ここでようやく回想が終了する。
「えー、もう皆知っているだろうが。今日このクラスに転校生が来る。入りたまえ。」
先生の合図で教室の前の扉が年季の入った音を立てながら開かれて、転校生が入る。と、同時にクラス内がどよめく。
周りからそこそこイケメンだーとか、愚腐腐腐やら色んな声が聞こえる。 いや、うるせぇよ…そんな騒ぐな…。
……ん? 葉山だけ妙に落ち着いているな…?
「皆静かにしろ!」
先生の一言で皆静かになる。流石平塚先生。てか、声がでかいよ先生…。だから結k……何でも無いです。
「では、皆に自己紹介してくれ」
雨矢上は先生にそう言われると、黒板に自分の名前とふりがなを、リズムよく綺麗な字で書く。そして笑顔で—
「永和学園から転校して来た、雨矢上善光です、宜しくお願いします!」
すげぇ…完璧な仮面だ…。
そういえば、読者の皆様には雨矢上の外見の話しはしてなかったな。まず、顔で言うと自分で言うのもなんだが、俺と同じぐらいだな。
誰かそこそこイケメンって言ってたから、俺、もしかして目を何とかすればイケメンになるのでは?! ……なんてね。(ジト目)
後は…髪が少し赤みがかってるくらいかな? 確か地毛だった筈。
と言うかお前、なに普通の自己紹介してんだよ。詐欺師の自己紹介して、クラスがどんな反応するのか見たかったんだけど…。まぁ、大体どうなるか予想つくけど…。
……まぁあれだよな、ラノベとかは表紙絵や挿絵とかあるお陰で、見た目の説明とか必要無くて済むけど、こう言う場所ってのはそう言うのが無いから、説明するのが大変ではあるよな…、文字数稼げるからいいけど…。
やはり絵師は偉大だな。
……俺は何を考えてるんだ?
「では雨矢上、何か一言あれば」
「はい」
「転校したばかりで色々分からない事とかあるけれど、宜しくお願いします」
「だそうだ、皆仲良くしてやってくれ」
「先生俺は何処の席に座れば?」
「あー…そうだな、あそこの席に座ってくれ。今日からあそこ席が雨矢上の席だ。それと、席替えとかは基本無いから」
「分かりました」
平塚先生はそう言うと、教室の一番後ろの列の、扉から二番目の誰も使ってない席を指差した。
雨矢上は、平塚先生の指示に従い席に座る。
もともとそこの席になるとは思っていたけど、いざ座られて見ると近い。
歩いて来る時、葉山の方をチラッと見た気がしたけど…気のせいか?
「——以上でHRを終了だ」
HRが終わって、またクラス内が騒がしくなる…。
授業までまだ時間あるし、音楽でも聴くか…
「そうだ、雨矢上」
「はい、何ですか?」
「部活についてなんだが、入る部活は決めてたりするのか?」
「いえ、まだ決めてません。一応、全部の部活を見学するつもりでいます」
「そうか、見学するなら顧問の先生に許可を取ってからするといい」
「分かりました、ありがとうございます」
「うむ。では、授業頑張れよ」
ん? 葉山が雨矢上に何か話しかけてるな…。俺は音楽を聴いてるし、周りも騒がしい。少し気になるし嫌な予感がする…。
まぁ、別にいいか、俺には関係無い……無いのか? 時間は随分立っているが、俺の友達だ。
俺ガイル十四巻。青春の最後を見るのが怖くて全く読めてません。