アズールタンペーン   作:まさ(GPB)

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タイトル通り。
これじゃない感あって中途半端だけど消すのも勿体ないので供養。


赤城が天城ちゃんを甘やかす話だったはずの物

 指揮官は目の前で繰り広げられている光景に頭を抱えていた。

 

「はい天城ちゃん、美味しいあんみつですよ~♪」

「はむ、んぐんぐ……」

「うふふ」

 指揮官の視線の先には、あまり見せる事のない柔らかい笑顔の赤城と、差し出された甘味を美味しそうに頬張る小さな天城――天城ちゃんがいた。

「むぐむぐむぐ」

「慌てなくてもあんみつは逃げませんよ」

「天城は慌てている訳ではありません。あんみつが美味しいせいです」

 赤城は、日頃から姉である天城を敬愛していた。その天城が療養の為に艦隊を離れていたある日、新しく艦隊に天城ちゃんが加わる事となった。

 それからというもの、赤城は天城が長い期間いない反動からか、天城ちゃんを甘やかしまくっていた。

「…………」

 それも執務室で。

「指揮官、まさか姉さまは今日もあの調子なのか?」

「ああ、そうだよ……」

 半ば諦めたように、加賀の問いに応じる指揮官。その答えを聞いた彼女も、やれやれと言うように首を振った。

「姉さまにも困ったものだ。だが――」

「ん……?」

「気持ちは分からなくもない」

 そう言って加賀はニヤリとする。

「お、おい、加賀……?」

「お前の気持ちも分かる。だが姉さまの気持ちも分かる。この意味が分からぬ指揮官ではないだろう?」

 彼女はそのまま赤城と天城ちゃんの元へ歩を進める。

「加賀もそっち側だったか……」

「ふふ、私も天城さんの事は尊敬しているんでな」

 ――なんでそれが天城ちゃんを甘やかす事に繋がるんだ。

 指揮官はそんな言葉が出そうになったのを飲み込んで、加賀が赤城の隣に腰を下ろすのを見て代わりにため息を漏らすのだった。

 

 それからしばらくして。

「指揮官、入るよ~」

「失礼致します、指揮官様」

 執務室の扉を開けて、二人のKAN-SENが入ってきた。

 これまた重桜に所属する軽巡洋艦の長良と巡洋戦艦の比叡であった。

「どうした、二人とも」

「えへへ、天城ちゃんにお菓子でもどうかなって思って、持ってきたの」

「私はそれに合うお茶でも……と思いまして」

 彼女たちはそう言うと、すぐに一航戦と天城ちゃんの所へと行ってしまった。

「二人もだったか……」

 指揮官は苦笑いを浮かべると、集まっている彼女らに目を向けて、本当に天城ちゃんは重桜のKAN-SEN達から愛されているのだなと実感した。

 ――方向性はちょっとアレだが……。

 あんみつを食べ終え、次は長良からのお菓子に手を付けている天城ちゃん。その様子を赤城、加賀、比叡の三人も微笑ましく見ている。

 ――まぁ美味しそうに食べるあの姿を見てたら、ああなるのも無理はない、か……? 

「ふふ、指揮官様もどうぞ」

 気が付けば、比叡が指揮官の分のお茶を持って来ていた。

「あ、あぁ。ありがとう」

 彼はお茶を受け取ると、何とも言えない表情で口を付ける。

「何かお悩み事でも?」

 比叡は分かってて聞いているのであろう事は指揮官にも分かった。

「……いや、なんでここなんだろうなって」

「ふふ。きっと赤城さんは指揮官様とも、天城ちゃんとも一緒にいたいんですよ」

 そう言われてしまっては、彼も強くは言い返せない。

「それに、ちゃんと赤城さんも秘書艦としてのお仕事もされているのでしょう?」

「そうだな……」

 実際、彼女の言う通り赤城はああして天城ちゃんを甘やかしながらも、仕事はきちんとこなしていた。それも完璧にやるのだから流石の一言に尽きる、というものである。

 指揮官の視線の先で、天城ちゃんを甘やかしながら笑っている彼女にとって、この時間は大事な息抜きなのだろう。

 ――恐らく、指揮官様が無理していないかとか、他の子達が指揮官様に言い寄って来ないかを見張る為とかあるとは思いますけど……それは言わない方がいいでしょうね。

 幾ら戦艦である比叡とて、余計な事を言って赤城に睨まれるような真似は避けたかった。

 ――とにかく。

「でしたら、指揮官様もご一緒に如何(いかが)ですか?」

 彼女はそう言って、指揮官に微笑みかける。

 それを見て、それから赤城や天城ちゃん達の姿を見た彼は、

「……分かったよ」

 と言って席を立つのだった。

 




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