無と無限の落とし子(にじファンより移転)   作:羽屯 十一

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 ここでは長く空いた埋め合わせとして、使わなかったシーンとか、あと書くと言って忘れてたメドゥーサの化物体の出し方とかを書きます。


 読んでも厨二と言わないで……もうわかってるから。


幕間   おまけとちょろちょろ 9/1 少し追加

 

 

 シーン:黒川さん VS 兄貴

 

 

「しぃッやぁぁぁぁぁ!!!!」

「オラァァァァァァァ!!!!」

 

 ゴガァン!

 

 岩塊が衝突したような轟音。黒鉄の拳と深紅の呪槍がみしりと軋みをあげて競い合う。次の瞬間腕と槍は反発で弾け飛び、再び翻る間もなく残った手足が攻撃を続行する。打撃と見せかけて絡め取ろうとし、紙一重の見切りから石突きが雨あられと襲い掛かる。極短時間で数十を超え、百を数える猛撃が行き交った。

 面に見えるほどの連打から、僅かに突き放したと見るや槍が小さな円弧を描き鋭く足首を刈ろうとした。かと思えば見極め辛い肩や頭といった高い部位へ雷光が閃き、それを凌げば『速さこそが全て』と言わんばかりに滅多やたらな、世に有名な"三段突き"どころではない、五月雨突きが襲い掛かった。

 対して無手の達人は、鋼の腕のみならず(スネ)や足裏まで使って速射砲のように突き込まれる槍を払い除ける。決して正面から打ち合わず、常に直線の槍を横から当てて流した。大薙ぎは使わせない。ランサーも使わない。突きつけた穂先を逸らせば即座に踏み込まれ、その鉄拳で文字通り粉砕されるのはわかりきっている。そして決して攻撃はない。ひたすら払い除けながら進む。圧倒的に優勢な格闘距離に至るまで進む事こそがどんな一撃にも勝るのだと、鋼の意志で淡々と捌き、進む。

 

 手数と射程(リーチ)に勝るランサー。

 膂力と硬さに勝る黒川。

 正面からの戦いは、互いを得がたいつわものと知らしめる。

 かき回された空気が渦を巻いて吹き荒れる中、命を懸けて鎬を削る二人の口元に確かな笑みが浮かんでいた。

 

 やがて平面の戦いは神速の早駆けへ移った。

 最速たる脚に任せ、駆け、跳ね、木々すら足場としながら互いの隙を抉ろうと衝突を繰り返す。天地が目まぐるしく入れ代わり、上下左右を入れ替えながら鋼手と槍が噛みあう。踏み砕かれ、刃と殴打に吹き飛ばされた石くれ土くれに木片が散弾と化して所構わず撥ね狂い、薙ぎ払った。

 

 一閃、また一閃。

 暗い森で木々の合間にまばゆい花が咲き、焼けた鉄の匂いを残す。

 何合打ち合ったろうか? 熾烈な応酬の果てに互いの体勢がかすかに崩れた。

 ほんの僅かな、動くのに刹那の時間が要るといった程度。だがその隙を見事捉えるのが『英雄』で、人外の超人だ。

 双方共にこちらは避けられず、相手も避けられず。

 ならば?

 ならば、より早く叩き込む!

 シンプルな理論に基づき、捻じ込むように叩き込まれた拳と神速の一閃が、渾身の一撃どうしが交差する。

 

 コォォォォォン!

 

 中間で刃と拳はぶつかりあう。双方の力は互いの真芯を捉えた。そしてその一撃に全てを乗せていたからこそ、互角のぶつかりあい両者を大きく背後へ弾き飛ばした。

 鋼の四肢を苦にもせず、空中で身軽に体を捻る黒川。

 しかし中空に作った魔力の足場へ地面と横向きに着地した時、己の失敗を目にした。

 

 

 ランサーは同じように空中で身を捻る。

 着地?

 否。

 "攻撃"のために。

 

「ぐ、ぉお!」

 

 ミシミシと身体が軋む。

 吹き飛びながらの身体操作。渾身の激突の衝撃は決して軽くはない。いや、軽いどころか両手は痺れ、骨格が歪んだのではと思うほどの衝撃に身体は縛られていた。

 だが、今この時こそが勝機。

 押して無理矢理身を捻り、その中で己の得物である槍を手放す。空を泳ぐ槍。自身に比べて軽い槍は失速し、一足速く宙で沈み込む。そして、それを待ち受けたのは限界まで引き絞られた、槍兵の最速を支える『足』。

 

「――突き穿つ《ゲイ》」

 

 練り上げられた濃密な魔力が深紅の奔流と化して荒れ狂う。

 槍の石突きが槍兵の足の甲へ乗った。

 

 ――――我が槍、受けるがいい……!

 

「死翔の槍《ボルク》!!!!」

 

 

 

 

「ぬぁ!?」

 

 十メートルを刹那で飛来する深紅の閃光に、咄嗟にランサー目掛け飛ぶのでなく強引に地面へ向けて跳ねた。肩口を掠めて槍がゆき過ぎ、しかし因果を捻じ曲げた呪いの槍は、物理法則ではなく誤められた運命に従い異次元的な湾曲を繰り返し、

 

 どづっ

 

 狙い過たず心臓を貫いた。

 

 

 

 

 

※実は心臓と見せかけてたヌルの端末がぶち抜かれちゃった、という話。

 そもそも心臓無いからゲイボルグ発動しないと思う。

 

 

 

 

 シーン:説明

 

 

 魔術は確かに物理法則を無視して現象を顕す。しかしそれは決して世界の基礎たる規則を捻じ曲げているわけではない。それどころか規則に則ってすらいない。魔術とは過去に世界へ刻まれた魔術基盤を利用し、魔力を対価に相応の効力を貰い受けるだけの、言うなれば唯の取り引き。

 

 対して奇跡と称される魔法は別物である。世界の規則の一端に触れ、理解し、故に『規則に則って』ルールの力を振るう業だ。例えそれが常人にも魔術師にもどれ程理解し辛いものだとしても、それは確かに世界の規則に沿っているのだ(若干ながら、法の抜け道を通るような真似をしている部分もあるが……)。

 

 

 

 

 

 シーン:魔術協会とかに対して。『登場! 魔殺商会』

 

 

「伊織、出るか?」

「勿論だとも」

 

 直ぐ様の返事と共に、まったく突然に男が現れた。糊の利いた黒いスーツを着込んだ二十代の若い男だ。いや、影に隠れるようにもう一人小柄な女の子もいる。

 

「随分と楽しそうじゃないか。僕が出ないわけが無いだろう?」

「そう思ったから声をかけた。自由にやってくれ。期限はいつもと同じ、死ぬまでだ。それで良いか?」

「フン、十分だとも。なんと言ってもみーこがいないのは最高だ」

「そうか? 調子が出ないようなら呼ぼうかとも考えていたのだが……」

「呼ぶな! いいか、絶対に呼ぶなよ? あと最近主人への敬意に欠ける鈴蘭もだ!」

「分かった分かった。じゃ、時間になったらまた」

「ククク、あぁ、わかっているとも」

 

 うむり。相変わらずのようで何より。

 

 一つ手を振り、その場を立ち去る。

 何か背後から「軍曹、切って良し!!」という声とか、「了解であります、主さま!」とかいう声とか、あと何やら魂から絞り上げるような絶叫が聞こえてくるが、まあそれもいつもの事だ。うん、後でみーこさんに鈴蘭、リップルラップルとドクターも送ろう。さびしがり屋の伊織は喜んでくれるだろう。

 

 

 

 

※軍曹大好きです。そして伊織の時々なヘタレ具合もだいすき。

 

 

 

 

 

 

 シーン:謎

 

 

 ここは神殿だ。まぁ本当に神を奉る社というわけではないが、ようはそれに篭るのと同じくらい魔術師にとっての恩恵が大きいという事。

 

 

 杖を一振りする。

 遠見の鏡の向こう、足を踏み入れた侵入者達に四十二もの魔術的束縛が降りかかる。

 

 

 杖を一振りする。

 手足が萎え、思考が朦朧とし、体内の呪力を乱され、身動きができないよう石の縄で幾重にも縛られた侵入者達。いや、もはや判決を待つ罪人か。彼等の腰の高さで、部屋の空間が五十センチだけずれた。断面から飛沫上がる血液に空気までが赤く染まった。

 

 

 杖を一振りする。

 死体となった彼らを縛っていた呪式へ干渉する。魔力は一斉に飛散し、新たな命の下に死体へ染み込み、魔術的に徹底して破壊し駄目を押す。急速に消え行くオドを喰らい、魔術的な回路や概念を引き剥がし、最後は石造りの床を通って神殿へと還っていった。

 

 

 杖を一振りする。

 最後の命令により、奥の部屋から小鬼が駆け出してくる。鬼達はまだ暖かい死体へかぶり付き、血で喉を潤しつつ脂肪と臓物に舌鼓を打つ。

 

 

 

「こんなところか」

 

 神殿としての迎撃機能は始めて使ったが、どうやら上手く働いているようだ。ぶっつけ本番で使うのは良くないのだが、まぁタイミングが良かったって事で。一つ頷いて部屋を出る。食材の用意と下拵えをしなければ、今晩の夕飯が悲しい事になってしまう。部屋から出る前、鏡の向こうで小鬼が切り取った頭を逆さに抱え、首から手を突っ込んで灰色の脳味噌を掻き出し、満面の笑みでしゃぶっているのがチラリと見えた。

 

 

 

 

※使うかもわからないまま、思いつきで書いてた部分ですね。何気に空間ズレが凶悪。外部から力をかけ、作用として起こすズレだから対魔力とか関係無しか考えてたり。

 

 

 

 

 シーン:同じく謎

 

 

「なぜ“抑止の守護者”と呼ばれるかわかりますか? それは彼らが世界と霊長類の守護者であり、その絶対的な力でもって抑止力となる存在だからです。抑止力とはその巨大な力をもって戦えば死ぬと示し、それをもって抑制するからこその【抑止力】。 守護者は必ず世界の敵を絶対的に上回る規模で現出します。勝てるかもしれない、勝てる可能性が一パーセントでもあるかも知れない、そんな生温い存在ではないんですよ」

 

 

 

 

 

 シーン:衛宮との会話

 

 

「ならば問いかけよう、衛宮士郎。

 聖杯を破壊し、聖杯戦争そのものを終わらせるか?」

 

「当たり前だ。こんな殺し合いで願いを叶えようなんて、誰が何と言おうと絶対に間違ってる」

 

「うんうん、打てば響くような反応だな。

 だがまぁ、俺はこてこての正義の味方ってイメージが『大嫌い』なんでね。

 少しばかり、ものの裏側ってヤツを教えてやろう」

 

 二つ並んだ怪訝な顔を尻目に、底意地の悪い笑いを浮かべて喋りだす。

 

 

「汚染され、現在の自我を持った聖杯。その原因は第三次に召喚された“絶対悪”の因子を持つサーヴァントだ。彼は英霊として呼ばれたが、別に英雄というわけではなかった」

 

「……どういうことだよ? 英霊のいる『座』は、そもそも英雄だから招かれるんじゃなかったのか?」

 

 そう。

 それは当たり前の疑問だろう。

 

「まぁ最後まで聞け。

 男は確かに偉業こそ成し遂げたが、それは彼自身が何かしたわけじゃはない。彼の一生は、土着の宗教か何かか、とにかく生まれた時から全ての悪の原因とされて閉じ込められ、ただひたすらに苦痛と闇ばかりを与えられ、日の目を見る事さえ無く死んだだけの、それだけの事だったんだから」

 

「ちょっ、ふざけるな! なんだってそれが偉業になんかなるんだ!?」

 

 激昂する衛宮少年。

 彼にしたら正義の味方を目指す身として、悲惨な彼の人生はとても偉業と納得出来る物ではないだろう。

 まぁ当の本人も、衛宮少年にそのように憤られても、彼自身、自分を悲惨と思えるほどの経験があったとも思えんが……。

 

「偉業ってのは、彼の苦痛と彼が死んだこと、それそのものの事さ。

 全ての“悪”とされた事でそれ以外を救い、死んだことで全ての“悪”の滅びを演出し、村という閉鎖された一つの世界を救った。

 結果、彼は世界を救った英雄として“絶対悪”でありながら、英霊として座に招かれたわけだ」

 

 はたから見れば残酷な話に士郎もセイバーも絶句した。

 

「そん、な…、そのような英霊がいるなど……」

 

「おや、仮にも王様として国を切り盛りしてたお人が何を驚いて? 綺麗事じゃ回らん事など良く知っているだろうし、その手で似たような事など幾らでもしてきただろう?」

 

「ぐっ…」

 

 小さな呻きが、指摘が的を射ていたことを知らせる。

 そもそもだ。

 清廉潔白で高潔な騎士の道と、詐術謀術を張り巡らし、切るべきを切って救うべきを救う、その選択を担う王の道はどう考えても重ならない。

 

 考えてみれば、そこらへんが明確にアーサー王の人気と後の失落を表しているのかもしれない。そんな気がする。

 

「王なら『必要悪』など馴染み深いものだろう? いちいち小うるさく騒ぐな。

 

 ――だが衛宮士郎、お前(正義の味方)が倒そうとする聖杯(悪)はそういう物だ。間違いは無い。何せ、世界その物がアレは“悪”であると認めているのだから」

 

 一つ息をつく。

 徐々に頭の芯まで理解が染み込んでいく表情を眺めやり、鼻で笑い嘲りながら言葉の刃を突き立てる。

 

「さて。

 改めて、衛宮士郎に問おう。

 

 あの罪科(つみとが)の無い男が宿る聖杯を、お前(正義の味方)はあってはならない物("悪")として破壊(殺害)するのか?」

 

 それは抉る言葉。

 彼の否定した弓兵が、かつて幾度も選び、その心を磨耗させた猛毒の選択。

 

 一人を切って多くを救うか、多くを切って一人を救うか。

 『選ぶ』という行為の天秤に“他者の命”という錘が乗せられた時、彼はその天秤を傾け、支柱を支える事が出来るのだろうか。

 

 

「おいおい、悩む時間なんて欠片も無いぞ。

 今すぐどちらか選ばなきゃ、それほど迷う大切な両方を共に失う事になる」

 

 

 

 

 

 シーン:セイバー

 

 

 セイバーの胸中を、かつての敵より告げられた言葉がよぎる。

 

『なぁ小娘よ。いい加減にその痛ましい夢から醒めろ。さもなくば貴様は、いずれ英雄として最低限の誇りさえも見失う羽目になる。―――貴様の語る“王”というユメは、いわばそういう類いの呪いだ』

 

 我が絆こそ至高の宝具と高らかに謳い、誇った巨躯の“王”。

 

 その在り方へ覚えた、心からの羨望。

 

 かけられた言葉に覚えた、焦りにも似た感情。

 

 

(あぁ)

 

 いけない。そう弱弱しく叫ぶ理性を裏切り、心が膝を折る。

 

(たしかに、これは呪いだ)

 

 

 手の平から幻想の結晶たる黄金の剣が零れ墜ち、地にぶつかって澄んだ音を立て、ガラスのように儚く砕け散った。

 

 

 

※せいばー は 現実を知り 地に足が着いた考え方 を おぼえた。

 幻想の結晶 は くだけちった。

 

 

 

 

 

 シーン:よくわからない無双

 

 

 直剣を扱ったことは無い。勿論、知恵の実にて得た知識の中にはある。だがそれは自在に扱える事とは全く違うのだ。ああいった武術とは幾度も幾度も繰り返される鍛錬の中で身体に覚えこませ、脊椎反射のレベルで動きが出る状態を目指す。それだけ難易度が高いのだ。

 俺の場合はそこを誤魔化す。

 加速した意識で思考し、刹那の瞬間を意識的に操作する事で無窮の武錬を再現する。

 

 直剣を掴んだ腕を柔らかく、鞭のようにしならせ切りつけた。剣先が光の閃きとなって弧を描き、迎え撃つ剣とぶつかる。火花を散らして弾かれ合い、鋭く翻っては噛み合う殺意。ステップを細かく速く、身体全体を柔らかく。力(りき)んで力を込めるより、スピードをこそ優先する。

 閃光が連続して奔り、その先で幾つもの火花が咲く。

 大気の壁を乗り越えた剣先が衝撃波を生み、竜巻じみた暴風圏を作り出す。

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!」

「ああああああああああああああああああっっっ!!!!」

 

 加速

 加速

 加速

 

 何処までも貪欲に速度を上げていく。まだ目の前の敵を切り刻むには足りないと。まだまだ足りないと。

 

 袈裟切りに切りつけ、一文字に切られ。

 剣を絡めて腕を裂き、弾き飛ばされ脚を割られる。

 

 砕けた互いの剣気が飛散し木々と大地を抉り、暴風の如く荒れ狂うキルゾーンから鮮血が血霧となって吹きすさんだ。

 三度鋭く奔った剣閃。

 ひとつふたつと弾き、三つ目を押さえる様に流しながら地面に突き立てる。隙。踏んで動きを止めつつ蹴りを叩き込む。軽鎧の腹部に突き刺さる。めり込ませた足を地に下ろしざま、そのまま両断せんと横一文字に薙ぎ払った。が、辛うじて敵は得物を体の前に滑り込ませる事に成功する。

 かまわない。

 剣を野球のホームラン打者ばりに力任せのフルスイング、強引に振り切る。

 剣にあるまじき扱いに、黄金の剣が折れそうな軋みをあげて震えた。

 代わりに敵がまるでフルスピードの車に撥ねられたように、景気良く空中へ撥ね飛ぶ。あれだけの衝撃で獲物を手放さない根性を称えるべきだろうか? だからといって容赦はせんが。

 

「エクス」

 

 勢いに任せて一回転、なぎ払った刃は下段へ。

 追う必要も無し。それで追撃の準備は済む。

 背に回された黄金の剣身は投げ与えられた魔力を貪欲に飲み込み、吐き出された光芒が剣身に収束、傲慢不遜な輝きを放っている。

 

 

   『――天 剣 技――』

 

 

 ひとつ踏み込みながら、もはや光の柱となった聖剣を逆袈裟に振り上げた。

 

 

「カリバー」

 

    『――霞 桜――』

 

 

 

※なんかスゴイことになりそう。レーザー五月雨切り。宝具って一工夫いれると有用性が跳ね上がるんじゃ? という思いつき。

 

 

 

 

 

 

 設定:メドゥーサの変身設定

 

 《鮮血神殿》と対になる宝具、魔眼を封印するのに使用していた《暗黒神殿》ですが、アタラクシアの方で原型がメドゥーサの首を包んだ『キビシスの袋』であり、裏表をひっくり返すというのを概念的に"外"と"内"を入れ替えるとかけた宝具とかなんとか……たしか。

 ですので、サーヴァントという枠に填められた外側を"外"と、核として内にある魂、その本来の姿を"内"として『キビシスの袋』でひっくり返した、という強引設定でした。

 

 他もそうですが、原作の知識がうろ覚えという点で確証の無いまま思いつき設定が氾濫しています。悩ましい……

 

 

 

 

 

 

 

 データ:未登場サーヴァント

 

 

【クラス】アサシン

【マスター】黒川冬理

【真名】赤神楼樹《アカガミ・ロウキ》

【性別】男性

【属性】中立・善

【筋力】 C 【魔力】 E

【耐久】 A  【幸運】 B

【敏捷】 A+ 【宝具】 A+

 

【クラス別能力】

 

■気配遮断:A+

最高ランクの気配遮断能力。

完全に気配を絶てば発見することは不可能に近い。ただし自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

 

 

【保有スキル】

 

■殺しの才能《センス・オブ・マーダー》:EX

アサシンが生まれ持った唯一の才能。

彼の全ては『他者の殺害』に適合している。

他者への攻撃という一点において“どうすればいいか”を本能的に選択するスキル。

 

 

【宝具】

 

■逃れられぬ死神《アンノウン・テラー》

ランク:C

種別:対軍宝具

レンジ:1~99

最大補足:7000人

一週間で一国の軍隊七千名中、約千名を暗殺し、化物、死神と恐れられた逸話の具現。

気配遮断スキルにおける攻撃時のランク低下を防ぎ、さらに殺害した対象を核として、同陣営に『恐慌』の精神汚染を伝播させる。ただしサーヴァントクラスには通じない。

また、翻って民衆には革命の英雄と称えられた事から、精神汚染の伝播と同時に自軍に対して士気高揚、ダイス補正の恩恵をもたらす。

 

 

■凶器を選ばず《マーダー・オブ・ウェポン》

ランク:C

種別:対人宝具

レンジ:―

最大補足:1

手にした物に最低限の神性を付与する宝具。

彼は生前の戦いにおいて、ほぼ全ての武器をその場や敵から調達した逸話から。

ビンの破片などにもEランク相当の神性を与え、敵の武装の場合は二ランクダウンした能力で彼の支配下に移る。それらは常時発動以外の能力を行使できない。

 

■ケモノガリ

ランク:A+

種別:対人宝具

レンジ:1~50

最大捕捉:1人

赤神楼樹が生前名乗った呼称であり、彼の象徴と言うべき宝具。

『クラブ』と呼ばれる"マンハント"を目的とした権力者の集まりが、娯楽として開催した"狩り"と呼ばれるマンハント・ゲームに巻き込まれた事を契機に、世界中の『クラブ』参加者を人ではない"ケモノ"とし、それを逆に狩り殺す"ケモノガリ"として駆け抜けた生き様の具現。

悪の属性を持つ存在、民衆に対しての弾圧や、殺人に悦楽を覚えるといった一般常識と照らし合わせて悪逆とされる存在に対し、因果律を操作し殺害権を得る。もっとも権利を得るだけで、実際に殺害するには自身の行動で成さなければならない。つまり殺害目的で攻撃を加えない限りまったく意味の無い宝具。逆にそのため異様に燃費が良く、A+という破格のランクでありながら負担がほとんど無い。

この宝具によって改変された死の運命から逃れるには、同ランク以上の運命操作による干渉が必須。

 

【武具】

 

■無銘(ククリナイフ)

ランク:C

マンハント・ゲームにて『クラブ』側の施設から奪った大型鉈。

銘は無いがかなりの業物で、以後彼の腰に下がる事となる。

無銘に関わらずランクが高いのは、ひとえにこの刃によって命を断たれた人数が並々ならぬ数であるため。

 

■無銘(弓)

ランク:E

敵から奪った木製の強弓。

彼と同じ才能を持つマンハント側の"娯楽提供者(エンターテイナー)"『ロビン・フッド』の作成した、ロビン・フッドの魂が宿るという弓。魔術的な仕掛けなどは無く、自己暗示とトランスによって高性能ライフルを上回る性能を発揮した。

が、彼の手に渡ってからはたんなる弓として活用された。

 

 

 

※ガガガ文庫出版『ケモノガリ』より、主人公の赤神さんを。

 遠野志貴と重なるキャラクターですね。この方は才能開花前は一般人でして、固有スキルなんぞといった上等な物は一つしか持ち合わせてません。なにせ他の才能無いですから。

 宝具は補助型メインで。

 ご大層な真名開放とかありません。なんせ暗殺者ですから。

 一見して色々と強そうに見えるんですが……実はまともな攻撃系が一切無く、悪辣な敵以外は暗殺するか『たたかう』コマンドかだけで勝たなくてはいけません。あな恐ろしや。総合的に見てとてつもなく"死に辛い"サーヴァントですね。さりげなく魔力が底をついてますが。

 

 ろくでなしには天敵とも言える無類の強さを発揮する反面、英雄らしい英雄には決定打を持たないという、聖杯戦争には向かないサーヴァント。特にセイバーのような高レベルの直感スキル持ち相手は暗殺が難しいことから、極めて勝率が低い。マスターを狙えばいいけど、それも対象が良い人属性だと本人的にNG。

 

 


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