最終下校時刻のチャイムが鳴り。部活をやっていた生徒達が帰り始める。
今日の部活は最悪な雰囲気だったな…。今後あの部活が、続けられるのか心配になってきたぞ。
…別に俺は奉仕部が無くなっても構わないけど……いや、大歓迎なまである。
そんな事を、頭の中でブツブツ言いながら玄関から出て、駐輪場に向かう。
「お、来たか」
「何でいるんだよ…」
駐輪場に着くと、俺より先に部室を出たはずの雨矢上がいた。
「いや、途中まで一緒に帰ろうと思ってな」
「何でだよ…。俺は早く帰って、録画したアニメを見たいんだが」
「録画なら何時でも見れるだろ?」
「母親みたいなこと言いやがって……。分かったよ途中までだからな」
「おう」
日が沈み。春と言ってもまだ寒い橙色に染まる街の中…。目の腐った男子高校生が二人並んで歩く……これなんてBLゲーだ?
……そして静かだ。静かなのは好きだが、こういうの気まずい静かさは正直苦手だ。てかコイツ全然喋らねえな…。
俺から話し掛けてみるか…。
「なぁ雨矢上」
「ん、何だ」
「何で、雪ノ下を怒らせる様な事を言ったんだ…?」
「それと、何で素の状態で来たんだ?」
「俺は別に雪ノ下を怒らせるつもりは無かった……が」
「が?」
「雪ノ下の…あの自分以外の人間を見下している様な感じが、気に入らなかった。だから、雪ノ下が嫌いな事を言ったんだよ…」
「そう…か…」
雨矢上の言う事は分かる。俺も、雪ノ下の人を貶す様な態度は気に入らない。
だけど俺は…、自分の価値観と雪ノ下の価値観が似ているからか、雪ノ下を嫌いになれない…。
「嫌いな事を言ったと言っても、あれが俺だからな。あそこで嘘つけば、それこそ雪ノ下の嫌いな事だろう?」
「まぁ、どちらにせよ、俺は雪ノ下に嫌われていただろうな」
「お前…、よくそんな平気でいられるな。俺だったら気まずくて、明日から部室に行かないまであるぞ…」
「まぁ、慣れてるしな。どうって事ない。それに、比企谷が今言ったように、明日からは部活サボればいいしな」
「いや、やめとけ」
「ん?何故だ」
「平塚先生がそんな事を許すと思うか?」
「………許す訳無いな」
「その…まぁ、頑張れよ」
「そうそう。平塚先生と言えばな。俺が素の状況だったのは、平塚先生に『素の自分のままでいいぞ』って言われたからなんだよ」
「へぇ…平塚先生らしいな」
あんなんでも、ちゃんと俺達の事を理解してくれているしな…。 暴力がなければなぁ…。
「なんでだろうな。俺みたいな生徒を見た事があるのか…?」
「さぁな」
そこから暫く経ち。
「それじゃ、俺はここで」
「おう、またな」
「おう」
雨矢上に別れを告げ、自転車に乗って家に向かう。
数分後。家に着き、何度も開けた玄関の扉を開ける。
何時もより家に帰る時間が遅くなったな…。まぁいいか。
「たでーまー」
「あ!お兄ちゃんおかえりー!」
玄関を開けるとリビングから、愛しの我が妹小町が出て来きて、おかえりの声を掛けてくれる。小町ちゃんマジ天使。
「お兄ちゃん今日は帰るの遅かったね。何かあったの?」
「何もねぇよ、途中まで友達(?)と歩いて帰ってたから遅くなっただけだ」
「何で(?)が付くのさ……ってえぇ!? 友達!? お兄ちゃんが?!」
「そんなうるさく驚くなよ…ご近所迷惑でしょうが…」
「誰?! 誰?! 女の子?!」
「聞いちゃいねぇ…。覚えてるか? 昔家族ぐるみで遊んでいた雨矢上って奴なんだが」
「…え?」
「ん?」
「それ……本当?」
「嘘つく意味がねぇだろ」
「前に帰り遅かった時あっただろ?」
「うん」
「あの日、偶然雨矢上に会って話してたから遅くなったんだよ。話聞くまで雨矢上の事思い出せなかったけどな」
「何で教えてくれなかったの!!??」
騒いだり驚いたり怒ったり忙しい奴だな…。
「いや、なんだ。別に教えなくてもいいかなと…」
「信じらん無い! お兄ちゃんそういう事直した方がいいよ! それと! 普通そういうのは覚えてるものだから!」
小町はそう言うとそのまま部屋に閉じこもってしまった…。
「あの…小町さん? お兄ちゃんの晩飯は…?」
「知らない!! 作ってあるから適当に食べて!」
「はい…」
最近ハイポーションの動画にハマっています。あの馬のマスク、イカしてますよね。
という訳で(どういう訳だよ)12話でした。