈夫ですか!?」
「やっほー♪元気ぃ?」
「マコト、刹那君に失礼でしょ?」
刹那「ノエル・ヴァーミリオン・・・マコト・ナナヤ・・・ツバキ・ヤヨイ・・・・」
そう。一度、刹那に話しかけてきた少女達、ノエル、マコト、ツバキの3人だ。
刹那「・・・何故ここが・・・?」
ノエル「え、えっと・・・先生に聞いてきたんです・・・」
マコト「刹那君とは友達だからねぇ〜友達の心配をするのは当たり前でしょ?」
ツバキ「それと・・・刹那君の事、クラスの中で噂になってるから、一度見にきたのよ」
刹那「噂・・・?」
刹那の知らない間に、何やら噂というものが広まったらしい。
ツバキ「【学校の異物】【人殺し】・・・悪い意味での事が多いわ」
リンデ「・・・態々、そんな事をマスターに言う為にここにきたんですか?あなた達は?」
リンデが怒りのこもった目を鋭くさせ、ノエル達を睨み付ける。
ノエル「そ、そうじゃないんです!!あの!!刹那さんが、帝君からなのはちゃん達を助けてる所を私!!動画で撮ってたんです!!」
ノエルがそう言い、手渡したのはビデオカメラ。ノエルが操作をした後、刹那に画面を見せる。映っていたのは、なのは達が帝に襲われている時、刹那が助けに来た時の映像だった。
ノエル「これをクラスの全員と先生に見せたんです!」
刹那「・・・え?」
マコト「あ、安心してよ。帝君が出した変なのはカメラに映ってないし、カメラの映像には、少し細工して、帝君と刹那君しか写らない様にしてたしね?」
ツバキ「この映像を見せたら、刹那君のクラスの全員が青ざめていたわ。まあ、この映像を見た後に、自分達が何をしたか・・・それがどう言う意味かわかったんじゃないかしら?」
刹那「・・・そうなのか・・・」
ノエル「なので、刹那さんがもう虐めを受ける事はないと思います。だから・・・安心してください。」
ノエルが刹那に微笑む。
刹那「・・・・・」
マコト「それと、刹那君の怪我って大丈夫なの?なんか、右腕が血塗れだった・・・って聞いてるけど」
刹那「動くには動く。痛みはあるが、支障はない」
マコト「そうなんだ。ならよかったよぉ〜。カグラ先輩が、、ナイフで滅多刺しなんて言ってたからさぁ。」
刹那「カグラと知り合いなのか?」
マコト「あ、言ってなかったね?時空管理局情報部所属、マコト・ナナヤ少尉だよ」
ツバキ「時空管理局、執務官、ツバキ・ヤヨイ中尉。」
ノエル「時空管理局!執務官、ノエル・ヴァーミリオン少尉です!」
刹那「管理局・・・なのか?」
マコト「そうだよぉ〜。カグラさんの方が先に管理局に所属してたから先輩なんだ。もちろんセリカちゃんの事も知ってるよ」
なんと、3人はカグラの後輩。地球でのロストロギア探索に駆り出されていた執務官だった様だ。
マコト「これからよろしくねぇ。じゃあ、挨拶も済ませたし、今日は帰ろっか」
刹那「もう行くのか?」
ノエル「もう、遅くなりますし、刹那さんにはゆっくり休んでもらいたいですから」
ツバキ「もしかしたら、すぐに退院できるかもしれないけど、今は絶対安静に。何かあったら、私達か、カグラさんに連絡をとって。」
マコト「じゃあ、刹那君。待ったねぇ〜♪」
ノエル達が病室を出ていく。
ギル「ふん、あの様な小娘もいるものよな。マスター。貴様は孤独ではない。小娘達もそうだが、この我がいるのだからな!ふはははは!!
高笑いをするギルガメッシュ。エス達も苦笑しながらギルの言葉に同意する。
刹那「・・・わかっている」
刹那は薄く微笑みながら答える。自分には、少なくとも信頼してくれる仲間や家族がいる。それが嬉しかったのだ。
第三者視点side
アースラでの刹那とロックオンの過去を知った少女達は其々の家へと帰宅していた。まずはなのはの家の光景から始めよう。今、リビングにはなのは以外の全員が集合している。
士郎「・・・なのはは?」
桃子「部屋に篭ってるわ・・・」
恭弥「まさか・・・刹那があんな過去を持ってるなんて、思いもしなかった。なのはには・・・辛すぎる光景だろ?」
士郎「初めて会った時・・・冷静で、考えが読めない子供だったが・・・戦争を生き延びて・・・周りの友達が全員死んでいって・・・生き残りが自分だけ・・・変わってしまうのも無理はない」
桃子「それに・・・ソレスタルビーイング・・・だったかしら?その組織に入って・・・戦いを続けて・・・来たんでしょう?」
美由紀「・・・どうすればいいのかな?」
改めて刹那の過去を知った。その内容はあまりにも衝撃で悲惨な光景。
その影響なのか過去を知った全員は刹那とどう接すればいいのかわからなくなってしまったのだ。
士郎「私達だけでも・・・彼には普段と同じく接しよう。そうしなければ・・・彼は・・・」
桃子「・・・なのはも・・・そう思ってくれるかしら?」
恭弥「・・・当たり前だろ。なのはは刹那が好きなんだろ?」
美由紀「お兄ちゃんが認めてるなんて珍しいね。でも私もいいかな。」
恭弥と美由紀の言葉に笑顔になる士郎と桃子。そして全員の瞳は二階へと向けられていた。
二階のなのはの部屋。そこには、ベットに横になっているなのは。フェレットの姿になっているユーノがいた。
ユーノ「・・・・」
なのは「・・・・・」
二人はお互いに黙り込んでいる。それは当たり前の事だろう。二人と一緒にジュエルシード事件の時からの仲間である刹那の過去。それは、まだ子供であるなのはやユーノ、他の子達にとって、衝撃的だったのは否めない。
それから、家に戻ってきてから、なのはは部屋のベットに倒れ込み、動かない。寝ているのかと思ったユーノは声をかけようとしたが、なのはの肩が震えている事に気付いた。
ユーノ「・・・なのは、刹那の事なんだけど・・・」
なのは「・・・・っ」
ユーノ「僕は刹那と友達なのは変わらないよ。今まで通り接するし、これから何か変わるわけじゃない。なのははどうなの?」
なのは「・・・私は・・・」
なのはは、少し顔を上げ、ユーノの問いに答えようとするが、言い淀んでしまう。
ユーノ「あんな過去見せつけられただけで、なのはは刹那への想いを捨てるのかい?」
なのは「・・っ!?」
ユーノの衝撃的な言葉に、なのははガバッ!と顔を上げ、ユーノを見つめる。
なのは「あんな・・・過去・・・?」
ユーノ「うん。あんな過去。」
なのは「ユーノ君は・・!なんとも思わないの!?刹那君がすごく辛い過去を持ってて・・・!友達もみんな死んじゃって・・・!そんな辛い過去なのに・・・!!ユーノ君はなんでそんなこと言うの!?」
ユーノ「過去はどうやっても変えられない。」
なのは「・・・っ!」
ユーノ「僕達が頑張った所で刹那の悲しい記憶や過去は変えられない。例え、強力なロストロギアや魔法があってもね。そんなのなのはもわかってるでしょ?」
なのは「・・・・」
ユーノ「けどさ、変えられるものもあるんだよ?なのは。」
なのは「・・・変えられるもの?」
ユーノの言葉に疑問を持つなのは。
ユーノ「過去は変えられない。けどさ・・・
これからの事。つまり・・・【未来】は変えられるでしょ?」
なのは「あっ・・・!!」
ユーノ「過去は確定してるけど、未来は確定してるわけじゃない。幾つもの可能性があるんだよ。だったら、刹那が幸せになる未来だってあるはずでしょ?」
なのは「ユーノ君・・・」
ユーノ「僕だって、刹那の事を知って、何も思ってないわけじゃないさ。だったら、僕達が出来ることをやってさ、刹那に少しでも幸せになってほしい・・・この想いって間違ってるかな?」
ユーノはどこか照れ臭そうに頬を赤く染めながら答えた。
なのは「ううん!間違ってないの!私だって刹那君と一緒に幸せになりたいの!!」
ユーノ「・・・なのは、それって・・・そう言う意味でいいの?」
なのは「えっ・・・?あっ・・!?そ、そう言う意味じゃ・・・!」
ユーノ「違うのかい?」
なのは「うー・・・・ユーノ君のいじわるぅ・・・」
ユーノ「あはは。刹那も幸せ者だね。なのはやフェイト、アリサやすずか、それに、アリシアやセリカだって。色んな人が刹那と一緒にいたいって思ってる。刹那も気づいて欲しいけど・・・」
刹那に普通の感情を求めるのは難しいだろう。色恋沙汰についての鈍感さは筋金入りだろう。
なのは「それなら、わかってもらうまでみんなで一緒にいるの!」
ユーノ「なのは・・・」
その時、テーブルに置いてある、なのはの携帯がなる。手に取り、画面を見てみると、最近、連絡先に登録したフェイトから電話だった。
なのは「もしもし、フェイトちゃん?」
フェイト『あ、なのは?今、大丈夫?』
なのは「うん、大丈夫だよ?どうしたの?」
フェイト『えっと、なのはって刹那の家がどこにあるか・・・わかる?』
なのは「え?うん、わかるけど・・・」
フェイト『えと、なのはに電話する前に、アリサ達と電話しててね?私達で刹那の家に行ってみようって事になったんだ。その・・・話もしたいし」
なのは「え?それなら、学校で話したほうがいいと思うけど・・・」
フェイト『・・・学校にはあいつらがいるから・・・』
なのは「・・・そうだったね。あいつらがいたもんね。」
フェイト「姉さん達も、学校で話をするのは嫌だって言ってたし、刹那も嫌だろうから。」
刹那を毛嫌いする奴らが邪魔をしてくるかもしれない。確かに、その可能性は大いにある。だが、この二人は刹那に対する感情が強すぎるせいか、若干、周囲の他人に興味を無くしていった。
なのは「わかったの。私知ってるから、みんなで行こう!」
フェイト『本当?なら、みんなで刹那と話し合おう。ちゃんと・・・話し合って、刹那にもちゃんと味方がいるって事、わかってもらおう』
なのは「うん。わかったの。」
フェイトとの電話を終える。すると、ユーノが電話の内容を聞いてきたので、なのはは説明をすると、ユーノもついてくると言う事になった。
これが、刹那の転機となる・・・
刹那Side
刹那「・・・右腕は痛むが・・・ノートを取れないわけじゃない・・・魔法で治ると思ったが・・・傷が癒える様子はない・・・帝の持っていたナイフの影響か・・・?」
あれから刹那は医師と話し合い、即日退院となった。条件として、無理な運動などはできないと言われたが、あまり運動をしない刹那にとって、それは苦にならないものだった。
刹那「・・・気にしていても仕方ない・・・起きるか。ラグナ、頼めるか?」
ラグナ「おう。任せとけよ」
刹那はラグナに向けて右手を前に出す。ラグナは刹那の右腕に包帯を巻いていく。片腕の義手だけでは包帯を巻く事はできない。なので、ラグナや使い魔などに巻いてもらい、生活している。
刹那「感謝する。ラグナ」
ラグナ「別に気にすんなよ。にしても、治る気配がねぇな。帝のやつ、変なものでマスターに傷をつけやがって」
刹那「呪いのような物なのだろう。今は、体に支障もないから問題はない。」
ダブルオー「ですけど、何かあったときはどうするんですか?」
刹那「・・・・わからない」
刹那はいつもの通り、学校の準備をしつつダブルオーの質問に答えていく。その様子を、ラグナは不満そうな顔で見ていた。
ラグナ「やっぱり、行かなくていいんじゃねぇか?マスターは怪我明け、しかも右腕がまだ動かせねぇようなもんだろ?そんな腕見せたら、何されるかわからねぇぞ?」
刹那「だが、俺はまだ子どものような物だ。戦闘の事以外は何も知らない。学校に行けば、知識が身につく。」
ダブルオー「その代わりに、クラスメイトからの虐め・・・それでも、マスターは通い続けるんですか?」
刹那「ああ。」
刹那は痛みで、顔を歪めるがなんとか学校の準備を終える。
刹那「・・・行ってくる」
いつも通り、使い魔達に見送られながら、家を出る。だが、そこからはいつも通りではなかった。何故なら、目の前にはいるはずのない人物がそこにいたからだ。
「・・・・よう」
刹那「・・・お前は・・・」
刹那が家を出た後、なのはの家へと向かっていると、待ち伏せされていたのか、ある少年が現れた。その少年は、刹那を毛嫌いしていた少年だった。
刹那「・・・何か用か?」
「セイエイ・・・ノエルが見せたあの映像・・・あれ、本当のことなのか?」
刹那「それを聞いてどうする?」
「答えてくれ・・・頼む」
どこか縋るように懇願する少年。すると、刹那はため息をつき。
刹那「本当の事だ。あの時、帝はなのは達を・・・なんといえばいいのか・・・」
「・・・そうか。」
刹那「話はそれだけか・・・?俺はなのはの迎えにいかなければならないのだが・・・」
刹那は少し苛立ちを見せながら、少年に問い掛ける。
「後一つだけ・・・お前は・・・右腕を怪我して・・・人殺しと言われて・・・何でお前はそこまでして学校に通うんだ?」
刹那「・・・・何故・・・か・・・」
刹那「簡単な事だ。俺は、怪我を負うより、侮辱されるより・・・それ以上のものを知っているからだ」
「それ以上・・・?」
刹那「目の前で仲間を止められずに・・・殺された奴の冷たさを・・・仲間を目の前で失った辛さを・・・自分自身が無力だと言うことを・・知っているからだ」
「・・・っ」
刹那の瞳には光が失われていた。その瞳は何も捉えていない。ただ、無表情で淡々と、言葉を紡いでいた。その様子を見た少年は膝を震わせ、目に涙を溜めている。
刹那「貴様にはわからないだろう・・・わかるわけがない・・・」
刹那は歩みを再開し、少年の横を通り過ぎる。そして、刹那は通り過ぎる際、少年に向かって、囁いた。
刹那「お前達が何と言おうと、俺は貴様達を許すつもりはない」
そう言った後、刹那はなのはの家へと向かい、歩み続けた。
そうして、なのはを迎えに行き、家の前で待機行動に入った刹那。インターホンを押して、待ち続ける。桃子と最初に会ったが、何か違和感を感じ取った。どこか・・・刹那を気にかけているような・・・そんな感じだった。
刹那「・・・桃子の様子がおかしかったな・・・」
ラグナ「右腕を見られたからじゃねぇか?」
ダブルオー「恐らくそうでしょうね。マスターは気付いてないと思いますけど、なのはさんの家の中から、士郎さん達も気にかけていたようでしたから」
刹那「・・・・そうだったのか」
その後、なのはが刹那の元へと駆け付け、学校へと向かっていく。バス停でフェイト達と合流して、学校へと向かう道中。
なのは「そういえば、刹那君、今日って学校終わったら刹那君って何か用事とかある?」
刹那「・・・?特にはないが・・・」
なのは「なら、今日、刹那君のお家に行きたいの!」
刹那「・・・どうしてそうなる?」
フェイト「実は・・・」
刹那の疑問の声にフェイトが事情を説明する。説明の途中、刹那の表情が通常の無表情から、変わる事はなかったが、いつもの様子とは違う事を、なのは達は気づいた。
刹那「・・・つまり、俺の過去について話がある・・・と?」
フェイト「うん。学校だったら・・・あいつらがいるし、刹那だって嫌でしょ?」
刹那「・・・わかった。俺の家でいいなら・・」
刹那から了承を得た彼女達はお互いに顔を見合わせ、笑顔になる。
・・・何故そんなことで笑顔になる・・・?
刹那はその様子を見て、新たな疑問が浮かんだが、口には出さず、自分の心の中で考察をしていた。そして、学校に到着し、自分達の教室の扉を開く。
刹那「・・・」ガラッ!
「・・・・っ!!」
刹那「・・・おはよう」
刹那は軽く全員に挨拶をする。だが、誰からも挨拶は返ってこない。だが、刹那はある事に気が付いた。全員が自分の顔を見た後、顔を青くさせていたのだ。何故、そんな事になったのか、刹那は最初は疑問だったが、入院している間、ノエル達が来た時のことを思い出す。
刹那「あの時、ノエル達が説明をしたと言っていたが・・・それがここまでの影響を与えるとは」
ラグナ「言葉だけじゃなく、決定的な証拠まで見せつけたんだ。否定するにも、否定する側に決定的な証拠がねぇと、反論出来ねぇんだろうよ。」
ダブルオー「それに彼らも、何度もマスターに助けられてます。しかも目の前で、クラスの人を庇い、右腕を負傷したマスターの姿を。あれを見て、マスターを否定する人物は多分いないでしょう・・・」
刹那は席へと着席する。そして、恋愛小説を出し、読もうとしたのだが。
刹那「・・・っ・・」
右腕に痛みが走り、刹那は小説を落としてしまう。急いで拾おうと刹那は席をずらし、小説に手を伸ばそうとすると、そこには小説はなく、一人の少年が手に取り、刹那の方へ差し出していた。
「・・・ほら、セイエイ、お前の何だろ?」
刹那「・・・すまない・・・」
「傷は・・・大丈夫なのか?」
刹那「・・?問題はない。痛みはあるが、動かせないわけではない。」
「そ、そうか・・・なあ、セイエイ」
刹那「何だ?」
「そ、その・・・だな・・・」
刹那「・・・・・?」
刹那は疑問の視線を向ける。
刹那(一体この男は何がしたいんだ・・・?)
「・・・っ!すまなかった!!!」
少年は猛烈な勢いで頭を下げる。その動きに刹那は少し目を見開き、驚いた表情になっていた。
「俺は・・・お前の事を誤解していた!セイエイはそんな奴ではないはずなのに!!その行動にも何かしらの理由があったはずなのに!俺は・・・!」
刹那「・・・・・」
少年の謝罪に対して、何も喋らない刹那。すると、その場所に割り込んでくる人物がいた。
「今更・・・何言ってるのよ」
刹那「・・・アリサ?」
それはアリサだった。アリサは目を鋭くさせ、右手を強く握っている。明らかに怒っているのだと、刹那は感じ取った。
アリサ「今更!あんたは何を言ってんのよ!!今まで散々刹那を傷つけてきて!今更謝ったぐらいで許されるわけないでしょ!!」
「そんな事はわかっている!だが・・・」
アリサ「だったら!もう刹那に関わるんじゃないわよ!!あんたのせいで!刹那はこんな状況になってるんでしょ!あんたが刹那の何を知ってるわけ!?というか、急に態度変えてきてるんじゃないわよ!」
「いや・・・俺は・・・」
アリサの怒りの声に、なにも言い返すことができなくなっている少年。その様子を見て、更に全員の表情が青くなっていくのがわかる。
刹那「・・・そのくらいにしておけ。アリサ」
アリサ「刹那は黙ってて!」
刹那もアリサを止めようと声をかけたが、アリサの言葉に、刹那は驚愕する。すると、アリサの言葉に続くように、なのは達も声を上げた。
なのは「アリサちゃんの言う通りなの。今まで散々刹那君を避けたり、虐めたりしてきたのに、今度は、刹那君に謝るの?」
フェイト「それこそ今更だよ?謝ったり、刹那と話したり・・・色々、ここにいるみんなにできる事はあったはず。だけど、誰も刹那の話を聞こうとしなかった・・・そうでしょ?」
すずか「誰も刹那君に寄り添おうとはしなかった・・・ううん、怖くて近づけなかったんだよね?・・・」
アリシア「けどね、それは刹那君を傷つけた理由にはならないんだよ?言葉で刹那君を傷つけてきた・・・あなた達はどうしてそんな事ができるのかな?」
セリカ「わかりたくもないよ。簡単に人を傷つけられる人の方がやだって・・・・帝君に言ってた人がいたよね・・?」
「「「「「「それならあなた達も同類だよ」」」」」」
刹那に惚れている女性陣が、ハイライトを失った瞳で、クラスメイト達を見つめている。その瞳を見た、全員が彼女達に恐怖している。
なのは「これから先、ずっと。刹那君に二度と近づかないで。」
フェイト「もし、近づいてきたら・・・・わかってるよね?」
なのはとフェイト。二人の言葉にクラスの全員は体を震わせる。
刹那となのは達は、クラスメイト達との完全なる決別を選んだ。
刹那「・・・わかり合う事は・・・できない事もある」
わかり合う事もできない事がある。刹那はこの光景を見つめながら、そう呟いた。
ご愛読ありがとうございます。
はい。クラスのみんなとはわかり合う事ができませんでした。
この結末は皆様にとって嫌な気持ちになる人もいるかもしれません。ですけど、分かり合えず、障害となる可能性があると言う事です。
次回予告
クラスメイト達と決別した刹那達。学校を終え、刹那の家へとやってくる少女達。そして、運命の時は訪れる。
次回
魔法少女リリカルなのは〜半壊の天使に惹かれる少女達
「秘められた想い」
彼への想いは届くのか・・・
最新章で出す、ダブルオーの形態
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ダブルオーライザーまで
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ザンライザーまで