ウェポンズサヴァイブ   作:ギルギルマシーン

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技とはーー
己の力を極限まで高め、敵を屠る為の力なり。
2大の技を元に今では数多くの技が発見されているが、その2大の技だけは解明されていない事が多い為、使用者にしか詳しい事はわからない。


#2 迷宮入り?

時刻 朝6:00

椿と葵、その他生徒達は轟音で目を覚ます事となった。

 

『ーーの声、拾壱の鉄槌…剣神。ふっ…!』

白衣に身を包んだ謎の人物は、校舎の壁を剣で一閃…すると轟音と共に校舎全体が歪み、再び元の形へと戻った。

「な、何事っ?!」

椿が窓を見ても謎の人物は見えず、残った物は今までとは何かが違う学校だった。

 

プルルルル…

突如として電話が鳴る、知らない番号だが出ておこう…

『おめでとう、君達は選ばれた。』「選ばれた…?」

"選ばれた"という単語に疑問しか浮かばない。

『そう。今から君達は攻略する側、他の皆はクラスで待っているから、頑張ってね』

ーー電話はここで切れた。攻略と言う事はこの学校はダンジョンにでもなったのか、そうでもなったら文字通り迷宮入りだ。だが不思議と嘘でも冗談でも無いと直感で感じ取った。

 

能天気に眠っていた勝矢を叩き起こして自分のクラスに向かおうとするが、門と同じ様に通れなかった。どうやら一年のクラスからクリアしなければいけない様だ。

 

4階 1-1教室前

「ここは入れるな…よし、行こう…」

部屋を開けるとそこは、昨日私と勝矢が戦った訓練室だった。

『ようこそ椿先輩、葵先輩。今日の朝からこの学園はダンジョンとなりました。貴方達は一つ一つのクラスを勝ち進めば屋上のマスターと戦う事が出来ます。』

「ふーん…やけにあっさり教えてくれるわね、どうせ殺すから教えたとか言うつもりでしょ?」

『ええ、お二人で来てもらって構いませんよ。僕には傷を付ける事も難しいでしょうから』

武器を構えて体勢を取る。不敵な笑みを浮かべた後輩の言葉は、現実となった。

 

「どうなってるのこれ…!」『さっきから攻撃が当たってはいるけど…ダメージが無い…』

勝矢の言う通り、あの後輩は弓を得意するが隙がある。

だがいくらそこに刀を振っても、矢を当ててもまるで虚空を相手にしている様に当たらない。なぜだ…と思っていると後輩が再び話し始めた。

『僕の能力、聖闘と言う(近接以外の技を無効化する)という効果でして』

なんだそのチートに片足突っ込んだみたいな能力、というか私は技なんて使えないし…勝矢の神弓も近距離では無い。

……詰んでいる、完全に。

気が緩んだ隙に矢が眉間に来ていた、間に合わないと思った瞬間に…昔、何処かで読んだ本の内容を思い出した。

 

ーーいいか政織、これは技と言って己の力を飛躍的に上げる技なんだ。でも…まだまだ謎が多いんだ。

私は使えなかったけど、政織ならきっと使えるはずだ

…技の名前はーーー

 

キィン!

『なに…?』『椿っち…!』

…自分でも驚いた、矢を切り落とせたのはともかく…思い出した。

幼少期に父から聞いた技、魔王。自らの内なる魔性を武器にし、思うままに振るう豪の技。

あの頃の練習が抜け落ちていなければ、きっと出せるはずだ…!

息を極限まで吸って肺の空気を入れ替え、聞き腕である右腕のみに全力を注ぐ。

連射された矢を弾き落としながら前進する。途中の捌ききれない矢は全て勝矢が撃ち落としてくれた。

間合いを詰めきった…今こそ放つ!!

「魔王の覇、壱の刃。鏖剣!」

『がはっ…?!』

フルパワーで右斜め上から心臓目掛けての一太刀、今度は虚空を斬る事無くしっかりとした手応えと共に後輩の体を斬った。

『馬鹿な……確かに勝てる…はず…だったのに……』

後輩の体が紫の炎に包まれると、その場から完全に消滅した。終わりは案外呆気ない物だ。

部屋を出るとそこは1-1教室の前だった、どうやらこのドアを境に空間が歪められている様だ。

「…一旦戻ろうか」『そうだね』

 

こうして1-1をクリアした二人は、疲れを癒やす為に倉庫へと戻った。

 

 

 

 




技の型辞典 上から順に強くなっています。
???
魔王
???
???
???
神弓
???
???
聖闘
???
???
???
???
???

次回 魔王なれど力のみに非ず

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